JPH0325628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、特に車両用座席に多用されるリク
ライニング装置に関し、さらに詳しくはシートバ
ツク側のアームが軸支されるベースプレートの改
良に関する。

従来の技術 この種のリクライニング装置として例えば第４
図に示す構造のものがある。これは従来周知の構
造のものと異なり、ベースプレートが直接車体フ
ロアに支持される構造のものについて例示してい
る（例えば実願昭59−81295号、実開昭60−
191239号公報参照）。

第４図において、１は車体フロアに固定される
ベースプレート、２はベースプレート１の側面に
設けられたホルダープレート、３はシートバツク
S_b側に取り付けられ、かつベースプレート１とホ
ルダープレート２とによりいわゆる両持状態で回
動可能に軸支されたアーム、４は操作レバーであ
る。

そして、操作レバー４の回動操作により、ベー
スプレート１とホルダープレート２との間に介装
されたリクライニング機構のロツク状態を解除す
ることでアーム３の回動が可能となるものであ
る。

ところで、ベースプレート１は前述したように
車体フロアに直接的に固定されてシートバツク側
に作用する荷重を負担するものであるから、第５
図にも示すように車体フロア等の着座面Ｆに対す
る着座部として、プレート本体１ａから水平方向
にほぼ直角に一対の脚部１ｂ，１ｃを折曲形成し
てある。そして、プレート本体１ａと脚部１ｂ，
１ｃとの折曲コーナー部に補強用のリブ１ｅをそ
れぞれ形成してある。

考案が解決しようとする問題点 上記のようにベースプレート１は、プレート本
体１ａの下部の互いに向きを異にする一対の脚部
１ｂ，１ｃを折曲形成したものであるため、双方
の脚部１ｂ，１ｃの間にいわゆる切欠部のような
不連続部Ｐが形成されることになる。しかも、リ
ブ１ｅが形成されてはいるものの、双方のリブ１
ｅ，１ｅ同士は連続性がないために不連続部Ｐで
の強度が十分でない。したがつて、不連続部Ｐに
おいていわゆる切欠効果により応力が集中し、該
不連続部Ｐからプレート本体１ａに向かつて亀裂
が生ずるおそれがある。

本考案は、前述した補強用のリブの形状を改変
することによつて双方の脚部の間の不連続部での
強度の向上を図ろうとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案においては、前述したようにシートバツ
ク側に取り付けられるアームを、例えば車体フロ
ア等の着座面に固定されるベースプレートに対し
回動可能に軸支してなるリクライニング装置にお
いて、前記ベースプレートは、プレート本体の下
部をその表裏両面側にほぼ面直角のかたちで折曲
形成することにより、互いに逆向きの一対の脚部
を形成してなり、さらに一方の脚部の表面からプ
レート本体の表面または裏面を経て他方の脚部の
裏面に連続するビード状のリブを形成している。

つまり、前述した脚部同士の間の不連続部を囲
繞するような配置のもとに、プレート本体を通つ
て一方の脚部から他方の脚部へと連続するビード
状のリブを形成する。

作 用 以上の構成から明らかなように、リブの連続性
により前述した不連続部でのいわゆる切欠効果が
相殺され、不連続部での強度が補われる。その結
果としてベースプレートの強度の向上が図られ
る。

実施例 第１図〜第３図は本考案の一実施例を示す図で
あり、先に説明した従来例と同一部分には同一符
号を付してある。

第１図〜第３図に示すように、ベースプレート
１１は、プレート本体１１ａの下部を二分割して
その表裏両面側にほぼ面直角のかたちで折曲形成
することによつて、互いに逆向きの一対の脚部１
１ｂ，１１ｃを形成してある。したがつて、双方
の脚部１１ｂ，１１ｃ同士の間には折曲加工の特
殊性として切欠状の不連続部Ｐが形成される。

そして、不連続部Ｐを同心状に囲繞するような
配置のもとに、一方の脚部１１ｂの表面からプレ
ート本体１１ａの表面を通り、さらに他方の脚部
１１ｃの裏面に連続する円弧ビード状のリブ１１
ｅを印圧形成してある。

尚、１１ｆは一方の脚部１１ｃとプレート本体
１１ａとの折曲コーナー部に形成された補強用の
リブ、６は各脚部１１ｂ，１１ｃに形成されたボ
ルト穴である。

このように構成されたリクライニング装置にお
いて、ベースプレート１１は前述したように強度
部材として機能するものであるから、アーム３が
受ける荷重をそのまま負担することになる。この
場合、不連続部Ｐがリブ１１ｅで囲繞されている
ため、従来のような不連続部Ｐでのいわゆる切欠
効果による応力集中は上記のリブ１１ｅによる補
強効果で相殺される。その結果としてベースプレ
ート１１全体としての強度が向上する。

考案の効果 以上のように本考案によれば、双方の脚部の間
の不連続部が、一方の脚部からプレート本体を通
つて他方の脚部に連続するリブによつて補われる
ため、不連続部でのいわゆる切欠効果による応力
集中が回避され、ベースプレート全体の強度が向
上して亀裂の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面説明図、
第２図は第１図のベースプレートの要部斜視図、
第３図は第２図の−線に沿う断面図、第４図
は従来のリクライニング装置の側面説明図、第５
図は第４図のベースプレートの要部斜視図であ
る。 S_b……シートバツク、Ｆ……着座面、Ｐ……不
連続部、３……アーム、１，１１……ベースプレ
ート、１ａ，１１ａ……プレート本体、１ｂ，１
ｃ，１１ｂ，１１ｃ……脚部、１ｅ，１１ｅ，１
１ｆ……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツク側に取り付けられるアームを、所
   定の着座面に固定されるベースプレートに対し回
   動可能に軸支してなるリクライニング装置におい
   て、前記ベースプレートは、プレート本体の下部
   をその表裏両面側にほぼ面直角のかたちで折曲形
   成することにより互いに逆向きの一対の脚部を形
   成してなり、さらに一方の脚部の表面からプレー
   ト本体の表面または裏面を経て他方の脚部の裏面
   に連続するビード状のリブを形成したことを特徴
   とするリクライニング装置。