JPH0324729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、床、天井あるいは壁等のクリアラン
スを被覆結合する目的に用いられる歪追従性に優
れた施工容易なエキスパンシヨン・ジヨイントカ
バーに関する。

［従来の技術］ エキスパンシヨン・ジヨイントカバーは、長大
または複雑形状の建造物を構築する場合、荷重、
外力、材質の膨張、収縮、基礎地盤の沈下もしく
は地震などに起因する建造物間の種々の変動を吸
収し、応力の伝達を防止するための建築部材とし
て従来より種々の構造のものが使用されている。

然し乍ら、この種の目的に使用されるエキスパ
ンシヨン・ジヨイントカバーは、機能的に前記諸
変動に対する円滑な追従適応性が要求されるた
め、構造が複雑になり、現場作業が多くなつて施
工性が劣る場合が少なくなかつた。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は上記問題に鑑みてなされたものであ
り、荷重、外力、材質の膨張、収縮、基礎地盤の
沈下若しくは地震などに起因する構造物間の種々
の変動を吸収し、応力の伝達を防止する上記の要
求機能を満足し、複雑かつ大きな変形力に対して
充分円滑な追従適応性を発揮すると共に、簡単な
構造で施工性に優れたエキスパンシヨン・ジヨイ
ントカバーを提供することを目的とするものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 即ち本考案に係るエキスパンシヨン・ジヨイン
トカバーは、側面軸方向に開口角度を持つ切欠ス
リツトを形成した軸受部を備える固定フランジ
と、前記切欠スリツトを介して遊嵌するアーム軸
心部を備えるスナツプロツク式アンカーと、該ス
ナツプロツク式アンカーと係着する爪状フツクを
備えるカバープレートからなるパーツ部材によつ
て構成し、上記スナツプロツク式アンカーのアー
ム軸心部を前記固定フランジに対して切欠スリツ
トの開口角度範囲で回動しカバープレートを係着
するスナツプロツク式アンカーを、固定フランジ
に対して揺動自在に枢設することを要旨とするも
のである。

［作用］ 上記構成のエキスパンシヨン・ジヨイントカバ
ーは、スナツプロツク式アンカーのアーム軸心部
が固定フランジの軸受部に形成した切欠スリツト
の開口角度範囲で回動するため、該固定フランジ
に対してスナツプロツク式アンカーが揺動自在に
軸着されている。

従つて該スナツプロツク式アンカーに係着した
カバープレートも揺動するようになり、該カバー
プレートが構造物間の垂直変動に対して揺動し、
安定した追従性を示す。

また上記構成のエキスパンシヨン・ジヨイント
カバーは、施工に際して、構造物の一方の角部に
固定フランジを固着した後、固定フランジの軸受
部に切欠スリツトを介してスナツプロツク式アン
カーのアーム軸心部を挿入する。次に構造物間の
クリアランスをカバープレートで覆うように該カ
バープレートの爪状フツクをスナツプロツク式ア
ンカーに押込み咬合部に係着させ施工を完了する
ものである。

［実施例］ 以下、本考案に係るエキスパンシヨン・ジヨイ
ントカバーを、第１図及び第２図に示した一実施
例に基づき詳細に説明する。

本考案に係るエキスパンシヨン・ジヨイントカ
バーは、基本的に固定フランジ１、スナツプロツ
ク式アンカー２、およびカバープレート３からな
るアルミニウム型材の各ピース部材によつて構成
される。

固定フランジ１は取付板部の先端に該取付板部
と平行な軸孔からなる軸受部４を備えており、該
軸受部４には側面軸方向に適宜な開口角度をもつ
一条の切欠スリツト５が形成されている。

スナツプロツク式アンカー２は、内面に複数の
鋸歯状の突起咬合部をもつ通常のＵ字形アンカ
ー、その他これに類する機構形式のアンカー部材
が用いられるが、その端部に上記固定フランジ１
の軸受部４を遊嵌するアーム軸心部６をアンカー
部と平行に構成してなる。

またカバープレート３は、両端部底面に密封用
ガスケツト１７を嵌着した溝状のガスケツト保持
構造を構成すると共に、略中央底面に下方に突出
する爪状フツク７を上記ガスケツト保持構造と平
行に構成してなる。

上記各ピース部材を使つての施工に際しては、
先ず結合すべき構造物８，８′の一方の角部に固
定フランジ１を当接し、取付板部に突設した螺子
用透孔を利用して螺子９により固定する。次にス
ナツプロツク式アンカー２のアーム軸心部６を、
切欠スリツト５を介して固定フランジ１の軸受部
４に挿入する。この状態で、遊挿されたアーム軸
心部６は、軸受部４の切欠スリツト５に形成され
た開口角度の範囲内で回動する自由度が与えられ
る。構造物８，８′間のクリアランスに対して、
カバープレート３の両端に固設した密封用ガスケ
ツト１７，１７を構造物の面と摺接し、爪状フツ
ク７をスナツプロツク式アンカー２に押込んで咬
合部に係着させることにより該クリアランスを被
覆するように密封結合され、施工が完了する。

施工後の結合構造は、水平方向の変位に対して
は従来構造と同様にカバープレート３の密封用ガ
スケツト１７による構造物８，８′面との摺動作
用により十分な追従性を示す。また構造物８，
８′の垂直方向の変動に対しては、アーム軸心部
６が軸受部４の切欠スリツト５に形成された開口
角度の範囲内で回動する自由度を有するため、カ
バープレート３の両端部に固設した密封用ガスケ
ツト１７，１７が構造物８，８′の面に追従する。
従つてカバープレート３は、構造物８，８′のク
リアランスに対する安定した追従性を示すが、本
考案構造の最も優れた機能としては、例えばクリ
アランスを介して対向する構造物８，８′の一方
が上昇あるいは下降するような複雑な変動を生じ
た場合に於いて特に発揮される。

即ち、従来構造のエキスパンシヨン・ジヨイン
トカバー機構ではこの種の変動に追従しきれず局
部的な破壊につながる危険性があつたが、本考案
構造においてはスナツプロツク式アンカーのアー
ム軸心部６が変動に応じて自在回動を営み、応力
の局部集中を円滑に吸収緩和して破壊現象を防止
する。従つて、大きな変形力に対しても十分な追
従適応性を有する。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案のエキスパンシヨン・ジヨ
イントカバーは、あらゆる方向あるいは複雑な変
動に対しても円滑な追従適応性を示すから、高度
の安全性が保証されると共に、構成が極めて簡易
であるため現場施工が容易であり、本考案実施に
よる大きな実用的利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すエキスパンシ
ヨン・ジヨイントカバーの縦断面図、第２図は同
要部斜視図である。 １……固定フランジ、２……スナツプロツク式
アンカー、３……カバープレート、４……軸受
部、５……切欠スリツト、６……アーム軸心部、
７……爪状フツク、８，８′……構造物、９……
螺子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 側面軸方向に開口角度を持つ切欠スリツトを形
   成した軸受部を備える固定フランジと、 前記切欠スリツトを介して遊嵌するアーム軸心
   部を備えるスナツプロツク式アンカーと、 該スナツプロツク式アンカーと係着する爪状フ
   ツクを略中央部に備えるカバープレート、 の各パーツからなり、 前記スナツプロツク式アンカーのアーム軸心部
   を前記固定フランジに対して切欠スリツトの開口
   角度範囲で回動しカバープレートを係着するスナ
   ツプロツク式アンカーが、固定フランジに対して
   揺動自在に枢着してなることを特徴とするエキス
   パンシヨン・ジヨイントカバー。