JPH0324139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用シートに表装する表皮の止
着構造に関する。

（従来技術） 従来より、自動車用のリヤシートのシートバツ
クとして、第１図、第２図に示すように、ベニヤ
板板製のシートバツクフレームにパツド２を当て
がい、そのパツド２上に表皮３を表装し、表皮３
の端縁３ａをシートバツクフレーム１の背面１ａ
側に廻り込ませたうえで、ステイープル４により
固定するようにしたシートバツクが知られてい
る。

かかる表皮３の止着構造では、目視により、表
皮３の廻り込み寸法ａを確保して、ステイープル
止めを行なつているため、表皮３を均一に張つた
状態で係止することが困難で、第１図に仮想線Ｂ
で示すように、シートバツクの上端や下端部にお
いて、表皮３の過不足に起因する波打ちが生じて
見映えが著しく損なわれるといつた不具合があつ
た。また、例え波打ちが生じいように表皮が巧く
止着できたとしても、単にステイープル止めした
だけであるため、使用中に表皮が不均一に引張ら
れると、係止部が伸びたり、破れたりして、次第
に前述したような波打ちが生ずるといつた問題が
あつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、表皮の張りを均一に保つた状
態で、正確かつ容易にシートバツクフレームに表
皮の端縁を係止することができる自動車用シート
の表皮止着構造を提供することにある。

（考案の構成） このため、本考案においては、シートバツクフ
レームの背面側エツジに嵌合する角部を有する止
着部材を設けて、この止着部材に表皮の端縁を固
着し、止着部材の角部をシートバツクフレームの
背面側エツジに嵌合させた状態で止着部材と表皮
端縁とをシートバツクフレーム背面に係止するよ
うにしている。

（考案の効果） 本考案によれば、表皮端縁が固着された止着部
材の角部をシートバツクフレームの背面側エツジ
に嵌合した状態で、止着部材をシートバツクフレ
ームに係止固定するだけで表皮を固定することが
でき、止着部材で表皮の端縁をその長さ方向に均
一に位置決めすることができて表皮の張りを均一
化することができ、しかも表皮端縁が均一の強度
で止着されるので、止着部の破れを確実に防止す
ることができ、全体として、作業性の向上、仕上
り品質の向上をはかることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を具体的に説明すると、
第３図、第４図において、１はシートバツクフレ
ーム、２はパツド、３は表皮である。この表皮３
の端縁３ａは、シートバツクフレーム１の背面１
ａ側への廻り込み代ｂを見込んで裁断してあり、
この端縁３ａには、止着部材５の薄肉部５ａが縫
い付けられている。この止着部材５は、樹脂成形
品よりなり、薄肉部５ａに連続する厚肉部５ｂに
は、シートバツクフレーム１の背面側エツジ１ｂ
に嵌合する角部５ｃが形成されており、角部５ｃ
の背面側は、パツド２の廻り込み端部２ａに連続
して、表皮３の廻り込み部３ｂに適度な張りと湾
曲とを与えるなめらかな湾曲面としている。

そして、この止着部材５の角部５ｃをシートバ
ツクフレーム１の背面側エツジ１ｂに嵌合した状
態で、止着部材５の薄肉部５ａを縫い付けてある
表皮３の端縁３ａとともに、ステイープル４によ
りシートバツクフレーム１の背面１ａに係止すれ
ばよい。

このようにすれば、止着部材５の角部５ｃをシ
ートバツクフレーム１の背面側エツジ１ｂに嵌合
するだけで、表皮端縁３ａがその全長にわたつて
正確かつ均一に位置決めされる。このため、表皮
３の止着作業が著しく簡単化、能率化され、仕上
り品質も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートバツクの一例を示す正面図、第
２図は従来の表皮の止着構造を示す第１図Ａ−Ａ
線方向の断面図、第３図、第４図は、本考案の実
施例を示すシートバツクの要部断面図で、第３図
は表皮の止着前の状態を、第４図は止着後の状態
を示す。 １……シートバツクフレーム、３……表皮、５
……止着部材、５ｃ……角部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクフレームの背面側エツジに嵌合す
   る角部を有する止着部材が設けられ、止着部材に
   表皮の端縁が、シートバツクフレームの背面側へ
   の廻り込み代を見込んで固着されており、止着部
   材の角部がシートバツクフレームの背面側エツジ
   に嵌合した状態で止着部材と表皮端縁とがシート
   バツクフレームの背面に係止されている自動車用
   シートの表皮止着構造。