JPH0321606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、蝶番により開閉自在の構造とした蓋
付容器のロツク機構に関するものである。

蝶番により開閉する例えば蓋付きの金属容器に
は、蓋部を底部の上から覆い、部分的に二重構造
となるように被着する形式のものが多いが、第１
図に示すように蓋部１と底部２との縁部同志を突
き合わせて閉止するものも多用されている。この
場合のロツク機構としては、一般には底部２側に
取り付けられた板ばね３により、フツク４が蓋部
１のカール部５を押圧することによつてロツクす
るものが使用されている。そして、このロツクの
解除は外側から押動部材６を内側に押し込んで、
板ばね３に抗してフツク４を緩めることにより行
われる。

しかし、上述のロツク機構では、錠止は或る程
度確実ではあるが、構造が複雑で加工々数、部品
点数が多くなり、コストが高くなる欠点がある。

本考案の目的は、上述の欠点を解消し、簡便な
手段で底部に対する蓋部のロツクを実現し得る蓋
付容器のロツク機構を提供することにあり、その
要旨は、蓋部と底部とを蝶番によつて連結し、前
記蓋部と底部との縁部同志を突き合わせて閉止す
る容器において、前記底部は金属板により形成し
その周壁縁部には内側に曲げたカール部を有し、
前記蓋部は合成樹脂材により成型し、その前面壁
には前記底部のカール部の内側に圧接するための
稍々前方側に傾斜した係合面を有する柱状の係止
片を前記蓋部の回動方向に一体的に突出したこと
を特徴とするものである。

本考案を第２図以下に図示の実施例に基づいて
詳細に説明する。

第２図は本考案に係るロツク機構を、蓋部１０
を合成樹脂材料、底部１１を金属板により形成し
たペンシルケースに利用した場合の斜視図であ
り、第３図はロツク部の断面図を示している。蓋
部１０は底部１１に対して蝶番１２により連結さ
れ、蝶番１２を中心に回動して開閉されるように
なつている。底部１１の縁部は、第３図に示すよ
うに内側に丸く曲設されたカール部１３となつて
おり、蓋部１０と底部１１の縁部同志は突き合わ
されるようにして閉止される。ここで蓋部１０の
前面壁には、底部１１のカール部１３の内側に係
合する２個の柱状の係止片１４，１４が一体的に
形成されている。この係止片１４は蓋部１０の前
面壁内側から蓋部１０の回動方向に突出され、そ
の前面の底部１１のカール部１３への係合面は若
干前方に傾斜した状態に形成され、蓋部１０を閉
じるときは弾性変形してカール部１３の内側に圧
接される。

本考案の実施例は上述のような構成を有するの
で、蓋部１０と底部１１とを閉じ合わせると、係
止片１４が弾性変形して底部１１のカール部１３
に圧接してロツクがなされ、主としてカール部１
３の弾発性と柱状係止片１４の弾力性によりロツ
ク作用が行われる。このロツクは完全に容器の内
部で行われ、構造も簡単であり、外部には段部も
押動部材も全く突出することがなく、極めて簡潔
なデザインの容器が得られる。

また、実施例においては係止片１４を２個使用
したが、小さな容器においては係止片１４を１個
として１個所でロツクするようにしても支障はな
い。

元来、底部１１のカール部１３は金属製容器の
エツジの危険防止のために形成されるものである
が、本考案はこのカール部１３を巧みに活用して
蓋部のロツク用に兼用することにより、蓋部１０
に係止片１４を一体に設けるだけでロツク機構を
簡単に構成することができ、加工が容易で部品点
数は少なくコストを大幅に切り下げることが可能
となる。また、金属製カール部１３と合成樹脂製
係止片１４の弾力性によつてロツクが行われるの
で、構造が簡単な割にはロツクを確実にかつ容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は従来のロツク機構の断面図、第２
図、第３図は本考案に係る蓋付容器のロツク機構
の一実施例を示し、第２図はその斜視図、第３図
はロツク部の断面図である。 符号１０は蓋部、１１は底部、１２は蝶番、１
３はカール部、１４は係止片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋部と底部とを蝶番によつて連結し、前記蓋部
   と底部との縁部同志を突き合わせて閉止する容器
   において、前記底部は金属板により形成しその周
   壁縁部には内側に曲げたカール部を有し、前記蓋
   部は合成樹脂材により成型し、その前面壁には前
   記底部のカール部の内側に圧接するための稍々前
   方側に傾斜した係合面を有する柱状の係止片を前
   記蓋部の回動方向に一体的に突出したことを特徴
   とする蓋付き容器のロツク機構。