JPH0321308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業の利用分野〕 この考案は車両用フイニツシヤを車体パネルの
斜面に取付けるための取付構造、特に被取付面に
対して非平行の取付面を周縁近傍に有する車両用
フイニツシヤの取付構造に関するものである。

〔従来の技術〕

第７図は車両の後部車体を示す斜視図、第８図
は従来のフイニツシヤ取付構造を示す断面図、第
９図はその一部の分解斜視図である。図面におい
て、１は車体で、その後部車体パネル２の凹部斜
面３にフイニツシヤ（リアフイニツシヤ）４が取
付けられている。フイニツシヤ４は合成樹脂によ
り凹部５ａを有するように成形されたフイニツシ
ヤ本体５の周縁部にエンドラバー６を有し、かつ
周縁近傍に被取付面としての凹部斜面３に対して
非平行な取付面５ｂを有する。フイニツシヤ４
は、取付面５ｂから裏面に突出するように一体成
形されたボス７にタツピングスクリユウ８で固定
されたブラケツト９を介してクリツプ１０によ
り、車体パネル２の凹部斜面３に取付けられてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のフイニツシヤ
取付構造においては、ボス７にねじ付けられた金
属製ブラケツト９に組付けられたクリツプ１０に
より車体パネル２の凹部斜面３に取付けられるよ
うになつていたため、次のような問題点があつ
た。

フイニツシヤ本体５を形成すると、ボス７の
表側にヒケが生じる。

タツピングスクリユウ８をねじ付けるため、
ボス７はフイニツシヤ本体５の端部より相当内
側の部分に形成する必要があり、このためフイ
ニツシヤ４は端部より遠い部分で固定されて、
エンドラバー６部が浮き、車体パネル２との間
に隙間が生じる。

ブラケツト９がたわみ、クリツプ１０が入り
にくい。

部品点数が多く、コスト高となる。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、フイニツシヤ本体に膨出部を
有するリブを形成し、膨出部に係合するフアスナ
を被取付面に取付けることにより、上記問題点を
解決することを目的としている。

（問題点を解決するための手段〕 この考案は、車体に取付けられる合成樹脂成形
品からなり、かつその周縁近傍に被取付面に対し
て非平行な取付面を有するフイニツシヤ本体と、
このフイニツシヤ本体の周縁近傍の取付面から被
取付面側に突出しかつ先端部にフイニツシヤ本体
の周縁方向への膨出部を有するとともに被取付面
と平行な面を有するように一体成形されたリブ
と、このリブの先端部にスライドしてリブの先端
部を外側から覆うように係合する係合部および被
取付面へ取付けられる取付部を有するフアスナと
を備えたことを特徴とする車両用フイニツシヤ取
付構造である。

〔作用〕

フイニツシヤ本体の周縁部近傍に形成された取
付面の裏面に、膨出部および被取付面と平行な面
を有するリブが突出するように一体成形し、リブ
の先端部にフアスナの係合部をスライドさせて、
係合部によりリブの先端部を外側から覆うように
係合させ、係合部から突出する取付部を車体パネ
ルの被取付面に固着して取付ける。

フイニツシヤ本体はリブを形成してもヒケは発
生しにくく、またリブはフイニツシヤ本体の周縁
部近傍に形成することができ、周縁部近傍でフイ
ニツシヤを取付けることができるため、フイニツ
シヤの浮きによる間隙の発生がない。フアスナを
リブに装着する場合は、スライドするだけでよい
ため、装着が容易である。フアスナの取付に際し
てはたわみがないため、取付部の被取付面への取
付が容易であり、取付状態も強固でフアスナの脱
落がない。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。第１図はこの考案の一実施例を示すフイニ
ツシヤの斜視図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第
３図は一部の分解斜視図であり、第７図ないし第
９図と同一符号は同一または相当部分を示す。

図面において、フイニツシヤ本体５は従来のも
のとほぼ同様に形成され、周縁部にエンドラバー
６が取付けられているが、フイニツシヤ本体５の
裏面には、周縁部近傍に形成された取付面５ｂか
ら被取付面である凹部斜面３側に突出するフツク
状のリブ１１が一体成形されている。リブ１１は
フイニツシヤ本体５の周縁部に対して直角方向に
突出し、その先端部にはフイニツシヤ本体５の周
縁方向への膨出部１２を有し、膨出部１２には被
取付面である凹部斜面３と一定の間隔を保つて平
行な斜面１３が形成され、係止部として所定間隔
を有する２個の小突起１４が設けられている。１
５は別部品としての弾性に富む合成樹脂製のフア
スナであつて、リブ１１の先端部にスライドして
装着され、その先端部を外側から覆うように係合
する横断面ほぼム字状の係合部１６から被取付面
である凹部斜面３側に向つて取付部としてのクリ
ツプ１０が突出する構造となつている。

以上の構成において、フイニツシヤ本体５はリ
ブ１１とともに合成樹脂の射出成形により一体成
形され、周縁部にエンドラバー６が取付けられ
る。またフアスナ１５も弾性に富む合成樹脂によ
り一体成形される。そしてフアスナ１５をリブ１
１の先端部に対してスライドさせ、その先端部を
外側から覆うように係合部１６のム字状内部にリ
ブ１１の膨出部１２を挿入して装着してリブ１１
の先端部と係合させ、係合部１６を小突起１４間
に係止して、スライド方向の移動を防止するよう
に組付ける。この状態で凹部斜面３の取付穴３ａ
にクリツプ１０を挿入して係合させ、フイニツシ
ヤ４を車体パネル２に固着し取付ける。

フイニツシヤ本体５にリブ１１を形成すると、
ボス７を形成する場合よりもヒケが発生しにく
い。リブ１１には膨出部１２がフイニツシヤ本体
５の周縁方向に形成されているので、凹部５ａが
ある場合でも射出成形が容易であり、また片側だ
けに膨出部１２を形成してもリブ１１の先端と膨
出部１２とでフアスナ１５の係合部１６と係合可
能である。そしてボス７のようにタツピングスク
リユウ８によるねじ付けを必要としないため、リ
ブ１１をフイニツシヤ本体５の周縁部に近づけて
形成することができ、このため周縁部近傍でフイ
ニツシヤ４を固定でき、車体パネル２から浮いて
間隙を形成することがない。

取付の際はフアスナ１５はリブ１１に係合して
いるため、たわみはなく、クリツプ１０を容易に
挿入することができる。取付状態ではリブ１１と
フアスナ１５の係合が維持されるため、フイニツ
シヤ４の脱落は防止され、錆の発生もない。

第４図は他の実施例を示す第１図のＡ−Ａ相当
断面図である。この実施例ではリブ１１は被取付
面である凹部斜面３に対して直角となるように突
出している。このためクリツプ１０の挿入方向へ
のリブ１１のたわみはなくなり、挿入がさらに容
易になるとともに、リブ１１の強度が大きくな
り、脱落防止効果も高い。

第５図はさらに別の実施例を示す第１図のＡ−
Ａ相当断面図、第６図はそのフアスナの斜視図で
ある。この実施例では、フアスナ１５は第２図お
よび第３図のクリツプ１０に代えてボルト１７が
係合部１６から突出するように溶接されている。
フアスナ１５の車体パネル２への取付は被取付面
である凹部斜面３の取付穴３ａにボルト１７を挿
入し、裏側からナツト（図示せず）をねじ付けて
固着する。このためフイニツシヤ４の取付はさら
に確実になる。

なお、以上の実施例ではリブ１１はフイニツシ
ヤ本体５の周縁部または被取付面に対して直角方
向に突出させたが、他の方向でもよい。また膨出
部１２はリブ１１の先端部にクサビ状に形成した
が、その形状は他の形状でもよい。フアスナ１５
の係合部１６の形状もリブ１１の先端部の形状に
合わせて変更でき、取付部もクリツプ１０および
ボルト１７に限らず、類似のものが使用できる。
リブ１１およびフアスナ１５は短いものを複数個
分散状に設けた例を示したが、リブ１１およびフ
アスナ１５の係合部１６は長尺のものを１個だけ
使用することもできる。

本考案はフイニツシヤを斜面からなる被取付面
に取付ける場合に有効であるが、一般の取付面へ
取付ける場合にも適用できる。またフイニツシヤ
としてはリアフイニツシヤに限らず、他の車両用
フイニツシヤの取付にも同様に適用可能である。

〔考案の効果〕

この考案によれば、フイニツシヤ本体に膨出部
および被取付面に平行な面を有するリブを形成
し、このリブの先端部にスライドして外側から膨
出部に係合するフアスナを被取付面に取付けるよ
うにしたので、取付面と被取付面が非平行の関係
にある場合でも、被取付面に対し平行な面を有す
るリブの膨出部にフアスナが外側から係合し、こ
れによりフアスナがリブに強固に装着され、フイ
ニツシヤを確実に取付けることができる。またフ
イニツシヤにヒケを発生させることなく、リブを
フイニツシヤ本体の周縁部近傍に形成でき、この
ため周縁部近傍でフイニツシヤを固定して浮きに
よる間隙の発生を防止できるとともに、フイニツ
シヤのリブへの装着および係止が容易かつ確実で
あり、またフイニツシヤの被取付面への取付が容
易で、脱落のおそれがないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すフイニツシ
ヤの斜視図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図
は一部の分解斜視図、第４図および第５図はそれ
ぞれ別の実施例を示す第１図のＡ−Ａ相当断面
図、第６図は第５図のフアスナの斜視図、第７図
は車両の後部車体を示す斜視図、第８図は従来の
取付構造を示す第１図のＡ−Ａ相当断面図、第９
図はその一部の分解斜視図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、４はフイニツシヤ、５はフイニツシヤ本体、
１０はクリツプ、１１はリブ、１２は膨出部、１
５はフアスナ、１６は係合部、１７はボルトであ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体に取付けられる合成樹脂成形品からな
   り、かつその周縁近傍に被取付面に対して非平
   行な取付面を有するフイニツシヤ本体と、この
   フイニツシヤ本体の周縁近傍の取付面から被取
   付面側に突出しかつ先端部にフイニツシヤ本体
   の周縁方向への膨出部を有するとともに被取付
   面と平行な面を有するように一体成形されたリ
   ブと、このリブの先端部にスライドしてリブの
   先端部を外側から覆うように係合する係合部お
   よび被取付面へ取付けられる取付部を有するフ
   アスナとを備えたことを特徴とする車両用フイ
   ニツシヤ取付構造。 (2) リブはフイニツシヤ本体の周縁部に対して直
   角方向または被取付面に対して直角方向に突出
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載の車両
   用フイニツシヤ取付構造。 (3) リブはフアスナのスライド方向への移動を防
   止する係止部を有する実用新案登録請求の範囲
   第１項または第２項記載の車両用フイニツシヤ
   取付構造。 (4) フアスナは係合部から取付部が突出した構造
   である実用新案登録請求の範囲第１項ないし第
   ３項のいずれかに記載の車両用フイニツシヤ取
   付構造。 (5) 取付部はクリツプまたはボルトである実用新
   案登録請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ
   かに記載の車両用フイニツシヤ取付構造。