JPS6210343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建物特に病院等の壁面や柱体に取付
けて壁面等を保護する建物用ガードレールのエン
ドキヤツプに関する。

建物用ガードレールの笠木の端末には第１図に
示すようにエンドキヤツプ１が装着されている
が、このエンドキヤツプ１の笠木２への装着に
は、近時施工の容易性等の利点が認識され、ボル
ト等による機械的締結手段によらず、接着剤が使
用されてきている。この場合、通常はエンドキヤ
ツプ１から笠木２端末に嵌押する取付部を突設
し、この取付部と笠木２を接着剤により固着させ
ることが行なわれている。そしてガードレール
は、その性質上衝撃荷重を頻繁に受けるので、こ
の衝撃荷重によりエンドキヤツプ１が笠木２から
脱落しないように接着強度を高める必要があり、
従来は前述した取付部を大きくして接着面積を増
加させ、接着強度を確保していた。しかしこの場
合、エンドキヤツプ１は通常樹脂による射出成形
により形成されるが、取付部を大きくすることに
より成形時の収縮が不均一となり全体にそりが発
生し、笠木２とエンドキヤツプ１の接合部位に隙
間が生ずるという不具合があつた。したがつて取
付部を衝撃力に耐えるだけの十分な接着強度を有
するほど大きくすることができないという欠点が
あつた。また、笠木２が衝撃荷重により撓んで衝
撃荷重を吸収するように構成されたガードレール
にあつては、笠木２の撓みによつてエンドキヤツ
プ１がこじられる状態となり、接着界面から剥離
し、エンドキヤツプ１が笠木２から脱落してしま
うという欠点があつた。

本考案は、かかる欠点を除去すべく成されたも
のであつて、成形時のそりが発生せず、かつ接着
面積を大きくして接着強度を向上させると共に、
笠木２が撓んでも笠木２から脱落することのない
建物用ガードレールのエンドキヤツプを提供する
ことを目的とする。

以下、本考案の実施例を添付図面に基いて詳細
に説明する。

第２図は、本考案の実施例を示す斜視図であ
る。エンドキヤツプ１は、笠木２に装着された状
態で、外表面に露出する装飾部３とこの装飾部３
からフランジ状に突出した取付部４とから構成さ
れている。取付部４の横断面形状は、第３図に示
すように、アンカーボルト５により壁面６に固定
される基板７とこの基板７を被覆する笠木カバー
８とにより形成される笠木２の空隙部に嵌入する
ように形成されている。

この取付部４は、笠木２への嵌入時に笠木カバ
ー８の裏面に当接する部位に、第２図に示すよう
に、接着用突片９が笠木カバー２の長手方向に向
つて延設されている。この接着用突片９には、前
述した基板７の表面側に基板７と一体的に設けら
れ衝撃荷重を吸収するためのクツシヨン部１０と
干渉しないために切欠１１が設けられると共に、
接着用突片９の接着面９ａの裏面には適数個の補
強用リブ１２が垂設されている。この補強用リブ
１２は、第４図に示すように、笠木２に嵌入した
ときその自由端面１３と基板７との間に適宜の間
隔をもたせることにより、笠木２の微小撓みに対
しエンドキヤツプ１が追従して変位して接着界面
からの剥離が発生しないようにされている。

そして、これら接着用突片９には、第２図に示
すように、接着用突片９の延設方向に沿つて適数
本のスリツト１４，１４が形成され、これら接着
用突片９を分割している。このスリツト１４は、
エンドキヤツプ１の成形時において、上記分割さ
れた各ブロツク毎の長手方向の収縮を略同一にし
て全体のそりを防止するためのものであり、第２
図においては、接着用突片９をスリツト１４によ
り４ブロツクに分割してあるが、その数および寸
法等は装飾部３と接着用突片９の体積比率等を考
慮に入れて適宜設定される。

尚、第５図に示すように、笠木カバー８の裏面
側にスリツト１４に対応する係止リブ１５を設
け、この係止リブ１５にスリツト１４を係合させ
ることによりエンドキヤツプ１と笠木２をより強
固に接着固定することができるように構成しても
よい。

本考案は、このように構成されたので、接着用
突片９により接着面積が増加し、接着強度を向上
させることができる。

このとき、取付部４は、接着用突片９にその延
設方向に沿つて適数本のスリツト１４を形成して
接着用突片９を適数個のブロツクに分割している
ので、各ブロツク毎の収縮を略同一とすることが
でき、その結果、全体としてのそりを防止し、笠
木２への装着時に笠木２とエンドキヤツプ１の接
合部位における隙間発生を防止することができ
る。また、接着剤は、スリツト１４の間にも流入
するので、接着の有効表面積を増加させ、接着強
度を向上させることができる。さらに接着用突片
９には補強用リブ１２が垂設されているので大き
な衝撃荷重が笠木２に負荷されてもエンドキヤツ
プ１の過大な変位を防止し、接着界面からの剥離
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、笠木にエンドキヤツプを装着した状
態を示す説明図、第２図は本考案の実施例を示す
斜視図、第３図はエンドキヤツプを笠木に装着し
た状態を示す横断面図、第４図はエンドキヤツプ
と笠木の接合部位の拡大縦断面図、第５図は本考
案の変形例を示す組立分解斜視図である。 １……エンドキヤツプ、２……笠木、３……装
飾部、４……取付部、６……壁面、７……基板、
８……笠木カバー、９……接着用突片、１２……
補強用リブ、１３……自由端面、１４……スリツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面等に固定される基板に笠木カバーを被覆し
   てなる笠木の端末に装飾部から突設された取付部
   を嵌入させて装着する建物用ガードレールのエン
   ドキヤツプにおいて、上記取付部は上記笠木カバ
   ーの裏面に当接すべく接着用突片を笠木カバーの
   長手方向に延設すると共に、該接着用突片の延設
   方向に沿つて設けられるスリツトにより適数個の
   ブロツクに分割し、かつ上記接着用突片の裏面に
   上記基板側に突出する補強用リブを垂設し、上記
   接着用突片と笠木カバーを接着するようにしたこ
   とを特徴とする建物用ガードレールのエンドキヤ
   ツプ。