JPH032086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、乗用田植機において、植付苗を予備
苗台から植付装置の苗のせ台に供給する際等に回
転して用いる回転シートに係り、詳しくは回転シ
ートのロツク装置に関する。

従来、回転シートは、該シート下方にロツク解
除レバーが配設されており、植付作業時は回転シ
ートを前方姿勢に固定していると共に、植付苗供
給時に、ロツク解除レバーを操作することにより
回転シートを回転自在にしていた。このため、植
付苗供給時には、植付クラツチレバーを始めとし
た各種レバーを操作する外にロツク解除レバーを
操作する必要があり、大変面倒であり、更に植付
作業中に、ロツク解除レバーに足等が引つ掛か
り、回転シートがロツク解除されると、シートが
不意に回転して、大変危険であると共に、操向操
作が乱れて植付条を曲げてしまつた。

そこで、本考案は、回転シートを前方姿勢位置
に固定し得るロツク体を設け、またオートストツ
プレバーによるメインクラツチレバーのロツク位
置で作動するスイツチを設置すると共に、苗のせ
台上の植付苗が所定量に減少すると作動するスイ
ツチを設置し、これら両スイツチが共に作動した
とき、ロツク体による回転シートの固定を解除す
るように構成し、もつて上述欠点を解消した乗用
田植機における回転シートのロツク装置を提供す
ることを目的とするものである。

以下、図面に沿つて、本考案による実施例を説
明する。

乗用田植機１は、第１図に示すように、車輪２
で支持されている走行機体３を有しており、該走
行機体３にはエンジン部分を覆うボンネツト４及
び運転席５が配設されていると共に、機体３左右
に予備苗台６が配設されている。また、走行機体
３の後方には植付装置７が昇降自在に支持されて
おり、該植付装置７は植付杆９及び苗のせ台１０
等を有している。そして、運転席５にはハンドル
１１、回転シート１２、更に主変速レバー３、植
付クラツチレバー１５、油圧レバー１６、メイン
クラツチレバー１７及びオートストツプレバー１
９等の各種レバーが配置されており、また走行機
体３に固定されてシートフレーム２０が延設され
ている。

上記メインクラツチレバー１７は、第２図に示
すように、走行機体３上に設けられたステツプ２
１を貫通して上方に突出しており、その基端は軸
２２に回動自在に取付けられかつスプリング２３
にてメインクラツチレバー１７が突出する方向に
付勢された回動部材２５に固着され、その先端に
はペダル部１７ａが固設されている。また、上記
回動部材２５にはロツド部材２６の一端が固設さ
れ、該ロツド部材２６の他端はテンシヨンアーム
２７の中間部に固着されている。該テンシヨンア
ーム２７は軸２９に回動自在に枢着されていて、
その一端にはメインクラツチを構成するテンシヨ
ンプーリ３０が設けられ、その他端には該テンシ
ヨンプーリ３０が常時ベルト部材３１に接触する
ようにテンシヨンスプリング３２が張設されてい
る。上記ベルト部材３１はエンジン３３によつて
回転駆動されるエンジンプーリ３５と主軸プーリ
３６との間に掛け渡されており、メインクラツチ
レバー１７のペダル部１７ａの踏込み操作、解除
操作に基づく上記テンシヨンプーリ３０の押圧作
動、離反作動により、エンジン３３からの動力を
主軸プーリ３６に接、断するようになつている。
更に、該主軸プーリ３６から走行装置を構成する
車輪２並びに植付装置７に動力伝達している。

そして、上記メインクラツチレバー１７に対向
して、ステツプ２１にはオートストツプレバー１
９が軸３７を中心に揺動可能に設けられていて、
その一端にはペダル部１９ａが設けられ、その他
端とステツプ２１との間にはトグルスプリング３
９が張設してあつて、オートストツプレバー１９
が軸３７を境にして予め規定された二位置を選択
的にとり得るようになつている。そして、オート
ストツプレバー１９の中間部のメインクラツチレ
バー１７側には切欠部１９ｂが形成されていて、
該切欠部１９ｂはメインクラツチレバー１７のペ
ダル部１７ａの側部外方に突出するように設けら
れたピン部材１７ｃに係合し得るように配設され
ている。なお、符号４０にて示すものは、カバー
部材であり、また第２図及び第３図において符号
１７ｂにて示すものは、メインクラツチレバー１
７のペダル部１７ａの外側方に設けた操作する足
の位置規制用の立上り突起である。

そして、上記オートストツプレバー１９にはそ
の切欠部１９ｂに対向してリミツトスイツチ４１
が設けてあり、該リミツトスイツチ４１は、メイ
ンクラツチレバー１７が踏込まれて、第２図に２
点鎖線にて示すように、そのピン部材１７ｃがオ
ートストツプレバー１９の切欠部１９ｂに係合し
た場合、オン状態となる。

また、第１図及び第４図に示すように、苗のせ
台１０における下方位置には苗のせ台１０上の植
付苗が所定量に減少したことを感知するリミツト
スイツチ４２が各苗列にそれぞれ配設されてお
り、該スイツチ４２は苗がないことを感知してオ
ンする。

更に、第５図及び第６図に示すように、シート
フレーム２０はパイプ２０ａ及びプレート２０ｂ
を有しており、プレート２０ｂには水平方向に延
びている軸４３により枢支されて回動フレーム４
５が連結されていると共に、該回動フレーム４５
が当接、支持し得るクツシヨンゴム４６が固着さ
れている。また、回動フレーム４５にはパイプ４
７が固着されており、該パイプ４７には回転シー
ト１２の下面にブラケツト４９を介して固着され
ている垂直軸５０がワツシヤ５１を介してかつＣ
ピンにより抜止めされて回転自在に支持されてい
る。更に、ブラケツト９４９にはロツクプレート
５２が固着されており、またシートフレームプレ
ート２０ｂにはブラケツト４８を介してソレノイ
ド５３が固着されており、該ソレノイド５３のプ
ランジヤ５３ａは回転シート１２が前方を向いて
いる通常の作業姿勢にてロツクプレート５２に形
成された孔に係合し得る。なお、該ロツク体を構
成するプランジヤ５３ａはスプリング５５により
上方即ちロツクプレート５２の孔に係合する方向
に常時付勢され、かつソレノイド５３が励磁され
ていないプランジヤ５３ａの突出位置にてロツク
プレート５２の孔に係合している。

また、図中５６はシート下方を覆うカバーであ
る。更に、第１図及び第５図において回転シート
１２の背もたれ後方に一体的に付設されているも
のは、、機体３前方部を覆う防水シート等よりな
るカバー体５７の収納部５９であつて、上記カバ
ー体５７の一端は収納部５９内において固定され
ていて、上記カバー体５７で機体３の前方部を覆
う場合には、第１図に２点鎖線で示すように、回
転シート１２を軸４３（第５図参照）を中心に前
方へ倒し、カバー体５７を収納部５９より取出
し、カバー体５７を拡げてエンジン部及び各種操
作部等を覆い、機体３の最前部等に設けた適宜の
係止部位にヒモ等で固定するように使用する。

更にまた、第１図においてボンネツト４上に符
号６０にて示すものは、警報ランプであつて、苗
のせ台１０上の植付苗が所定量まで減少してリミ
ツトスイツチ４２がオンした場合に点灯される。

本実施例は、以上のような構成を有するので、
乗用田植機１を路上走行する場合は、第２図に実
線で示すように、オートストツプレバー１９を前
方に後退した位置に保持する。この状態では、メ
インクラツチレバー１７を踏込んでも、オートス
トツプレバー１９は何等作用せず、メインクラツ
チレバー１７がロツクされることはない。そし
て、乗用田植機１が植付作業を行う場合は、オー
トストツプレバー１９を後方に倒し、かつトグル
スプリング３９により後方に付勢した位置に保持
する。更に、植付作業中は、メインクラツチレバ
ー１７が上昇した状態にあり、かつ苗のせ台１０
上に植付苗があるので、スイツチ４１及び残量苗
感知用のスイツチ４２は共にオフ状態にある。こ
の状態ではテンシヨンプーリ３０の押圧作動によ
りベルト部材３１が緊張した状態となつていて、
エンジン３３の駆動力はプーリ３５から主軸プー
リ３６に伝達されており、また、この状態では、
ソレノイド５３は励磁されておらず、プランジヤ
５３ａはスプリング５５に付勢されてロツクプレ
ート５２の孔に係合した状態にあり、従つて回転
シート１２は前方姿勢に固定、保持されている。

そして、植付作業の進行に伴い、苗のせ台１０
上の植付苗が所定量まで減少すると、残量苗感知
用のスイツチ４２がオンになり、警報ランプ６０
を点灯して苗が残り少なくなつたことをオペレー
タに知らせる。これにより、オペレータがメイン
クラツチレバー１７のペダル部１７ａを必要量踏
込むと、ピン部材１７ｃがオートストツプレバー
１９の切欠部１９ｂに係合され、スイツチ４１が
オンになると共に、メインクラツチレバー１７は
搭乗者がペダル部１７ａから足を離してもロツク
状態に保持される。同時にテンシヨンプーリ３０
がベルト部材３１を弛緩させる側に移動されるの
で、エンジン３３からの動力は主軸プーリ３６に
伝達されず、田植機１は主変速レバー１３及び植
付クラツチレバー１５を操作状態にしたまま走行
を停止し、かつ植付部９の作動も停止される。以
上のようにして両スイツチ４１，４２はオン状態
になり、ソレノイド５３が励磁されてプランジヤ
５３ａを吸引する。これにより、プランジヤ５３
ａはロツクプレート５２の孔から外れ、回転シー
ト１２の固定を解除して、回転シート１２は垂直
軸５０を中心に自由に回転し得る状態になる。こ
の状態で、オペレータは回転シートに座つた状態
で該シートを回転しながら、植付苗を予備苗台か
ら苗のせ台１０に運ぶことができる。また、植付
苗の苗のせ台１０への供給により残量苗感知用の
スイツチ４２がオフになるが、リレー等を用いた
適宜の電気回路によりソレノイド５３は励磁状態
に保持され、回転シート１２は左右に自由に回転
し得る。そして、苗のせ台１０への苗の供給が完
了して、第３図に示すように、操作する足の前方
をペダル部１７ａの立上り部１７ｂよりやや外方
に突出してペダル部１７ａと共にオートストツプ
レバー１９のペダル部１９ａを踏込むと、オート
ストツプレバー１９はスプリング３９に抗して前
方に後退し、メインクラツチレバー１７のロツク
状態が解除されて、スイツチ４１がオフになり、
これによりソレノイド５３の励磁が解除され、プ
ランジヤ５３ａはスプリング５５により付勢され
てロツクプレート５２の孔に係合し、回転シート
１２は再び前方姿勢に固定される。そして、この
状態ではメインクラツチレバー１７はまだ充分踏
込んだ位置にあるので、エンジン３３からの動力
は主軸プーリ３６に伝達されておらず、従つて、
この状態から徐々にペダル部１７ａへの踏込み力
を解除していくと、主変速レバー１３及び植付ク
ラツチレバー１２が前述したように操作位置にあ
るので、田植機１は急発進することなく徐々に走
行を開始し、同時に苗の植付も再開される。

以上説明したように、本考案によれば、メイン
クラツチ１７のロツク検出用スイツチ４１と残量
苗感知用のスイツチ４１が共に作動したとき、ロ
ツク体５３ａによる回転シート１２の固定を解除
するようにしたので、植付作業中等においては回
転シート１２を前方姿勢位置に固定しているもの
でありながら、苗のせ台１０への植付苗の供給時
には、自動的に回転シート１２は回転し得る状態
になり、操作が容易になると共に、誤操作を防止
して、安全性を向上することができる。更に、回
転シート１２のロツク解除用の特別の操作レバー
を必要とせず、各種操作レバーが配置されている
シートまわりの空間に余裕をもたせることがで
き、構造が簡単になると共に、スツキリとするこ
とができる。また、メインクラツチレバーロツク
検出用及び残量苗感知用の２個のスイツチ４１，
４２により回転シート１２のロツクを制御するの
で、回向時等に不意にロツクが解除されることは
なく、回転シート１２を確実かつ正確に固定する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した乗用田植機を示す側
面図、第２図はメインクラツチレバーのロツク装
置を田植機のベルト伝動装置と共に示す側面図、
第３図はメインクラツチレバー及びオートクラツ
チレバーの操作状態の説明図、第４図は苗のせ台
の残量苗感知用スイツチ部を示す側面図、第５図
は回転シートを示す側面図、そして第６図は第５
図のＡ矢示図である。 １……乗用田植機、５……運転席、７……植付
装置、１０……苗のせ台、１２……回転シート、
１７……メインクラツチレバー、１９……オート
クラツチレバー、４１……（メインクラツチレバ
ーロツク検出用）スイツチ、４２……（残量苗感
知用）スイツチ、５０……垂直軸、５２……ロツ
クプレート、５３……ソレノイド、５３ａ……ロ
ツク体（プランジヤ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転席５にメインクラツチレバー１７、該メイ
   ンクラツチレバー１７の踏込み操作時にメインク
   ラツチレバー１７をロツクし得るオートストツプ
   レバー１９及び垂直軸５０を中心に回転自在に支
   持されている回転シート１２を備え、かつ植付装
   置７に苗のせ台１０を備えた乗用田植機１におい
   て、回転シート１２を前方姿勢位置にて固定し得
   るロツク体５３ａを設け、またオートストツプレ
   バー１９によるメインクラツチレバー１７のロツ
   ク位置で作動するスイツチ４１を設置すると共
   に、苗のせ台１０上の植付苗が所定量に減少する
   と作動するスイツチ４２を設置し、これら両スイ
   ツチ４１，４２が共に作動したとき、ロツク体５
   ３ａによる回転シート１２の固定を解除するよう
   に構成した乗用田植機における回転シートのロツ
   ク装置。