JP3596699B2 - 乗用田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗用田植機の一形態として、自走可能な走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、同走行部の機体フレームの前部にエンジンを設け、同エンジンにミッションケースを連動機構を介して連動連設し、同ミッションケースに植付部の植付ミッションケースを伝動機構を介して連動連結したものがある。
【0003】
そして、連動機構は、エンジンの出力軸とミッションケースの入力軸との間に連動ベルトをプーリーを介して巻回する一方、同連動ベルトの近傍にテンションアームをテンションアーム支軸を介して支持しており、同テンションアーム支軸は、エンジンにステーを介して片持ち状態に支持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した乗用田植機では、テンションアーム支軸が片持ち状態に支持されているために、同テンションアーム支軸の剛性が不足し、経時的にテンションアーム支軸が撓み変形を起こして、連動ベルトへのテンションアームによる押圧作用が確実になされず、クラッチ機能を良好に確保できないという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、自走可能な走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、同走行部の機体フレームの前部にエンジンを設け、同エンジンにミッションケースを連動機構を介して連動連設し、同ミッションケースに植付部の植付ミッションケースを伝動機構を介して連動連結した乗用田植機において、連動機構は、エンジンの出力軸とミッションケースの入力軸との間に連動ベルトをプーリーを介して巻回する一方、同連動ベルトの近傍にテンションアームをテンションアーム支軸を介して支持して、同テンションアームにより連動ベルトを緊張・弛緩自在とし、エンジンの左側壁に取付けた油圧ポンプステーに、右側筒状支持部を突設する一方、機体フレームに取付けた支軸ステーに、左側筒状支持部を上記右側筒状支持部と同一軸線上にて対向させて取付け、両筒状支持部中に前記テンションアーム支軸を回転自在に挿通して、同テンションアーム支軸の左右側端部をそれぞれ支持した両持ち支持構造となし、同テンションアーム支軸の中途部にテンションアームをボス部を介して回転自在に取付けたことを特徴とする乗用田植機を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、テンションアームにより連動ベルトを緊張・弛緩させて、走行駆動用の動力と植付駆動用の動力とを接続・切断する主クラッチ構造となしたことにも特徴を有する。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1及び図2に示すAは、本発明に係る乗用田植機であり、同乗用田植機Aは、自走可能な走行部1の後方に植付部2を昇降リンク機構3を介して連結し、同植付部2を油圧式の昇降用シリンダ4により昇降可能としている。
【0009】
走行部1は、図1及び図2に示すように、機体フレーム10上の前部にエンジン11を設け、後部に運転部12を設けている。
【0010】
そして、図1及び図3に示すように、機体フレーム10の前部下側に、ミッションケース13を設けており、同ミッションケース13は、エンジン11に連動機構14を介して連動連結し、同ミッションケース13の左右側部より横外側方にそれぞれ左右フロントアクスルケース15,15 を突設し、同ケース15,15 の先端に前車輪16,16 を取付ける一方、ミッションケース13の後部より伝動機構としての伝動シャフト35を後方へ向けて伸延させ、同伝動シャフト35の後端に植付部2の植付ミッションケース2aを連動連結している。
【0011】
また、図1に示すように、機体フレーム10の後部には、リヤアクスルケース17を取付け、同リヤアクスルケース17の左右側端部にそれぞれ後車輪18,18 を取付けており、リヤアクスルケース17は、ミッションケース13に伝動軸(図示せず)を介して連動連結している。
【0012】
機体フレーム10上には、図1及び図2に示すように、左右側ステップ部と床面部と座席支持部と左右側リヤフェンダー部を具備するケーシング体20を張設しており、同ケーシング体20は、FRP等の高剛性を有する合成樹脂により一体成形している。
【0013】
ケーシング体20の前側中央部には、ボンネット21を設けており、同ボンネット21によりエンジン11と、同エンジン11の直上方に配設した燃料タンク22と、後述する運転部12のステアリングシャフト23をカバーしている。
【0014】
また、上記した運転部12は、図1及び図2に示すように、エンジン11の直後にステアリングシャフト23を立設し、同ステアリングシャフト23の上端にハンドル24を取付け、同ハンドル24の後方には、座席26をケーシング体20の後部に形成した座席支持部20a 上に直接取付けて配置している。
【0015】
そして、図1及び図2に示すように、ボンネット21の左側方にクラッチペダル30を配設する一方、同ボンネット21の右側方にブレーキペダル31を配設し、また、座席26の左側方に変速レバー32を配設する一方、座席26の右側方に植付部昇降レバー33を配設している。
【0016】
前記した連動機構14は、図3及び図4に示すように、エンジン11に設けた出力軸40とミッションケース13に設けた入力軸41との間に第1連動ベルト42と第2連動ベルト43とをそれぞれ第1入・出力プーリー44,45 と第2入・出力プーリー46,47 とを介して並列的に巻回する一方、両連動ベルト42,43 の直前方位置に第1・第2テンションアーム48,49 をテンションアーム支軸50を介して支持して、各テンションアーム48,49 により各連動ベルト42,43 をそれぞれ選択的に緊張させるダブルテンション方式として、各テンションアーム48,49 により後述する植付二段変速操作が行なえるようにしている。
【0017】
そして、図3及び図4に示すように、エンジン11の左側壁に取付けた油圧ポンプステー51に、左右幅方向に伸延する右側筒状支持部52を突設する一方、機体フレーム10に取付けた支軸ステー53に、左右幅方向に伸延する左側筒状支持部54を上記右側筒状支持部52と同一軸線上にて対向させて取付け、両筒状支持部52,54 中に前記テンションアーム支軸50を回転自在に挿通して、同テンションアーム支軸50の左右側端部をそれぞれ支持した両持ち支持構造にしている。151 は油圧ポンプ、152 はポンプ駆動ベルトである。
【0018】
このようにして、テンションアーム支軸50の剛性を確保して、同テンションアーム支軸50の撓み変形を防止することができるようにしている。
【0019】
従って、各連動ベルト42,43 に各テンションアーム48,49 を確実に押圧作用させることができて、クラッチ機能を良好に確保することができる。
【0020】
上記したテンションアーム支軸50には、図3及び図4に示すように、左右一対のボス部55,56 を嵌合しており、左側のボス部55は、テンションアーム支軸50に固定ピン57により固定して、同ボス部55の上部外周面より第1ワイヤ連結アーム58を上方へ向けて突出させる一方、同ボス部55の下部外周面よりスプリング連結アーム59を下方へ向けて突出させ、右側のボス部56の右側端部近傍位置にてテンションアーム支軸50に第1テンションアーム48の基端を固定し、同テンションアーム48の先端にテンションローラ48a を取付けている。
【0021】
また、右側のボス部56は、テンションアーム支軸50に回転自在に遊嵌して、同ボス部56の上部外周面より第2ワイヤ連結アーム60を上方へ向けて突出させる一方、同ボス部56の下部外周面に第2テンションアーム49の基端を固定し、同テンションアーム49の先端にテンションローラ49a を取付けている。61はスプリング連結ブラケット、62は、同スプリング連結ブラケット61とスプリング連結アーム59に突設した連結ピン59a との間に介設した第1スプリング、63は、スプリング連結ブラケット61と第2テンションアーム49に突設した連結ピン49b との間に介設した第2スプリングであり、各スプリング62,63 は、それぞれれ第1・第2連動ベルト42,43 の中途部に各テンションローラ48a,49a を押圧させて、各連動ベルト42,43 を緊張させるように弾性付勢している。
【0022】
このように、第2テンションアーム49がボス部56を介してテンション支軸50に対して回転すると共に、同テンションアーム支軸50自体も両筒状支持部52,54 を介して回転して、錆付き等により各テンションアーム48,49 がテンション機能を良好に果さなくなるという不具合の発生を防止することができるようにしている。
【0023】
また、上記した第1・第2テンションアーム48,49 は、図3に示すように、クラッチペダル30に連動連結しており、クラッチペダル30は、機体フレーム10に突設したペダル支軸65にボス部66を介して上下回動自在に取付け、同ボス部66にクラッチ作動アーム67を下方へ向けて突設して、同クラッチ作動アーム67と、前記ワイヤ連結アーム58,60 にそれぞれ対向させて左右幅方向に突設した係合ピン68,69 との間にクラッチ作動ロッド70を介設している。71はペダル復元用スプリング、72は、同スプリング71の一端を連結するスプリング連結アーム、73は、同スプリング71の他端を連結するスプリング連結ブラケットである。
【0024】
このようにして、クラッチペダル30を踏込み操作すると、第1・第2テンションアーム48,49 の先端にそれぞれ取付けたテンションローラ48a,49a が第1・第2連動ベルト42,43 から離隔する方向に回動して、両連動ベルト42,43 を弛緩させてクラッチ切断状態となるようにしている。
【0025】
この際、エンジン11からミッションケース13への動力伝達が切断されて前後左右側車輪16,16,18,18 の駆動が停止されると共に、植付ミッションケース2aへの動力伝達も切断される主クラッチ構造を構成している。
【0026】
しかも、クラッチ作動ロッド70の先端部には、図3に示すように、同クラッチ作動ロッド70の軸線方向に伸延摺る横長リング状の係合部70a を取付けて、同係合部70a を係合ピン68,69 に係合させている。
【0027】
このようにして、係合部70a 内では係合ピン68,69 が自由に前後摺動自在とし、その範囲内で、各テンションアーム48,49 を後述する植付部昇降レバー33によりそれぞれ各連動ベルト42,43 に切離自在として、植付二段変速操作が行なえるようにしている。
【0028】
また、図3に示すように、クラッチ作動アーム67にクラッチ作動ロッド70の基端部を連結している連結ピン75には、苗つぎワイヤ76の先端部を連結して、同苗つぎワイヤ76を上記クラッチ作動ロッド70の仮想軸線上にて後方へ伸延させて、同苗つぎワイヤ76の基端部を前記変速レバー32に連動連結している。
【0029】
このようにして、変速レバー32の苗つぎ位置へのレバー操作に連動して、第1・第2テンションアーム48,49 を、苗つぎワイヤ76、クラッチ作動アーム67、及びクラッチ作動ロッド70を介して、連動ベルト42,43 より離隔させるクラッチ切断作動が行なえるようにしている。
【0030】
この際、苗つぎワイヤ76は、クラッチ作動ロッド70を介してテンションアーム48,49 に連動連結しているために、クラッチ作動ロッド70の長さ分だけ、苗つぎワイヤ76を短くすることができると共に、操作荷重を軽減することができる。
【0031】
そして、連動ベルト42,43 が伸長した場合には、クラッチ作動ロッド70のみを調節することにより、テンションアーム48,49 によるクラッチ機能を良好に確保することができて、苗つぎワイヤ76を調節する手間を省くことができる。
【0032】
植付部昇降レバー33は、図5〜図9に示すように、レバー支軸84にレバー支持体85を介して取付けており、機体フレーム10に取付けた左右一対の軸支持ブラケット80,81 に、それぞれ左右幅方向に軸線を向けて対向させた筒状支持体82,83 を取付け、両筒状支持体82,83 中に左右幅方向に伸延するレバー支軸84を回転自在に挿通し、同レバー支軸84の右側端にレバー支持体85の下端部を取付け、同レバー支持体85の上端部に植付部昇降レバー33の下端部を枢支ブラケット86を介して前後方向に伸延する枢軸87の軸線廻りに左右回動自在に取付けている。88は植付部昇降レバーガイド溝、89はレバー復元用スプリングである。
【0033】
このようにして、植付部昇降レバー33を、昇降レバーガイド溝88に沿わせて、レバー支軸84を中心に前後方向に回動操作して、図5に示す植付部上昇操作位置(a) 、植付部中立操作位置(b) 、植付部下降操作位置(c) 、植付部第一速変速操作位置(d) 、及び、植付部第二速変速操作位置(e) にシフト操作可能とすると共に、枢軸87を中心に左右幅方向に回動操作して、植付部昇降レバーガイド溝88に形成した係止用凹部88a,88b,88c にそれぞれ係止可能としている。
【0034】
そして、レバー支軸84の中途部には、図5及び図6に示すように、仮止め体90を固定して取付けると共に、バルブ作動アーム91をボス部92を介して前後揺動自在に取付ける一方、これらの後上方位置に昇降用シリンダ4の切替バルブ93を配置し、同切替バルブ93より前方へ向けて切替スプール93a を突出させて、同切替スプール93a に上記仮止め体90の後上部に形成したバルブ作用部90a と、バルブ作動アーム91の後端部に形成したバルブ作用部91a とをそれぞれ回動・押圧作用させて、の切替バルブ93を切替作動させることにより、昇降用シリンダ4のピストンロッド4aを伸縮作動させて、植付部2を昇降リンク機構3を介して昇降させることができるようにしている。104 はバルブステーである。
【0035】
さらに、レバー支軸84の左側端部には、図5及び図6に示すように、後下方へ向けて自動中立復帰用アーム94を突設し、同アーム94の先端部と昇降用シリンダ4のピストンロッド4aとの間に自動中立復帰用ワイヤ95を介設している。
【0036】
このようにして、植付部昇降レバー33を、図5に示す時計方向に回動させて、植付部上昇操作位置(a) まで操作した際には、仮止め体90のバルブ作用部90a が切替スプール93a を押圧して、切替バルブ93をピストンロッド4aが短縮作動するように油圧回路を切替えて、同ピストンロッド4aが自動中立復帰用ワイヤ95を引張して、同ワイヤ95により自動中立復帰用アーム94が反時計方向に回動されて、レバー支軸84を介して植付部昇降レバー33を植付部中立操作位置(b) まで自動的に復帰させると共に、仮止め体90を中立復帰させて、切替バルブ93を中立位置に切替作動させることができるようにしている。
【0037】
仮止め体90には、図5〜図7に示すように、前方へ膨出状のカム面90b を形成して、同カム面90b の前端面部に植付クラッチ操作用カム部90c を形成すると共に、下端面部に仮止め用カム部90d を形成しており、同仮止め用カム部90d に、上昇仮止め用凹部90e と中立仮止め用凹部90f との下降仮止め用凹部90g と第一速仮止め用凹部90h と第二速仮止め用凹部90i とを形成している。
【0038】
そして、機体フレーム10に取付けた植付クラッチアーム支軸97に、前上方へ向けて伸延する植付クラッチ作用体としての植付クラッチアーム96の後端部をボス部98を介して上下揺動自在に取付け、同アーム96の先端部と植付ミッションケース2a内に設けた植付クラッチ(図示せず)との間に植付クラッチ作用ワイヤ99を介設すると共に、同アーム96の中途部に転動ローラ100 を回転自在に取付けて、同転動ローラ100 を前記仮止め体90の植付クラッチ操作用カム部90c に当接させている。
【0039】
このようにして、転動ローラ100 が、植付クラッチ操作用カム部90c の上半部の上を転動する植付部変速域では、前記植付クラッチを接続状態に保持する一方、同カム部90c の下半部の上を転動する植付部昇降域では、植付クラッチ部を切断状態に保持するようにしている。
【0040】
この際、植付部昇降レバー33を植付部下降操作位置(c) にシフト操作した状態で、転動ローラ100 は仮止め用カム部90c の第二速仮止め用凹部90i に係合するようにしている。
【0041】
また、機体フレーム10に取付けた仮止めアーム支軸101 に、後下方へ向けて伸延する仮止め作用体としての仮止めアーム102 の前端部をボス部103 を介して上下揺動自在に取付け、同アーム102 の後端部と切替バルブ93を支持するバルブステー104 との間に引張スプリング105 を介設すると共に、同アーム102 の中途部に転動ローラ106 を回転自在に取付けて、同転動ローラ106 を前記仮止め体90の仮止め用カム部90d に当接させている。
【0042】
このようにして、植付部昇降レバー33を、植付部上昇操作位置(a) にシフト操作すると、上昇仮止め用凹部90e に転動ローラ106 が係合して、同レバー33を仮止めすることができるようにしており、同様に、植付部昇降レバー33をそれぞれ植付部中立操作位置(b) 、植付部下降操作位置(c) 、植付部第一速変速操作位置(d) 、及び植付部第二速変速操作位置(e) にシフト操作した際には、転動ローラ106 が、中立仮止め用凹部90f 、下降仮止め用凹部90g 、第一速仮止め用凹部90h 、及び、第二速仮止め用凹部90i にそれぞれ係合して、同レバー33を仮止めすることができるようにしている。
【0043】
この際、仮止め体90にカム面90b を形成し、同カム面90b 上に仮止め用カム部90d と植付クラッチ操作用カム部90c を設けているために、仮止め用カム部90d への仮止めアーム102 の仮止め作用動作と、植付クラッチ操作用カム部90c への植付クラッチアーム96のクラッチ切断作用動作とを精度良く同調させることができると共に、操作性を向上させることができると共に、植付クラッチをタイミング良く確実に断続操作することができる。しかも、部品点数の削減も図れる。
【0044】
バルブ作動アーム91には、図8に示すように、レバー支軸84より下方へ伸延させて連動アーム91b を一体成形しており、同連動アーム91b には、変速レバー32に一端を連結した後進切替連動ワイヤ110 の他端を連結すると共に、昇降用シリンダ4のピストンロッド4aに一端を連結した中立姿勢復元用ワイヤ111 の他端を連結し、さらに、バルブステー10との間に姿勢保持用スプリング112 を介設している。
【0045】
このようにして、変速レバー32を後進変速操作をした場合には、後進切替ワイヤ110 と連動アーム91b とを介してバルブアーム91が切替バルブ93を切替スプール93a を介して切替作動させ、昇降用シリンダ4のピストンロッド4aを短縮作動させて、植付部2を昇降リンク機構3を介して上昇作動させることができるようにしている。
【0046】
従って、オペレータが、後進変速操作時に、別途植付部昇降レバー33を操作して植付部2を上昇させる必要がなくなり、誤操作を防止することができると共に、植付部昇降レバー33による植付部2の始動操作も楽に行なうことができて、操作性を向上させることができる。
【0047】
そして、ピストンロッド4aが最大短縮作動すると、中立姿勢復元用ワイヤ111 と連動アーム91b とを介してバルブ作動アーム93が中立姿勢に復元されて、それに連動して切替バルブ93が切替スプール93a を介して中立状態に切替作動されるようにしている。
【0048】
従って、昇降用シリンダ4への油圧の供給をロック状態にして、ピストンロッド4aを最大短縮状態に保持することができて、植付部2を上昇位置にて確実に姿勢保持することができる。
【0049】
また、図5に示すように、バルブ作動アーム91の上端部と、図1に示す植付部2に設けたセンサフロート2bとの間には、植付部自動昇降位置調節用ワイヤ113 を介設しており、センサフロート2bが植付部2の昇降を検出し、その検出結果にもとづいて、上記ワイヤ113 を介してバルブ作動アーム91が切替バルブ93の切替スプール93a を切替作動させ、昇降用シリンダ4のピストンロッド4aを伸縮作動させて、植付部2を昇降リンク機構3を介して自動的に昇降位置調節することにより、植付深さを一定に保持することができるようにしている。
【0050】
ここで、レバー支持体85の上部と昇降リンク機構3との間には、図8に示すように、レバー強制中立復帰用ワイヤ134 を介設している。
【0051】
このようにして、前記のように変速レバー32を後進変速操作して植付部2を上昇作動させた際に、同植付部2の上昇動作にレバー強制中立復帰用ワイヤ134 を介して植付部昇降レバー33を植付部中立操作位置(b) に強制復帰させて、同植付部中立操作位置(b) より植付部昇降レバー33の後続操作を速やかに行なうことができるようにしている。
【0052】
レバー支軸84の前上方位置には、図5及び図6に示すように、カム支軸115 を配置しており、同カム支軸115 は、機体フレーム10より立上げた左側支軸ステー116 と、レバー支軸84の右側端部より前上方へ立上げた右側支軸ステー117 との間に横架し、同カム支軸115 の右側部にテンションアーム操作用カム118 を取付ける共に、左側部にデフロックレバー119 を取付けている。120 はデフロックワイヤである。
【0053】
そして、テンションアーム操作用カム118 は、図5、図6、及び図9に示すように、カム支軸115 の右側部にボス部121 を遊嵌し、同ボス部121 の左側端に四角板状のカム本体122 を取付け、同カム本体122 の上下側に対向する頂部にそれぞれ第1・第2操作用ワイヤ123,124 の一端を連結すると共に、各ワイヤ123,124 の他端を、前記第1・第2テンションアーム48,49 にそれぞれ連動連設した第1・第2ワイヤ連結アーム58,60 に連結し、カム本体122 の後側の頂部に略U時状のリンク125 の一端を連結し、同リンク125 の他端と機体フレーム10に取付けたワイヤ支持ブラケット126 との間に復元用スプリング127 を介設する一方、ボス部121 の右側端に先端二又状の連動用係合体128 を取付けている。
【0054】
また、植付部昇降レバー33を支持するレバー支持体85の上部左側壁には、係合ピン130 を左側方へ突設し、同係合ピン130 が植付部昇降レバー33の植付部変速操作域、すなわち植付部第一速変速操作位置(d) と植付部第二速変速操作位置(e) との間で前後回動操作する範囲内でのみ上記連動用係合体128 に係合して、同レバー33に連動して同連動用係合体128 とカム本体122 とを一体的にカム支軸115 を中心に回動させるようにしている。
【0055】
このようにして、植付部昇降レバー33を植付部第一速変速操作位置(d) にシフト操作した場合には、カム本体122 の回動により第2操作用ワイヤ124 が引張されて、第2テンションアーム49を第2ワイヤ連結アーム60を介して第2連動ベルト43より離隔させて、同第2連動ベルト43による動力を切断した状態にすると共に、第1操作用ワイヤ123 は弛緩され、第1テンションアーム48がテンションローラ48a を介して第1連動ベルト42を緊張させて、動力を接続した状態にする一方、植付部昇降レバー33を植付部第二速変速操作位置(e) にシフト操作した場合には、カム本体122 の回動により上記とは反対の作動がなされて、第1連動ベルト42が動力切断状態になると共に、第2連動ベルト43が動力接続状態となって、植付部2の植付二段変速操作を植付変速レバーを兼用する1本の植付部昇降レバー33により行なうことができるようにしている。
【0056】
なお、植付部昇降レバー33には、機体フレーム10の一側部に起倒自在に取付けたサイドマーカー(図示せず)を起倒操作可能に連動連結している。
【0057】
従って、本実施例では、オーペレータが着座姿勢で操作を行ない易い位置である座席26の右側方位置に植付部昇降レバー33を配置して、かかる1本の植付部昇降レバー33を操作することにより、一連の作業操作である植付部2の下降操作→サイドマーカーの倒伏使用位置設定操作→植付部2の始動操作→植付増速操作→植付減速操作→植付部2の停止操作→サイドマーカーの起立収納位置設定操作→植付部2の上昇操作を楽に行なうことができる。
【0058】
しかも、植付部2の昇降操作に係るレバー支軸84と、植付二段変速操作に係るカム支軸115 とを別々にしているために、各構成部材の腐食や飛散土の付着等による誤動作を少なくして、植付部2の下降操作が行なわれなければ、植付二段変速操作が行なえず、従って、植付部2の誤動作を防止することができて、植付作業上の安全性を確保することができる。
【0059】
図10は、変速ガイド溝135 を示しており、同レバーガイド溝135 は、前後方向に伸延させて形成した路上走行及び植付変速用ガイド溝部136 と、同路上走行及び植付変速用ガイド溝部136 の後端部より左側方へ折曲すると共に、U字状に折返して形成した苗つぎ用ガイド溝部137 と、上記ガイド溝部136 の後端部より右側方へ折曲すると共に後方へ向けて伸延させて形成した中立及び後進変速用ガイド溝部138 とから形成しており、変速レバー32の中途部には、同変速レバー32を右側方へ引張付勢する引張スプリング139 を連結して、同引張スプリング139 により変速レバー32を苗つぎ用ガイド溝部138 の終端位置に保持して、同変速レバー32を前後左右のいずれの方向に押しても容易にシフトしないようにしている。
【0060】
従って、苗つぎ作業中に、作業者の体の一部が変速レバー32に接触した場合にも、同変速レバー32が容易にシフトせず、そのために切断状態のクラッチ部が接続状態となって、機体が動きだすという不慮の事故が発生するのを防止することができて、作業上の安全性を確保することができる。
【0061】
【効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0062】
(1)請求項1記載の本発明では、エンジンの左側壁に取付けた油圧ポンプステーに、右側筒状支持部を突設する一方、機体フレームに取付けた支軸ステーに、左側筒状支持部を上記右側筒状支持部と同一軸線上にて対向させて取付け、両筒状支持部中に前記テンションアーム支軸を回転自在に挿通して、同テンションアーム支軸の左右側端部をそれぞれ支持した両持ち支持構造となしているため、同テンションアーム支軸の剛性を確保することができて、同テンションアーム支軸の撓み変形を防止することができる。
【0063】
従って、連動ベルトにテンションアームを確実に押圧作用させることができて、クラッチ機能を良好に確保することができる。
【0064】
しかも、テンションアーム支軸は、両端部をそれぞれ筒状支持部により回転自在に取付け、同テンションアーム支軸の中途部にテンションアームをボス部を介して回転自在に取付けているため、前記した効果に加えて、テンションアームがテンションアーム支軸に対して回転すると共に、同テンションアーム支軸自体も回転して、錆付き等によりテンションアームがテンション機能を良好に果さなくなるという不具合の発生を防止することができる。
【0065】
(2)請求項2記載の本発明では、テンションアームにより連動ベルトを緊張・弛緩させて、走行駆動用の動力と植付駆動用の動力とを接続・切断する主クラッチ構造となしているために、前記した効果に加えて、走行駆動系及び植付駆動系の動力の接続・切断操作を確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗用田植機の側面図。
【図2】同乗用田植機の平面図。
【図3】連動機構の側面図。
【図4】同連動機構の平面図。
【図5】植付部昇降レバーの側面図。
【図6】同植付部昇降レバーの平面図。
【図7】仮止め体の側面図。
【図8】バルブ作動アームの側面図。
【図9】テンションアーム操作用カムの側面図。
【図10】変速レバーガイド溝の平面図。
【符号の説明】
A 乗用田植機
1 走行部
2 植付部
3 昇降リンク機構
4 昇降用シリンダ
Claims (2)
- 自走可能な走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、同走行部の機体フレームの前部にエンジンを設け、同エンジンにミッションケースを連動機構を介して連動連設し、同ミッションケースに植付部の植付ミッションケースを伝動機構を介して連動連結した乗用田植機において、
連動機構は、エンジンの出力軸とミッションケースの入力軸との間に連動ベルトをプーリーを介して巻回する一方、同連動ベルトの近傍にテンションアームをテンションアーム支軸を介して支持して、同テンションアームにより連動ベルトを緊張・弛緩自在とし、
エンジンの左側壁に取付けた油圧ポンプステーに、右側筒状支持部を突設する一方、機体フレームに取付けた支軸ステーに、左側筒状支持部を上記右側筒状支持部と同一軸線上にて対向させて取付け、両筒状支持部中に前記テンションアーム支軸を回転自在に挿通して、同テンションアーム支軸の左右側端部をそれぞれ支持した両持ち支持構造となし、同テンションアーム支軸の中途部にテンションアームをボス部を介して回転自在に取付けたことを特徴とする乗用田植機。 - テンションアームにより連動ベルトを緊張・弛緩させて、走行駆動用の動力と植付駆動用の動力とを接続・切断する主クラッチ構造となしたことを特徴とする請求項1記載の乗用田植機。
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- 1996-01-25 JP JP1130296A patent/JP3596699B2/ja not_active Expired - Fee Related
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