JPH03208627A - 樹脂成形品とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、樹脂或形品とその製造方法に関し、特に、自
動車のエアスポイラー、バンパー或いはインストルメン
トパネル等のように、軽量化と共に剛性が求められる樹
脂成形品とその製造方法に関する。

（従来の技術） 前記のように軽量化が求められる樹脂或形品としては、
特開昭６３−４３８７５号公報に示されるように、中空
部を有する樹脂製中空体からなるものが知られている。

一方、剛性を得るための樹脂成形品としては、実開平１
−１２８４７２号公報に示されるように、樹脂材中にガ
ラス繊維が埋設されてなる芯材の表面を樹脂材および表
皮で覆ってなるものが知られている。そして、該樹脂成
形品の製造方法は、芯材の表面形状と対応する形状の成
形面を有する或形型の該成形面にガラス繊維を載置した
後、前記成形型のキャビティに樹脂材を充填し、該樹脂
材を硬化させて芯材を得、次に、該芯材の表面を樹脂材
および表皮で覆うものである。

（発明が解決しようとする課題） しかるに、前者の樹脂製中空体よりなる樹脂成形品は軽
量化を図ることができる反面、剛性を得ることはできな
いという問題がある。

また、後者の樹脂材中にガラス繊維が埋設された芯材の
表面を樹脂材および表皮で覆ってなる樹脂成形品におい
ては、該芯材を製造する際における樹脂材の充填時にガ
ラス繊維が移動して樹脂材中で偏在してしまうため、剛
性を向上させるためには多量のガラス繊維を埋設しなけ
ればならず、樹脂成形品の重，量が大きくなってしまう
という問題がある。

前記に鑑みて、本発明は、樹脂成形品の重量を大幅にア
ップさせることなく、十分な剛性を得るようにすること
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、請求項（１）および（２）
の発明は、樹脂製中空体の中空部に、表面がガラス繊維
で覆われた樹脂製小片を分散して配置することにより、
樹脂成形体中にガラス繊維を一様に分布させるものであ
る。

具体的に請求項（１）の発明が講じた解決手段は、中空
部を有する樹脂製中空体と、該樹脂性中空体の中空部に
分散して多数配置され、表面がガラス繊維で覆われた樹
脂製小片よりなるガラス繊維被覆体と、前記樹脂製中空
体の中空部における前記ガラス繊維被覆体間に充填され
た樹脂材とからなる構成とするものである。

また、具体的に請求項（２の発明が講じた解決手段は、
ガラス繊維を樹脂製小片の表面に接着剤で付着させて表
面がガラス繊維で覆われてなるガラス繊維被覆体を得た
後、該ガラス繊維被覆体を中空部を有する樹脂製中空体
の該中空部に分散して多数配置し、しかる後、樹脂材を
前記樹脂製中空体の中空部における前記ガラス繊維被覆
体間に充填して硬化させる構成とするものである。

（作用） 請求項（１）の構成により、ガラス繊維被覆体は表面が
ガラス繊維で覆われた樹脂製小片で形成されているため
、該ガラス繊維被覆体の重量は樹脂材のみで形成した場
合と大差ない。

また、樹脂製中空体の中空部にガラス繊維被覆体が分散
して多数配置されているため、ガラス繊維は樹脂成形品
中で一様に且つ隅々まで分布している。

また、請求項（３の構成により、表面がガラス繊維で覆
われた樹脂製小片よりなるガラス繊維被覆体を樹脂製中
空体の中空部に分散して配置した後、該中空部における
ガラス繊維被覆体間に樹脂材を充填するため、樹脂材の
充填時にガラス繊維被覆体同士が互いに干渉し合って移
動しにくいため、ガラス繊維被覆体ひいてはガラス繊維
を樹脂成形品中に一様に且つ隅々まで分布させることが
できる。

（実施例） 以下、本発明に係る樹脂或形品とその製造方法の一実施
例を図面に基づき説明する。

本発明の樹脂成形品は用途が限られるものではないが、
本実施例では自動車に取付けられるエアスポイラー１の
場合について説明する。

５ 第１図はエアスポイラー１の断面構造、第２図はエアス
ポイラー１が車体Ａに取付けられた状態を各々示してお
り、第１図において２は塩化ビニル樹脂或いはＡＢＳ樹
脂等の樹脂材をエアスポイラー１の外面形状にブロー成
形して得た中空部２１を有する樹脂製中空体である。ま
た、第２図において２２は車体Ａと樹脂製中空体２とに
取付けを有するエアスポイラー１の脚部である。

樹脂製中空体２の中空部２１には、球状の樹脂製小片３
の表面がガラス繊維４で覆われてなるガラス繊維被覆体
５が分散して多数配置されている。

樹脂製小片３は発泡ボリブロピレン等の軽量な樹脂より
なる発泡体で形成されており、その大きさは、樹脂製中
空体２の大きさにより異なるが、樹脂製中空体２の中空
部２１に分散して配置した際に樹脂製小片３間に隙間が
形成される程度、つまり直径が５〜３０ｍｍ程度が好ま
しい。なお、樹脂製小片３は発泡体に代えて樹脂よりな
る中空体或いは中実体で形成されていてもよいと共に、
その形状についても適宜変更可能である。

６ 該樹脂製小片３の表面を覆うガラス繊維４としては例え
ば直径：　０．０１〜０．０１４ｍｍ，繊維長：１０ｍ
ｍ程度のチップドガラスが取扱い上好ましい。

また、樹脂製中空体２の中空部２１における樹脂製小片
３の間には硬質ウレタン樹脂等よりなる樹脂材６が充填
されている。

以上のように、エアスポイラー１の中空部２１に配置さ
れたガラス繊維被覆体５は、表面がガラス繊維４で覆わ
れた樹脂製小片３により形成されているため、樹脂材の
みで形成した場合と比べてその重量は余り増加しない。

また、エアスポイラー１中にガラス繊維被覆体５を分散
して多数配置したため、ガラス繊維４がエアスポイラー
１中に一様に且つ隅々まで分布しているので、中実構造
と相俟ってエアスポイラー１の剛性は向上する。

以下、本実施例のエアスポイラー１の製造方法を第３図
〜第７図に基づき説明する。

まず、中空部２１を有し、エアスポイラー１の外形形状
にブロー成形された樹脂製中空体２を準備する。

第６図に示すように、樹脂製中空体２は裏面の左右両側
端部に車体Ａに取付けるための脚部２２が組み付けられ
る凹部２３，２４を有し、一方の凹部２３の裏面にはガ
ラス繊維被覆体５を捧入するための挿入孔２５と脚部２
２を組み付けるためのボルト孔２６とが各々設けられて
いる。また、他方の凹部２４の裏面にはガラス繊維被覆
体５の挿入時に中空部２１のエアを外部へ流出させるた
めのエア抜き孔２７とボルト孔２６とが各々設けられて
おり、挿入孔２５とエア抜き孔２７とは各々樹脂製中空
体の中空部２１に連通している。これにより、ガラス繊
維被覆体５を挿入孔２５を通じて中空部２１に挿入する
際、中空部２１のエアはエア抜き孔２７を通じて外部へ
流出するため、ガラス繊維被覆体５をスムーズに挿入で
きる。

次に、第３図に示すような例えば発泡ポリプロピレンよ
りなる樹脂製小片３を準備し、該樹脂製小片３の表面に
、第４図に示すようにエアスプレーガンＢにより接着剤
７を塗布する。

次に、第５図に示すように、接着剤７が塗布された樹脂
製小片３をガラス繊維４の上を転がすことにより、樹脂
製小片３の表面に多数のガラス繊維４を付着させてガラ
ス繊維被覆体５を得る。

次に、第６図に示すように、エアスポイラー１における
一方の四部２３の挿入孔２５から樹脂製中空体２の中空
部２１にガラス繊維被覆体５を多数挿入して分散配置さ
せる。

次に、第７図に示すように、エアスポイラー１の外形に
対応する形状の戊形面８１を有する成形型８を準備し、
樹脂製中空体２を成形面８１に載置した後、型閉めする
。その後、中空部２１におけるガラス繊維被覆体５間に
樹脂材６としての硬質ウレタン樹脂を樹脂注入機Ｃによ
り充填し、樹脂材６が硬化した後、脱型してエアスポイ
ラー１を得る。

このようにガラス繊維被覆体５を多数分散配置した後に
、樹脂材６を充填するため、樹脂材６の充填時にガラス
繊維被覆体５つまりガラス繊維４は移動しないので、ガ
ラス繊維４をエアスボイラ９ −ＩＥＨ，：　一様に且つ隅々まで分布させた状態で配
置することができる。

（発明の効果） 以上説明したように、請求項（１）の発明に係る樹脂成
形品によると、ガラス繊維被覆体を表面がガラス繊維で
覆われた樹脂製小片により形威したため、該ガラス繊維
被覆体の重量は樹脂材のみの場合に比べて余り増加せず
、また、ガラス繊維被覆体を多数分散して配置したため
、ガラス繊維が一様で且つ隅々まで分布しているので、
重量が大幅にアップすることなく十分な剛性を得ること
ができる。

また、請求項（２）の発明に係る樹脂成形品の製造方法
によると、ガラス繊維被覆体を分散して配置した状態で
樹脂材を充填するため、容易に樹脂成形品中にガラス繊
維を一様に且つ隅々まで分布させることができる。この
ため、請求項（２の発明によると、重量が大幅にアップ
することなく十分な剛性を有する樹脂成形品を簡易に製
造することができる。

１０

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は請求項（１）の発明の一実施例で
ある樹脂成形品を示し、第１図は該樹脂成形品の中央部
の断面図、第２図は該樹脂成形品の相手部材への取付状
態を示す斜視図、第３図〜第７図は請求項（２）の発明
の一実施例である樹脂成形品の製造方法を示し、第３図
は樹脂製小片の斜視図、第４図は該樹脂製小片への接着
剤の塗布工程の斜視図、第５図は該樹脂製小片へのガラ
ス繊維の付着工程の斜視図、第６図は樹脂製中空体の中
空部への前記樹脂製小片の挿入工程の一部切截斜視図、
第７図は樹脂製中空体の中空部への樹脂材の充填工程の
断面図である。 ・・・エアスポイラー（樹脂成形品） ・・・樹脂製中空体 ・・・樹脂製小片 ・・・ガラス繊維 ・・・ガラス繊維被覆体 ・・・樹脂材 １１ ７ ・・・接着剤 ２１・・・中空部 １２ １ ・・・エアスポイラー （樹脂成形品） ２ ・・・樹脂製中空体 ５ ・・・ガラス繊維被覆体 ６ ７ ・・・樹脂材 ・・・接着剤 ２１・・・中空部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）中空部を有する樹脂製中空体と、該樹脂製中空体
   の中空部に分散して多数配置され、表面がガラス繊維で
   覆われた樹脂製小片よりなるガラス繊維被覆体と、前記
   樹脂製中空体の中空部における前記ガラス繊維被覆体間
   に充填された樹脂材とからなることを特徴とする樹脂成
   形品。
2. （２）ガラス繊維を樹脂製小片の表面に接着剤で付着さ
   せて表面がガラス繊維で覆われてなるガラス繊維被覆体
   を得た後、該ガラス繊維被覆体を中空部を有する樹脂製
   中空体の該中空部に分散して多数配置し、しかる後、樹
   脂材を前記樹脂製中空体の中空部における前記ガラス繊
   維被覆体間に充填して硬化させることを特徴とする樹脂
   成形品の製造方法。