JPH0319832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、シヤワー設備を格納した壁付（壁
内）家具に関する。

〔背景技術〕

従来、シヤワー設備は、浴室内あるいは別に設
けた専用室に据置したものが多かつた。しかし、
ワンルームマンシヨン等のスペースの少ない集合
住宅にあつては、シヤワールームを設けると、そ
の分だけ、居室内のスペースが狭くなる問題があ
つた。

また、一般住宅において、シヤワーを設けた浴
室が１階にあり、寝室が２階にあつた場合、就寝
前後にシヤワーを浴びたいときには、いちいち１
階まで降りなくてはならないと言う面倒があつ
た。

〔考案の目的〕

この考案は、このような問題を解決するために
なされたものであつて、使用時と不使用時に室内
スペースが変えられ、使用時は簡単に組立使用出
来、不使用時は格納して省スペースに役立ち、ス
ペースの少ないワンルームマンシヨン、寝室ある
いは別荘等に容易に取り付け可能なシヤワー付き
壁付家具を提供することを目的とする。

〔考案の開示〕

この考案は、箱体からなる家具本体と、この家
具本体の開口部を閉ざし、複数放の扉部からなる
折りたたみ式扉と、前記家具本体に取り付けられ
たシヤワー設備と、前記家具本体の下部に家具本
体への格納可能に取り付けられたシヤワータブ
と、シヤワータブの上方に家具本体への格納可能
に取り付けられた水洗便器と、水洗便器の上方に
前記家具本体への格納可能に取り付けられた洗面
器と、前記家具本体もしくは扉に取り付けられる
カーテン支持バーと、このカーテン支持バーに吊
り下げられるカーテンとを具備し、前記家具本体
は壁に取り付けられるようになつているものであ
つて、以下に実施例を述べる。

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示
し、１は六面体の箱体からなる家具本体である。
家具本体１は、壁に全部もしくは一部を埋め込む
か、たは寄せられ、アングル材（図示せず）等を
用いて固定される。

２は家具本体１の側板に開閉自在に取り付けら
れた扉である。扉２は、前扉部２１と側扉部２２
の２枚からなる折りたたみ式に構成され、前扉部
２１と天袋６０上方との間には、カーテン支持バ
ー５ａとカーテン支持バー受け金具６ａが取り外
し自在に取り付けられている。カーテン支持バー
５ａにはカーテン（図示せず）が吊り下げられ
る。

３は前記家具本体１の背板１２に取り付けられ
たシヤワーである。シヤワー３は、家具本体１側
と側扉部２２の両方に取付具３１，３２によつて
取り外し自在に取り付けられるようになつてい
る。家具本体の内壁面等には、シヤワー３の水・
湯量を調節するつまみ（図示せず）が取り付けら
れる。

４は前記家具本体１の下部に引き出し可能に取
り付けられたシヤワータブである。シヤワータブ
４は、蛇腹式の左右側壁４１ａ，４１ａと底壁４
２ａおよび平板状の前壁４３ａより構成される。
シヤワータブ４には、排水孔（図示せず）が設け
られ、排水孔には排水パイプが接続される。

この蛇腹式のシヤワータブ４ａ上方位置には、
水洗便器４０が、上下方向に回動可能、すなわ
ち、はね上げ式に家具本体１に取り付けられてい
るとともに、この水洗便器４０の上方に洗面器５
０が、同じくはね上げ式に家具本体１に取り付け
られ、さらに、天袋６０内に水洗便器４０の自動
洗浄器（図示せず）が収納されている。

蛇腹式のシヤワータブ４ａを使用することは、
第１図のように、扉２の前扉部２１を前方に、側
扉部２２を側方にそれぞれ位置させて、シヤワー
タブ４ａを手前（前扉部側）に引き出し、カーテ
ン支持バー５ａをカーテン支持バー受け金具６ａ
に嵌め込み、カーテン（図示せず）を閉めて、シ
ヤワー３を浴びる。すなわち、家具本体１と前扉
部２１および側扉部２２が、シヤワー室空間の三
面の側壁を構成し、残りの１面がカーテンによつ
て覆われた出入り口となる。

第１図の状態からシヤワータブ４ａを家具本体
１内に格納し、水洗便器４０を水平に設置する
と、水洗トイレとして使用出来る。使用後は、吊
り紐４１を引き、天袋６０内の自動洗浄器（図示
せず）を作動させて、水洗便器４０内を洗い流
す。第２図に示すように、格納状態より、扉２を
折りたたんだまま開けて、洗面器５０を水平に設
置すると、洗顔、手洗いが出来る。

この実施例によると、シヤワータブ４ａが蛇腹
式に構成されているので、その前壁４３ａを手前
に引くだけでシヤワータブ４ａが使え、格納時
は、前壁４３ａを押すだけで家具本体１内に格納
出来、使い易く、また、水平移動による格納であ
るため漏水が防止出来る利点がある。前扉部２１
と側扉部２２で、シヤワー室空間の２面の側壁を
構成していることにより、前扉部２１に蛇腹式シ
ヤワータブ４ａを伸ばした状態で確実に支持して
おける。さらに、シヤワー室空間の３面の家具本
体１と前扉部２１および側扉部２２で囲まれ、残
りの１面のみをカーテンで覆つていればよいの
で、カーテンおよびカーテン支持枠５ａの構造お
よび取り付けが簡単になる。

シヤワータブ４ａの構造としては、洗面器５０
と同様のはね上げ式にすることもできる。第３図
は、はね上げ式のシヤワータブ４の構造を示して
おり、底部４２と側部４３、およびこの側部４３
の上端に破線で示す凹部４５が設けられており、
この凹部４５の奥角に設けられた排水孔４１より
水が排水される。シヤワータブ４の使用時、すな
わち、第３図の実線で示す状態では、底部４２が
水平になり、シヤワータブ４内の水は、排水孔４
１から矢印ａ方向に排水される。つぎに、シヤワ
ータブ４をはね上げて家具本体１に格納すると、
シヤワータブ４は鎖線で示す位置に移動し、シヤ
ワータブの側部４３から内の残水は、矢印ｂ方向
に排水される。この時、側部４３内の残水は、シ
ヤワータブ４の内側折曲部４４に当たつて、外側
への漏水が防止される。

シヤワータブ４ａの構造がはね上げ式の場合、
家具本体１とシヤワータブ４ａの間に隙間を塞ぐ
ためのベローズを取り付けておけば、使用時およ
び格納時にシヤワータブ４ａと家具本体１の間の
隙間からシヤワーの水が漏れることがない。

洗面器５０は、前記実施例のように、家具本体
１に取り付けておくほか、扉２に取り付けておい
てもよい。

前記実施例では、カーテン支持バー５ａとカー
テン支持バー受け金具６ａが取り付け自在に設け
られているが、カーテン支持バーを、扉２または
家具本体１にはね上げ式に取り付けておくことも
できる。

〔考案の効果〕

この考案にかかる壁付家具は、以上述べたよう
に、箱体からなる家具本体と、この家具本体の開
口部を閉ざし、複数枚の扉部からなる折りたたみ
式扉と、前記家具本体に取り付けられたシヤワー
設備と、前記家具本体の下部に家具本体への格納
可能に取り付けられたシヤワータブと、シヤワー
タブの上方に設置された水洗便器と、前記家具本
体もしくは扉に取り付けられるカーテン支持バー
と、このカーテン支持バーに吊り下げられるカー
テンとを具備し、前記家具本体は壁に取り付けら
れるようになつているものであるから、使用時と
不使用時に占有スペースが変えられるものであ
り、省スペース効用が大きいものである。

この考案にかかる壁付家具は、この省スペース
効果によつて、ワンルームマンシヨンまたは寝
室、あるいは別荘等に取り付けるのに最適であ
る。

特に、シヤワー設備に加えて、水洗便器および
洗面器も取り付けられており、日常生活に必要な
水回り設備が全て組み込まれているので、非常に
便利であるとともに、水の供給や排水等の配管関
係を全てまとめておくことができる。その結果、
設置工事や防水工事等の施工が簡単、既設の住宅
等にも容易に取り付けることができる。

さらに、家具本体の扉を閉ざせば、前記のよう
な水回り設備を全て密閉状態で格納しておくこと
ができるので、シヤワー等を使用した後にシヤワ
ータブ等に残る残留水や湿気で、室内空間を湿気
させてしまう心配がなく、室内環境を良好に維持
することが出来る。

扉が複数枚の扉部からなる折たたみ式の構造を
有しているため、シヤワーを使用する際や水洗便
器を使用する際等に、各扉部で使用空間の複数面
の側壁を構成して、使用空間が剛性の壁で囲まれ
た状態にしておけ、外部の室内空間に水漏れや音
漏れを起こすことなく、確実に隔離しておくこと
が可能になる。また、複数枚の扉部には、シヤワ
ーの取付具を設けたり、蛇腹式シヤワータブの支
持を行つたり、カーテン支持バーを取り付けたり
することもでき、便利にである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示し、シヤワー
タブ使用時の斜視図、第２図は洗面器使用時の斜
視図、第３図は別の実施例のシヤワータブを示す
拡大側面図である。 １……家具本体、２……扉、２１，２２……扉
部、３……シヤワー、４，４ａ……シヤワータ
ブ、５ａ……カーテン支持バー、６ａ……カーテ
ン支持バー受け金具、４０……水洗便器、５０…
…洗面器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱体からなる家具本体と、この家具本体の開
   口部を閉ざし、複数枚の扉部からなる折りたた
   み式扉と、前記家具本体に取り付けられたシヤ
   ワー設備と、前記家具本体の下部に家具本体へ
   の格納可能に取り付けられたシヤワータブと、
   シヤワータブの上方に家具本体への格納可能に
   取り付けられた水洗便器と、水洗便器の上方に
   前記家具本体への格納可能に取り付けられた洗
   面器と、前記家具本体もしくは扉に取り付けら
   れるカーテン支持バーと、このカーテン支持バ
   ーに吊り下げられるカーテンとを具備し、前記
   家具本体は壁に取り付けられるようになつてい
   る壁付家具。 (2) 扉が、前扉部と側扉部の２枚で構成され、前
   扉部がシヤワータブ前方部を、側扉部が側方部
   をカバーするようになつている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の壁付家具。 (3) シヤワータブが蛇腹式に構成されている実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   壁付家具。