JP6347649B2 - 格納可能な更衣室装置 - Google Patents
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Description
その結果、店舗では、限られた床面積の中で、更衣室を設置するためのスペースを確保しなければならず、更衣室の個数を増やすほど衣服を展示するスペースが削減されてしまうことになる。
それゆえ、現実の店舗では、衣服の展示スペースをできる限り確保するために、更衣室を最小限の個数で設置することになる。
そこで、特許文献2または3のように折り畳み可能な更衣室を用いることが考えれる。
しかしながら、特許文献2または3の折り畳み可能な更衣室を用いる場合、店舗には、使用していない折り畳み可能な更衣室を収納するスペースを別途確保しなければならない。その分、店舗の展示スペースは削減されてしまう。
この他にもたとえば、イベントスペースでは、たとえば任意の期間で展示する商品が入れ替えられる。展示する商品によっては、更衣室が必要になる。そのため、展示品の入れ替えの度に更衣室を設置したり、更衣室を取り除いたりする必要がある。仮にイベントスペースに更衣室が固定的に設置されている場合には、その分、展示スペースは削減されてしまう。また、イベントスペースのレイアウトが制限されてしまう。
また、本発明の更衣室では、カーテンレールは、支持部材により、箱枠体に収容された状態に支持される。よって、前面に鏡が形成される開閉扉を閉じることにより、たとえば店舗の壁面にオープンスペースでの鏡を設置できる。また、鏡が形成される開閉扉の前に、たとえば衣服の展示スペースとして利用できる。また、更衣室として使用しない状況で、高い意匠性が得られる。
このように、本発明の格納可能な更衣室では、開閉扉の前のスペースを、たとえば、通常は衣服の展示スペースとして利用し、更衣室が必要となる場合には更衣スペースとして利用できる。通常の更衣室を設置した場合のように更衣室の専用のスペースを確保する必要がない。よって、たとえば店舗などにおいて、専用の更衣室スペースによる展示スペースの削減等を効果的に抑制しつつ、必要な更衣室を確保することができる。格納可能な更衣室の前のスペースは、多目的に利用できる。
しかも、本発明では、支持部材によりカーテンレールを箱枠体に収容し、箱枠体を開閉扉で閉じることができる。更衣スペースを形成するために必要となるカーテンレールを箱枠体に収容できる。よって、たとえば、更衣室を格納する際にカーテンレールを他の場所へ置きに行ったり、更衣室を組み立てる際にカーテンレールを他の場所へ取りに行ったりする必要がない。更衣室が固定されている場所において、更衣室の組み立て作業を完結できる。高い作業性が得られる。
図1は、更衣室104が設置される店舗フロア101の一例を示す説明図である。
図1の店舗フロア101には、衣服の陳列棚102、会計カウンタ103、更衣室104が配置される。このように衣服を販売する店舗では、衣服を試着するための更衣室104が設置される。更衣室104は、たとえば人が入って着替えができるサイズに形成する必要がある。その結果、店舗では、限られた床面積の中で、更衣室104を設置するためのスペースを確保しなければならない。そして、更衣室104の個数を増やすほど衣服を展示するスペースが削減されてしまうので、現実には、衣服の展示スペースを確保するために、更衣室104を最小限の個数で設置することになる。たとえば1〜2個で設置することになる。
しかなしながら、このように更衣室104を最小限の個数で設置した場合、衣服の販売が好調になればなるほど、衣服を試着しようとする顧客が増え、更衣室104の前での順番待ちが発生してしまう。順番待ちは、販売の機会を喪失する可能性があり、店舗のサービスとして望ましいものではない。店舗では、更衣室104の順番待ちによるサービスの質の低下を避けることが望まれている。
このように、たとえば店舗などでは、展示スペースの削減を効果的に抑制しつつ、必要な更衣室104を確保できるようにすることが望まれている。
そこで、本実施形態では、格納可能な更衣室装置1を提供する。図1において、更衣室装置1は店舗内の柱に取り付けられている。そして、通常時には更衣室装置1を格納しておくことで、更衣室装置1の前の点線枠のスペースを陳列棚102の設置スペースまたは通路として利用できる。また、衣服を試着しようとする顧客が増えた緊急時には、更衣室装置1を展開することで、顧客の順番待ちを解消できる。店舗フロア101の限られたスペースを有効に活用して、店舗での販売サービスの質を向上できる。以下、更衣室装置1について具体的に説明する。
更衣室装置1は、たとえば店舗の壁や柱に固定される。そして、更衣室装置1を展開することにより、店舗で販売される衣服を試着する顧客が使用できる。
なお、更衣室装置1は、図3のように壁面の表面に固定されてもよいが、更衣室装置1の背面側が壁面内に埋設された状態で固定されてもよい。
図1の更衣室装置1は、箱枠体2と、箱枠体2の前面に設けられ、カーテン3の取付部材4および鏡5が形成される開閉扉6と、カーテン3が吊下げられるカーテンレール7と、カーテンレール7を昇降可能に支持する支持部材8と、カーテン3を箱枠体2内で拘束する拘束部材9と、を有する。
図2は、格納状態の更衣室装置1の正面図である。図3は、図2の側面図である。
図4は、図2の状態から、開閉扉6を開いた更衣室装置1の正面図である。
図5は、図4の状態から、カーテンレール7を前上へ引き出した更衣室装置1の縦断面図である。
図6は、図5の状態から、カーテン3を前に移動させた更衣室装置1の縦断面図である。
図7は、図6の状態から、開閉扉6を閉じた更衣室装置1の縦断面図である。
図8は、図7の状態から、カーテン3を開いた更衣室装置1の縦断面図である。図9は、図8の上面図である。図10は、図8の正面図である。ただし、図10では、右カーテン3Rを省略している。
図11は、カーテンレール7の昇降動作の説明図である。
矩形枠形状の箱枠体2には、各種の部品などを収容するための内部空間を有する。箱枠体2の前後方向の厚さは、箱枠体2内にカーテン3およびカーテンレール7を収容できるようにするために、たとえば十数センチメートルの厚さに形成するとよい。
矩形枠形状の箱枠体2は、背面板13が壁面と重なる姿勢で、壁面に固定される。
開閉扉6は、矩形枠形状の箱枠体2の外形と略同じサイズに形成するとよい。本実施形態では、開閉扉6は、その上に配置される後述する幕板31と合わせて、矩形枠形状の箱枠体2の外形と略同じサイズに形成されている。これにより、開閉扉6と矩形枠形状の箱枠体2との一体感が得られる。格納状態の更衣室装置1の外観には、統一的な意匠デザインを施すことができる。
開閉扉6は、たとえば蝶番により1の縦角材11に取り付けられる。本実施形態では、図4に示すように、開閉扉6は、左側の縦角材11に取り付けられている。この場合、開閉扉6は、左側の縦角材11の周囲で回動し、左右に開閉できる。
なお、開閉扉6は、矩形枠形状の箱枠体2に対して取り外し可能に取り付けられてもよい。ただし、開閉扉6に鏡5を形成して開閉扉6が重量化する場合、開閉扉6は、蝶番により1の縦角材11に取り付けて支持させるのが望ましい。これにより、女性でも軽い力で開閉扉6を開閉し、更衣室装置1の格納作業および展開作業を実施できる。
鏡5は、たとえば単なる金属板でも、ガラスの裏面に金属膜を形成したものでもよい。
なお、鏡5は、アクリル板の裏面に金属膜を配置したものでもよい。鏡5は、開閉扉6の前面に張り付けられても、開閉扉6の前面に埋め込まれてもよい。
また、鏡5は、開閉扉6の前面の周縁部以外である中央部分に形成される。なお、鏡5は、開閉扉6の前面に対してその全面に形成されてもよい。また、鏡5が形成された開閉扉6の前面は、略フラットに形成されている。
取付部材4は、たとえば磁石でよい。本実施形態において取付部材4は、開閉扉6の前面中央の鏡5についての左右両側に縦長に設けられる。このように取付部材4を鏡5と重ならないように鏡5の周囲に設けることにより、鏡5の平面性を損なうことなく開閉扉6の前面に取付部材4を設けることができる。複数の磁石を、一定間隔毎に縦に配列してもよい。
取付部材4は、開閉扉6の前面に露出して設けられても、開閉扉6の前面に埋設して設けられてもよい。ここでは、取付部材4は、開閉扉6の前面に埋設して設けられている。これにより、開閉扉6の前面は、鏡5の周囲に開閉扉6そのものが露出した表面形状になる。開閉扉6の意匠性を高めることができる。
ラチェットギア21は、特に図示しないが、ハウジングと、ハウジング内で回転するギアと、ハウジング内でギアとかみ合うカムと、カムと一体化され、ハウジングから突出する可動片と、を有する。可動片は、カムとともにギアの周囲で一方向へ回転可能に設けられる。そして、たとえば可動片を初期位置から90度以上の100度程度の角度で回転することにより、カムがギアとかみ合い、可動片は略90度の位置で支持され得る。また、たとえば可動片を約110度から120度程度の角度で回転することにより、かみ合ったカムがギアから外れ、可動片は0度の初期位置まで逆へ回転可能になる。
また、ラチェットギア21のハウジング内には、ダンパ機構が設けられる。ダンパ機構は、たとえば、カムと一体化される受抵抗片と、ハウジング内に充填されるオイルと、で構成できる。可動片の回転にしたがってカムがハウジング内で移動する際、カムと一体化された受抵抗片がオイルの粘性抵抗を受ける。可動片およびカムの回転速度は、オイルの粘性抵抗により抑制される。カムは、ゆっくりと滑らかに回転し得る。
支持アーム22は、たとえば長尺のL型金具である。支持アーム22の一端は、ラチェットギア21の可動片に取り付けられる。支持アーム22は、可動片とともに回転し得る。
そして、一対のラチェットギア21は、箱枠体2の一対の縦角材11の内面に取り付けられる。閉じた開閉扉6の上縁より上側となる高さ位置に取り付けられる。
また、ラチェットギア21は、上述した0度方向が下向きとなり、且つ、可動片が垂直面内で下から前を経由して上へ可動できるように、箱枠体2の内側に取り付けられる。これにより、支持アーム22は、図11に示すように、箱枠体2内に格納された下向きの収容姿勢(図4、図11(A))から、箱枠体2の前方へ略水平に突出した支持姿勢(図5、図11(B))を経由して、箱枠体2の前上へ突出する解除姿勢(図11(C))となるまで、回動可能になる。
カーテンレール7は、支持部材8の一対の支持アーム22に取り付けられる。これにより、カーテンレール7は、支持部材8により上下へ昇降可能に支持される。カーテンレール7は、支持部材8により、図4に示す箱枠体2に収容された状態での上部の周りで、上下方向へ回動可能に支持される(図11)。その結果、カーテンレール7は、箱枠体2に収容される収容位置(図4)から上へ回動し、開閉扉6の上から箱枠体2の前へ向かって略水平に突出する支持位置(図5)を経由して、開閉扉6より前上方へ突出する解除位置(図11(C))まで、上下に昇降できる。
そして、図9に示すように、略水平に突出する支持位置において、環状のカーテンレール7の略四角形の各辺は、前後左右に沿って伸びた状態になる。カーテンレール7の両端は、前辺において前後に配列されている。図9において後側となるカーテンレール7の中央部分は、箱枠体2内に位置する。カーテンレール7における、略コ字の断面形状による開口は、下向きになる。
本実施形態のカーテン3は、図9に示すように、左カーテン3Lと、右カーテン3Rとで構成される。左カーテン3Lおよび右カーテン3Rは、支持位置のカーテンレール7に吊下げられ、カーテンレール7に沿って個別に移動できる。図5に示すように、左カーテン3Lおよび右カーテン3Rは、図9において後側となるカーテンレール7の中央部分に吊り下げられた状態で、箱枠体2の背面板13の中央に取り付けられた拘束部材9を用いて拘束できる。
左カーテン3Lについての右カーテン3R側の端辺には、図示外の磁石が取り付けられる。図7に示す支持位置のカーテンレール7の前側に吊り下げられている左カーテン3Lを後へ広げると、左カーテン3Lの磁石が、開閉扉6の鏡5の左側に埋め込まれた取付部材4に張り付く。左カーテン3Lの後端縁が鏡5の左側で開閉扉6に取り付けられる。
右カーテン3Rについての左カーテン3L側の端辺には、図示外の磁石が取り付けられる。図7に示す支持位置のカーテンレール7の前側に吊り下げられている右カーテン3Rを後へ広げると、右カーテン3Rの磁石が、開閉扉6の鏡5の右側に埋め込まれた取付部材4に張り付く。右カーテン3Rの後端縁が鏡5の右側で開閉扉6に取り付けられる。
左カーテン3Lと右カーテン3Rとは、図9および図10に示すように、それらの間に開閉扉6の鏡5が位置する状態で、開閉扉6の前面に着脱可能に取り付けられる。
図2および図3の格納状態にある更衣室装置1を展開する場合、作業者は、図4に示すように、壁面の固定された更衣室装置1の前面の開閉扉6を開く。これにより、箱枠体2に収容されたカーテンレール7およびカーテン3が露出する。カーテン3は、カーテンレール7に吊下げられた状態で、拘束部材9により箱枠体2の背面に拘束されている。
開閉扉6を開いた後、作業者は、図5に示すように、カーテンレール7を上へ押し上げる。カーテンレール7は、箱枠体2に収容される収容位置から上へ回動し、一旦、図5の支持位置より上まで押し上げられる。この際、カーテン3はカーテンレール7の後側に吊り下げられているので、カーテン3の重さがカーテンレール7に作用しない。カーテンレール7は、小さい力で押し上げることができる。
なお、カーテンレール7は、長身のユーザが試着する場合でもその全身が隠れるように、通常は高い位置に設けられる。この場合、伸長の低い女性などでは、カーテンレール7を支持位置より上まで押し上げることが難しい場合がある。この場合には、たとえば押上棒などを用いればよい。また、押上棒は、開閉扉6の裏面に格納してよい。
その後、作業者がカーテンレール7から手を離すと、カーテンレール7は自重により下がり始める。降下の際、ラチェットギア21のダンパ機構により、カーテンレール7はゆっくりと静かに降下する。図5の支持位置まで下がると、ラチェットギア21内でギアとカムとがかみ合い、カーテンレール7の降下が停止する。カーテンレール7は、箱枠体2から開閉扉6より前へ略水平に突出する支持位置において支持される。
次に、作業者は、左カーテン3Lおよび右カーテン3Rを拘束部材9から外し、図6に示すように、左カーテン3Lを左側からカーテンレール7の前側へ移動させ、右カーテン3Rを右側からカーテンレール7の前側へ移動させる。作業者は、図7に示すように、開いた開閉扉6を閉じる。作業者は、図8に示すように、左カーテン3Lを左側からカーテンレール7の後側へ移動させ、右カーテン3Rを右側からカーテンレール7の後側へ移動させる。これにより、左カーテン3Lを鏡5の左側の磁石に取り付け、右カーテン3Rを鏡5の右側の磁石に取り付けることができる。
これにより、図9および図10に示すように、更衣室装置1は展開し、更衣室として利用できる。
更衣室として利用する場合、試着するユーザまたは作業者は、ユーザがカーテンレール7内に入った状態で、左カーテン3Lをカーテンレール7の左側から前へ広げ、右カーテン3Rをカーテンレール7の右側から前へ広げる。そして、図10に示すように、左カーテン3Lと右カーテン3Rとを、カーテンレール7の前側で重ねる。これにより、ユーザは、カーテン3により仕切られた空間に存在できる。ユーザは、安心して更衣し、購入しようとする衣服を試着することができる。
開閉扉6を開いた後、作業者は、左カーテン3Lを左側からカーテンレール7の後側へ移動させ、右カーテン3Rを右側からカーテンレール7の後側へ移動させる。そして、図5に示すように、左カーテン3Lおよび右カーテン3Rを拘束部材9により拘束する。
次に、作業者は、支持位置のカーテンレール7を上へ押し上げる。押上棒などを用いて押し上げてもよい。なお、実際には後述するように、作業者は、解除レバー33を手前に操作した後に支持位置のカーテンレール7を上へ押し上げる。カーテンレール7は、支持位置から上へ回動し、解除位置まで押し上げられる。カーテンレール7の支持が解除される。この際、カーテン3はカーテンレール7の後側に吊り下げられているので、カーテン3の重さがカーテンレール7に作用しない。カーテンレール7は、小さい力で押し上げることができる。
その後、作業者がカーテンレール7から手を離すと、カーテンレール7は自重により下がり始める。降下の際、ラチェットギア21のダンパ機構により、カーテンレール7はゆっくりと静かに降下する。解除後のカーテンレール7は、支持位置を通過し、図4の格納位置まで下がる。カーテンレール7は、箱枠体2に収容される格納位置において降下を終了する。
次に、作業者は、図3に示すように、開いた開閉扉6を閉じる。これにより、図2に示すように、開閉扉6により塞がれた箱枠体2内に、カーテン3およびカーテンレール7を格納できる。更衣室装置1の格納作業が終了する。
しかしながら、格納可能な更衣室装置1では、その可動性を確保するために、カーテンレール7が上下に回動可能とされている。
その結果、たとえば使用中に、支持位置のカーテンレール7が押し上げられて、カーテンレール7の支持が解除されてしまう可能性がある。使用中にカーテンレール7が下がる可能性がある。
このため、本実施形態では、格納可能な更衣室装置1について、更に改善を加える。具体的には、カーテンレール7が解除位置へ上がらないようにするための規制機構を設け、カーテンレール7の支持が不用意に解除されないようにする。以下、詳しく説明する。
本実施形態の規制機構は、幕板31、規制部材32、解除レバー33、把持部材34、を有する。
図12は、図1の更衣室装置1を展開する場合の規制機構の動作の説明図である。
図13および図14は、図1の更衣室装置1を格納する場合の規制機構の動作の説明図である。
幕板31は、開閉扉6と同じ幅の前面板35と、前面板35の幅方向右側の下端から後へ伸びる状態に設けられる規制板36と、を有する。
幕板31の前面は、開閉扉6と同じデザインとしてよい。これにより、閉じた開閉扉6と幕板31とに統一されたデザインを施すことができ、高い意匠性が得られる。
幕板31の両端部分は、図示外の一対のスライドレールにより、箱枠体2の前面上部に取り付けられる。幕板31は、一対のスライドレールにより、閉じた開閉扉6の上縁に近接する直上位置から上へ移動可能である。幕板31は、箱枠体2の上部を構成する上側の横角材12に規制板36が当たるまで、移動可能である。
図12に示すように、カーテンレール7が支持位置の直下まで持ち上げられることにより、カーテンレール7が幕板31に当たり、幕板31が上へ移動する。
このように幕板31は、箱枠体2の前面上部に取り付けられ、たとえば支持位置より上へ回動されるカーテンレール7とともに上へ移動できる。
上下方向へ長尺の解除レバー33の上端は、箱枠体2の上面の直下、すなわち上側の横角材12の直下まで伸びる。
また、右の縦角材11において、解除レバー33は、ラチェットギア21と略同じ高さ位置に回動可能に取り付けられる。解除レバー33の下端は、ラチェットギア21より下方へ伸びる。
図12(A)に示すように解除レバー33の上端が前へ回転した状態では、規制部材32は、幕板31の規制板36の上方に位置する。幕板31の規制板36と箱枠体2の上部を構成する上側の横角材12との間に規制部材32が位置することにより、幕板31は、図12(B)に示すように上へ一定以上に上がらなくなる。規制部材32により、幕板31についての上への移動が規制される。その結果、カーテンレール7、支持アーム22、およびラチェットギア21の可動片が、上へ一定以上に回動しないように規制できる。カーテンレール7は、支持部材8による支持が解除される解除位置まで上昇できなくなる。
そして、押し上げられたカーテンレール7は、図12(C)に示すように支持位置に落ち着く。
そして、規制部材32が後側へ退避した状態でカーテンレール7を押し上げると、図13(C)に示すように、押し上げられたカーテンレール7は解除位置まで押し上げることができる。カーテンレール7、支持アーム22、およびラチェットギア21の可動片の支持が解除される。
その後、カーテンレール7から作業者が手を放すと、カーテンレール7は自重で降下する。降下したカーテンレール7は、図14(A)に示すように解除レバー33の下端の把持部材34に当たる。自重で降下するカーテンレール7は、図14(B)に示すように自らを収容位置まで降下させるとともに、把持部材34を後側へ押し込む。
なお、箱枠体2の上側の横角材12の下面には、下方へ突出する突起部材38が設けられる。突起部材38は、たとえばゴムまたは金属で形成してよい。突起部材38は、前後方向へ移動する規制部材32と当接する。よって、解除レバー33を回動させて、規制板36の上方位置に対して規制部材32を挿抜しようとする場合、作業者は、解除レバー33に対して比較的強い力を加えなければならない。たとえば幕板31の規制板36の上方に位置している規制部材32を規制板36と箱枠体2の上側の横角材12との間から抜く場合、作業者は、強い力で解除レバー33を後側へ押さなければならない。
把持部材34は、解除レバー33を操作する作業者により把持される。
作業者が把持部材34を把持して後へ押すことにより、図14に示すように解除レバー33の上端が前へ移動し、幕板31の規制板36と箱枠体2の上部を構成する上側の横角材12との間に規制部材32が位置する。
逆に、図12に示すように、作業者が把持部材34を把持して前へ引くことにより、解除レバー33の上端が後へ移動し、規制部材32は幕板31の規制板36と箱枠体2の上側の横角材12との間の位置から後ろへ移動する。
このように、作業者が把持部材34を前後に操作することにより、規制部材32により幕板31の上下動の範囲を規制したり、規制部材32による規制を解除して幕板31が大きく上へ移動可能にしたりできる。
図13および図14に示すように、格納時に自重により降下するカーテンレール7により、把持部材34、解除レバー33および規制部材32は、自動的に図12(A)の位置へ復帰する。
よって、作業者は、図12に示すように更衣室装置1を格納する場合においてのみ、把持部材34を操作すればよい。
作業者は、図6のように開閉扉6を開いた後、把持部材34を手前に引く操作をすればよい。把持部材34が手前に引かれることにより、規制部材32が幕板31の規制板36と箱枠体2の上側の横角材12との間の位置から後ろへ移動して外れ、幕板31の規制を解除できる。
その状態で、作業者は、図5の支持位置のカーテンレール7を解除位置まで押し上げて、幕板31を大きく上へ移動させて、カーテンレール7の支持を解除できる。そして、カーテンレール7は、図4に示すように箱枠体2内に収容される。
また、本実施形態の更衣室装置1では、カーテンレール7は、支持部材8により、箱枠体2に収容された状態に支持される。よって、前面に鏡5が形成される開閉扉6を閉じることにより、たとえば店舗の壁面にオープンスペースでの鏡5を設置できる。また、鏡5が形成される開閉扉6の前に、たとえば衣服の展示スペースとして利用できる。更衣室として使用しない状況で、高い意匠性が得られる。
このように、本実施形態の格納可能な更衣室装置1では、開閉扉6の前のスペースを、たとえば通常は衣服の展示スペースとして利用し、更衣室が必要となる場合には更衣室として利用できる。通常の更衣室104を設置した場合のように更衣室104の専用のスペースを確保する必要がない。よって、たとえば店舗などにおいて、専用の更衣室による展示スペースの削減を効果的に抑制しつつ、必要な更衣室を確保することができる。格納可能な更衣室装置1の前のスペースは、多目的に利用できる。
しかも、本実施形態では、支持部材8によりカーテンレール7を箱枠体2に収容し、箱枠体2を開閉扉6で閉じることができる。更衣スペースを仕切るために必要となるカーテンレール7などを箱枠体2に収容できる。よって、たとえば、更衣室装置1を格納する際にカーテンレール7を取り外して他の場所へ置きに行ったり、更衣室を作成する際にカーテンレール7を他の場所へ取りに行ったりする必要がない。更衣室装置1が固定されている場所での作業により、更衣室装置1の組み立て作業を完結できる。高い作業性が得られる。
そして、たとえば、箱枠体2の開閉扉6を開き、カーテンレール7を開閉扉6より前方へ突出した状態まで回動させ、カーテン3を拘束部材9から外すことにより、容易に更衣室装置1を組み立てることができる。また、箱枠体2の開閉扉6を開き、拘束部材9にカーテン3を固定し、カーテンレール7を下へ回動させることにより、更衣室装置1を容易に格納できる。更衣室装置1の展開および格納の作業性が改善される。
また、本実施形態では、格納可能な更衣室装置1は、壁面に固定される箱枠体2を骨格としてモジュール化されている。よって、壁面に箱枠体2を固定するスペースを確保するだけで、更衣室装置1を店舗に設置できる。店舗内で更衣室104を組み立てる必要がない。更衣室の設置作業性が改善できる。
よって、規制部材32が幕板31の規制板36と箱枠体2の上部との間に介在することにより、幕板31の上への移動を制限でき、カーテンレール7が解除位置まで上がらないようにできる。よって、たとえば更衣室として使用中にカーテンレール7が支持位置から上へ押し上げられて、使用中にカーテンレール7の支持が不用意に解除されてしまう、といった事態が発生し難くなる。
しかも、更衣室装置1を収納する場合には、規制部材32を幕板31の規制板36と箱枠体2の上部との間から抜くことにより、幕板31の上への移動制限を解除でき、カーテンレール7が解除位置まで上へ移動できるようになる。そして、カーテンレール7を解除位置まで押し上げて、カーテンレール7を箱枠体2に容易に収めることができる。
しかも、把持部材34は、解除レバー33の下端から、箱枠体2の内側へ向けて突出し、箱枠体2内に収容される際に降下するカーテンレール7に当たり、カーテンレール7により後へ押される。ロックを解除するために前へ引かれた把持部材34は、収容時に自重で降下するカーテンレール7により自動的に奥へ移動できる。その結果、規制部材32についても、幕板31の規制板36と箱枠体2の上部との間の位置に、自動的に復帰できる。
作業者がカーテンレール7を解除位置まで押し上げた後に自ら把持部材34を奥へ操作することなく、規制部材32を、幕板31の規制板36と箱枠体2の上部との間の位置に自動的に復帰させることができる。また、次回の使用時には、規制部材32による規制が予め有効となっているので、解除レバー33の把持部材34が再度前へ引かれるまでの期間では、規制部材32による幕板31の上下動を規制できる。
この他にもたとえば、箱枠体2には、更衣室で利用する各種の部材を格納してよい。更衣室で利用する部材としては、たとえばフロアマット42、靴べら、裾止め針、などがある。
図15の更衣室装置1の箱枠体2の背面板13には、拘束部材9より下側の位置に、フック41が設けられる。このフック41には、フロアマット42が掛けられている。
図16の更衣室装置1は、フロアパネル51、フロアパネル51の支持部材52を有する。フロアパネル51の支持部材52は、箱枠体2の下部に取り付けられ、フロアパネル51を前下へ回動可能に支持する。更衣室装置1を展開する場合、作業者は、開閉扉6を開いた後、フロアパネル51を前下に回動させる。これにより、カーテン3で囲われる空間に、フロアパネル51を設置できる。また、更衣室装置1を格納する場合、作業者は、開閉扉6を開いた後、フロアパネル51を後上へ回動させればよい。
この他にもたとえば、カーテンレール7は、半円弧上の二本のカーテンレール7を組み合わせて左右で独立して設けられてもよい。
この他にもたとえば、箱枠体2内に、支持位置から上へ回動されるカーテンレール7とともに上下動可能な可動部材を設け、この可動部材についての上への移動を、規制部材32により規制してもよい。これにより、カーテンレール7が解除位置まで上へ回動しないように、幕板31の上への移動を制限することができる。
この他にもたとえば、本発明の実施形態に係る、格納可能な更衣室装置1は、イベントスペースなどに設置されてもよい。この場合、不要な更衣室装置1について格納することができるので、設置された更衣室装置1により、展示スペースが削減されたり、イベントスペースのレイアウトが制限されたりし難くなる。そして、店舗などにおいて、展示スペースの削減等を効果的に抑制しつつ、必要な更衣室を確保できる。
Claims (2)
- 壁面に固定される箱枠体と、
前記箱枠体の前面に開閉可能に設けられ、前面に鏡が形成される開閉扉と、
カーテンが吊下げられるカーテンレールと、
前記箱枠体に設けられ、前記カーテンレールを昇降可能に支持する支持部材と、
を有し、
前記カーテンレールは、前記開閉扉より前方へ突出した状態と、前記箱枠体に収容された状態との間で、昇降され、
前記開閉扉の前面には、前記鏡を間にして前記カーテンを取り付ける取付部材が設けられ、
前記カーテンレールは、環状に形成され、前記支持部材により、前記箱枠体に収容された状態での上部の周りで上下方向へ回動可能に支持され、前記箱枠体に収容された状態から上へ回動することにより、前記開閉扉より前方へ突出した状態となり、
前記箱枠体内には、前記カーテンレールから吊り下げられているカーテンを拘束する拘束部材が設けられ、
前記支持部材は、前記カーテンレールが前記箱枠体から前方へ突出する支持位置より上へ回動されることにより前記支持位置での前記カーテンレールの支持を解除し、
さらに、
前記支持位置より上へ回動される前記カーテンレールとともに上へ移動可能な可動部材と、前記支持部材による前記カーテンレールの支持が解除される解除位置まで前記カーテンレールが上へ回動しないように前記可動部材の上への移動を制限する規制部材とを有する
格納可能な更衣室装置。 - 前記可動部材は、前記開閉扉の上に設けられ、
さらに、
前記箱枠体の内側面に回動可能に取り付けられ、上下方向へ長尺の解除レバーと、
前記解除レバーの下端に設けられ、前記箱枠体内に収容される前記カーテンレールにより後へ押すことができる把持部材と、
を有し、
前記規制部材は、前記解除レバーの上端に設けられ、前記把持部材が後へ押されることにより前記箱枠体の上部と前記可動部材との間に挿入されて前記可動部材の上への移動を制限する、
請求項1記載の格納可能な更衣室装置。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014079341A JP6347649B2 (ja) | 2014-04-08 | 2014-04-08 | 格納可能な更衣室装置 |
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JP6347649B2 true JP6347649B2 (ja) | 2018-06-27 |
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Family Applications (1)
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JP2014079341A Active JP6347649B2 (ja) | 2014-04-08 | 2014-04-08 | 格納可能な更衣室装置 |
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