JPH03197325A - ハロゲン化銀粒子形成方法及び装置 - Google Patents

ハロゲン化銀粒子形成方法及び装置

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JPH03197325A
JPH03197325A JP33475689A JP33475689A JPH03197325A JP H03197325 A JPH03197325 A JP H03197325A JP 33475689 A JP33475689 A JP 33475689A JP 33475689 A JP33475689 A JP 33475689A JP H03197325 A JPH03197325 A JP H03197325A
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JP
Japan
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silver
aqueous solution
reaction vessel
silver halide
mixer
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Pending
Application number
JP33475689A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Ichikawa
靖典 市川
Akira Kato
明 加藤
Hiroshi Onishi
弘志 大西
Shigeji Urabe
茂治 占部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀粒子形成方法及び装置に関する。
さらに詳しくは製造するハロゲン化銀結晶内のハライド
組成が完全に均一でかつ粒子間のハライド分布がない写
真用乳剤を製造する際のハロゲン化銀粒子成長時のコン
トロール方法及び装置に関する。
(従来の技術〕 ハロゲン化銀粒子の形成は二つの主過程、すなわち核形
成と結晶成長から成っている。ジェームス(丁、H,J
ames)ザ・セオリー・オフ゛・ザ・フォトグラフィ
ック・プロセス 第4版(マクミラン社1977年発行
、89頁)には、「核形成は全(新しい結晶が生成し、
結晶の数の急激な増加が起こる過程である。成長は、既
に存在している結晶に新たな層が付加されることである
。また上記核形成と結晶成長の外に写真用ハロゲン化銀
粒子形成のある条件下ではさらにもう二つの過程、オス
トワルド熟成と再結晶化とが起こる。オストワルド熟成
は比較的高い温度と溶剤の存在下で粒子サイズ分布が広
い場合に起こり易い、再結晶化は、結晶組成が変化する
過程である」と記載されている。つまり、ハロゲン化銀
粒子の形成においては、その初期に核が形成され、その
後の結晶成長においてはもっばら既にある核でのみ成長
が起こる為、成長過程中の粒子の数は増加することがな
い。
−船釣にハロゲン化銀粒子は、反応容器中のコロイド水
溶液において、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを反応
させることにより製造される0反応容器中にゼラチンの
ような保護コロイド及びハロゲン塩水溶液を入れ、撹拌
しながら、これに銀塩水溶液をある時間添加するシング
ルジェット法や、反応容器中にゼラチン水溶液を入れ、
ハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液とをそれぞれある時間添
加するダブルジェット法が知られている0両者を比較す
ると、ダブルジェット法の方が粒子径分布の狭いハロゲ
ン化銀粒子が得られ、さらに粒子の成長に伴って、その
ハライド組成を自由に変えることができる。
また、ハロゲン化銀粒子の核形成は、反応溶液中の銀イ
オン又はハロゲンイオン濃度、ハロゲン化銀溶削の濃度
、過飽和度、温度などにより大きく変化することが知ら
れている。特に反応容器に添加される銀塩水溶液とハロ
ゲン塩水溶液によってつくり出される銀イオンあるいは
ハロゲンイオン濃度の不均一は、各々の濃度により反応
容器内に過飽和度及び溶解度の分布を生じせしめ、その
為、核形成速度が異なり結果として生じたハロゲン化銀
結晶核に不均一を生せしめる。
この為には、反応容器中の銀イオンあるいはハロゲンイ
オン濃度を均一にすべく、コロイド水溶液中に供給する
銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを迅速に均一混合して
反応させることが必要である。従来のハロゲン塩水溶液
と銀塩水溶液とを反応容器中のコロイド水溶液の表面に
添加する方法では、各々の反応液の添加位置近傍におい
て、ハロゲンイオン及び銀イオンの濃度の高い部分が生
じ、均一なハロゲン化銀粒子を製造することは困難であ
った。この局部的な濃度のかたよりを改良する方法とし
て、米国特許3415650号、英国特許132346
4号、米国特許3692283号各明細書に開示された
技術等が知られている。
これらの方法は、コロイド水溶液により満たされた反応
容器に中太円筒の壁にスリットを有する中空の回転する
混合器(内部はコロイド水溶液で満されており、より好
ましくは混合器がディスクによって上下2室に分割され
ている。)を、その回転軸が鉛直となるように設け、そ
の上下の開放端からハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液とを
供給管を通じて高速回転している混合器内に供給し急速
に混合して反応せしめ(上下の分離ディスクがある場合
は、上下2室に供給されたハロゲン塩水溶液と銀塩水溶
液は各々各室に満たされたコロイド水溶液によって希釈
され、混合器の出口スリット付近で急速に混合して反応
せしめ)、混合器の回転により生ずる遠心力で生成した
ハロゲン化銀粒子は反応容器中のコロイド水溶液に排出
せしめハロゲン化銀を生成せしめる方法である。
一方、特公昭55−10545号公報には局部的な濃度
のかたよりを改良して不均一な成長を防ごうとする技術
が開示されている。この方法は、コロイド水溶液が満た
されている反応容器中に、その内部にコロイド水溶液が
満された混合器のその開放された下端部から、ハロゲン
塩水溶液と銀塩水溶液とを供給管を通じて、別々に供給
し、該反応液を、混合器に設けられた下部撹拌翼(ター
ビン羽根)によって両反応液を急激に撹拌混合せしめハ
ロゲン化銀を成長させ、ただちに前記攪拌翼の上方に設
けられた上部攪拌翼により成長したハロゲン化銀粒子を
、上方の混合器の開口部から反応容器中のコロイド水溶
液に排出せしめる技術である。
特開昭57−92523号公報には、同様にこの濃度の
不均一を改良しようとする製造法が開示されている。こ
の方法では、コロイド水溶液が満たされている反応容器
中にその内部にコロイド水溶液が満たされた混合器に、
その開放された下端部からハロゲン塩水溶液と銀塩水溶
液とを別々に供給し、該再反応液を前記コロイド水溶液
により希釈し、該反応液を混合器に設けられた下部攪拌
翼によって再反応液を急激に攪拌混合せしめ、ただちに
該混合器上方の開放部から成長したハロゲン化銀粒子を
反応容器中のコロイド水溶液に排出せしめる製造法ない
し装置において前記コロイド水溶液で希釈された再反応
液を前記攪拌翼の各翼間の間隙を通すことなく前記混合
器の内側壁と前記攪拌翼の翼片先端側外方に形成された
間隙部に通し、該間隙部において該再反応液を急激に剪
断混合して反応させ、ハロゲン化銀粒子を生成せしめる
製造法及び装置が開示されている。
しかしながら、これまで述べてきた製造法及び装置では
、確かに反応容器中の銀イオン及びハロゲンイオンの局
部的な濃度の不均一はかなり解消することはできるが、
混合器内においては依然としてこの濃度の不均一は存在
し、特に銀塩水溶液及びハロゲン塩水溶液を供給するノ
ズルの近傍及び攪拌翼の下部及び攪拌部分においてかな
り大きな濃度分布が存在する。さらに保護コロイドと共
に混合器に供給されたハロゲン化銀粒子は、このような
不均一な濃度分布をもった場所を通過し、特に大切なこ
とは、ハロゲン化銀粒子は、これらの部分において急速
に成長する。つまりこれらの製造法及び装置においては
、濃度分布は混合器内に存在し、粒子成長はその混合器
内で急速に起こる為、濃度分布のない状態でハロゲン化
銀に均一に核形成及び結晶成長せしめるという目的は達
し得ていない。
さらにより完全な混合によるこれらの銀イオン、ハロゲ
ンイオンの濃度の不均一分布を解消すべく、反応容器と
混合器をそれぞれ独立せしめ、混合器に銀塩水溶液とハ
ロゲン塩水溶液を供給し急速混合してハロゲン化銀粒子
を形成せしめる試みがなされできた0例えば特開昭53
−37414号及び特公昭4B−21045号各公報開
示、反応容器の底からポンプにより反応容器内の保護コ
ロイド水溶液 (ハロゲン化銀粒子を含む)を循環し、
この循環系の途中に混合器を設け、この混合器に銀塩水
溶液及びハロゲン水溶液を供給し、該混合器で急速に該
雨水溶液を混合しハロゲン化銀粒子を形成せしめる製造
法及び装置が開示されている。
また米国特許3897935号明細書には、反応容器の
底からポンプにより反応容器内の保護コロイド水溶液 
(ハロゲン化銀粒子を含む)を循環し、この循環系の途
中にハロゲン塩水溶液及び銀塩水溶液をポンプにより注
入する方法が開示されている。特開昭53−47397
号公報には、反応容器からポンプにより反応容器内の保
護コロイド水溶液(ハロゲン化銀札割を含む)を循環さ
せ、その循環系にまずハロゲン化アルカリ金属塩水溶液
を注入しそれが均一になるまで拡散させしかる後に、こ
の系に銀塩水溶液を注入し混合して、ハロゲン化銀粒子
を形成することを特徴とする製造法及び装置が開示され
ている。
しかしながら、これ等の方法では確かに、循環系に流す
反応容器内の水溶液の流量と混合器の攪拌効率を独立に
変化させることができ、より濃度分布が均一な条件で粒
子形成を行うことができるであろうが、結局、保護コロ
イド水溶液と共に反応容器から送られてきたハロゲン化
銀結晶は銀塩水溶液、ハロゲン塩水溶液の注入口で急速
成長を起す、従って前に述べたと同様に混合部あるいは
注入口付近の濃度分布を無くすることは原理的に不可能
であり、つまり濃度分布のない状態でハロゲン化銀を均
一に形成せしめる目的は達し得なかった。
そこで本出願人は、従来の製造方法及び装置が有する濃
度(lイオン及びハロゲンイオン)の不均一な場におけ
るハロゲン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長、そ
してそれによって不均一な乳剤粒子(粒子サイズ、晶癖
、粒子間及び粒子内のハロゲン分布、粒子間及び粒子内
の還元銀核の分布)が得られるという問題を解決するた
めに先に、ハロゲン化銀粒子形成の過程において保護コ
ロイド水溶液を含有しハロゲン化銀粒子の核形成及びま
たは結晶成長を起こさせる反応容器の外に混合器を設け
、該混合器に水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハライドの水
溶液と保護コロイド水溶液とを供給して混合し、ハロゲ
ン化銀微粒子を形成し、ただちに該微粒子を反応容器ま
たは保護コロイド水溶液を有する反応容器内に供給し、
該反応容器中で[ハロゲン化銀粒子の核形成を行わせる
方法」 (特願昭63−195778号)及びハロゲン
化銀粒子の結晶成長を起こさせる方法」 (特願昭63
−7851号)を提案した。又更にハロゲン化銀粒子の
製造方法又はコントロール方法及び装置に関連する技術
について出願した(特願昭63−318380号、同6
3−318381号。
同63−322169号、同63−322170号、同
63−318382号、同63−322171号、同6
3−325980号、同63−325981号等)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の方法及び装置によって従来の方法より確かに均一
なハロゲン化銀結晶を得ることが出来たが、混合器に導
入する液が3液であり、特に保護コロイド水溶液は結晶
形成上重要な役目を有するのでその他の水溶性銀塩水溶
液、水溶性ハライド水溶液に混合して使用する場合等は
、配管、流量計、流量コントローラ、ポンプ等を要し、
装置が複雑高価なものとなった。
本発明の目的は上記問題点を解消し、装置が簡単、安価
にして、ハロゲン化銀粒子としては従来に優れていても
劣らぬ品質を得ることが出来るハロゲン化銀粒子の形成
方法及び装置を得ることにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕即ち、本発明の
上記目的は (1)保護コロイド水溶液を含有し、ハロゲン化銀粒子
の核形成及び/または結晶成長を起こさせる反応容器の
外に混合器を設け、該混合器に水溶性銀塩の水溶液中及
び/又は水溶性ハライドの水溶液中に保護コロイドにな
る成分を含ませた水溶液を各流量をコントロールしつ一
供給し、かつ該混合器の攪拌機羽根の回転数をコントロ
ールしつつ混合しハロゲン化銀微粒子を形成し、ただち
に該微粒子を前記反応容器に供給し、該反応容器中でハ
ロゲン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長を行わせ
ることを特徴とするハロゲン化銀粒子形成方法。
(2)ハロゲン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長
を起こさせる反応容器と、該反応容器の外に設けた混合
器と、該混合器に水溶性銀塩の水溶液中及び/又は水溶
性ハライドの水溶液中に保護コロイドになる成分を含ま
せた水溶液とをこれらの流量をコントロールしつつ供給
する手段と、かつ該混合器の攪拌機の羽根の回転数をコ
ントロールする手段と、該混合器中の生成物が直ちに該
反応容器に供給されるべく接続した配管とを含んで成る
ハロゲン化銀粒子形成装置。
によって達成される。
本発明において混合器に水溶性根塩の水溶液中及び/ま
たは水溶性ハライドの水溶液中に保護コロイドになる成
分を含ませた水溶液とは、特願昭63−195778号
及び特願昭63−7851号等に使用される反応容器の
外に設けた混合器で混合される水溶性銀塩の水溶液と水
溶性ハライドの水溶液及び保護コロイド水溶液の内の保
護コロイド水溶液を水溶性銀塩の水溶液の調製タンク及
び/または水溶性ハライド水溶液の調製タンクで加えて
調整することをいう、こうすることに依り水溶性根塩及
び/又は水溶性ハライドは充分に保護コロイドに包まれ
た状態になるので反応液の均一性が確保できるし、従来
添加液量の変化が混合器の中の液の流動を変えて反応状
態を変えることがあったが、その心配はなくなり均一な
反応が期待出来るようになった。
微粒子形成条件は変化せず、反応容器内の粒子成長条件
を安定させることが可能となる。
又混合器も二液混合だけで良いので構造を簡単にするこ
とが出来るようになった。
しかし、混合器から反応容器に流入される液が多量にな
る場合は特願昭63−325980号又は特願昭63−
325981号各公報記開示限外濾過膜または逆浸透膜
による濃縮技術を併用することが好ましい。
次に本発明によるハロゲン化銀粒子形成方法及び装置の
実施態様について図を用いて説明する。
第1図は本発明のハロゲン化銀形成方法及び装置の1実
施例のフローシートである。
銀塩水溶液の調製タンク1.及び/又はハロゲン塩水溶
液の調製タンク2で保護コロイドになる成分を含ませて
各液を調製し、それぞれ流量計4a、4bによって各液
の流量を測定し、それぞれポンプ5a、5bによって流
量コントロールを行って、それぞれ供給系6.7より混
合器9に供給する。混合器9内には攪拌機8があり(後
述する)この攪拌機の羽根の回転数をコントロールしつ
\前記2液を混合し、混合器9内でハロゲン化銀微粒子
を形成し、直ちに該微粒子を反応容器への導入系10を
通って反応容器ll内に供給し、該反応容器中でハロゲ
ン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長を行わせる。
又本発明は第2図に示すようなシステムフローシートを
取ってもよい。
即ち、銀塩水溶液1及び/又はハロゲン塩水溶液の調整
タンク2で保護コロイドになる成分を含ませて各液を調
製し、それを混合機に供給し、ハロゲン化銀微粒子を形
成する迄は全く第1図と同様であるが、混合器9から反
応容器への導入系10に出て、その混合液はその中より
水及び水溶性化合物の1部を除去する手段12(特願昭
63=325980号参照)を通って、脱水量を流量計
13で測定しながらコントロール弁14を通って反応容
器ll内に供給し、反応容器11内で核成長が行なわれ
る方法及び装置である。
又第3図は反応容器内の液をポンプ15で脱水・脱塩器
12に送り、脱水後の液を混合器からの液と混合して反
応容器ll内で核成長をおこさせる方法である(脱水器
については特願昭63−325981号参照されたし)
このように本発明は特願昭63−325981号、同6
3−318382号、同63−322170号、同63
−322169号、同63−318381号等と組み合
わせたものにも適用することが出来る。
次ぎに混合器と反応容器の関係については前記特願昭6
3−318380.同63−318381号、同63−
322169号、同63−322170号、同63−3
18382号、同63−322171号、同63−32
5980号、同63325981号等に詳細が記述され
ているのと同様である。
先ず混合器はその中の反応室内に高速撹拌翼があり、翼
に対して対象的位置に銀塩水溶液(保護コロイドを含む
)とハロゲン塩水溶液(保護コロイドを含む)の導入口
があり、翼の軸に添った位置に反応室で反応して出来た
ハロゲン化銀微粒子の導出口がある。
反応容器は保護コロイド水溶液を有し、混合器よりの導
入系を有し、攪拌機16を有している。
混合器で形成された微粒子は、その溶解度が粒子サイズ
が微細である故非常に高く、反応容器に添加されると溶
解し、再び銀イオン及びハロゲンイオンとなり、反応容
器中に導入された微粒子のごく一部の粒子に沈積しハロ
ゲン化銀核粒子を形成し結晶成長を促進するが、混合器
で形成された微粒子はその溶解度が高い故に反応容器に
導入されるまでに微粒子同志でいわゆるオストワルド熟
成を起こしてその粒子サイズが増大してしまう傾向があ
る。
その際、反応容器に導入される微粒子のサイズが大きく
なってしまうと、それだけ溶解度が低下し、反応容器中
での溶解が遅(なり、核形成の速度が著、シく低下しあ
る場合には最早溶解することができなくなり、その為、
有効な核形成を行うことができなくなってしまうし、逆
にそれ自身が核となって成長を起こしてしまう。
これについては以下の三つの技術によってこの問題を解
決した。
■ 混合器で微粒子を形成した後、ただちにそれを反応
容器に添加する。
後述するように、従来、あらかじめ微粒子を形成し微粒
子乳剤を得た後それを再溶解し、溶解した微粒子乳剤を
、核となるハロゲン化銀粒子を保持しかつハロゲン化銀
溶剤の存在する反応容器に添加し、粒子形成を起せしめ
ることは知られている。しかしながら、かかる方法では
、いったん生成した極めて微細な粒子は、粒子形成過程
、水洗過程、再分散過程、及び再溶解過程においてオス
トワルド熟成を起してしまいその粒子サイズが増大して
しまう。
本発明においては反応容器のごく近くに混合器を設けか
つ混合器内の添加液の滞留時間を短くすることにより、
従って生成した微粒子をただちに反応容器に添加するこ
とによりこのオストワルド熟成が起らないようにした。
具体的には混合器に添加された液の滞留時間tは下記で
あられされる。
t = a+b V:混合器の反応室の体積(d) a:硝酸銀溶液(保護コロイドを含めて)の添加! (
af/5in) b:ハロゲン塩溶液(保護コロイドを含めて)の添加量
(ad/+gtn) 本発明の製造法においてはtは10分以下、好ましくは
5分以下、より好ましくは1分以下、さらに好ましくは
20秒以下である。かくして混合器で得られた微粒子は
反応容器への導入前にその粒子サイズが増大することな
く、ただちに反応容器に添加される。
上記の観点より本発明の水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハ
ライドの水溶液の流量コントロールは重要な役目を果た
す0本発明の特徴の一つはこの点にあり、前記a、bの
添加量の各々を、又はお互いの比率は一定にして合計の
流量を調節することである。
■ 混合器で強力かつ効率のよい攪拌を行う。
ジェームス(↑、H,James)ザ・セオリー・オブ
・ザ・フォトグラフィック・プロセス p、93には、
[オストワルド熟成と並んでもう一つの形態は凝MA 
(coalescence)である。コアレッセンス熟
成ではその前には遠く離れていた結晶が直接、接触、ゆ
着してより大きな結晶が生成するので粒子サイズが突然
変化する。オストワルド熟成の両方とも沈積の終了後の
みでなく、沈積中にも起る。」ここに述べられているコ
アレッセンス熟成は特に粒子サイズが非常に小さいとき
に起こり易く、特に攪拌が不充分である場合起こり易い
、極端な場合は、粗大な塊状の粒子を作ることすらある
6本発明においては密閉型の混合器を用いている為、混
合器の中の反応室の攪拌翼を高い回転数で回転させるこ
とができ従来のような開放型の反応容器ではできなかっ
た(開放型では、高回転で攪拌翼を回転させると遠心力
で液がふりとばされ、発泡の問題もからんで、実用でき
ない、)強力かつ効率のよい攪拌混合を行うことができ
上記のコアレッセンス熟成を防止でき、結果として非常
に粒子サイズの小さい微粒子を得ることができる0本発
明においては攪拌翼の回転数は1000r、1.m以上
、好ましくは2000r、p、−以上、より好ましくは
3000r、p、霞以上である。
従って、本発明における混合器の撹拌羽根の回転数のコ
ントロールは重要な役目を果たす。
■ 保護コロイドの銀塩溶液タンク又は/及びハロゲン
塩溶液タンク内での添加調製 前述のコアレッセンス熟成はハロゲン化銀微粒子の保護
コロイドによって顕著に防ぐことができる0本発明にお
いては保護コロイドの銀塩溶液タンク又は/及びハロゲ
ン塩溶液タンク内での添加調製は下記の方法が考えられ
る。
(a)  ハロゲン塩水溶液に保護コロイドを含有せし
める。
保護コロイドの濃度は、0.2重量%以上、好ましくは
0.5重量%以上である。
(ロ)硝酸銀水溶液に保護コロイドを含有せしめる。
保護コロイドの濃度は0.2重量%以上、好ましくは0
.5重量%以上である。ゼラチンを用いる場合、銀イオ
ンとゼラチンでゼラチン銀を作り、光分解及び熱分解し
て銀コロイドを生成する為、硝酸銀溶液と保護コロイド
溶液は使用直前に混合する方がよい。
また、上記のabの方法は、a又はb単独で用いてもよ
いし:aとbを組み合せてもよい0本発明に用いられる
保護コロイドとしては、通常ゼラチンを用いるが、それ
以外の親水性コロイドも用いることができ、具体的には
リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、阻176
43 (1978年12月)の■項に記載されている。
かくして■〜■の技術によって得られる粒子サイズは、
粒子をメツシュにのせそのまま透過型電顕によって確認
でき、倍率は2万倍から4万倍がよい。本発明の混合器
より反応容器に導入される微粒子のサイズは0.06μ
m以下、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは
0.018m以下である。
米国特許第2146938号明細書には、吸着物を吸着
しない粗粒子と、同様に吸着物を吸着していない微粒子
を混合あるいは、微粒子乳剤をゆっくり粗粒子乳剤に加
えることで粗粒子乳剤の成長を行う方法が開示されてい
る。ここでは微粒子乳剤はあらかじめ作られた乳剤を添
加するものであり、本方法とは全く異なる。
特開昭57−23932号公報には、成長禁止側の存在
下で調製した微粒子乳剤を水洗、分散して、さらに再溶
解して、成長すべき乳剤粒子に添加して粒子成長を行な
う方法が開示されている。
しかしこの方法も前記と同様本発明の方法とは全く異な
る。
ジェームス(T、H,Jases)、ザ・セオリー・オ
ブ・ザ・フォトグラフインク・プロセス 第4版には微
細な粒子としてリップマン乳剤(Lipp■ann E
mulsion)が引用され、その平均サイズ0.05
μmであると記載されている0粒子サイズ0.05μm
以下の微粒子を得ることは、可能であるが、たとえ得ら
れても不安定で容易にオストワルド熟成によって粒子サ
イズが増加してしまう、特開昭57−23932号公報
の方法のように吸着物を吸着させるとこのオストワルド
熟成はある程度防がれるが、その分、微粒子の溶解速度
も減少し本発明の意図に反することになる。
米国特許第3317322号及び米国特許筒32063
13開示明細書には、平均粒子径が少くとも0.8μm
の化学増感が施されたコアーとなるハロゲン化銀粒子乳
剤に平均粒子径が0.4μm以下の化学増感していない
ハロゲン化銀粒子乳剤を混合し、熟成することにより、
シェルを形成する方法が開示されている。しかしこの方
法も、微粒子乳剤はあらかじめ調製された乳剤を使用し
、さらに二つの乳剤を混合して熟成することから本発明
の方法とは全く異なる。
特開昭62−99751号公報には、平均直径範囲0.
4〜0.55μmでアスペクト比が8以上、さらに特開
昭62−115435号公報には、平均直径範囲0.2
〜0.55μmの臭化銀及びヨウ臭化銀平板状粒子を含
む写真要素が開示されているが、その実施例においてヨ
ウ臭化銀平板状粒子の成長に際し、硝酸銀水溶液と臭化
カリウム水溶液をダブルジェットで反応器に保護コロイ
ド(骨ゼラチン)の存在下で添加しヨウドはヨウ化銀(
Agl)乳剤(粒子サイズ約0.05μm、骨ゼラチン
40g/Agモル)を同時に添加して供給することによ
り、ヨウ臭化銀平板状粒子を成長せしめる技術が開示さ
れている。この方法では、ヨウ化銀微粒子の添加と同時
に硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液の反応容器への添
加を行っており、本発明の方法とは全く異なる。
特開昭58−113927号公報において(P、 20
7 )、「銀、臭化物及びヨウ化物塩を分散媒に懸濁せ
る微細なハロゲン化銀の形態で、当初にまたは成長段階
で導入することができる。すなわち、臭化銀、ヨウ化銀
及び/またはヨウ臭化銀粒子を導入することができる」
と記載されている。
しかしながら、この記載は微粒子乳剤を、ノ10ゲン化
銀形成に用いるという一般的な記述にすぎず、さらに本
発明の開示する方法及びシステムを示すものではない。
特開昭62−124500号公報には、あらかじめ調製
した極めて微細な粒子を用いて反応容器中のホスト粒子
を成長せしめる実施例が記載されているが、この方法も
あらかじめ調製された微粒子乳剤を添加する方法であり
、本発明の方法とは全く異なる。
これまで述べて来た従来の方法は、微粒子乳剤をあらか
じめ調製し、その乳剤を再溶解して用いる為、粒子サイ
ズの小さい微粒子を得ることができない、従ってこれら
の比較的サイズの大きい微粒子は反応容器で迅速に溶解
することができず、溶解を完全に終了する為に非常に長
い時間を要したり、あるいは多量のハロゲン化銀溶剤を
使用せざるを得なくなる。このような状況においては、
容器内の成長すべき粒子にとっては非常に低過飽和での
核形成が行われることになり、その結果として、核及び
/または結晶粒子のサイズ分布が顕著に広がってしまい
、従って出き上がりの粒子のサイズ分布が広がり写真階
調の低下、化学増感の不均一(大きなサイズの粒子と小
さなサイズの粒子を同時に最適に化学増感できない)に
よる感度低下、カブリの上昇、粒状性の悪化等の性能の
低下を来たす、さらに従来の方法では、粒子形成、水洗
、分散、冷却、貯蔵、再溶解といういくつかの過程があ
り、製造上のコストも高くかつ乳剤の添加は、他の溶液
と比べて添加系の制約も多い。
これらの問題点は本発明の方法によって解決される。す
なわち本発明の方法により、非常に微細な粒子が反応容
器に導入される為、その微粒子の溶解度が高く、従って
その溶解速度も速(反応容器内の成長すべき粒子は高過
飽和の条件のもとで核形成及び/または結晶成長する。
従ってでき上がった核及び/または結晶粒子のサイズ分
布は広がることがない、さらに混合器で生成した微粒子
はそのまま反応容器に添加される為、製造コスト上の問
題も全くない。
本発明の方法においては、ハロゲン通訳溶剤を反応容器
に添加して使用すれば、さらに高い微粒子の溶解速度及
びさらに高い反応容器内の粒子の核形成速度及び/また
は成長速度を得ることができる。
ハロゲン通訳溶剤としては、水溶性臭化物、水溶性塩化
物、チオシアン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チオ
尿素類などを挙げることができる。
例えばチオシアン酸塩(例えば米国特許第222226
4号、同第2448534号、同第3320069号明
細書など)、アンモニア、チオエーテル化合物(例えば
米国特許第3271157号、同第3574628号、
同第3704130号、同第4297439号、同第4
276345号核明細書など)、チオン化合物(例えば
特開昭53−144319号、同53−82408号、
同55−77737開示公報など)、アミン化合物(例
えば特開昭54−100717号公報)チオ尿素誘導体
(例えば特開昭55−2982号公報)イミダゾール類
(例えば特開昭54−100717号公報)、置換メル
カプトテトラゾール(例えば特開昭57−202531
号公報)などを挙げることができる。
本発明の方法によれば、混合器への銀イオン及びハライ
ドイオンの供給速度は自由に制御することができる。一
定の供給速度でもよいが好ましくは添加速度を増大させ
る方がよい、その方法は特公昭48−26890号、同
52−16264開示公報に記載されている。さらに本
発明の方法によれば成長中のハロゲン組成を自由に制御
することができ例えばヨウ臭化銀の場合、一定のコラ化
銀含量を保ったり、連続的にヨウ化銀含量増加させたり
、減少せしめたり、ある時点でコラ化銀含量を変更する
ことが可能となる。
混合器における反応の温度は60℃以下がよいが好まし
くは50℃以下、より好ましくは40°C以下が好まし
い。
35℃以下の反応温度においては、通常のゼラチンでは
、凝固しやすくなる為、低分子量のゼラチン(平均分子
量30000以下)を使用することが好ましい。
本発明で用いられる低分子量ゼラチンは、通常、次のよ
うにして作ることができる0通常用いられる平均分子量
10万のゼラチンを水に溶かし、ゼランチ分解酵素を加
えて、ゼラチン分子を酵素分解する。この方法について
は、R,J、Co真、Photographic Ge
1atin  II+ Academic Press
+ London+1976年、P、233〜251、
P、335〜346の記載を参考にすることができる。
この場合、酵素が分解する結合位置は決っている為、比
較的分子量分布の狭い低分子量ゼラチンが得られ、好ま
しい、この場合、酵素分解時間を長くする程、より低分
子量化する。その他、低pH(pH1〜3)もしくは高
pH(pH10〜12)雰囲気下で加熱し、加水分解す
る方法もある。
反応容器内の保護コロイドの温度は40℃以上がよいが
好ましくは50℃以上、より好ましくは60°C以上で
ある。
本発明のコントロール方法は種々の乳剤の製造において
非常に有効である。
混晶粒子(Mixed Crystal)であるヨウ臭
化銀、ヨウ臭塩化銀、ヨウ塩化銀、塩臭化銀のハロゲン
化銀粒子の核形成及び/または結晶成長においては、従
来の製造方法によって製造するとハライドの微視的な不
均一が生じ、それは例え均一なハライド分布を得るよう
な製造処方、つまり一定のハライド組成のハロゲン塩水
溶液と銀塩水溶液を反応器に添加して核形成及び/また
は結晶成長を行っても、避は得ない、この微視的なハラ
イドの不均一分布は、透過型電子顕微鏡を用いてハロゲ
ン化銀粒子の透過像を観察すれば容易に確認することが
できる。
たとえば、ハミルトン(J、 F、Hamilton)
フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニア
リング 11巻、1967 p、p、57や塩沢猛公日
本写真学会 35巻4号 1972  p、p、213
に記載の低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方
法により観察することができる。すなわち、乳剤粒子が
プリントアウトしないよう安全光下で取り出したハロゲ
ン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメツシュにのせ、電子
線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように液体チ
ッ素あるいは液体へリウテムで試料を冷却した杖態で透
過法により観察を行う。
ここで電子顕微鏡の加速電圧は高い程鮮明な透過像が得
られるが粒子厚さ0.25μmまでは200Kvolt
 、それ以上の粒子厚さに対しては、1000 Kvo
ltが良い、加速電圧が高い程、照射電子線による粒子
の損傷が大きくなるので液体チッ素より液体ヘリウムで
試料を冷却した方が望ましい。
撮影倍率は試料となる粒子サイズによって、適宜変更し
得るが、2万倍から4万倍である。
単一のハライドから成るハロゲン化銀においては当然ハ
ライド分布の不均一は有り得ず、従って透過型電子顕微
鏡写真はフラットな像が得られるのみであるが、一方複
数のハライドからなる混晶の場合は非常にこまかな年輪
状の縞模様が観察される。
例えばヨウ臭化銀平板状粒子の透過型電子顕微鏡写真を
撮影するとコラ臭化銀相の部分に非常にこまかな年輪状
の縞模様が観察される。ここで平板状粒子は、臭化銀平
板粒子をコアーとし、さらにヨウ化110モル%のヨウ
臭化銀のシェルをコアーの外側に形成したものであり、
その構造は、この透過型電子顕微鏡写真で明確に知るこ
とができる。すなわち、コア一部は臭化銀であり当然均
一であるから、均一なフラットな像が得られるのみであ
るが、一方ヨウ臭化銀相には、非常にこまかな年輪状の
縞模様が明確に確認できる。
この縞模様の間隔は非常にこまか<ioo人のオーダー
かそれ以下であり、非常に微視的な不均一性を示してい
ることが解る。
この非常にこまかな縞模様がハライド分布の不均一性を
示すことは種々の方法で明らかにできるが、より直接的
には、この粒子をヨードイオンがハロゲン化銀結晶内を
移動できる条件でアニール(annsaJing) し
てやると(例えば250℃、3時間)、この縞模様が全
く消失してしまうことから、明らかに結論できる。
年輪状の縞模様は本発明の方法に従って調製された平板
状粒子には全(観察されず、完全に均一なヨウ化銀分布
をもつハロゲン化銀粒子が得られる。ロウ化銀の含む相
の粒子内の位置は、ハロゲン化銀粒子の中心部であつて
もよいし、粒子全体に亘ってもよいし、また外側部であ
ってもよい。
またヨウ化銀の存在する相は1つであってもよいし複数
であってもよい。
これらについては特願昭63−7851号、同63−7
852号、同63−7853号に詳細が記述されている
。これらの発明は粒子成長に関するものであるが、同様
のことが核形成においてもいわれその効果が本発明によ
って示されたことになる。
本発明のコントロール方法を用いて製造される乳剤粒子
に含まれるヨウ臭化銀相あるいはヨウ塩臭化銀相のヨウ
化銀含量は、2〜45モル%であり好ましくは5〜35
モル%である。トータルのヨウ化銀含量は、2モル%以
上であるが、より効果があるのは5モル%以上である。
さらに好ましくは7モル%以上、特に好ましくは、12
モル%以上である。
本発明の方法は、また、塩臭化銀粒子の製造においても
有用であり、臭化銀又は塩化銀の分布が完全に均一な塩
臭化銀粒子を得ることができる。
塩化銀含量は10モル%以上であり好ましくは20モル
%以上である。
さらに本発明の方法は、純臭化銀、純塩化銀の製造にお
いても、非常に有効である。従来の製造方法によれば、
反応容器内の銀イオン及びハロゲンイオンの局所的な分
布の存在が不可避であり、反応容器内のハロゲン化銀粒
子は、そのような局所的な不均一部分を通過することで
他の均一部分とは異った環境におかれることとなり、そ
れによって成長の不均一性を生ずることは勿論、例えば
、銀イオンの高濃度部分では還元銀あるいはカブリ銀が
生成されてしまう、従って臭化銀、塩化銀においては、
確かにハライドの不均一分布はあり得ないが前に述べた
別の不均一性を生じてしまう。
この問題点は、本発明の方法によれば、完全に解決でき
る0本発明で得られるハロゲン化銀粒子は、当然表面潜
像型乳剤に用いることができるが、内部潜像形成型、直
接反転札割に用いることもできる。
一般に、内部潜像形成型ハロゲン化銀粒子は下記の点で
表面潜像形成型粒子に対し優位点をもつ。
■ ハロゲン化銀結晶粒子には空間電荷層が形成されて
おり、光吸収で発生した電子は粒子内部に向い、正孔は
表面に向う、従って、潜像サイト(電子トラップサイト
)つまり感光核を粒子内部に設けておけば、再結合が防
がれ高い効率で潜像形成を行うことができ高い量子感度
を実現できる。
■ 感光核は粒子内部に存在する為1、水分や酵素の影
響を受けることがなく、保存性に優れる。
■ 露光によんで形成された潜像も内部に存在する為、
水分や酸素の影響を受けることがなく潜像安定性も非常
に高い。
■ 増感色素を粒子表面に吸着させ、乳剤を色増感した
際、光吸収サイト(表面の増感色素)と潜像サイト(内
部の感光核)が分離されており、その為、色素正孔と電
子の再結合が防がれいわゆる色増感における固有減感が
起らず、高い色増感感度を実現することができる。
このように内部潜像形成型粒子は、表面潜像形成型粒子
に比較し有利な点を有するが、一方、感光核を粒子内部
にくみこむことに困難性をもっている。感光核の粒子内
くみごみの為に、いったんコアーとなる粒子を形成した
後、化学増感を施こしてコアー表面上に感光核を形成す
る。さらにその後、ハロゲン化銀をコアー上に沈積せし
め、いわゆるシェルの形成を行う、しかしながらコアー
の化学増感によって得られたコアー粒子表面上の感光核
はシェル形成時に変化しやすく往々にして内部カブリに
変換し易い。この原因の一つにコアー上のシェル形成が
、従来のように濃度(銀イオン濃度、ハロゲンイオン濃
度)の不均一部分で起ると感光核がダメージを受け、感
光核がカブリ核に変化し易いと考えられる0本発明の方
法を用いれば、この問題点が解決され内部カブリの非常
に少ない内部潜像形成型ハロゲン化銀乳剤を得ることが
できる。内部潜像形成型ハロゲン化銀粒子としては、正
常晶及び平板状粒子が好ましく、また臭化銀、ヨウ臭化
銀及び塩化銀含量が30モル%以下の塩臭化銀、塩ヨウ
臭化銀であるが、好ましくはヨウ化銀含量が10モル%
以下のヨウ臭化銀である。
この場合のコア/シェルのモル比は任意でよいが、好ま
しくは1/2以下、1/20以上でありより好ましくは
1/3〜l/10である。
また内部化学増感核のかわりに、あるいはそれと併用し
て内部に金属イオンをドープすることができる。このド
ープする位置はコアーでも良いし、コアー/シェル界面
でもよいしシェルでもよい。
金属ドーパントとしては、カドミウム塩、鉛塩、タリウ
ム塩、エルビウム塩、ビスマス塩、イリジウム塩、ロジ
ウム塩、又はその錯塩が用いられる。
金属イオンは通常、ハロゲン化銀1モルに対してlo−
1モル以上の割分で使用する。
本発明によって得られたハロゲン化銀核粒子はその後成
長を行わしめることにより目的のサイズ及び目的のハロ
ゲン組成をもったハロゲン化銀粒子に成長する。
特に成長するハロゲン化銀が混晶(旧χed Crys
tal)であるヨウ臭化銀、ヨウ臭塩化銀、塩臭化銀、
ヨウ塩化銀である場合は核形成にひき続き本発明の方法
によって粒子成長をすることが好ましい。
また必要に応じては、あらかじめ調製した微粒子乳剤を
反応容器に添加して成長させることも好ましい、これら
の方法についての詳細は、特願昭63−7851号、同
63−7852号、同637853開示公報に記載され
ている。かくして得られたハロゲン化銀粒子は粒子の核
も成長相も共に「完全均一」なハライド分布を持ち、か
つ粒子サイズ分布が非常に小さい。
得られた完全に均一なハロゲン化銀乳剤粒子に特に制限
はないが、0.3μm以上であることが好ましく、さら
に0.8μm以上、特に1.4μm以上であることが好
ましい0本発明によるハロゲン化銀粒子の形は六面体、
八面体、十二面体、十四面体、二十四面体、量子八面体
のような規則的な結晶形(正常晶粒子)を有するもので
もよくまた球状、じゃがいも状などの不規則な結晶形の
ものでもよ(、さらに双晶面を1枚以上もつ種々の形体
の粒子、なかでも平行な双晶面を2枚あるいは3枚有す
る六角形平板粒子及び三角形平板状双晶粒子であっても
よい。
本発明により得られたハロゲン化銀粒子を適用する感光
材料の種々の添加剤、現像処理方法等感光材料としての
他の構成に関しては特に制限はな(、特開昭63−12
3042号、同63−106745号、同63−100
749号、同63−100445号、同63−7183
8号、同63−85547開示公報、リサーチ・ディス
クロージャー誌176巻アイテム17643及び同18
7巻アイテム18716の記載が参考になる。
上記リサーチ・ディスクロージャー誌(RD)に関して
以下にその掲載個所を示す。
添加剤m類   RI117643   110187
161 化学増感剤    23頁   648頁右欄
2 悪魔上昇剤           同上4 増白側 24頁 8 色素画像安定剤  25頁 9 硬膜剤      26頁   651頁左欄10
  バインダー    26頁     同上13  
スタチック防止  27頁     同上剤 14  カラーカプラー  28頁    647〜6
48頁〔実 施 例〕 本発明の効果を明確にする為、以下の方法による比較実
験を行った。
比較例−1 2%ゼラチン溶液250cc/■inの流量で混合器に
添加しながらここに1モル硝酸銀水溶液100 c c
 /winと1モルハロゲン塩水溶液100cc/mi
を添加し、混合器の羽根の回転数を5000rpmで回
転さ+20分間微粒子の形成を行った。(サンプルl) 実施例−1 本発明の方法で、上記方法と比較する為、単時7 ステ
ィン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 間に混合器に添加される成分が比較例−1と同じになる
様に次の条件で薬品調整、添加を行った。
硝酸銀水溶液としては0.444モルを調整し、225
cc/sinの流量で混合器に添加を行った。
ハロゲン塩水溶液としては0.444モルの水溶液中に
1.11%のゼラチンを溶解した液を225 c c 
/sinの流量で混合器に添加した。混合器の回転数、
添加条件は上記と同じとした。(サンプル2) この方法は希釈液はゼラチンを含まない蒸留水を150
 c c/winで供給し、ここに単に1モルの硝酸銀
水溶液100cc/曽inと0.5%のゼラチンを含む
1モルの臭化カリウム水溶液100cc/雪inを50
0Orpmの回転数で回転する混合器に添加し、粒子形
成後20分間反応容器に添加を行った。(サンプル3) この様にして形成した混合容器から放出される粒子をサ
ンプリングし、素早(液体チッソで冷却後、直接法透過
型電子顕微鏡で粒子サイズの確認を行った。結果を第1
表に示す。
第 表 更にこの方法で形成した粒子による粒子成長テストを行
う為、予め反応容器に入れておいた臭化銀の種粒子(平
均サイズ;0.98μ、サイズ分布;±0.12μ)を
成長させた。添加方法としてはサンプル1.2について
は、粒子形成方法に述べた様に20分間微粒子を76℃
の反応容器に添加し、添加終了後10分間熟成を行った
。また、サンプル3については反応容器に混合器からの
添加に合せ4.5%ゼラチン水溶液を1oocc/si
nの流量で直接反応容器に添加し、サンプル1〜3が反
応容器に添加される条件を同じにして比較を行った。
この様にして得た粒子をサンプリングし、成長後の粒子
サイズ測定を行った。比較方法としては電子顕微鏡によ
る粒子写真を使用した。
結果を第2表に示す。
第   2   表 注)微粒子が残存しサイズ分布が二重になってしまう為
サイズ分布をだせない、また、平均サイズは二重のうち
種粒子が成長したと考えられる大きい方の平均値を示し
た。(小さい山の平均は0゜46μ−であった) 〔発明の効果〕 本発明のハロゲン化銀粒子の形成方法及び装置により (1)  希釈ゼラチンタンク、この送液ポンプ、及び
、この流量制御装置を用いなくても同様の効果を発揮出
来るため設備コストの軽減が計れた。
(2)混合容器の中で硝酸銀とハロゲン塩が反応する前
に保護コロイド水溶液で希釈してから反応させる事によ
り、確実に保護コロイドで保護された液の添加が可能に
なり安定した状態で均一な微粒子形成が可能となり、従
来に優れているとも劣らない品質の写真感光乳剤を得る
ことが出来、品質及びコスト共に貢献するところが大で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のハロゲン化銀粒子形成装置の一実施例
のフローシート図、第2図、第3図は本発明ハロゲン化
銀粒子形成装置の他の一実施例のフローシート図である
。 1・・銀塩水溶液(保護コロイドを含む)調製タンク 3a、3b・・ハロゲン塩水溶液(保護コロイドを含む
) 4a、4b、13・・流量計 5a、5b、15・・流量制御ポンプ 6・・銀塩水溶液添加系 7・・ハロゲン塩水溶液添加系 8・・高速攪拌機 9 ・ ・ 10 ・ 11 ・ 12 ・ l 4 ・ 16 ・ 混合器 ・反応容器への導入系 ・反応容器 ・限外濾過膜又は逆浸透膜 ・コントロールバルブ ・撹拌機 (ほか 3名)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)保護コロイド水溶液を含有し、ハロゲン化銀粒子
    の核形成及び/または結晶成長を起こさせる反応容器の
    外に混合器を設け、該混合器に水溶性銀塩の水溶液中及
    び/または水溶性ハライドの水溶液中に保護コロイドに
    なる成分を含ませた水溶液を各流量をコントロールしつ
    ゝ供給し、かつ該混合器の攪拌機羽根の回転数をコント
    ロールしつつ混合しハロゲン化銀微粒子を形成し、ただ
    ちに該微粒子を前記反応容器に供給し、該反応容器中で
    ハロゲン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長を行わ
    せることを特徴とするハロゲン化銀粒子形成方法。
  2. (2)ハロゲン化銀粒子の核形成及び/または結晶成長
    を起こさせる反応容器と、該反応容器の外に設けた混合
    器と、該混合器に水溶性銀塩の水溶液中及び/又は水溶
    性ハライドの水溶液中に保護コロイドになる成分を含ま
    せた水溶液とをこれらの流量をコントロールしつつ供給
    する手段と、かつ該混合器の攪拌機の羽根の回転数をコ
    ントロールする手段と、該混合器中の生成物が直ちに該
    反応容器に供給されるべく接続した配管を含んで成るハ
    ロゲン化銀粒子形成装置。
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