JP2920420B2 - ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法並びに該乳剤粒子を含有する感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法並びに該乳剤粒子を含有する感光材料

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JP2920420B2 JP31489090A JP31489090A JP2920420B2 JP 2920420 B2 JP2920420 B2 JP 2920420B2 JP 31489090 A JP31489090 A JP 31489090A JP 31489090 A JP31489090 A JP 31489090A JP 2920420 B2 JP2920420 B2 JP 2920420B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法に関する。
さらに詳しくは、各々のハロゲン化銀粒子内のハライド
組成が完全に均一で、かつ粒子間のハライド組成にばら
つきが小さく、かつ粒子形成時に還元銀を生じないハロ
ゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び該乳剤粒子を乳剤層に
含有する感光材料に関する。
〔従来技術〕
一般的にハロゲン化銀粒子は、反応槽中のコロイド水
溶液において、銀塩水溶液とハライド水溶液とを反応さ
せることにより製造される。反応槽中にゼラチンのよう
な保護コロイド及びハライド水溶液を入れ、攪拌しなが
ら、これに銀塩水溶液をある時間添加するシングルジエ
ツト法(SJ法と標記する)や、反応槽中にゼラチン水溶
液を入れ、ハライド水溶液と銀塩水溶液とをそれぞれあ
る時間添加するダブルジエツト法(DJ法と標記)が知ら
れている。両者を比較すると、DJ法の方が粒子径分布の
狭いハロゲン化銀粒子が得られ、さらに粒子の成長に伴
って、そのハライド組成を自由に変えることができる。
また、ハロゲン化銀粒子の成長速度は、反応溶液中の
銀イオン(ハライドイオン)濃度、ハロゲン化銀溶剤の
濃度、粒子間距離、粒子サイズなどにより大きく変化す
ることが知られている。更に反応槽中に生ずる銀イオン
あるいはハライドイオン濃度の不均一は、各々の濃度に
より成長速度が異なる結果として出き上がるハロゲン化
銀乳剤に不均一を生じる。この不均一を避けるには、反
応槽中の乳剤粒子の成長、形成・調整の場となるコロイ
ド水溶液(母液と称す)中に供給する銀塩水溶液とハラ
イド水溶液とを迅速に均一化して反応させることが必要
である。従来のハライド水溶液と銀塩水溶液とを反応槽
中の母液の表面に添加する方法では、各々の反応液の注
入位置近傍において、ハライドイオン及び銀イオンの濃
度の高い部分が生じ、均一なハロゲン化銀粒子を製造す
ることは困難であった。この局部的な濃度のかたよりを
改良する方法として、米国特許3,415,650号、英国特許
1,323,464号、米国特許3692253号等に開示された技術等
が知られている。これらの方法は、反応槽中に設けられ
た回転楕円体をなす混合器にその上下の開放端からハラ
イド水溶液と銀塩水溶液とを供給管を通じて高速回転し
ている混合器内に供給し急速に混合して反応せしめ混合
器の回転により生ずる遠心力で生成したハロゲン化銀粒
子を反応槽中の母液に排出せしめ成長させる方法であ
る。
また、特公昭55−10545号には、反応槽中に沈めた整
流筒下部のタービン羽根で下方から別々に供給される反
応液を急激に攪拌混合せしめハロゲン化銀を生成させ、
ただちに生成したハロゲン化銀粒子を、整流筒の上方開
口部から反応槽中の母液に排出せしめる技術が示されて
いる。
更に特開昭57−92523号には、母液が満たされている
反応槽内に沈めた混合器にハライド水溶液と銀塩水溶液
とを別々に供給し、反応液を前記母液により希釈し該両
反応液を急激に剪断混合してハロゲン化銀粒子を生成せ
しめる技術が開示されている。
しかしながら、前記の技術では、確かに反応槽中の銀
イオン及びハライドイオンの局部的な濃度の不均一は完
全に解消することはできるが、混合器内においては依然
としてこの濃度の不均一は存在し、特に銀塩水溶液及び
ハライド水溶液を供給するノズルの近傍及び攪拌翼の下
部及び攪拌部分においてかなり大きな濃度分布が存在す
る。さらに保護コロイドと共に混合器に供給されたハロ
ゲン化銀粒子は、このような不均一な濃度分布をもった
環境におかれ、これらの環境において不規則に成長す
る。つまり濃度分布のない状態でハロゲン化銀を均一に
成長せしめるという目的は達し得ない。
さらにより完全な混合によるこれらの銀イオン、ハラ
イドイオンの濃度の不均一分布を解消すべく、反応槽と
混合器をそれぞれ独立せしめ、混合器に銀塩水溶液とハ
ライド水溶液を供給し急速混合してハロゲン化銀粒子を
成長せしめる試みがなされてきた。例えば特開昭53−37
414号及び特公昭45−21045号には、反応槽の母液を循環
させ、この循環系の途中に混合器を設け、この混合器で
銀塩水溶液及びハライド水溶液と母液を混合し、該混合
器で急速に混合し同一不均一性を連続維持して不均一性
を固定し、ハロゲン化銀粒子を成長せしめる技術が開示
されている。同様の発想に基いて米国特許3897935号、
特開昭53−47397号が提案されている。これ等の方法で
は確かに、循環系に流す母液の流量と混合器の攪拌効率
を独立に変化させることができ、より濃度分布が均一な
条件で粒子成長を行うことができるであろうが、結局、
母液と共に反応槽から送られてきたハロゲン化銀粒子は
銀塩水溶液、ハライド水溶液の注入口で急速成長を起
す。従って前に述べたと同様に混合部あるいは注入口付
近の濃度分布を無くすることは原理的に不可能であり、
つまり濃度分布のない状態でハロゲン化銀を均一に成長
せしめる目的は達し得ない。
またこれら銀イオン、ハライドイオンの濃度の母液中
の不均一分布の問題を回避するために粒子成長の際予め
別に調製したハロゲン化銀粒子を添加し、オストワルド
熟成の効果を利用して粒子成長を行う方法が特開昭48−
65925号、同51−88017号、同52−153428号、J.Col.Int.
Sci,63(1978)No.1,p16、P.S.,E28(1984)No.4,p13
7、特開昭62−99751号等に示されている。しかしこれら
の具体的な実施にあたっては、ハロゲン化銀粒子のサイ
ズは小さければ小さい程成長速度は速いが上記記載の方
法では添加するハロゲン化銀粒子のサイズが成長させる
ハロゲン化銀粒子のサイズに比べ必要充分なだけ小さく
ないため、オストワルド熟成の速度が遅く、ハロゲン化
銀粒子の成長に多大の時間を費やし、製造コストや生産
性が好ましくなく実用的でない。
微細なハロゲン化銀粒子を形成する方法としてはジェ
ームズ(T.H.James),The Theory of The Photographic
Process第4版には微細な粒子としてリップマン乳剤
(Lippmann Emulsion)が引用され平均サイズ0.05μm
のであると記載されている。
また例えば、特開平1−183417号、同1−183645号,W
O89−06830号、同06831号等に反応槽の他に微細なサイ
ズのハロゲン化銀粒子を形成する混合装置を設け粒子形
成後ただちにこれを反応槽内に供給し粒子成長を行う方
法が開示されている。しかしこれらの方法によれば比較
的薄い濃度の銀塩、ハライド水溶液をもちいて微細なサ
イズのハロゲン化銀粒子を形成することはできるもの
の、混合時の条件によっては形成したハロゲン化銀粒子
のかぶりが高く、従来の銀塩、ハライド水溶液を保護コ
ロイド水溶液に添加して粒子成長を行う方法に比べ有用
でない場合が生じることがある。すなわちハロゲン化銀
粒子の成長時には銀イオン、あるいはハライドイオンの
濃度の反応槽内不均一性が少いにもかかわらず、微粒子
のハロゲン化銀粒子を形成する際にpAg、pHによっては
微粒子自身に還元銀核を生じ、これがハロゲン化銀の成
長を行う反応槽に供給されることにより微粒子が再溶解
し、還元銀核が成長粒子に取り込まれ成長した粒子のか
ぶりとなって現れる。従ってハロゲン化銀粒子の成長の
際には、ハロゲン化銀粒子自体の還元銀核の発生を抑え
なければ、還元銀のないハロゲン化銀粒子を得ることが
できない。
〔発明の目的〕
従って本発明の目的は、従来の製造方法および装置に
おいて生ずる濃度(銀イオン、ハライドイオン)の不均
一な場におけるハロゲン化銀粒子の成長、そしてそれに
よってできる不均一な乳剤粒子(粒子サイズ、晶相、粒
子間及び粒子内部のハロゲン分布等)の問題を解決し、
かつ還元銀かぶりの非常に少ない、高感度なハロゲン化
銀粒子の形成方法並びに該粒子を有する性能のよい感光
材料を提供することにある。
〔発明の構成〕
前記本発明の目的は; (1)ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法において、
該乳剤粒子の成長形成の中核となる成長核粒子を容れた
母液槽に、混合槽においてpAg≧3、pH≦7かつ〔Ag+
〔OH-〕≦10-10の条件の下で生成したハロゲン化銀微結
晶を添加することによって成長核粒子からの成長を行う
ことを特徴とする乳剤粒子の形成方法及び (2)感光性ハロゲン化銀乳剤層を少くとも一層有する
写真感光材料において、前記乳剤層に、前記の形成方法
でえられる乳剤粒子を含有させたハロゲン化銀写真感光
材料 によって達成することができる。
尚本発明の記述においては、語句の多義性からの混乱
を避けるために、乳剤粒子の成長、形状及び特性の調整
の場となる液相を母液と称し、ハロゲン化銀成長の中核
となるハロゲン化銀固相を成長核粒子、成長の補給素材
となるハロゲン化銀固相を微結晶、母液中で成長核粒子
に微結晶が供給されて成長し、感光性を担い写真特性構
成の対象となるハロゲン化銀固相を乳剤粒子と称する。
またpAg、pH等は一般的によく知られているように以
下の関係を満たしている。
pAg=−log〔Ag+〕 pH=−log〔H+〕 〔Ag+〕・〔X-〕=Ksp Ksp:ハロゲン化銀溶解度積 〔H+〕・〔OH-〕=Kw Kw:水のイオン積 ここで母液槽にはpAg、pH調整用以外の銀塩水溶液及
びハライド水溶液の添加は行なわいので乳剤粒子の成長
には銀塩水溶液、ハライド水溶液による濃度の不均一性
がなく、さらに添加する微結晶自体も上記のpAg,pH条件
のもとで混合することにより、微結晶生成時には還元銀
の発生が全くない。従って各々の乳剤粒子のハライド組
成が完全に均一でかつ粒子間のハライド組成に偏りのな
い乳剤粒子を得ることができる。しかし微結晶の粒径、
晶相等が同等であっても混合時のpAgやpHによっては母
液槽内で粒子成長を行った乳剤粒子において各々のハラ
イド組成、粒子間のハライド組成分布が同等に均一であ
るにもかかわらず、乳剤粒子のかぶり、感度が異なるこ
とを見い出した。特にpAgの低い状態、すなわち銀イオ
ン濃度の高い状態、あるいは水酸イオンOH-濃度が高い
状態において還元銀核が多く発生することがわかった。
以上の知見をもとに微結晶の形成をpAg≧3、好ましく
はpAg≧5、さらに好ましくはpAg≧9であり、かつpH≦
7、好ましくはpH≦4であり、かつ銀イオン濃度と水酸
イオンの積〔Ag+〕・〔OH-〕が10-10以下、より好まし
くは10-15以下さらに好ましくは10-20以下の条件で生成
することにより、微結晶自体の還元銀の発生を抑えるこ
とができることを見い出した。
該微結晶の生成方法としては上記pAg、pHの条件を満
たす範囲内で酸性法、中性法、アンモニア法等を用いる
ことができるが、好ましくは中性法、さらに好ましくは
酸性法である。また混合形式としてはシングルジェット
法(SJ法)ダブルジェット法(DJ法)、それらの組合せ
などのいずれを用いてもよい。DJ法の一つの形式として
ハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方
法、即ちいわゆるコントロールダブルジェット法(CDJ
法)を用いることもできる。この方法によると、結晶形
が規則的で粒子サイズが殆ど均一になる利点がある。ハ
ロゲン化銀としては、単一組成のものでも異なるハロゲ
ン化銀を含むものであってもよい。これらの形成におい
ては液面からSJ法あるいはDJ法により添加しても良い
が、特公昭58−58289号、特開昭61−3963号等に記載さ
れているような攪拌機を用いて液中添加してもよい。
微結晶形成時の温度は60℃以下、好ましくは40℃以
下、より好ましくは30℃以下である。
生成された微結晶は、粒子サイズが微細である故その
溶解度が非常に高く、母液槽に添加されると溶解し、再
び銀イオン及びハライドイオンとなり、既存の粒子に沈
積し粒子成長を起すが、その際微結晶同志でいわゆるオ
ストワルド熟成を起して、その粒子サイズが増大しそれ
だけ溶解度が低下し、母液槽中での溶解が遅くなり、そ
れ自身が成長核粒子となる惧れがある。これについては
微結晶生成後のハロゲン化銀懸濁液(乳剤)を、停滞時
の温度を低く抑え、ハロゲン組成におけるハロゲン化銀
の溶解度の小さいpAg領域で保存すれば直ちに母液槽内
に供給、消費しなくとも微結晶自体のオストワルド熟成
による粗大化を防ぐことができる。生成された微結晶は
50℃以下、好ましくは40℃以下、さらに20℃以下で保存
することが好ましい。また保存時のpAgは温度、ハロゲ
ン組成にもよるがpAg6〜11、好ましくは7〜10、より好
ましくは8〜10である。該微結晶は生成後、分散媒であ
るゼラチンがゲル化する温度で保存しても良いが、乳剤
粒子に添加するまで液状のまま保存しておくことが好ま
しい。微結晶は好ましくは8時間以内、より好ましくは
4時間以内、さらに好ましくは1時間以内にハロゲン化
銀の粒子成長に用いることが望ましい。
また本発明においてハロゲン化銀粒子を生成する際の
保護コロイドには、通常高分子のゼラチンを用いること
ができ、具体的にはリサーチ・ディスクロージャ誌第17
6巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されてい
る。更に低温で乳剤を形成、停滞することも可能であ
り、これにより微結晶のオストワルド熟成の進行を更に
抑えることができるが、35℃以下の温度では通常のゼラ
チンでは凝固しやすくなるため、この場合には低分子量
ゼラチン、ハロゲン化銀粒子に対して保護コロイド作用
を有する合成高分子化合物、あるいはゼラチン以外の天
然高分子化合物等を用いることができる。低分子量ゼラ
チンは通常次のようにして作ることができる。即ち通常
用いられる平均分子量10万のゼラチンを水に溶かし、ゼ
ラチン分解酵素を加えて、ゼラチン分子を酵素分解す
る。この方法については、R.J.Cor.Photographic Celat
in II.Academic Press.London.1976年、P.233〜251、P.
335〜346の記録を参考にすることができる。この場合、
酵素が分解する結合位置は決っているため、比較的分子
量分布の狭い低分子量ゼラチンが得られる。この場合、
酵素分解時間を長くする程、より低分子量化する。その
他、低pH(pH1〜3)もしくは高pH(pH10〜12)雰囲気
下で加熱し、加水分解する方法もある。
保護コロイドの濃度は1wt%以上、好ましくは2重量
%以上、さらに好ましくは5wt%以上が良い。
更に該微結晶は特開平1−183417号、WO89−06830
号、同89−06831号に記載されているように乳剤粒子の
粒子成長を起こさせる母液槽の外に混合器を設け、この
混合器に銀塩水溶液とハライド水溶液と保護コロイド水
溶液を供給し混合して微結晶を生成し、直ちに該微結晶
を粒子成長を起こさせる母液槽中に添加し乳剤粒子の粒
子成長を行う、いわゆる連続混合法を用いることもでき
るる。微結晶を混合器を用いて連続的に生成することに
より、従来この分野でよく用いられているバッチ方式で
のSJ法あるいはDJ法による乳剤粒子の形成方法に比べ、
供給される銀イオン、ハライドイオンは混合器内部での
微結晶生成反応のみに消費され、バッチ方式のように生
成するハロゲン化銀が成長核粒子生成、乳剤粒子成長の
両用に亘るということがなく、均一サイズのハロゲン化
銀粒子を形成することができる。更に混合後は微結晶に
生の反応液が触れることがないため例えば銀イオン水溶
液の濃度の高い部分に微結晶が存在することによってで
きる還元銀核の発生が少なく、微結晶自体のかぶり核を
少なくすることができ、比較的高感度な乳剤粒子を得る
ことができる。また前述した微結晶自体のサイズの変遷
は、連続混合法では混合器で微結晶を生成した後、直ち
に母液槽に供給することにより避けることができる。
連続混合法による微結晶の生成法については、第1図
に示すように容器A、B,Cにはそれぞれ保護コロイド水
溶液、硝酸銀水溶液、ハライド水溶液が容れられてい
る。これらの溶液を各々添加系4、5、6にてpAg≧3
かつpH≦7であり、かつ〔Ag+〕・〔OH-〕≦10-10とな
るpAg,pHの条件を満たすように混合器7に供給する。混
合器内でこれらの水溶液を急速かつ強力に混合して乳剤
送液系8より、母液槽1に供給される。第2図に混合器
の詳細を示すが、この混合器7はその中に反応室10が設
けられ、その反応室10の中に回転翼11が取り付けられて
おり、これにより急速かつ強力に混合される。本発明に
よる微結晶のサイズは0.05μm以下、好ましくは0.03μ
m以下、より好ましくは0.01μmである。
本発明による乳剤粒子成長法を以下に記す。本発明に
おいてはまず保護コロイド水溶液を保持した母液槽にて
成長核粒子生成を行う。ハロゲン化銀の成長核粒子はPh
otographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffi
n著Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Pres
s刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coat
ing Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964
年)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。また特開昭50−45437号に記載されているようにCDJ
法を用いて行うことが好ましい。上記のように成長核粒
子を生成し、母液槽に乳剤を充す。一方本発明による方
法で微結晶を生成する。該微結晶の生成後、成長核粒子
の存在する母液槽内に該微結晶を添加しオストワルド熟
成効果により、乳剤粒子の成長を行うことができる。本
発明により生成された微結晶は微細であり、容易に溶解
し再び銀イオンとハライドイオンとなり乳剤粒子に均一
な成長を起こさせる。この極微細な微結晶のハロゲン組
成は単一ハロゲン組成でも2種以上のハロゲン組成でも
良く、目的とする乳剤粒子のハライド組成と同一にす
る。母液槽内に供給された微結晶は母液槽内の攪拌によ
って母液槽全体にばらまかれ、かつこの微結晶から所定
のハライド組成のハライドイオンと銀イオンが放出され
る。ここで該微結晶は非常に微細であり、また数も多数
で分散密度も均一である。このような非常に多数の粒子
から各銀イオン、ハライドイオンが放出されるため全く
均一な粒子成長を行うことができる。さらにハライド組
成の均一性だけでなくpAg,pHを選ぶことにより、該微結
晶自体に還元銀がないことと相埃って粒子成長中の乳剤
粒子に還元銀を与えることなくかぶりのない高感度なハ
ロゲン化銀乳剤粒子を得ることができる。また連続混合
法を用いて微結晶を生成する場合には予め母液槽に成長
核粒子を生成せしめた後、微結晶を生成しながら、これ
を直ちに母液槽内に供給し、同様に乳剤粒子の成長を行
うことができる。
また2種以上のハライド組成を持つ乳剤粒子成長の際
には微結晶として2種以上のハライド組成をもつ微結晶
を添加してもよいし、あるいは別々に形成した単一組成
の微結晶を所定のハライド組成となるように添加量を調
整して加え成長を行っても良い。
本発明により成長をおこなったハロゲン化銀乳剤粒子
としては、酸性法、中性法、アンモニア法のいずれで得
られたものでもよい。このような方法で製造されたハロ
ゲン化銀乳剤粒子は、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃塩
化銀及び沃臭塩化銀等単一組成のものでも、2種以上の
組成のものでもよく、これらのハロゲン化銀は粗粒のも
のでも微粒のものでもよく、粒径分布は狭くても広くて
もよい。またこれらのハロゲン化銀の結晶形は、立方
体、8面体のような正常結晶でもよく、また球状、平板
状などのような変則的結晶形を有するもの、あるいはこ
れらの結晶形の複合体でもよい。さらに種々の結晶形の
粒子からなってもよい。またこれらの乳剤粒子の結晶構
造は、内部から外部まで均一なものであっても、内部と
外部が異質な層状構造をしたものであってもよい。さら
にこれらの乳剤粒子は潜像を主として表面に形成する型
のものであっても、粒子内部に形成する型のものであっ
てもよい。また上記乳剤粒子の成長時にアンモニア、チ
オエーテルチオ尿素などの公知のハロゲン化銀溶剤を存
在させることもできる。さらに乳剤粒子は、粒子を形成
する過程及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、
亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩、ロジウム
塩、鉄塩及びそれらの錯塩から選ばれる少なくとも1種
の金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子表面
相にこれらの金属イオンを含有させることができる。ま
た適当な還元雰囲気下におくことにより、粒子内部及び
/又は粒子表面に還元増感核を付与できる。
このようにして得られた乳剤粒子からなる乳剤は必要
に応じて脱塩処理、化学増感、分光増感が施され、更に
各種添加剤を加え写真特性が調えられ、感光材料の感光
層として塗布される。
(実施例) 次に実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1 沃臭化銀種乳剤1−A 温度を40℃に上げた2.0wt%ゼラチン水溶液に特開昭5
0−45437号記載の方法にしたがって4M(モル濃度)−硝
酸銀水溶液及び3.96M−臭化カリウム、0.04M−沃化カリ
ウムの水溶液をCDJ法によりAgXの成長核粒子乳剤(種乳
剤)を調製した。この乳剤を1−Aとする。1−Aは電
子顕微鏡観察の結果、平均粒径0.8μmの単分散乳剤で
あった。
沃臭化銀コア・シェル型粒子1−B(比較乳剤) 以下に示す7種類の溶液を用いて粒子内部から順次15
モル%及び5モル%、3モル%のAgI含有率のコア・シ
ェル型で平均粒径2.0μm、平均AgI含有率6.53モルの沃
臭化銀乳剤を作成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g ポリイソプロピレンジ琥珀酸エステルナトリウム塩10
%メタノール水溶液(以下PSENa−10%MeOHという) 15ml 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラゼイ
ンデン(以下TAIという) 750mg 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(1−A)銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で12000mlにする。
溶液B オセインゼラチン 15g 臭化カリウム 520.5g 沃化カリウム 130.7g TAI 1.2g 蒸留水で1500mlにする。
溶液C オセインゼラチン 20g 臭化カリウム 775.6g 沃化カリウム 58.2g TAI 1.6g 蒸留水で2000mlにする。
溶液D オセインゼラチン 20g 臭化カリウム 814g 沃化カリウム 58.2g TAI 1.6g 蒸留水で2000mlにする。
溶液E 硝酸銀 1684.8g 28%アンモニア水 1373ml 蒸留水で2833mlにする。
溶液F 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液G 56%酢酸 pH調整必要量 40℃において特開昭57−92523号、同57−92524号に示
される混合攪拌機を用いて、溶液Aに溶液Eと溶液Bと
をDJ法によって添加し、B添加終了と同時に溶液Cを添
加し、Cの添加終了と同時にDを添加した。DJ中のpAg,
pHの制御及び溶液E,溶液B,C,Dの添加速度は表−1に示
すように行った。
またpAgおよびpHの制御は流量可変のローラチューブ
ポンプにより溶液Fと溶液Gの流量を変えることにより
行った。溶液Eの添加終了後、pH調整、pAg調整、脱塩
水洗、再分散処理を行った。得られた粒子は平均粒径2.
0μmのコア・シェル型8面体単分散粒子であった。
臭化銀微結晶乳剤1−C 以下の溶液を用いて純臭化銀微結晶乳剤1−Ca〜gを
以下のように生成した。
溶液A 硝酸銀 1574.7g 純水で2648mlとする。
溶液B 臭化カリウム(KBr) 1103.1g 純水で2650mlとする。
溶液C オセインゼラチン 48g PSENa−10%MeOH 15ml 純水で1200mlとする。
溶液D(pAg調整用) 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液E(pAg調整用) 20%硝酸銀水溶液 pAg調整必要量 溶液F(pH調整用) 10%無水炭酸ナトリウム水溶液 pH調整必要量 溶液G(pH調整用) 10%硝酸水溶液 pH調整必要量 35℃において溶液Cを母液槽に導入し、溶液D〜Gを
用いてpAg、pHを調整した後溶液BとCをCDJ法により15
分間で添加した。各々の乳剤の調整した条件を表−2に
示す。混合後に得られた微結晶は直接透過形電子顕微鏡
で7万倍で確認した。混合後の乳剤はすべてpAg 9.0、pH5.8に調整し35℃において攪拌を行いながら一時
保存した。
沃化銀微結晶乳剤1−D 溶液A オセインゼラチン 24g PSENa−10%MeOH 2.5ml くえん酸ナトリウム 2.0g 蒸留水 605ml 溶液B 硝酸銀 110g 純水で185mlとする。
溶液C 沃化カリウム(K1) 107.5g 純水で185mlとする。
40℃において、pAgを12.5に調整した後、特開昭57−9
2523号、同57−92524号に記載されている混合攪拌機を
用いて保護コロイド水溶液AにCDJ法により、溶液B、
溶液Cを25分間で添加してAgl微結晶を生成させた。Agl
微結晶は電子顕微観察の結果、粒径が約0.05μmであっ
た。
沃臭化銀コア・シェル型乳剤1−E 以下に示す溶液を用いて乳剤1−Bと同様なハロゲン
組成構造を持つコア・シェル型で平均粒径2.0μm、平
均Agl含有率6.53モルの沃臭化銀乳剤1−Ea〜fを作成
した。a〜fは溶液Bに用いる乳剤を変更したのみであ
り、その他の条件はすべて同様にして形成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%NeOH 15ml TAI 750mg 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(1−A) 銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で1200mlにする。
溶液B 乳剤1−C 銀換算8.7モル相当量 TAI 1.6g 溶液C 乳剤1−D 銀換算0.61モル相当量 TAI 1.6g 溶液D 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液E 28%アンモニア水 pH調整必要量 母液槽内に溶液Aを導入し40℃において、溶液D、E
を用いてpAgを8.5、pHを7.5に調整した後、形成終了後
約1時間たった溶液B,溶液Cを120分間かけてDJ法によ
り添加した。溶液BおよびCはその乳剤粒子の内部から
順次Agl含有率が15モル%、5モル%、3モル%となる
ように60分間、40分間、15分間に溶液BとCを関数的に
それぞれ流量制御して添加した。
得られた乳剤粒子は電子顕微鏡観察の結果、平均粒径
2.0μmで乳剤1−B同等の晶相を持った粒子であっ
た。この乳剤を添加終了後乳剤1−Bと同様な方法で脱
塩水洗、再分散を行った。形成された乳剤をそれぞれ1
−Ea〜gとする。
沃臭化銀コア・シェル型乳剤1−F(本発明) 第1図に示されるような装置を用いて、以下に示す溶
液を用い乳剤1−Bと同様なハロゲン組成構造を持つコ
ア・シェル型で平均粒径2.0μm、平均Agl含有率6.53モ
ル%の沃臭化銀乳剤を作成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%MaOH 15ml TAI 750mg 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(1−A) 銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で12000mlにする。
溶液B 硝酸銀 1574.7g 純水で2648mlとする。
溶液C 臭化カリウム 460.2g 沃化カリウム 113.3g TAI 665mg 蒸留水で1300mlにする。
溶液D 臭化カリウム 672.6g 沃化カリウム 49.4g TAI 870ml 蒸留水で1700mlにする。
溶液E 臭化カリウム 323.2g 沃化カリウム 13.94g TAI 409ml 蒸留水で800mlにする。
溶液F オセインゼラチン 70g PSENa−10%MeOH 2.5ml 純水で2000mlとする。
溶液G 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液H 28%アンモニア水 pH調整必要量 母液槽内に溶液Aを導入し40℃において、溶液G、H
を用いてpAgを9.0、pHを6.3に調整した後、母液槽の側
に設けた第1図に示した混合器に溶液Bの980ml,および
溶液C,Fを1:1.01:0.4の混合比で60分間かけて関数添加
法によりトリプルジェット(TJ)法で混合し母液槽に注
入した。続いて同様な方法により溶液Bの1112mlと溶液
D、Fを40分、その後溶液BとE,Fを15分で混合し、注
入することにより、乳剤粒子内部のハロゲン組成がAgI
含有率についてその内部から15、5、3モル%であるハ
ロゲン化銀粒子を形成した。混合の間は常に流量比によ
りpAgは9.0以上、pHは5.5〜7.0に保たれていた。混合器
の温度は35℃に保たれ、また混合器の攪拌回転翼の回転
数は7000rpmであった。混合器内で発生した微結晶は、
連続的に母液槽に導入されここでハロゲン化銀粒子の成
長を行った。得られた乳剤粒子は電子顕微鏡観察の結
果、平均粒径2.0μmで乳剤1−B同等の晶相を持った
粒子であった。また混合器で生成された微結晶を直接、
透過形電子顕微鏡で観察した結果0.010μmから0.016μ
mの微結晶であった。この乳剤1−Fを添加終了後乳剤
1−Bと同様な方法で脱塩水洗、再分散を行った。
乳剤1−B、E及び乳剤1−Fの乳剤に対し金硫黄増
感を施し銀1モル当たり下記の増感色素(1)20mg及び
増感色素(2)15mgにより、緑感光性に分光増感した。
ついでTAI及び1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ールを加えて安定化した。
さらに下記のマゼンタカプラー(M−1)を酢酸エチ
ル及びジノニルフタレート(DMP)に溶解し、ゼラチン
を含む水溶性中に乳化分散した分散物及び延展剤、硬膜
剤などの一般的な写真添加剤を加えて塗布液を作成し、
下引されたフィルムベース上に常法により塗布、乾燥し
て感光材料試料を作成した。なお各成分の付量を1m2
たりで下記に記す。
乳剤 1g マゼンタカプラー(M−1) 0.4g DNP 0.4g ゼラチン 0.12g 各試料は常法に従いウェッジ露光し、下記処理工程で
処理した。
処理工程: 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成を下記に示
す。
発色現像液 4−アミノ−3−メチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.00g 無水炭酸カリウム 37.50g 臭化カリウム 1.30g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.50g 水酸化カリウム 1.00g 水を加えて1000mlとする。
漂白液 エチレンジアミンテトラ酢酸鉄アンモニウム塩100.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1000mlとし、アンモニア水を加えてpH6.0
に調整する。
定着液 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸アンモニウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1000mlにし、酢酸を用いてpH6.0に調整す
る。
安定化液 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1000mlとする。
各試料の写真性能の比較を表−3に示した。
表−3に示すようにハロゲン化銀粒子の成長に際し母
液槽中に銀塩水溶液、ハライド水溶液を添加せず、ハロ
ゲン化銀微結晶として添加することにより、濃度の不均
一性(特に銀イオン濃度の局在)によって発生する還元
銀の発生を抑え、高感度な粒子を得られることがわかっ
たが、比較乳剤の結果から、該ハロゲン化銀微結晶自体
の形成条件によって、微結晶自体に還元銀が発生してし
まうことがわかる。
実施例2 沃臭化銀乳剤2−A(種乳剤) 実施例1乳剤1−Aと同様に特開昭50−45437号記載
の方法にしたがって種乳剤を調整し、水洗処理を施して
過剰な塩類を除去した。かくして得られた粒子の平均粒
径0.8μm、粒径変動係数(標準偏差/平均粒径)17%
の沃臭化銀粒子であった。
沃臭化銀コア・シェル型粒子2−B(比較乳剤) 実施例1−Bと同様にして下記の溶液を用いて乳剤粒
子内部に25モル%の沃臭化銀層を含み、シェル部が純臭
化銀がありコア・シェルモル比が1:1である2.2μm沃臭
化銀コア・シェル型粒子を130分間で形成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%MeOH 15ml TAI 750ml 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(2−A) 銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で12000mlにする。
溶液B オセインゼラチン 15g 臭化カリウム 527.8g 沃化カリウム 245.4g TAI 1.2g 蒸留水で1690mlにする。
溶液C オセインゼラチン 20g 臭化カリウム 962.2g TAI 1.6g 蒸留水で23000mlにする。
溶液D 硝酸銀 1684.8g 28%アンモニア水 1373ml 蒸留水で2833mlにする。
溶液E 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液F 58%酢酸 pH調整必要量 40℃において母液槽内に溶液Aを導入しpAgを8.9、pH
を9.0に調整した後、溶液B,DをDJ法により100分間で添
加し、溶液Bの終了と共に溶液Cを添加してシェルを形
成した。得られた乳剤は2.15μmの八面体コア・シェル
型粒子であった。
沃臭化銀粒子2−C(比較乳剤) 特開平1−183417号の記載に従って0.06Mの臭化カリ
ウムを含有する3.0wt%のゼラチン溶液1200ccにそれぞ
れ攪拌しながら、0.1%3,4−ジメチル−2−チオンのメ
タノール溶液を80ml加え75℃に保った母液槽に0.3M硝酸
銀溶液を50mlと0.063Mの沃化カリウムと0.19Mの臭化カ
リウムを含むハライド水溶液50mlをDJ法により、3分間
かけて添加した。これにより投影面積円相当径0.3μm
の沃化銀含有量25モル%の沃臭化銀粒子を得たことによ
り成長核粒子生成を行った。
上記成長核粒子生成を行った後、1.5M硝酸銀800ml
と、0.375M沃化カリウムと1.13M臭化カリウムを含むハ
ライド水溶液800ml及び3wt%のゼラチン水溶液800mlを1
00分かけてTJ法で添加した。混合器内の滞留時間は7秒
であった。また混合器の攪拌翼の回転数は7000rpmであ
った。得られた微結晶は透過型電子顕微鏡で観察したと
ころ添加初期で0.017μm、添加終了直前で0.013μmで
あった。混合器の温度は35℃に保たれた。混合器で生成
した微結晶は、連続的に75℃に保たれた母液槽に導入さ
れた。その後さらに1.5M硝酸銀水溶液と1.5M臭化カリウ
ムと2wt%ゼラチン溶液を混合器で50分間混合、調製
し、母液槽に導いて臭化銀シェルを形成しコア・シェル
モル比1:1の沃臭化銀粒子を得た。このとき混合器で得
られた粒子は0.02μmであった。得られた乳剤粒子は円
相当径2.2μmの8面体コア・シェル型粒子で内部の沃
化銀含有率は25モル%である。
臭化銀微結晶乳剤2−D 第1図に示される装置を用いて純臭化銀微結晶乳剤2
−D〜を以下のように生成した。
溶液A 硝酸銀 1684.8g 純水で2833mlとする。
容液B 臭化カリウム(KBr) 1249.5g 純水で3000mlとする。
溶液C オセインゼラチン 50g PSENa−10%EtOH 15ml 10%硝酸 pH2.0調整量 純水で1500mlとする。
溶液D(pAg調整用) 20%臭化カリウム(KBr) pAg調整必要量 溶液E(pH調整用) 10%無水炭酸ナトリウム水溶液 pH調整必要量 乳剤2−Dは溶液A,B,Cをそれぞれ9.98:10:4の割合
で35℃において15分間で混合した。このときの混合器に
於ける攪拌回転数7000rpmであった。また混合器内の添
加液の滞留時間は4.5秒であった。混合後に得られた粒
子は直接透過形電子顕微鏡で7万倍で確認したところ平
均粒径は0.013μmであった。混合後の乳剤ははただち
に調整容器内に供給し、一時保存した。調整容器におい
ては乳剤を攪拌しながら温度を30℃に保ち、溶液D,Eを
用いて常に乳剤のpAgを9、pH5.5となるように制御し
た。全ての容液の添加終了後、調整容器内の臭化銀微結
晶の粒径は透過型電子顕微鏡による観察の結果0.013μ
mであった。
乳剤2−D以降は下記表−4の条件を変更する以外
はと同様な形成方法で行った。得られた臭化銀微結晶
は乳剤と同等の粒径を持つ粒子であった。
上記乳剤をそれぞれ35℃において攪拌停滞し、微結晶
粒径の経時変化を電子顕微鏡により観察した。粒子の経
時変化の結果を第3図に示す。図からわかるように微結
晶の生成後ハロゲン化銀の溶解度の小さいpAgに調整す
ることにより生成後直ちに母液槽内に供給しなくとも、
微結晶自身のオストワルド熟成、凝集などによる粒径の
変化は起きないことがわかる。
沃化銀微結晶乳剤2−E(本発明) 乳剤2−Dと同様の装置を用いて下記の溶液を用いて
沃化銀微結晶乳剤を15分間かけて生成した。pAgを10.
0、pH6.5に調整する以外は上記乳剤と全く同じである。
得られた微結晶の粒径は0.011μmであった。
溶液A オセインゼラチン 28.78g PSENa−10%MeOH 16.5ml くえん酸ナトリウム 2.4g 蒸留水 5287ml 溶液B 硝酸銀 180g 純水で303mlとする。
溶液C 沃化カリウム(KI) 249g 純水で428mlとする。
沃臭化銀コア・シェル型乳剤2−F(本発明) 以下に示す溶液を用いて乳剤2−Bと同様なハロゲン
組成構造を持つコア・シェル型で平均粒径2.2μmの沃
臭化銀乳剤2−F〜を作成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%MeOH 15ml TAI 750ml 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(2−A) 銀換算量0.6778モル相当量 蒸留水で1200mlにする。
溶液B 乳剤2−D 銀換算6.6モル相当量 溶液C 乳剤2−E 銀換算5.9モル相当量 溶液D 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液E 28%アンモニア水 pH調整必要量 母液槽内に溶液Aを導入し40℃において、溶液D、E
を用いてpAgを8.5、pHを7.5に調整した後、生成終了後
約4時間たった溶液B,溶液Cを120分間かけてDJ法によ
り添加した。乳剤2−D,2−Eの乳剤は生成時それぞ
れ、0.014μm、0.012μmであった。溶液BおよびCは
その乳剤粒子内部がAgI含有率25モル%となるように90
分間で添加しその後溶液Cを添加してシェル部分を形成
した。
得られた乳剤粒子は電子顕微鏡観察の結果、平均粒径
2.2μmで乳剤2−B同等の晶相を持った粒子であっ
た。この乳剤を添加終了後乳剤2−Bと同様な方法で脱
塩水洗、再分散を行った。
また乳剤2−F以降は溶液Bに用いる乳剤をそれぞ
れ2−D以降のものに変更するのみでその他の条件は
上記2−Fと同様に形成した。乳剤粒子形成の結果を表
−5に示す。
乳剤2−F、は添加する臭化銀微結晶のサイズが
大きくなってしまったために微結晶の溶解度がかなり低
下し、粒子成長と同様に微結晶自体が成長を起こし小粒
子が発生したと考えられる。一方2−F、は数時間
経っても粒子サイズはそのままであり、微粒子の溶解速
度が高く、単分散の成長粒子を得ることができた。
乳剤2−B、及び乳剤2−F〜の乳剤に対し増感
色素を下記のように変える以外は実施例1と全く同様に
して増感を行った。なお増感色素量は銀1モル当たり15
mgである。
こうして得られた試料を実施例1と同様に露光、現像
処理した。また乳剤2−Cはチオ硫酸ソーダと塩化金酸
カリウム及びチオシアン酸カリウムで最適に化学増感し
た後特開平1−183417号に記載されている方法により分
光増感し、露光、現像処理を行った。
各試料の写真性能の比較を表−6に示した。
表−6に示すように本発明の乳剤2−Fは比較乳剤
に比べ感度が非常に高くさらにハロゲン化銀微結晶を用
いることによりかぶりは低くなっていることがわかる。
また乳剤2−C、2−Fと比較してもかぶりが低い。
乳剤2−Cは混合器内部においてい銀イオン、ハイラン
ドイオン水溶液の供給速度が変動しておりpAgの低い状
態、すなわち銀イオン濃度の高い状態で生成されたハロ
ゲン化銀微結晶がある割合で母液槽に供給されたため、
また2−F乳剤はpAg3で形成されたため、微結晶自体
で還元銀核が発生してしまいかぶりとなってしまったと
考えられる。以上のように微結晶生成後乳剤を調整した
のち、母液槽に添加する方法により還元銀核の非常に少
なく、微細ながら均一なサイズの微結晶を供給すること
ができ、これにより高感度なハロゲン化銀乳剤粒子を得
ることができる。
〔発明の効果〕
本発明により、従来の製造方法および装置に生ずる銀
イオン、ハロゲンイオン等の濃度の不均一な場における
ハロゲン化銀粒子の成長、そしてそれによってできる不
均一な乳剤粒子(粒子サイズ、晶相間及び粒子内部のハ
ロゲン分布等)の問題を解決し、ハロゲン化銀粒子の均
一な成長を行うことが可能となった。
更にハロゲン化銀粒子微結晶を添加する方法であって
もpAg、pHの条件によっては微結晶自体に還元銀核が発
生し、成長乳剤粒子に対して影響を与えることがわか
り、混合時の条件を規定することにより、微結晶自体の
還元銀核のない該微結晶を供給することができこれによ
り従来にない高感度なハロゲン化銀乳剤を形成すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の乳剤粒子形成に用いる装置の概要図で
あり、第2図は混合器の詳細の断面図である。 また第3図は本発明に謂う混合器で生成した微結晶サイ
ズの経時変遷を示すグラフである。 A,B及びC……溶液容器 D……調整容器、1……母液槽 2……母液、3……攪拌機 4,5及び6……添加系 7……混合器、8……乳剤送液系 10……反応室、11……攪拌機 f……流量計、v……流量制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−183417(JP,A) 特開 平2−222939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法にお
    いて、該乳剤粒子の成長形成の中核となる成長核粒子を
    容れた母液槽に、混合槽においてpAg≧3、pH≦7かつ
    〔Ag+〕〔OH-〕≦10-10の条件の下で生成したハロゲン
    化銀微結晶を添加することによって成長核粒子からの成
    長を行うことを特徴とする乳剤粒子の形成方法。
  2. 【請求項2】感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一
    層有する写真感光材料において、前記乳剤層に、請求項
    1に記載の形成方法でえられる乳剤粒子を含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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