JP2849873B2 - ハロゲン化銀写真乳剤粒子及びその形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤粒子及びその形成方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀粒子及びその形成方法に関す
る。さらに詳しくは、各々のハロゲン化銀粒子のハライ
ド組成が完全に均一で、かつ粒子間のハライド組成のば
らつきが少くかつ粒子形成時に生ずる還元銀を持たない
ハロゲン化銀乳剤粒子およびその形成方法に関する。
〔従来技術〕
一般にハロゲン化銀粒子は、反応槽中のコロイド水溶
液において、銀塩水溶液とハライド水溶液とを反応させ
ることにより製造される。反応槽中にゼラチンのような
保護コロイド及びハライド水溶液を入れ、撹拌しなが
ら、これに銀塩水溶液をある時間添加するシングルジェ
ット法(SJ法と標記する)や、反応槽中にゼラチン水溶
液を入れ、ハライド水溶液と銀塩水溶液とをそれぞれあ
る時間添加するダブルジェット法(DJ法と標記)が知ら
れている。両者を比較すると、DJ法の方が粒子径分布の
狭いハロゲン化銀粒子が得られ、さらに粒子の成長に伴
って、そのハライド組成を自由に変えることができる。
また、ハロゲン化銀粒子の成長速度は、反応溶液中の
銀イオン(ハライドイオン)濃度、ハロゲン化銀溶剤の
濃度、粒子間距離、粒子サイズなどにより大きく変化す
ることが知られている。更に反応槽中に生ずる銀イオン
あるいはハライドイオン濃度の不均一は、各々の濃度に
より成長速度が異なる結果としてでき上るハロゲン化銀
乳剤に不均一を生じる。この不均一を避けるには、反応
槽中の乳剤粒子の成長、形成、調整の場となるコロイド
水溶液(母液と称す)中に供給する銀塩水溶液とハライ
ド水溶液とを迅速に均一化して反応させることが必要で
ある。従来のハライド水溶液と銀塩水溶液とを反応槽中
の母液の表面に添加する方法では、各々の反応液の注入
位置近傍において、ハライドイオン及び銀イオンの濃度
の高い部分が生じ、均一なハロゲン化銀粒子を製造する
ことは困難であった。この局部的な濃度のかたよりを改
良する方法として、米国特許3,415,650号、英国特許1,3
23,464号、米国特許369225号公報に開示された技術等が
知られている。これらの方法は、反応槽中に設けられた
回転楕円体をなす混合器にその上下の開放端からハライ
ド水溶液と銀塩水溶液とを供給管を通じて高速回転して
いる混合器内に供給し急速に混合して反応せしめ混合器
の回転により生ずる遠心力で生成したハロゲン化銀粒子
を反応槽中の母液に排出せしめ成長させる方法である。
また特公昭55−10545号は、反応槽中に沈めた整流筒
下部のタービン羽根で下方から別々に供給される反応液
を急激に撹拌混合せしめハロゲン化銀を生成させ、ただ
ちに生成したハロゲン化銀粒子を整流筒の上方開口部か
ら反応槽中の母液に排出せしめる技術が示されている。
更に特開昭57−92523には、母液が満たされている反
応槽内に沈めた混合器にハライド水溶液と銀塩水溶液と
を別々に供給し、反応液を前記母液により希釈し該両反
応液を急激に剪断混合してハロゲン化銀粒子を生成せし
める技術が開示されている。
しかしながら、前記の技術では、確かに反応槽中の銀
イオン及びハライドイオンの局部的な濃度の不均一は完
全に解消することはできるが、混合器内においては依然
としてこの濃度の不均一は存在し、特に銀塩水溶液及び
ハライド水溶液を供給するノズルの近傍及び撹拌翼の下
部及び撹拌部分においてかなり大きな濃度分布が存在す
る。さらに保護コロイドと共に混合器に供給されたハロ
ゲン化銀粒子は、このような不均一な濃度分布をもった
環境に置かれ、ハロゲン化銀粒子は、これらの環境にお
いて不規則に成長する。つまり濃度分布のない状態でハ
ロゲン化銀を均一に成長せしめるという目的は達し得な
い。
さらにより完全な混合によるこれらの銀イオン、ハラ
イドイオンの濃度の不均一分布を解消すべく、反応槽と
混合器をそれぞれ独立せしめ、混合器に銀塩水溶液とハ
ライド水溶液を供給し急速混合してハロゲン化銀粒子を
成長せしめる試みがなされてきた。例えば特開昭53−37
414号及び特公昭48−21045号には、反応槽の母液を循環
させ、この循環系の途中に混合器を設け、この混合器で
銀塩水溶液及びハライド水溶液と母液を混合し、該混合
器で急速に混合し同一不均一性を連続維持して不均一生
成を固定し、ハロゲン化銀粒子を成長せしめる技術が開
示されている。同様の発想に基いて米国特許3897935
号、特開昭53−47397号が提案されている。これ等の方
法では確かに、循環系に流す母液の流量と混合基の撹拌
効率を独立に変化させることができ、より濃度分布が均
一な条件で粒子成長を行うことができるであろうが、結
局、母液と共に反応槽から送られてきたハロゲン化銀粒
子は銀塩水溶液、ハライド水溶液の注入口で急速成長を
起す。従って前に述べたと同様に混合部あるいは注入口
付近の濃度分布を無くすることは原理的に不可能であ
り、つまり濃度分布のない状態でハロゲン化銀を均一に
成長せしめる目的は達し得ない。
またこれら銀イオン、ハライドイオンの濃度の母液中
の不均一分布の問題を回避するために粒子成長の際予め
調製した別のハロゲン化銀粒子を添加し、オストワルド
熟成の効果を利用して粒子成長を行う方法が、特開昭48
−65925号、同51−88017号、同52−153428号、J.COl.In
t.Sci 63(1978)No.1p16,P.S.E28(1984)No.4p137、
特開昭62−99751号等に示されている。しかしこれらの
具体的な実施にあたってはハロゲン化銀粒子のサイズは
小さければ小さい方がより速い成長速度を実現すること
ができ、この意味で上記記載の方法では添加するハロゲ
ン化銀粒子のサイズが成長させるハロゲン化銀粒子のサ
イズに比べ充分小さくないため、オストワルド熟成の速
度が遅くなりハロゲン化銀粒子の成長に多大な時間を費
やし、製造コストや生産性が悪く実用的でない。
微細なハロゲン化銀粒子を形成する方法としては、特
開平1−183417号、同1−183645号、WO89−06830号、
同06831号等に反応槽の外に微細なハロゲン化銀粒子を
形成する混合装置を設け粒子形成後ただちにこれを反応
槽に供給し、粒子成長を行う方法が開示されている。し
かしこれらの方法の実際の実施においては通常用いられ
ている保護コロイドの存在下で比較的薄い濃度の銀塩、
ハライド水溶液をもちいて微細なサイズのハロゲン化銀
粒子を形成することはできものの、製造工程で使用する
ような濃度の高い溶液を混合して微細なサイズを得るこ
とは困難である。このハロゲン化銀微粒子のサイズは小
さければ小さい方がより速い粒子成長速度を実現するこ
とができ、従って上記記載の方法のみでは製造上のコス
ト、生産性の点で有効でない。
また特開平2−166442号には、低温にすることによ
り、小さいサイズのハロゲン化銀微粒子を形成すること
ができ、これを予め形成した後、あるいは形成後直ちに
添加することにより、均一なハロゲン化銀粒子の形成が
可能であり、このとき保護コロイドとして通常のゼラチ
ンを用いると40℃以下ではゼラチンが凝固しやすくな
り、このため保護コロイドとして、低分子量ゼラチン、
あるいはハロゲン化銀に対して保護コロイド性を有する
合成高分子化合物及びゼラチン以外の天然高分子化合物
から選ばれる少なくとも1つの分散媒を用いることによ
り、低温においてハロゲン化銀粒子が得られると開示さ
れている。しかしこれらの材料は低温で分散媒が凝固し
ない点では有効であるが、高分子量のゼラチンに対して
保護コロイド性が劣っており、このため粒子形成自体は
可能であるがハロゲン化銀粒子のオストワルド熟成速度
が速く粒径の経時変化が激しいため、予め形成しておく
と成長時までに微粒子自体が粗大化してしまい、目的と
する成長時間ではハロゲン化銀粒子の形成が不可能であ
る。
〔発明の目的〕
従って本発明の目的は、従来の製造方法および装置に
おいて生ずる濃度(銀イオン、ハライドイオン)の不均
一な場におけるハライド化銀乳剤粒子の成長、そしてそ
れによってできる不均一な乳剤粒子(粒子サイズ、晶
相、粒子間及び粒子内部のハロゲン化銀分布等)の問題
を解決し、微細、均一なサイズのハロゲン化銀微結晶を
供給することにより内部に還元銀核のない高感度なハロ
ゲン化銀乳剤粒子を提供することにある。
〔発明の構成〕
前記本発明の目的は; (1)ハロゲン化銀写真乳剤粒子において、平均分子量
が70000以上の高分子量ゼラチンを0.3wt%以上、平均分
子量が30000以下の低分子量ゼラチンを0.5wt%以上含有
する複合保護コロイド溶液の共存下に、銀塩水溶液及び
ハライド水溶液を混合して生成したハロゲン化銀微結晶
を粒子成長のハロゲン化銀供給源として用い粒子形成し
実質上内部に還元銀を含有しないことを特徴とするハロ
ゲン化銀写真乳剤粒子、及び (2)ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法において、
該乳剤粒子の成長、形成の中核となる成長核粒子乳剤を
容れた母液槽に、平均分子量70000以上の高分子量ゼラ
チン0.3wt%以上、平均分子量30000以下の低分子量ゼラ
チン0.5wt%以上を含有する複合保護コロイド溶液の共
存下に40℃以下で、銀塩水溶液、ハライド水溶液を混合
して生成したハロゲン化銀微結晶乳剤を注入し、前記成
長核粒子を基にして粒子成長する乳剤粒子の形成方法に
よって達成される。
尚本発明の態様においては、 (3)前記複合保護コロイド溶液において、前記高分子
量ゼラチンに対する低分子量ゼラチンの重量比γ(高分
子量ゼラチン量/低分子量ゼラチン量)が; 0.1≦γ≦1.0 であることが好ましい。
尚本発明の記述においては、語句の多義性からの混乱
を避けるために、乳剤粒子の成長、形状及び特性の調整
の場となる液相を母液と称し、ハロゲン化銀成長の中核
となるハロゲン化銀固相を成長核粒子、成長の補給素材
となるハロゲン化銀固相を微結晶、母液中で成長核粒子
に微結晶が供給されて成長し、感光体を担い写真特性構
成の対象となるハロゲン化銀固相を乳剤粒子と称する。
本発明においてハロゲン化銀微結晶を生成する方式と
してはハロゲン化銀乳剤粒子の粒子成長を起させる以前
に銀塩水溶液とハライド水溶液と保護コロイド水溶液を
混合器において予め生成し、この後該微結晶を用いて粒
子成長を行う母液槽に追加しオストワルド熟成を利用し
て乳剤粒子の粒子成長を行わせることにより還元銀核の
ない高感度な乳剤粒子を得ることができる。該微結晶は
粒子サイズが微細である故その溶解度が非常に高く、母
液槽で溶解し、再び銀イオン、ハライドイオンとなり、
乳剤粒子の均一の成長を起こす。
実際の実施にあたっては該微結晶を如何に小さいサイ
ズで生成するかが重要であり、微結晶生成時の保護コロ
イド水溶液に低分子ゼラチンとともに高分子量ゼラチン
を同時に存在させることが微結晶の安定な生成に効果的
であった。
一般に形成するハロゲン化銀の粒子サイズを小さくす
るためにはハロゲン化銀粒子の形成時の温度を低くする
方法がある。低温にすることにより、ハロゲン化銀の溶
解度は同じpAgでも小さくなり、この為発生する微結晶
は微粒化する。また同時に低温のため保護コロイド水溶
液の粘土が上昇し各イオンの拡散定数が小さくなること
も微粒化に効果がある。しかし実際には保護コロイドと
して通常のゼラチンを用いると35℃以下、特に30℃以下
では実用的なゼラチン濃度においてゼラチンの凝固が起
り、ゾル状の乳剤を得ることができなくなってしまう。
そこで特開平2−166442号には30℃以下の低温でも粒子
形成を可能とするため、すなわち保護コロイド水溶液を
凝固させないために平均分子量30,000以下の低分子量ゼ
ラチン、あるいはハロゲン化銀に対して保護コロイド性
を有する合成高分子化合物及びゼラチン以外の天然高分
子化合物を用いた方法が開示されている。
しかし本発明者らは、ゼラチンの分子量が小さくなる
ほど保護コロイド性が通常の高分子量ゼラチンに比べ弱
くなることを確認した。このため微結晶生成自体は可能
であるが、予め生成した微結晶を粒子成長に用いる場合
には微結晶どうしのオストワルド熟成の進行速度が速
く、極短時間に該微結晶の粒子サイズは通常の高分子ゼ
ラチンを用いて形成した微結晶と同等の粒径に変化して
しまう。
さらに合成高分子化合物の中には粒子に吸着して成長
を抑制する作用のあるものが多く、低分子量ゼラチンを
用いた場合に比べて微結晶自体のサイズの変化は少さい
ものの、微結晶の溶解速度も減少し、粒子成長に要する
時間は増加する。
上記のような低温での微結晶生成とその安定性の問題
に対し我々は別の手段、すなわち微結晶を生成する際の
保護コロイド水溶液として低分子量ゼラチンの保護コロ
イド性の弱さを通常の高分子量ゼラチンを同時に存在さ
せた複合保護コロイド溶液を用いることによって低温に
おける経時変化、すなわち微結晶自身のオストワルド熟
成によるサイズの変化が非常に小さいハロゲン化銀微結
晶の生成方法を見い出した。前述したように低分子量ゼ
ラチンは低温状態で凝固しない点で微結晶の生成に有用
であるが、ハロゲン化銀粒子に対して保護コロイド性は
有するものの通常の高分子量ゼラチンより吸着力は弱く
従来の方法と同様な保護コロイド性をもたせるために必
要最小限の高分子量ゼラチンを存在させることが最も効
果がある。すなわち充分な保護コロイド性を持つととも
に低温まで保護コロイド水溶液をゾル状態にしておくこ
とができ、低温での微結晶の生成が可能となり、しかも
微結晶のサイズは安定に保持される。
さらに本発明の複合保護コロイド溶液を用いる効果と
して低分子量ゼラチンのみを使用する場合と比較して同
温度における粘度を高くすることができ、従ってハロゲ
ン化銀の微結晶生成時の銀イオン、ハライドイオンの拡
散定数が小さくなることによって微結晶の粒径のサイズ
をさらに小さくすることが可能であり、さらに生成され
た微結晶は高粘度であるために40℃においても粒径は安
定しており微結晶自体のオストワルド熟成による粒径の
粗大化を防ぐことができる。
該保護コロイド溶液に用いる高分子量ゼラチンとして
は平均分子量70,000以上、好ましくは100,000以上のゼ
ラチンを少なくとも0.3wt%以上好ましくは1wt%以上、
さらに好ましくは3wt%以上含有させ、これに対して分
子量3,0000以下、好ましくは1,0000以下、さらに好まし
くは5,000以下の低分子量ゼラチンを高分子量ゼラチン
とともに含有させる。低分子量ゼラチンの濃度は0.5wt
%以上、好ましくは2wt%以上、さらに好ましくは5wt%
以上である。
このとき高分子量ゼラチンは低分子量ゼラチンに対
し、重量比γで1/10以上1以下に調整する。高分子量ゼ
ラチンの割合が増すと保護コロイド性は大きくなるが、
40℃以下の低温では凝固しやすくなり、微結晶生成がで
きなくなる可能性がある。また高分子量ゼラチンを逆に
減らすと、保護コロイド性が減少し、生成後の微結晶の
サイズ変化が大きくなってしまう。従って高分子量ゼラ
チンと低分子量ゼラチンとを上記の条件内で調整するこ
とが必要である。
本方法を用いてハロゲン化銀粒子を形成する際には通
常の分子量ゼラチンを併用することができ、具体的には
リサーチ・ディスクロージャ誌第176巻、No.17643(197
8年12月)のIX項に記載されている。
またゼラチンは通常次のようにして作ることができ
る。
通常用いられる平均分子量10万のゼラチンを水に溶か
し、ゼラチン分解酵素を加えて、ゼラチン分子を酵素分
解する。この方法については、R.J.Cox.Photographic G
elatin II,Academic Press,London,1976年、p.223〜25
1、p.335〜346の記載を参考にすることができる。この
場合、酵素が分解する結合位置は決っている為、比較的
分子量の狭い低分子量ゼラチンが得られる。この場合、
酵素分解時間を長くする為、より低分子量化する。その
他、低pH(pH1〜3)もしくは高pH(pH10〜H12)雰囲気
下で加熱し、加水分解する方法もある。
微結晶生成時の温度は微粒化の効果を得るために40℃
以下で行なうが、好ましくは30℃以下、より好ましくは
20℃以下がよい。また生成後の微結晶乳剤は、母液槽に
注加されるまで停滞しておくことが可能であり、微結晶
のオストワルド熟成速度を小さくするため、望ましくは
生成時と同温度、あるいはそれ以下で停滞させるのがよ
い。尚該微結晶乳剤は液状態のまま保存することが好ま
しいが、ハロゲン化銀乳剤粒子の粒子成長に用いる時ま
でゲル状態で保存してもよい。微結晶の保存時間は好ま
しくは8時間以内、より好ましくは4時間以内、さらに
好ましくは1時間以内が好ましい。
該ハロゲン化銀の微結晶の生成方法としては酸性法、
中性法、アンモニア法等を用いることができる。また混
合形式としてはSJ法、DJ法、それらの組合わせなどのい
ずれを用いてもよい。DJ法の一つの形式としてハロゲン
化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち
いわゆるコントロールドダブルジェット法(CDJ法)を
用いることもできる。この方法によると、結晶形が規則
的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀粒子が得られ
る。ハロゲン化銀としては、単一組成のものでも異なる
ハロゲンを含むものであってもよい。この生成において
は液面からSJ法あるいはDJ法により添加しても良いが、
特公昭58−58289号、特開昭61−3963号等に記載されて
いるような撹拌機を用いて液中添加してもよい。
さらに前記ハロゲン化銀の微結晶の形成には特開平1
−183417号、WO06830号、同06831号に記載されているよ
うにハロゲン化銀乳剤粒子の粒子成長を起こさせる母液
槽の外に混合器を設ければ、混合器に銀塩水溶液とハラ
イド水溶液と保護コロイド水溶液を供給し混合して微結
晶を生成し、直ちに乳剤粒子の粒子成長を起こさせる母
液槽に注加する、所謂連続混合法に適用することもでき
る。微結晶を混合器を用いて連続的に形成することによ
り、従来この分野でよく用いられているバッチ方式での
SJ法あるいはDJ法による乳剤粒子の形成方法に比べ、供
給される銀イオン、ハライドイオンは混合器内部での微
結晶生成反応のみに消費され、バッチ方式のように生成
されるハロゲン化銀が成長核粒子生成、乳剤粒子成長の
両用に亘ることがなく、均一サイズのハロゲン化銀乳剤
粒子を形成することができる。更に混合後は微結晶に生
の反応液が触れることがないため例えば銀イオン水溶液
の濃度の高い部分に微結晶が触れることによってできる
還元銀核の発生が少なく、微結晶自体のかぶり核を少な
くすることができ、比較的高感度な乳剤粒子を得ること
ができる。
連続混合法による微結晶の生成法については、第1図
に示すように本発明による複合保護コロイド水溶液、硝
酸銀水溶液、ハライド水溶液を容れた容器から各々添加
系4、5、6にて混合器7に供給する。混合器内でこれ
らの水溶液を急速かつ強力に混合して排出系8より、母
液槽1に供給される。第2図に混合器の詳細を示すが、
この混合器7はその中に反応室10が設けられ、その反応
室10の中に回転翼11が取り付けられており、これにより
急速かつ強力に混合される。
かくして本発明によれ得られる微結晶のサイズは、粒
子をメッシュに乗せてそのまま透過形電子顕微鏡によっ
て確認でき、倍率は5万倍から10万倍がよい。本発明に
係る微結晶のサイズは0.05μm以下、好ましくは0.03μ
m以下、より好ましくは0.01μm以下である。
本発明による乳剤粒子成長法を以下に記す。本発明に
おいてはまず保護コロイド水溶液を保持した母液槽にて
生長核粒子生成を行う。ハロゲン化銀の成長核粒子はPh
otographique(Paul Montel社刊、1967年)G.F.Duffin
著Photographique Emul−sion Chemistry(The Focal P
ress刊、1966年)、V.L.Zellkman et al著Making and C
oatling Photographique Emulsion(The Focal Press
刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製するこ
とができる。
また特開昭50−45437号に記載されているようにCDJ法
を用いて行うことが好ましい。上記のように成長核粒子
を形成し、母液槽に成長核粒子を充す。一方本発明によ
る方法で微結晶乳剤生成する。生成した該微結晶乳剤を
母液槽に注加しオストワルド熟成効果により、ハロゲン
化銀乳剤粒子の成長を行うことができる。ここで母液槽
にはpAg、pH調整用以外の銀塩水溶液、及びハライド水
溶液の添加はないので、母液槽内のハロゲン化銀粒子の
成長には銀塩水溶液、ハライド水溶液による濃度の不均
一性がなく、粒子形成時に還元銀核の生成が全くなく更
に各々の乳剤粒子内のハライド組成が完全に均一でかつ
乳剤粒子間のハライド組成偏倚のないハロゲン化銀粒子
を得ることができる。
前記微細な微結晶のハロゲン化銀は単一ハロゲン組成
で2種以上のハロゲン組成でも良く、所定のハロゲン化
銀乳剤粒子のハライド組成と同一にする。母液槽に注加
された微結晶は撹拌によって母液槽全体にち撤布され、
所定組成比のハロゲンイオンと銀イオンが放出される。
ここで微結晶は非常に微細であり、また数も多数であ
る。従って、到る所銀イオン、ハライドイオンが均一で
あり、全く均一な乳剤粒子成長を行うことができる。さ
らに微結晶状態でハロゲン化銀を添加することにより従
来成長中に銀イオンの高濃度部分で生じていた還元銀、
あるいはかぶり銀の発生をおさえ、粒子かぶりのない高
感度なハロゲン化銀乳剤粒子を得ることができる。また
連続混合法を用いて微結晶を生成する場合には、あらか
じめ母液槽に成長核粒子を生成せしめたのち、混合器で
微結晶を生成しながら、これを直ちに母液槽に注加し、
同様にハロゲン化銀の乳剤粒子の成長を行うことができ
る。また2種以上のハライド組成を持つ乳剤粒子の成長
の際には微結晶として、2種以上の所定のハライド組成
をもつ微結晶を注加しても、あるいは別々に形成した単
一組成の微結晶を所定のハライド組成となるように添加
量を調整して加え成長を行っても良い。
本発明による乳剤粒子の成長は、酸性法、中性法、ア
ンモニア法のいずれによってもよい。このような方法で
製造されたハロゲン化銀乳剤粒子は、塩化銀、臭化銀、
沃臭化銀、沃塩化銀及び沃臭塩化銀等単一組成のもので
も、2種以上の組成のものでもよく、これらのハロゲン
化銀は粗粒のものでも微粒のものでもよく、粒径分布は
狭くても広くてもよい。またこれらのハロゲン化銀の結
晶形は、立方体、8面体のような正常結晶でもよく、ま
た球状、平板状などのような変則的結晶形を有するも
の、あるいはこれらの結晶形の複合体でもよい。さらに
種々の結晶形の粒子からなってもよい。またこれらのハ
ロゲン化銀粒子の結晶構造は、内部から外部まで均一な
ものであっても、内部と外部が異質な層状構造をしたも
のであってもよい。さらにこれらのハロゲン化銀粒子は
潜像を主として表面に形成する型のものであっても、粒
子内部に形成する型のものであってもよい。また上記乳
剤粒子の成長時にアンモニア、チオエーテル、チオ尿素
などの公知のハロゲン化銀溶剤を存在させることもでき
る。さらに乳剤粒子は、粒子を形成する過程及び/又は
成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリ
ウム塩、インジウム塩、ロジウム塩、鉄塩及びそれらの
錯塩から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを添加
し、粒子内部に及び/又は粒子表面相にこれらの金属イ
オンを含有させることができる。また適当に調整された
還元雰囲気下におくことにより、粒子内部及び/又は粒
子表面に還元増感核を付与できる。
このようにして得られた乳剤粒子からなる乳剤は必要
に応じ脱塩処理、化学増感、分光増感が施され、更に各
種添加剤を加え写真特性が調えられ、感光材料の感光層
として塗布される。
(実施例) 次に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 :ハロゲン化銀微結晶乳剤の生成: 臭化銀微結晶乳剤1−A(本発明) 下記に示した溶液を用いて純臭化銀微結晶乳剤を調製
した。
溶液A オセインゼラチン (平均分子量75,000) 3.0g 低分子量ゼラチン (平均分子量5,000) 7.5g PSENa−10%MeOH; 3ml 蒸留水で300mlとする。
溶液B 硝酸銀 180g 純水で600mlとする。
溶液C 臭化カリウム 126g 蒸留水で600mlにする。
溶液D 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 (註)PSENa−10%MeOH;ポリイソプレン−ポリエチレン
オキシ−ジコハク酸エステルナトリウム塩10%メタノー
ル溶液 混合器内に溶液Aを導入し25℃において、溶液Dを用
いてpAgを9.0に調整した後、溶液B、CをCDJ法によ
り、15分間かけて関数添加的に添加した。混合の間は常
に流量比を調整することにより、pAgを9.0に保つ様にし
て生成した。混合器で生成された微結晶を直接、透過形
電子顕微鏡で観察した結果0.09μmの微結晶であった。
尚関数添加とは、成長する乳剤粒子の総面積の関数変
化に応じ、乳剤粒子の溶解が起らず、かつ新たに成長核
粒子が生じない添加速度でハロゲン化銀の供給を行うこ
とを謂う。
乳剤1−Aにおける溶液Aの複合保護コロイドを以下
の表−1のように他の複合組成、ゼラチン単用又は他の
親水性コロイドへ変更する以外は乳剤1−Aと同様な生
成方法で臭化銀微結晶1−B〜1−を生成した。
乳剤1−A〜1−Hの生成結果を表−2に示す。
また生成した微結晶の経時での粒径での変化を第3図
に示す。低分子量ゼラチンのみを用いた乳剤1−D、1
−Eは保護コロイド性が弱く、粒径の経時変化が大きい
ことがわかる。以上の結果より、微結晶の生成には保護
コロイドとして低分子量ゼラチンと同時に平均分子量7
万以上の高分子量ゼラチンを少なくとも0.3wt%以上含
有させる複合保護コロイドが最も効果があり、更に本発
明によれば、微結晶を保存後使用してもよいことがわか
る。
実施例2 沃臭化銀乳剤 2−A(種乳剤) 特開昭50−45437号記載の方法にしたがってAgI含有率
が2モル%である沃臭化銀種乳剤を調製し、水洗処理を
施して過剰な塩類を除去した。かくして得られた粒子の
平均粒径は0.8μm、粒径変動係数(標準偏差/平均粒
径)17%の沃臭化銀粒子であった。
沃臭化銀コア・シェル型粒子 2−B(比較乳剤) 下記の溶液を用いて粒子内部に25モル%の沃臭化銀層
を含み、シェル部が純臭化銀でありコア・シェルモル比
が1:1である2.2μm沃臭化銀コア・シェル型粒子を130
分間で形成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%MeOH 15ml TAI 750ml 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(2−A) 銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で12000mlにする。
溶液B オセインゼラチン 15g 臭化カリウム 527.8g 沃化カリウム 245.4g TAI 1.2g 蒸留水で1690mlにする。
溶液C オセインゼラチン 20g 臭化カリウム 962.2g TAI 1.6g 蒸留水で2300mlにする。
溶液D 硝酸銀 1684.8g 28%アンモニア水 1373ml 蒸留水で2833mlにする。
溶液E 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液F 56%酢酸 pH調整必要量 (註)TAI;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン 40℃において母液槽に溶液Aを導入しpAgを8.9、pHを
9.0に調整した後、溶液B、CをDJ法により100分間で添
加し、溶液Cの終了と共に溶液Dを添加してシェルを形
成した。得られた粒子は2.15μmの八面体コア・シェル
型粒子であった。
臭化銀微結晶乳剤 2−C 実施例1と同様な方法で純臭化銀微結晶2−Cを生
成した。は実施例1の乳剤1−Aの形成の際用いた複
合保護コロイドを使用した。混合後に得られた粒子は直
接透過形電子顕微鏡で7万倍で確認したところ実施例1
と同様な粒径を有していた。混合器の乳剤はpAgを9、p
H5.5となるように調整した後、撹拌を行いながら一時保
存した。
乳剤2−C以降は保護コロイドを実施例1の乳剤1
−B以降の形成に用いたものを順次使用しそれ以外は
と全く同じ方法で形成した。形成された微結晶の粒径は
実施例1と同等であった。
沃臭化銀微結晶乳剤 2−D 乳剤2−Cと同様に混合器に溶液Aを導入し、pAgを
9.0、pH6.5に調整した後、溶液B、CをCDJ法により15
分間で添加して沃臭化銀微結晶乳剤を生成した。混合後
得られた粒子を透過型電子顕微鏡により観察した結果、
該微結晶の粒径は0.009μmであった。
溶液A オセインゼラチン 24.5g PSENa−10%MeOH 6.5ml くえん酸ナトリウム 2.0g 蒸留水 784ml 溶液B 硝酸銀 1019.2g 純水で1710mlとする。
溶液C 臭化カリウム(KBr) 535.5g 沃化カリウム(KI) 249g 純水で1710mlとする。
沃臭化銀コア・シェル型乳剤 2−E 以下に示す溶液を用いて乳剤1−Bと同様なハロゲン
組成構造を持つコア・シェル型で平均粒径2.2μmの沃
臭化銀乳剤2−Eを作成した。また乳剤〜は溶液
に用いる乳剤を2−C〜に変更する以外は乳剤2−
Eと全く同じ方法で形成した。
溶液A オセインゼラチン 46.55g PSENa−10%MeOH 15ml TAI 750ml 56%酢酸水溶液 441ml 28%アンモニア水溶液 703ml 種乳剤(2−A) 銀換算0.6778モル相当量 蒸留水で12000mlにする。
溶液B 乳剤1−C(臭化銀微結晶乳剤) 銀換算6.6モル相当量 溶液C 乳剤1−D(沃臭化銀微結晶乳剤) 銀換算5.9モル相当量 溶液D 20%臭化カリウム水溶液 pAg調整必要量 溶液E 28%アンモニア水 pH調整必要量 母液槽に溶液Aを導入し40℃において、溶液D、Eを
用いてpAgを8.5、pH7.5に調整した後、形成終了後約20
分間たった溶液Cを80分間かけて関数的に添加した。そ
の後形成後2時間たった溶液Bを同様に50分間で添加
し、臭化銀のシェルを形成した。
得られた乳剤粒子は電子顕微鏡観察の結果、平均粒径
2.2μmで乳剤2−B同等の晶相を持った粒子であっ
た。この乳剤を添加終了後乳剤2−Bと同様な方法で脱
塩水洗、再分散を行った。
乳剤2−B、2−E〜の粒子径性結果を表2に示
す。
乳剤2−E、は低分子量ゼラチンのみ使用して生
成したため、保護コロイド性が弱く、添加する臭化銀微
結晶のサイズが大きくなり微結晶の溶解度がかなり低下
し、乳剤粒子成長と同時に微結晶自体が成長を起こして
小粒子が発生したと考えられる。一方2−Eは数時
間経っても粒子サイズはほぼ変化がなかったが、保護コ
ロイドに、抑制作用があるために微結晶の溶解速度が低
下し、結晶成長速度以上の微結晶の供給となり、添加さ
れた微結晶の成長により小粒子が発生したと考えられ
る。一方本発明による微結晶2−E、を用いたハロ
ゲン化銀乳剤粒子は微結晶のサイズが小さいため、その
溶解速度が速く粒子成長に適合し目的の単分散コア・シ
ェル型粒子が得られた。
乳剤2−B及び乳剤2−E、、、記載の乳剤
に対し金硫黄増感を施しAgIモル当たり下記の増感色素
(I)、200mg及び増感色素(II)15mgにより、緑感光
性に分光増感した。ついでTAI及び1−フェニル−5−
メルカプトテトラゾールを加えて安定化した。
さらに下記のマゼンタカプラー(M−1)を酢酸エチ
ル、及びジノニルフタレート(DNP)に溶解し、ゼラチ
ンを含む水溶性中に乳化分散した分散物、及び延展剤、
硬膜剤などの一般的な写真添加物を加えて塗布液を作成
し、下引されたフィルムベース状に常法により塗布、乾
燥して感光材料試料を作成した。なお、各成分の付量を
1m2当たりで下記に示す。
乳剤 1g マゼンタカプラー(M−1) 0.4g DNP 0.4g ゼラチン 0.12g 各試料は常法に従いウェッジ露光し、下記処理工程で
処理した。
処理工程: 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成を下記に示す。
発色現像液 4−アミノ−3−メチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)−アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.00g 無水炭酸カリウム 37.50g 臭化カリウム 1.30g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩 (1水塩) 2.50g 水酸化カリウム 1.00g 水を加えて1000mlとする。
漂白液 エチレンジアミンテトラ酢酸鉄 アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2 アンモニウム塩 10.0g 臭化アルミニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1000mlとし、アンモニア水を加えてpH6.0
に調整する。
定着液 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸アンモニウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1000mlにし、酢酸を用いてpH6.0に調整す
る。
安定化 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1000mlとする。
各試料の写真性能を表−3に示した。
表−3に示すように本発明の乳剤は比較乳剤に比べ感
度が非常に高く、さらにハロゲン化銀微結晶を用いるこ
とによりかぶりが低くなっていることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明、すなわち低分子量ゼラチンと、高分子量ゼラ
チンを共存させた複合保護コロイド溶液を用いることに
よって保護コロイド性を増し、低温におけるハロゲン化
銀微結晶の生成、更に生成後の微結晶の粒子サイズ安定
性の向上により、ハロゲン化銀微結晶を添加してハロゲ
ン化銀乳剤粒子の短時間成長を行うことが可能となっ
た。これにより、従来の製造方法および装置が有する濃
度(銀イオン、ハロゲンイオン)の不均一な場における
ハロゲン化銀粒子の成長、そしてそれによってできる不
均一な乳剤粒子(粒子サイズ、晶相、粒子間及び粒子内
部のハロゲン分布等)の問題を解決し、ハロゲン化銀粒
子の均一な成長を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は乳剤調製装置の概要である。第2図は混合器の
詳細を示す断面図である。 また第3図はハロゲン化銀の微結晶の粒子サイズの経時
変化を示すグラフである。 A,B及びC……溶液タンク、 1……母液槽、2……母液、3……撹拌翼、 4,5及び6……添加系 7……混合器、8……排出系、 10……反応室、11……撹拌翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−158426(JP,A) 特開 平2−166442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/015

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀写真乳剤粒子において、平均
    分子量が70000以上の高分子量ゼラチンを0.3wt%以上、
    平均分子量が30000以下の低分子量ゼラチンを0.5wt%以
    上含有する複合保護コロイド溶液の共存下に、銀塩水溶
    液及びハライド水溶液を混合して生成したハロゲン化銀
    微結晶を粒子成長のハロゲン化銀供給源として用い粒子
    形成し実質上内部に還元銀を含有しないことを特徴とす
    るハロゲン化銀写真乳剤粒子。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀写真乳剤粒子の形成方法にお
    いて、該乳剤粒子の成長、形成の中核となる成長核粒子
    乳剤を容れた母液槽に、平均分子量70000以上の高分子
    量ゼラチン0.3wt%以上、平均分子量30000以下の低分子
    量ゼラチン0.5wt%以上を含有する複合保護コロイド溶
    液の共存下に40℃以下で、銀塩水溶液、ハライド水溶液
    を混合して生成したハロゲン化銀微結晶乳剤を注入し、
    前記成長核粒子を基にして粒子成長させる乳剤粒子の形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記複合保護コロイド溶液において、前記
    高分子量ゼラチンに対する低分子量ゼラチンの重量比γ
    (高分子量ゼラチン量/低分子量ゼラチン量)が; 0.1≦γ≦1.0 である請求項2に記載の乳剤粒子の形成方法。
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