JP2000194084A - 感輻射線性平板状粒子乳剤の製造方法 - Google Patents

感輻射線性平板状粒子乳剤の製造方法

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JP2000194084A JP11362778A JP36277899A JP2000194084A JP 2000194084 A JP2000194084 A JP 2000194084A JP 11362778 A JP11362778 A JP 11362778A JP 36277899 A JP36277899 A JP 36277899A JP 2000194084 A JP2000194084 A JP 2000194084A
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emulsion
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tabular grain
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ブイ.メータ ラジェシュ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増感時の温度変動の影響を受けにくい乳剤製
法を提供すること。 【解決手段】 ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に臭化
銀を析出させる工程において、(1)分散媒中に銀塩溶
液を新規粒子集団を発生させるのに十分な速度で導入
し、(2)当該銀塩溶液の導入を、当該新規粒子集団を
熟成過程により溶解せしめるに十分な時間停止すること
によって、当該新規粒子集団から放出される銀イオンと
臭化物イオンを当該ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に
析出させ、そして(3)工程(1)及び(2)を、当該
ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に析出した臭化銀の量
が乳剤を構成する全銀量の5〜50%になるまで3〜2
0回繰り返すことを特徴とする感輻射線性平板状粒子乳
剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真乳剤の製造方法
に関する。より詳細には、本発明は高臭化物平板状粒子
乳剤の製造方法に関する。用語の定義 二種以上のハロゲン化物を含有するハロゲン化銀粒子及
び乳剤に言及する場合は、ハロゲン化物の濃度が高くな
る順に命名する。「高塩化物」及び「高臭化物」とは、
銀量を基準として、それぞれ塩化物及び臭化物が全ハロ
ゲン化物の50モル%を上回る量を占めているハロゲン
化銀粒子及び乳剤を意味する。ハロゲン化銀粒子に関連
する用語「等価円直径」又は「ECD」とは、当該粒子
の投影面積と等しい面積を有する円の直径を意味する。
「平板状」粒子とは、平行な二枚の結晶面が他のいずれ
の結晶面よりも明らかに大きく且つ、ECDの粒子厚
(th)に対する比率(アスペクト比ともいう)が2以
上である、そのような粒子を意味する。平板状粒子乳剤
とは、平板状粒子が全粒子投影面積の50%を超える面
積を占めている乳剤を意味する。「丈夫な」とは、乳剤
がその調製時に変動を受けても粒子特性はあったとして
も比較的小さな変動しか受けないという乳剤の能力を意
味する。「写真感度」とは、写真要素において基準濃度
を生ぜしめるに必要な露光量を意味する。写真感度の差
は単位 log E〔Eは露光量(ルクス秒)である〕又は相
対感度で測定されることが典型的である。ここで、相対
感度の差の1単位は0.01 log Eとなる。例えば、相
対感度で100と130の差は0.30 log Eとなる。
「写真処理」とは、観察可能な安定画像を得るために行
われるハロゲン化銀写真要素の現像及び後続のすべての
水性浴処理を意味する。リサーチ・ディスクロージャー
(Research Disclosure) は、Kenneth Mason Publicatio
ns社(Dudley House, 12 North St., Emsworth, Hampshi
re PO10 7DQ, England) の刊行物である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ハロゲ
ン化銀写真は、その最も一般的に実施されている態様に
おいて、フィルムをカメラで使用し、写真処理を経て透
明なフィルム支持体の上にネガ像を発生させている。こ
のカメラフィルムに含まれるネガ像を介して、反射性白
色支持体上に塗被された一種以上のハロゲン化銀乳剤層
を含有する写真プリント要素に露光を施し、その後写真
処理を施すことによって、観察用のポジ像が得られる。
理想的には、カメラフィルムは、人の目が被写体を見る
ことができるあらゆる組合せの条件下で画像を捕捉すべ
きである。実際には、照明が限られていたり被写体が動
いたりするため、撮影用フィルムには画質を顕著に劣化
させることなく得られるよりも高い写真感度を要求され
ることが多い。撮影用フィルムの写真感度−粒状性の特
性を改良するための尽力は一世紀を超える長きにわたり
継続して行われている。
【0003】カメラ感度のフィルムにとって好適な感輻
射線性ハロゲン化銀乳剤は、銀量を基準として少量のヨ
ウ化物を含有する高臭化物ハロゲン化銀乳剤である。高
臭化物乳剤に銀量を基準として0.01(好ましくは少
なくとも0.5)モル%程度の少量でヨウ化物が含まれ
ると、粒状度が増加することなく画像形成感度が高くな
る。ヨウ化物が画像形成感度を高める機構については証
明されていないが、一般には、ヨウ化物が誘発する感度
増加は、少量であっても比較的大きなヨウ化物イオンが
臭化物イオンの代わりに格子部位に包含されることによ
って臭化銀の面心立方結晶格子構造にかかる歪み又はデ
ィスロケーションが関係しているものと考えられてい
る。
【0004】含ヨウ化物高臭化物平板状粒子乳剤は、画
像形成感度と画像ノイズ(粒状性)の特性に関し最も望
ましい組合せを提供する。これらの乳剤は、Wilgusらの
米国特許第4,434,226号及びKofronらの米国特
許第4,439,520号に初めて記載された。Solber
g らの米国特許第4,433,048号及びIrvingらの
米国特許第5,667,954号は、高臭化物平板状粒
子の内部にヨウ化物を不均一に配置することで、粒状度
を高めることなく画像形成感度を一層高くすることがで
きるという教示の典型例である。
【0005】含ヨウ化物高臭化物ハロゲン化銀乳剤を調
製する際には、ヨウ化物イオンの導入が完了した後の反
応容器に追加のハロゲン化物塩溶液を導入することなく
銀塩溶液を流入する方法(一般に銀塩過剰流入法とも呼
ばれる)が一般に実施されている。写真用ハロゲン化銀
乳剤はカブリを回避するためにハロゲン化物イオンを化
学量論的過剰にして析出させるのが日常的であるため、
分散媒は、析出により銀イオンが消失した後に化学量論
的過剰量のハロゲン化物イオンを含有する。残留してい
るハロゲン化物イオンは、銀塩過剰流入の際に供給され
る銀イオンと反応する。銀塩が過剰流入する際には、化
学量論的過剰量のハロゲン化物イオンには有意な量のヨ
ウ化物イオンは存在しないため、臭化銀が析出する。ヨ
ウ化銀は、臭化銀と比べて約3オーダーも低い溶解度を
示すので、銀塩の過剰流入が始まる前の分散媒に残って
いた化学量論的過剰量のハロゲン化物イオンからはヨウ
化物イオンが不均等に減少することになる。銀塩の過剰
流入の後に銀塩溶液と臭化物塩溶液とを同時に導入する
場合、銀塩過剰流入の効果の一つに、析出のバランスを
とるために分散媒中の化学量論的過剰量の臭化物イオン
を減少させることがある。
【0006】分散媒を含有する反応容器に銀塩溶液とハ
ロゲン化物塩溶液とを同時に添加するダブルジェット析
出法を用いてハロゲン化銀乳剤を析出させる方法が一般
的である。Chowの米国特許第5,549,879号に、
ハロゲン化銀粒子を調製するためのパルスフロー式ダブ
ルジェット法が記載されている。図1を参照すると、Ch
owは、混合装置2の隣接する入口ゾーンの近くを末端と
する導管1によって離れたソースから硝酸銀水溶液を導
入することを開示している。さらなる詳細がリサーチ・
ディスクロージャー(Research Disclosure, Vol. 382,
Feb. 1996, Item 38213)に記載されている。硝酸銀水溶
液の導入と同時に且つ対向方向において、混合装置2の
隣接する入口ゾーンの近くを末端とする導管3によって
離れたソースからハロゲン化物水溶液を導入する。この
混合装置は、容器4の内部に垂直方向に配置され且つモ
ーター7のような適当な任意の手段によって高速で駆動
されるシャフト6の末端に取り付けられている。回転式
混合装置の下端部は、容器4の底部から間隔を開けられ
ているが、当該容器の内部に含まれる水性ハロゲン化銀
乳剤の表面下に位置する。混合装置の回りには、容器4
の内容物の水平回転を妨害するのに十分な枚数のバフル
8が配置されている。
【0007】Chowは図1の装置を以下のように運転する
ことを教示している:(a)第一の粒径を有するハロゲ
ン化銀粒子を含む水溶液を用意し;(b)そのハロゲン
化銀粒子を含む水溶液を連続混合し;(c)当該水溶液
の内部を高速(高速とは1000rpm以上)乱流させ
た反応容器に可溶性銀塩溶液と可溶性ハロゲン化物塩溶
液とを時間tの間同時に導入し;(d)可溶性銀塩溶液
と可溶性ハロゲン化物塩溶液の反応への導入を時間Tの
間(T>t)同時に停止することにより、ハロゲン化銀
粒子を成長させ;そして(e)工程(c)と工程(d)
を、ハロゲン化銀粒子が第一の粒径よりも大きな第二の
粒径となるまで繰り返す。
【0008】Chowが教示するパルスフロー法は、析出法
のスケールアップを一層容易化するためのものである。
Chowの実施例は高塩化物ハロゲン化銀乳剤の析出に限定
されている。Chowは、含ヨウ化物高臭化物乳剤について
は何も述べていないし、平板状粒子乳剤についても何ら
言及はない。さらに、Chowはそのパルスフロー法を析出
工程の全体に適用しており、析出工程全体のうちのどこ
か特定の部分に適用するものではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一態様とし
て、(a)銀量を基準として50モル%よりも多い臭化
物と写真感度を増強せしめる量のヨウ化物とを含むホス
ト平板状粒子乳剤及び化学量論的過剰量の臭化物イオン
を含有する分散媒を攪拌型反応容器内に用意する工程、
並びに(b)次いで当該ホスト平板状粒子乳剤の粒子の
上に臭化銀を析出させる工程を含んで成る感輻射線性平
板状粒子乳剤の製造方法であって、当該工程(b)にお
いて、(1)当該分散媒中に銀塩溶液を新規粒子集団を
発生させるのに十分な速度で導入し、(2)当該銀塩溶
液の導入を、当該新規粒子集団を熟成過程により溶解せ
しめるに十分な時間停止することによって、当該新規粒
子集団から放出される銀イオンと臭化物イオンを当該ホ
スト平板状粒子乳剤の粒子の上に析出させ、そして
(3)工程(1)及び(2)を、当該ホスト平板状粒子
乳剤の粒子の上に析出した臭化銀の量が当該感輻射線性
平板状粒子乳剤を構成する全銀量の5〜50%になるま
で3〜20回繰り返す、ことを特徴とする方法に関す
る。
【0010】まったく意外なことであったが、本発明の
方法により、様々な温度で化学増感された時により丈夫
な含ヨウ化物高臭化物平板状粒子乳剤が得られることが
発見された。すなわち、化学増感温度が変動しても、銀
塩を連続的に過剰流入させて得られる類似の乳剤と比較
して、画像形成感度の変動が小さくなる。さらに、写真
感度−粒状性の関係が改良された。
【0011】最後に、本発明の方法によると、固有カブ
リの減少した含ヨウ化物高臭化物平板状粒子乳剤が得ら
れる。固有カブリとは、最初に析出された乳剤において
は現像され得ないが、金増感(金潜像補力ともいう)に
よって促進される結晶格子内部のAg00 クラスターの
量である。固有カブリを低下させることにより、金増感
乳剤の最低濃度が低下する。また、本発明によると、固
有カブリの存在が原因となる最低濃度のバッチ間変動量
も減少する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、含ヨウ化物高臭
化物平板状粒子乳剤を調製するための従来の方法の改良
と見ることができる。析出工程は、通常は図1に示して
説明したような一般的なタイプのダブルジェット式反応
器において、当該乳剤を構成する全銀量の50〜95%
が析出するまでは常用の技法で行うことができる。通常
は、硝酸銀塩溶液を導管3を通して導入する一方、ハロ
ゲン化物塩溶液を導管1を通して導入する。この方法
で、追加のハロゲン化銀を析出するためのホスト平板状
粒子乳剤として働く含ヨウ化物高臭化物平板状粒子乳剤
が得られる。
【0013】含ヨウ化物高臭化物ホスト平板状粒子乳剤
を調製するため、以下の特許の教示(参照することによ
り本明細書の一部とする)が企図される。 米国特許第4,414,310号(Daubendiekら) 米国特許第4,425,426号(Abbottら) 米国特許第4,434,226号(Wilgusら) 米国特許第4,435,501号(Maskasky) 米国特許第4,439,520号(Kofronら) 米国特許第4,433,048号(Solberg ら) 米国特許第4,504,570号(Evans ら) 米国特許第4,647,528号(Yamadaら) 米国特許第4,672,027号(Daubendiekら) 米国特許第4,693,964号(Daubendiekら) 米国特許第4,665,012号(Sugimotoら) 米国特許第4,679,745号(Yamadaら) 米国特許第4,713,320号(Maskasky) 米国特許第4,722,886号(Nottorf ) 米国特許第4,755,456号(Sugimoto) 米国特許第4,775,617号(Goda) 米国特許第4,797,354号(Saitouら) 米国特許第4,801,522号(Ellis ) 米国特許第4,806,461号(Ikeda ら) 米国特許第4,835,095号(Ohashiら) 米国特許第4,835,322号(Makinoら) 米国特許第4,914,014号(Daubendiekら) 米国特許第4,962,015号(Aidaら) 米国特許第4,985,350号(Ikeda ら) 米国特許第5,061,609号(Pigginら) 米国特許第5,061,616号(Pigginら) 米国特許第5,147,771号(Tsaur ら) 米国特許第5,147,772号(Tsaur ら) 米国特許第5,147,773号(Tsaur ら) 米国特許第5,171,659号(Tsaur ら) 米国特許第5,210,013号(Tsaur ら) 米国特許第5,219,720号(Black ら) 米国特許第5,250,403号(Antoniadesら) 米国特許第5,272,048号(Kim ら) 米国特許第5,310,644号(Delton) 米国特許第5,314,793号(Chang ら) 米国特許第5,334,469号(Suttonら) 米国特許第5,334,495号(Black ら) 米国特許第5,358,840号(Chaffee ら) 米国特許第5,372,927号(Delton) 米国特許第5,411,851号(Maskasky) 米国特許第5,411,853号(Maskasky) 米国特許第5,418,125号(Maskasky) 米国特許第5,460,934号(Delton) 米国特許第5,476,760号(Fentonら) 米国特許第5,494,798号(Daubendiekら) 米国特許第5,503,970号(Olm ら) 米国特許第5,503,971号(Daubendiekら) 米国特許第5,573,902号(Daubendiekら) 米国特許第5,576,168号(Daubendiekら) 米国特許第5,576,171号(Olm ら) 米国特許第5,582,965号(Deatonら) 米国特許第5,604,085号(Maskasky) 米国特許第5,604,086号(Readら) 米国特許第5,612,176号(Eshelmanら) 米国特許第5,612,177号(Levyら) 米国特許第5,614,358号(Wilsonら) 米国特許第5,614,359号(Eshelmanら) 米国特許第5,620,840号(Maskasky)
【0014】これらの特許の教示により調製されたホス
ト平板状粒子乳剤におけるヨウ化物の分布は、均一な場
合と不均一な場合とがある。粒子のヨウ化物濃度が最高
となる領域を制限し、続いて全銀量の5%以上を析出さ
せるような教示においては、ホスト平板状粒子乳剤の調
製を、最高ヨウ化物濃度を制限した領域においてヨウ化
物イオンの析出を完了するまでは当該特許の教示に従っ
て行い、後続の析出工程のみを省略することが好まし
い。代わりに、特に開示された銀塩過剰流入が全銀量の
5%以上を構成しない場合には、最高濃度のヨウ化物イ
オンを導入する前に導入される銀の比率を、全銀量の5
%以上になる後続の臭化銀の析出分を収容するように低
下させてもよい。ヨウ化物イオンがホスト平板状粒子に
おいて均一に分布している場合には、ホスト平板状粒子
に用いられる全銀量の比率を50〜95%の範囲内の任
意の値に容易に調整することができる。ホスト平板状粒
子が本発明により製造される乳剤を構成する全銀量の7
0%以上を占めることが好ましい。
【0015】ホスト平板状粒子乳剤を含有する攪拌型反
応器内に、最終的な平板状粒子乳剤を構成する銀量の最
後の5〜50%(好ましくは30%)を以下のようにし
て導入する: (1)当該分散媒中に銀塩溶液を新規粒子集団を発生さ
せるのに十分な速度で導入し、(2)当該銀塩溶液の導
入を、当該新規粒子集団を熟成過程により溶解せしめる
に十分な時間停止することによって、当該新規粒子集団
から放出される銀イオンと臭化物イオンを当該ホスト平
板状粒子乳剤の粒子の上に析出させ、(3)工程(1)
及び(2)を、当該ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に
析出した臭化銀の量が最終的な平板状粒子乳剤を構成す
る全銀量の5〜50%になるまで3〜20回繰り返す。
【0016】銀塩溶液は、銀塩の過剰流入として単独で
導入してもよいが、臭化物塩溶液と同時に導入すること
ができれば好ましい。具体的には、先の銀塩過剰流入
と、後の銀塩過剰流入と、又はこれらの両方と組み合わ
せて、銀塩溶液と臭化物塩溶液を同時に導入することが
企図される。ここで、銀塩過剰流入の機能は、分散媒中
の臭化物イオンの化学量論的過剰量を最適レベルへ調整
することである。臭化物イオンの化学量論的過剰量を何
ら調整しなくてもよい場合には、銀塩の過剰流入はまっ
たく必要でない。
【0017】当該技術分野で十分に理解されているよう
に、析出速度が現存粒子の表面への析出に適応できる速
度を上回ると、新規粒子形成(一般に再核生成と呼ば
れ、ほとんどの析出工程において回避される)が起こ
る。工程(1)の目的は、銀塩溶液及び臭化物塩溶液
(同時に導入する場合)をできるだけ迅速に導入するこ
とによって新規粒子集団を発生させることにある。この
ため、銀塩溶液及び臭化物塩溶液(使用する場合)を同
時に短いパルスとして導入する。当該パルスの期間は1
分を大きく下回り、典型的には5〜45秒間である。そ
の最短時間は、銀塩溶液及び臭化物塩溶液を迅速に導入
できる性能にのみ制限される。通常は、約10〜25秒
間のパルスが便利である。次が新規粒子集団を溶解させ
る工程であるため、微粒子集団を発生させるのに必要な
便利なパルス長よりも長く銀塩溶液と臭化物塩溶液の導
入を継続する目的はない。一般に、当該微粒子の平均E
CDは約0.1μm未満であることが好ましい。
【0018】工程(2)の目的は、工程(1)で発生し
た微粒子集団を溶解させることにある。本工程では、析
出して微粒子を形成していた銀イオンと臭化物イオンと
が分散媒に再度入り込む結果、当該微粒子が溶解するこ
ととなる。銀イオンと臭化物イオンは、分散媒に再度入
り込むとホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に析出する。
本工程の際に攪拌を行うことで、臭化銀の析出をホスト
平板状粒子乳剤の粒子間で十分に分布させることが確実
となる。
【0019】新規粒子集団を溶解させるのに要する時間
Tは、新規粒子集団を形成させるのに要する時間tより
も長い。通常、工程(2)は1分以上を要し、銀又は臭
化物の塩溶液の導入を伴わない攪拌を最長20分又はそ
れ以上行うことが可能である。不必要に長時間の攪拌は
乳剤製造に要する全体時間を延長することになるので望
ましくない。工程(2)の典型的なインターバルTは3
〜15分間である。このインターバルTを短縮するため
に分散媒中に熟成剤を存在させてもよい。
【0020】工程(2)が完了した後、ホスト平板状粒
子乳剤の粒子の上に所望の比率の全銀量が析出されるま
で、工程(1)と工程(2)を繰り返す。その反復回数
は、微粒子の平均ECDを小さく維持することと、工程
(1)と工程(2)の序列の反復回数が望ましくないほ
ど多くならないようにすることとのバランスをとること
になる。工程(1)と工程(2)の実用的なバランスの
とれた反復回数3〜20回が便利であることがわかっ
た。一般には5〜10回の反復が好適である。なお、用
語「反復回数」は明瞭であると考えられるが、誤解のな
いように、反復回数は工程(1)と工程(2)の最初の
実施に追加される回数であることを付記しておく。
【0021】工程(1)及び工程(2)の際に導入され
る銀塩水溶液及び臭化物塩水溶液は、先に引用し本明細
書の一部とした特許明細書に開示されている、ホスト平
板状粒子乳剤を調製するために用いられる銀塩水溶液及
び臭化物塩水溶液のいずれと同じようにしてもよい。ホ
スト平板状粒子乳剤はその分散媒中に化学量論的過剰量
の臭化物イオンを既に有しているため、ほとんどの場
合、工程(1)において同時に導入される銀塩溶液と臭
化物塩溶液を化学量論的にバランスさせることが企図さ
れる。しかしながら、銀塩の過剰流入を採用する方法の
別法として、銀塩溶液と臭化物塩溶液の相対比率を、反
応器内の分散媒中の臭化物イオン過剰量を所望の常用レ
ベルに対して新たにバランスさせるべく調整してもよ
い。
【0022】化学量論的過剰量の臭化物イオンをモニタ
ーするため、従来より分散媒中に銀電極及び参照対向電
極(図示なし)を浸漬させて使用する。ここで使用され
る導入工程及び混合工程の結果として分散媒の組成は均
質となるので、分散媒中のいずれの場所に電極を配置し
ても実行可能である。銀電極の電圧はpAgに変換で
き、そしてpAgは下記方程式によってpBrに変換で
きる。 pAg+pBr=−logKsp 上式中、Kspは、分散媒の温度におけるAgBrの溶解
度積であり、pAg及びpBrは、分散媒におけるそれ
ぞれ銀イオン及び臭化物イオンの活量の負の対数であ
る。
【0023】工程(1)及び工程(2)の際のpBr
は、平板状粒子の縁部への臭化銀の析出が有利となるよ
うに、又は、平板状粒子の主面及び縁部を被覆する実質
的に均一なシェルを提供するように、選定することがで
きる。Kofronらの米国特許第4,439,520号は、
平板状粒子の縁部への析出を有利にするためにpBrを
0.6〜2.2の範囲内に維持することを教示してい
る。Kofronらはさらに、pBrを2.2よりも高くする
と、平板状粒子の主面への析出が生じることも教示して
いる。Daubendiekらの米国特許第4,914,014号
は、2.3よりも高いpBr値において平板状粒子の縁
部に優先的に成長させることができる特定の条件を開示
している。固有カブリの低下を進めるため、新規粒子集
団の少なくとも一部を平板状粒子の主面の上に熟成析出
させることが特に企図される。
【0024】本発明の方法により製造される平板状粒子
乳剤のヨウ化物濃度の全体平均は、ヨウ化物に起因する
写真感度増加を生ぜしめるに必要な最低水準から、面心
立方臭化銀結晶の格子構造内にヨウ化物を組み込むこと
が可能な最高水準に至るまでの範囲をとることができ
る。一般に、ヨウ化物イオンを組み込むことができる最
高濃度は銀量を基準として40モル%であると言われて
いるが、実際には、ヨウ化物イオンの飽和度は組み込み
条件によって変わる。実用上は、ヨウ化物イオンの全体
濃度が銀量を基準として20モル%を超えることは滅多
にない。ヨウ化物の全体濃度は銀量を基準として0.5
〜10モル%の範囲にあることが好ましく、典型的には
ヨウ化物の全体濃度は銀量を基準として0.5〜5モル
%の範囲にある。
【0025】平板状粒子の制限した領域において最高ヨ
ウ化物濃度を形成するためにヨウ化物を導入する場合、
高ヨウ化物濃度は短時間許容され得る。実際には、平板
状粒子の面心立方結晶格子とは別の独立した相として析
出したヨウ化銀を見ることが一般的であるが、短時間の
場合、ヨウ化物は高臭化物結晶の格子構造内部に組み込
まれる。最高ヨウ化物濃度の制限領域が示すヨウ化物イ
オン濃度は、平板状粒子の他のいずれの領域よりも少な
くとも1モル%(典型的には少なくとも2モル%)は高
くなる。
【0026】本発明の方法により製造された平板状粒子
乳剤は、いずれの場合にも、銀量を基準として50モル
%を超える臭化物を含有する。平板状粒子乳剤の製品
は、銀量を基準として70モル%を超える臭化物を含有
することが好ましく、さらには銀量を基準として90モ
ル%を超える臭化物を含有することが最適である。臭化
物及びヨウ化物によって占められていないハロゲン化銀
の残部は塩化物であることができる。先に引用したDelt
onの特許明細書は塩化物を含むことの利点を開示してい
る。塩化物の含有量は銀量を基準として5モル%以下に
制限することが好ましい。
【0027】本発明の方法により製造された乳剤におい
ては、平板状粒子が全粒子投影面積の50モル%を超え
る面積を占めている。平板状粒子が全粒子投影面積の7
0モル%を超える面積を占めることが好ましく、さらに
は全粒子投影面積の90モル%を超える面積を占めるこ
とが最適である。平板状粒子が全粒子投影面積の実質的
にすべて(>97%)を占める平板状粒子乳剤を形成さ
せることはでき、その例が先に引用したAntoniadesらの
米国特許第5,250,403号並びにDaubendiekらの
米国特許第5,503,971号、同第5,573,9
02号及び同第5,576,168号をはじめとする平
板状粒子乳剤に関する特許明細書に記載されている。
【0028】上記の投影面積の要件を満たす分光増感平
板状粒子は厚さが0.3μm未満であることが考えられ
る。含ヨウ化物高臭化物粒子による青色光の固有吸収を
利用するため、平板状粒子の厚さを0.5μmまで増加
させて青色露光を記録することが有用な場合がある。本
発明の方法を使用して、平板状粒子の平均厚さが0.0
7μm未満である極薄平板状粒子乳剤を製造することも
できる。
【0029】本発明の方法を使用して、従来の平均EC
Dのいずれを有する含ヨウ化物高臭化物平板状粒子乳剤
でも製造することができる。写真用途に適合する最大平
均ECDは10μmであると言われることが多いが、こ
れよりも大きな平均ECDを有する平板状粒子乳剤の例
も多少知られている。平板状粒子乳剤の平均ECDは1
〜5μmの範囲内にある場合がほとんどである。平板状
粒子の平均アスペクト比(ECD/t)は、5以上であ
ることが好ましく、さらに8よりも高いことが最も好ま
しい。平板状粒子の平均アスペクト比は、最大で100
又はそれ以上までの範囲をとり得るが、典型的には50
未満である。
【0030】ハロゲン化銀の析出前に反応器内に存在す
る全水性分散媒の比率は、析出終結時の分散媒の全量の
10質量%以上になる。Mignotの米国特許第4,33
4,012号に教示されているように析出工程中に限外
濾過を行うことにより、反応器中の反応体の容量を析出
工程全体を通して一定に維持することが可能である。ハ
ロゲン化銀の析出前の反応器に含まれる全水性分散媒の
20〜80%でほとんどの析出が行われる。
【0031】析出工程中、便利な任意の粒子解こう剤を
存在させることができる。Mignotの米国特許第4,33
4,012号に教示されているように、粒子核生成及び
初期成長時には解こう剤は必要とされない。しかしなが
ら、析出終結時の乳剤中に存在する全解こう剤の、典型
的には10%以上、好ましくは20%以上が、ハロゲン
化銀析出前の分散媒に存在する。析出終結時の乳剤は、
ハロゲン化銀1モル当たり5〜50グラム(好ましくは
10〜30グラム)の解こう剤を含有することが考えら
れる。
【0032】常用の解こう剤の選択肢についてはリサー
チ・ディスクロージャー(ResearchDisclosure, Item 38
957, II. Vehicles, vehicle extenders, vehicle-like
addenda and vehicle related addenda, A. Gelatin a
nd hydrophilic colloid peptizers)に概説されてい
る。好適な解こう剤としてゼラチン及びゼラチン誘導
体、例えばフタル化体やアセチル化体、が挙げられる。
【0033】上記の必須成分の他に、リサーチ・ディス
クロージャー(Research Disclosure, Item 38957, I. E
mulsion grains and their preparation, D. Grain mod
ifying conditions and adjustments)に記載されている
ように、写真性能を変更する目的で、平板状粒子を形成
して成長させる分散媒の中に他の物質を導入することも
可能である。具体的には、析出工程のいずれかの段階
で、特に本発明の方法の工程(1)及び/又は(2)に
おいて、ドーパントを導入することが企図される。リサ
ーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure, Item
38957, I. Emulsion grains and their preparation,
E. Blends, layers and performance categories, para
graph (2))に記載されているように、分散媒に熟成剤を
含めることも企図される。
【0034】析出工程に続き、乳剤を、増感、添加物添
加、コーティング、露光及び写真処理をはじめ、従来の
いかなる写真様式での写真用途のためにさらに調製する
ことができる。以下のリサーチ・ディスクロージャー(R
esearch Disclosure, Item 38957) の教示が例示する。 III. 乳剤洗浄 IV. 化学増感 V. 分光増感及び減感 VII. カブリ防止剤及び安定剤 II. ベヒクル、ベヒクル増量剤、ベヒクル様添加剤及
びベヒクル関連添加剤(当該成分は、析出工程後、塗布
工程前に典型的に添加されるものである) B. 硬膜剤 C. 他のベヒクル成分 VIII. 吸収性及び散乱性材料 IX. 物理的塗工性改良用添加物 X. 色素像形成剤及び調節剤 XI. 層及び層配置 XII. カラーネガのみに適用できる特徴 XIII. カラーポジのみに適用できる特徴 B. カラーリバーサル (本発明の方法により企図された
ネガ型乳剤を使用する) XIV. 走査促進特徴 XV. 支持体 XVI. 露光 XVIII.化学現像系 XIX. 現像 XX. 脱銀、水洗、リンス及び安定化
【0035】
【実施例】本発明は、以下の具体的態様を参照すること
により一層良く理解できる。ホスト平板状粒子乳剤の調製 約5104gの蒸留水と、約10gの骨ゼラチンと、約
30.9gの臭化ナトリウムと、約72.25gの硫酸
アンモニウムとを含有する攪拌型反応容器を58℃に加
熱した。次いで、約3.3モル/Lの硝酸銀水溶液及び
約3.5モル/Lの臭化ナトリウム水溶液を常用の制御
されたダブルジェット添加法により硝酸銀の流速を約3
5mL/分の一定値として1.25分間添加し、その間
のpAgを約9.52で一定に維持した。その後、硝酸
銀水溶液及び臭化ナトリウム水溶液の流入を停止して混
合物を1分間保持した。次に、約124mLの2.5モ
ル/L水酸化ナトリウム溶液を反応容器に迅速に添加
し、混合物を攪拌しながらさらに5分間保持した。これ
に続いて、78mLの4モル/L硝酸溶液を反応混合物
に迅速に添加した。次いで、約180gの骨ゼラチンと
約1728gの蒸留水とを含有する混合物を反応容器に
迅速に添加し、その内容物を攪拌しながら約5分間保持
した。次の5分間で、得られた乳剤を、約3.3モル/
Lの硝酸銀溶液を約25mL/分の一定流速で、約3.
4モル/Lの臭化ナトリウムと約0.05モル/Lのヨ
ウ化カリウムとを含む混合塩溶液をpAgが約9.33
に制御されるような流速でそれぞれ添加する常用のダブ
ルジェット法によって成長させた。その後、硝酸銀溶液
の流速を約25mL/分から約100mL/分まで56
分かけて直線的に上昇させる一方、pAgを上記混合塩
溶液で約9.33に制御することによって、成長を加速
させた。次の成長工程を、上記硝酸銀溶液を約100m
L/分の一定流速で1.5分間添加すると共に、上記混
合塩溶液と、1.51モルHNO3 の1.5mL当たり
0.04mgのイリデート化合物を含有するヘキサクロ
ロイリジウム酸カリウムの原液約15mL及び水約36
mLを含有する溶液約52mLとを、pAgを約9.3
3に制御する流速で添加することによって実施した。こ
の後に、34mgのセレノシアン酸カリウム塩を含有す
る水約73mL及び約185mLの水を含有する溶液2
58mLを迅速に添加し、その混合物を攪拌しながら約
2分間保持した。続いて、上記混合塩溶液を約250m
L/分で2分間添加することにより反応混合物のpAg
を変更し、その直後約0.46モルの微粒子(0.06
μm)ヨウ化銀乳剤を迅速に添加した。
【0036】乳剤A(比較例) 次いで、ホスト平板状粒子乳剤に、シングルジェット法
で3.3モル/Lの硝酸銀溶液を約51mL/分の一定
流速で約13.25分間添加した。その後、約3.3モ
ル/Lの硝酸銀溶液と約3.5モル/Lの臭化ナトリウ
ム溶液とを約11.4分間にわたりpAgが約8.38
に維持されるように添加する常用のバランス式ダブルジ
ェット法で乳剤をさらに成長させた。その後、乳剤を冷
却して洗浄した。得られた平板状粒子乳剤の平均ECD
は約1.98μmであり、また平板状粒子の平均厚さは
約0.13μmであった。平板状粒子は全粒子投影面積
の70%を上回る面積を占めていた。
【0037】乳剤B(実施例) 次いで、ホスト平板状粒子乳剤に、3.3モル/Lの硝
酸銀溶液を、各々約241mL/分の一定硝酸銀溶液流
速からなる8回のシングルジェットパルスとして添加
し、各パルスには保持インターバルを追従させた。シン
グルジェットパルスの期間は、それぞれ約0.5分、
0.5分、0.5分、0.4分、0.4分、0.25
分、0.25分及び0.2分とした。各パルス式添加に
は5分間の保持を追従させた。その後、3.3モル/L
の硝酸銀塩溶液と3.5モル/Lの臭化ナトリウム塩溶
液とを7回のダブルジェットパルスとして添加し、各パ
ルスに保持インターバルを追従させることによって、乳
剤をさらに成長させた。ダブルジェットパルスと保持イ
ンターバルの期間を以下に示す。
【0038】状態 時間(分) パルス1 0.25 インターバル 5 パルス2 0.25 インターバル 5 パルス3 0.25 インターバル 5 パルス4 0.4 インターバル 10 パルス5 0.4 インターバル 5 パルス6 0.4 インターバル 5 パルス7 0.4 インターバル 10
【0039】その後、乳剤を冷却して洗浄した。得られ
た平板状粒子乳剤の平均ECDは約2.05μmであ
り、また平板状粒子の平均厚さは約0.13μmであっ
た。平板状粒子は全粒子投影面積の70%を上回る面積
を占めていた。
【0040】写真要素 乳剤A及び乳剤Bを、硫黄と金で最適に増感し、BSD
−1で分光増感し、そしてそれ以外は同等な写真要素の
第10層に別々に塗被した。これらの層には、三酢酸セ
ルロース系フィルム支持体に最も近い層から順に番号を
付した。コーティングの塗被量は、特に断らない限りg
/m2 で表示した。一部の成分は頭字語で表したが、頭
字語と完全名称との関係は後述する。
【0041】第1層(ハレーション防止層):ブラック
コロイド銀ゾル(0.172);ILS−1(0.13
5);DYE−1(0.031);DYE−5(0.0
28);ADD−1(0.001);ADD−2(0.
110);ADD−3(0.055);ADD−4
(0.915);及びゼラチン(2.05) 第2層(低感度シアン層):二種の(RSD−1及びR
SD−2の混合物で)赤増感された平板状粒子ヨウ臭化
銀乳剤(1)ECD=1.0μm、th=0.09μ
m、4.1モル%I(0.323)及び(2)ECD=
0.55μm、th=0.08μm、1.5モル%I
(0.431)の混合物;シアン色素生成性カプラーC
−1(0.535);漂白促進剤放出型カプラーB−1
(0.031);マスキングカプラーMC−1(0.0
3);ADD−6(銀1モル当たり1.8g);及びゼ
ラチン(2.024) 第3層(中感度シアン層):(RSD−1及びRSD−
2の混合物で)赤増感された平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤
ECD=1.25μm、th=0.12μm、4.1モ
ル%I(0.883);シアン色素生成性カプラーC−
1(0.105);DIR−1(0.093);MC−
1(0.018);ADD−6(銀1モル当たり1.8
g);及びゼラチン(1.012) 第4層(高感度シアン層):(RSD−1及びRSD−
2の混合物で)赤増感された平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤
ECD=2.2μm、th=0.13μm、4.1モル
%I(1.076);C−1(0.120);DIR−
1(0.019);MC−1(0.032);ADD−
6(銀1モル当たり1.8g);ADD−7(銀1モル
当たり0.05mg);及びゼラチン(1.270) 第5層(中間層):ILS−1(0.075);ADD
−9(0.002);ADD−8(0.001);SU
RF−1(0.021);SURF−2(0.00
9);及びゼラチン(0.700) 第6層(低感度マゼンタ層):二種の(GSD−1及び
GSD−2の混合物で)緑増感された平板状粒子ヨウ臭
化銀乳剤(1)ECD=1.0μm、th=0.08μ
m、4.1モル%I(0.237)及び(2)ECD=
0.55μm、th=0.08μm、1.5モル%I
(0.431)の混合物;マゼンタ色素生成性カプラー
M−1(0.299);MC−2(0.041);AD
D−6(銀1モル当たり1.8g);ADD−1(銀1
モル当たり64mg);OxDS−1(銀1モル当たり
2.8g);及びゼラチン(1.27) 第7層(中感度マゼンタ層):(GSD−1及びGSD
−2の混合物で)緑増感された平板状粒子ヨウ臭化銀乳
剤ECD=1.2μm、th=0.12μm、4.1モ
ル%I(1.00);M−1(0.82);MC−2
(0.032);DIR−8(0.024);OxDS
−1(0.045);ADD−6(銀1モル当たり1.
8g);ADD−7(銀1モル当たり0.05mg);
及びゼラチン(1.465) 第8層(高感度マゼンタ層):緑増感された平板状粒子
ヨウ臭化銀乳剤ECD=2.2μm、th=0.13μ
m、4.1モル%I(1.044);M−1(0.05
7);MC−2(0.043);DIR−2(0.01
1);DIR−7(0.011);OxDS−1(0.
031);ADD−6(銀1モル当たり1.8g);A
DD−7(銀1モル当たり0.1mg);及びゼラチン
(1.251) 第9層(イエローフィルター層):イエローフィルター
色素YFD−1(0.161);ILS−1(0.07
5);ADD−9(0.002);ADD−8(0.0
01);SURF−1(0.021);SURF−2
(0.009);及びゼラチン(0.648) 第10層(イエロー層):乳剤A又は乳剤B(1.07
5);イエロー色素生成性カプラーY−1(1.04
4);DIR−3(0.076);B−1(0.02
2);ADD−6(銀1モル当たり1.8g);及びゼ
ラチン(1.879) 第11層(UVフィルター層):臭化銀リップマン乳剤
(0.216);UV−1(全部で0.108);Mn
SO4 (0.08);ゼラチン(1.242);及びビ
ス(ビニルスルホニルメタン)硬膜剤(全ゼラチン質量
(全層)の1.75質量%) 第12層(保護オーバーコート):乳剤層を物理的に保
護するため、ゼラチン(0.888)、マットビーズ及
び表面特性改質性添加物を含有する常用の保護オーバー
コートを設けた。
【0042】センシトメトリー 各写真要素の試料にステップタブレットを介して同等に
露光を施し、そしてBritish Journal of Photography A
nnual, 1988, pp. 196-108に記載されているKodak Flex
icolor(商標)C-41カラーネガ処理法で処理した。最低
濃度よりも0.15高い濃度点で写真感度を測定し、乳
剤Aを含む要素の感度を100とする相対感度として報
告した。乳剤Aを含む要素と乳剤Bを含む要素とで粒状
度は同等であった。表1で、乳剤Aを含む要素と乳剤B
を含む要素とで性能を比較した。表1 乳剤 相対感度 A 100 B 117
【0043】反転画像形成 三酢酸セルロース系フィルム支持体の上に、乳剤Aと乳
剤Bを別々の青色記録用イエロー色素像形成性乳剤層と
して塗被した。銀塗被量は0.75g/m2 とした。ス
テップタブレットを介した露光を施した後、塗被試料に
Kodak Ektachrome(商標)E-6 カラーリバーサル処理法
によるカラー反転処理を施した。乳剤A(比較例)を含
む要素の相対感度を100とした場合、乳剤B(実施
例)は相対感度として250を示した。さらに、粒状度
を比較してみると、乳剤Bで得られた画像の粒状度は、
乳剤Aで得られた画像の粒状度よりも顕著に低かった。
【0044】丈夫さ 乳剤Aと乳剤Bの丈夫さを比較するため、これらの乳剤
試料を高温保持温度を変えて硫黄と金で増感させた。各
乳剤とも64℃での相対感度を100として他の高温保
持温度での性能との比較を行った。その結果を表2にま
とめた。表2 相対感度 乳剤 58℃ 61℃ 64℃ 変動幅 A 25 50 100 75 B 87 100 100 13
【0045】表2から明らかなことは、乳剤Aは、化学
増感の温度を関数とした写真感度の変動幅が広いという
ことである。対照的に、乳剤Bは、比較した温度による
感度変動をほとんど又はまったく示さなかった。61℃
〜64℃の3℃の温度範囲では、乳剤Bは、化学増感の
際に使用される保持温度を関数とした相対感度の変動を
まったく示さなかった。保持温度をさらに3℃下げて5
8℃にした場合、比較的小さい相対感度低下が認められ
た。このことは、乳剤Bは、化学増感温度において製造
上の不注意による変動を被った場合でも写真性能にはほ
とんどばらつきが生じないことを例証している。
【0046】固有カブリ 乳剤Aと乳剤Bの固有カブリの水準を、これらの乳剤の
銀量の等しい試料に銀1モル当たり10マイクロモルの
金を添加することによって比較した。混合物を66℃に
加熱し、5分間保持し、そして40℃まで冷却した。透
明なプラスチック製支持体の上に硬膜剤を添加した当該
乳剤を銀塗被量4.3g/m2 で塗被することによって
固有カブリの水準を測定した。乳剤Aと乳剤Bを含む各
乳剤に、露光を施さずに、ヒドロキノン系及びN,N−
ジメチル−p−アミノフェノールヘミスルフェート系の
現像主薬混合物を使用する常用の黒白写真処理法を施し
た。本発明の方法により製造された乳剤Bを含む写真要
素の固有カブリの水準は、比較用の乳剤Aを含む写真要
素の水準の1/3であった。成分リスト
【0047】
【化1】
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
【化5】
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】
【化8】
【0055】
【化9】
【0056】ADD−3:ヘキサメタリン酸ナトリウム ADD−4:3,5−ジスルホカテコール、二ナトリウ
ム塩 ADD−6:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラアザインデン ADD−7:Au2 S ADD−8:MnSO4 ADD−9:PdCl2 SURF−1:Triton X-200(商標)、Union Carbide
より入手可能 p-C8H17-φ-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2SO3 - Na+ 上式中、φはフェニレンである。 SURF−2:Olin 10-G (商標)、Olin Corp.より入
手可能 p-C9H19-φ-O-[CH2CH(CH2OH)O]m -Hとp-C9H19-φ-O-[CH
2CHOH(CH2)O]m -Hとの混合物 上式中、φはフェニレン、m は3〜16の整数の混合であ
る。
【0057】
【化10】
【図面の簡単な説明】
【図1】ハロゲン化銀乳剤の析出装置の部分的模式側面
図である。
【符号の説明】
1、3…導管 2…混合装置 4…容器 6…シャフト 7…モーター 8…バフル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラジェシュ ブイ.メータ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,フェア オークス アベニ ュ 301 (72)発明者 スティーブン パトリック スザティンス キ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ロックスウッド ドライブ 40 (72)発明者 ウェイ ケー.ラム アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ギャズベリー レーン 731

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)銀量を基準として50モル%より
    も多い臭化物と写真感度を増強せしめる量のヨウ化物と
    を含むホスト平板状粒子乳剤及び化学量論的過剰量の臭
    化物イオンを含有する分散媒を攪拌型反応容器内に用意
    する工程、並びに(b)次いで前記ホスト平板状粒子乳
    剤の粒子の上に臭化銀を析出させる工程を含んで成る感
    輻射線性平板状粒子乳剤の製造方法であって、 前記工程(b)において、 (1)前記分散媒中に銀塩溶液を新規粒子集団を発生さ
    せるのに十分な速度で導入し、 (2)前記銀塩溶液の導入を、前記新規粒子集団を熟成
    過程により溶解せしめるに十分な時間停止することによ
    って、前記新規粒子集団から放出される銀イオンと臭化
    物イオンを前記ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に析出
    させ、そして(3)前記工程(1)及び(2)を、前記
    ホスト平板状粒子乳剤の粒子の上に析出した臭化銀の量
    が前記感輻射線性平板状粒子乳剤を構成する全銀量の5
    〜50%になるまで3〜20回繰り返す、ことを特徴と
    する前記製造方法。
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