JP3041701B2 - 高感度かつ経時保存性の改良されたハロゲン化銀写真感光材料およびその製造方法 - Google Patents

高感度かつ経時保存性の改良されたハロゲン化銀写真感光材料およびその製造方法

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JP3041701B2 JP02034787A JP3478790A JP3041701B2 JP 3041701 B2 JP3041701 B2 JP 3041701B2 JP 02034787 A JP02034787 A JP 02034787A JP 3478790 A JP3478790 A JP 3478790A JP 3041701 B2 JP3041701 B2 JP 3041701B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料に関し、更に詳
しくは高感度で、高温・高湿条件下での経時安定性に優
れたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
〔従来技術と問題点〕
ハロゲン化銀写真感光材料には、種々の性能の要求が
あるが、撮影用感光材料・プリント用感光材料など種々
の感光材料の取り扱い易さを大きく左右するものが、感
度と高温・高湿下での経時保存性である。
例えば、撮影用感光材料において、使い捨てカメラに
代表される安価なカメラは、撮影用レンズがF8〜11、シ
ャッター速度が1/100秒前後であるために、ISO 400以上
の高感度が必要とされ、更にカメラの使用条件も砂浜や
プールサイド或は雨の中等、従来カメラの撮影条件より
過酷な場合が多い。
又、カラープリント感光材料においても、いわゆるミ
ニラボの普及に伴い、店頭処理に適したプリント時間の
短い高感度感光材料、高湿下でも長期間性能が変動しな
い経時保存性に優れた感光材料の必要性がますます増大
している。
従来から高感度を得るための手段として、ハロゲン化
銀の光吸収性と現像性をともに向上させる努力がなされ
てきた。例えば、沃臭化銀を用いる感光材料において
は、ハロゲン化銀粒子のコア部の沃化銀含有率がシェル
部の沃化銀含有率よりも高い、いわゆるコア/シェル型
粒子が用いられる。しかしながら、この技術手段におい
ては、シェル部の沃度含有率が低い場合ほど、高い固有
感度のわりには目的とする色増感感度が得られなかった
り、高温・高湿下での感度低下が大きい等の問題を有し
ていた。
特開昭48−51627号及び特開昭59−77443号には、色増
感感度の改良を目的として、沃臭化銀乳剤に水溶性沃化
物を添加する方法が開示されている。
この方法では、ハロゲン化銀粒子表面への増感色素の
吸着性を高めて、分光感度分布を調整したり、高温高湿
条件下での増感色素の脱着を減少させる効果は認められ
るものの、増感色素の吸着性が充分に高まるまで水溶性
沃化物を添加すると、感度低下を招いてしまうという欠
点がある。又、この方法は、ハロゲン化銀粒子表面への
沃化物イオンの吸着反応が非常に速く、吸着が不均一、
かつ不安定であるためか、得られた乳剤は冷蔵庫保存で
も経時により感度が変化する場合が多く、安定した品質
の製品を製造することが困難であった。
一方、塩臭化銀乳剤の感度増大及び経時安定性を向上
する手段としては、水溶性臭化物又は水溶性沃化物を加
える方法が知られている。(特開昭57−96331号及び同5
9−5238号) しかしながら、この方法も水溶性臭化物単独で添加す
る場合には、銀1モル当たり5〜50モル%の水溶性臭化
物の添加が必要で、現像処理時の処理液への臭化物イオ
ンの流出による悪影響(例えば感度低下や軟調化)が大
きいという欠点がある。又、水溶性臭化物と水溶性沃化
物を組合せて使用する方法においては、沃化物イオンの
吸着反応の不均一性や不安定性のためか、乳剤製造から
塗布までの間に極めて著しい写真特性の変化(例えば感
度低下、軟調化、カブリの増大)があり、安定した品質
の製品を製造することが困難であった。
このように、種々の組成のハロゲン化銀乳剤の高感度
化に伴い問題となる色増感感度の低下と経時保存性の劣
化(特に高温・高湿下での感度低下)を解決するための
従来の技術手段は、甚だ不充分なものであった。
〔発明の目的〕
従って、本発明の目的の第1は、高感度かつ高温・高
湿条件下での経時安定性に優れたハロゲン化銀写真感光
材料を提供することである。
目的の第2は、乳剤製造から塗布までの間に写真特性
の変化することのない、安定した品質のハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
〔発明の構成〕
本発明者らは、前記目的に対し、ハロゲン化銀乳剤表
面へ均一に作用させる色素吸着性の向上手段の検討を重
ねた結果、本発明を達成するに至った。即ち、本発明の
上記目的は、(1)及び(2)により達成された。
(1)化学熟成工程から塗布までの過程の中で、粒子表
面のハロゲン組成がAgClaBrbIc(ただし、0≦a≦1か
つ0≦b≦1かつ0≦c≦0.2かつa+b+c=1)で
あるハロゲン化銀に、ハロゲン組成がAgIである微粒子
ハロゲン化銀を添加して調整することを特徴とするハロ
ゲン化銀乳剤の製造方法。
(2)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層
を有する写真感光材料において、特許請求の範囲第1項
記載の製造方法により製造されたハロゲン化銀乳剤を含
有する層を少なくとも1層塗設したハロゲン化銀写真感
光材料。
尚、以下、微粒子ハロゲン化銀が添加される母体とな
るハロゲン化銀粒子(表面のハロゲン組成AgClaBrbIc
のことを、「マザー粒子」と呼ぶこととする。
まず、マザー粒子の好ましい態様について述べる。
マザー粒子のトータルのハロゲン組成については、Ag
ClaBrbIc(0≦a≦1かつ0≦b≦1かつ0≦c≦0.2
かつa+b+c=1)で表されるものであればいずれで
もよい。中でも塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀であることが好ましい。特に好ましいマザー
粒子のトータルのハロゲン組成としては、塩臭化銀、沃
臭化銀、塩沃臭化銀である。
本発明で用いられるマザー粒子が塩臭化銀である場合
は、粒子トータルの臭素の含有量は15〜99モル%、表面
のハロゲン組成は、臭素の含有量として0〜80モル%、
更には10〜60モル%であることが好ましい。
又、塩臭化銀マザー粒子サイズは0.3μm以上が好ま
しく、0.5〜2.5μmが最も好ましい。粒子の形状は規則
正しくても不規則でもよいが、粒径分布に関しては、後
に述べる単分散ハロゲン化銀乳剤であることが好まし
い。
次に本発明で用いられるマザー粒子が沃臭化銀又は塩
沃臭化銀である場合について述べる。この場合のマザー
粒子の粒子サイズは、0.3μm以上が好ましく、0.5〜2.
5μmが最も好ましい。又、粒径の分布に関しては、以
下に述べる単分散性ハロゲン化銀乳剤であることが好ま
しい。
本発明において、単分散性ハロゲン化銀乳剤とは、平
均粒径を中心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲ
ン化銀重量が全ハロゲン化銀重量の70%以上であるもの
を言い、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上
である。
ここに平均粒径は、粒径diを有する粒子の頻度ni
di 3の積ni×di 3が最大になるときの粒径diと定義する。
(有効数字3桁、最小桁数字は4捨5入する) ここで言う粒径とは、粒子の投影像を同面積の円像に
換算したときの直径である。
粒径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍〜5万倍
に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影
時の面積を実測することによって得ることができる。
(測定粒子個数は無差別に1000個以上あることとす
る)。
本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は によって定義した分布の広さが20%以下のものであり、
更に好ましくは15%以下のものである。
ここに粒径測定方法は前述の測定方法に従うものと
し、平均粒径は算術平均とする。
本発明のマザー粒子が沃臭化銀又は塩沃臭化銀である
場合の、好ましい平均沃化銀含有率としては、0.5〜20
モル%であり、特に好ましくは1.0〜15モル%である。
中でも平均沃化銀含有率が2.0〜15モル%の沃臭化銀が
マザー粒子である場合に、本発明の効果が最大限に発揮
される。
本発明のマザー粒子が沃臭化銀又は塩沃臭化銀である
場合、本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子内部に高沃化
銀含有率相を有するものである。高沃化銀含有率相の沃
化銀含有率は、15〜45モル%が好ましく、より好ましく
は20〜42モル%、特に好ましくは25〜40モル%である。
本発明の粒子内部に高沃化銀含有率相を有するハロゲ
ン化銀粒子は高沃化銀含有率相をそれより沃化銀含有率
が低い低沃化銀含有率相で被覆したものである。
最外相を形成する高沃化銀含有率相より低い沃化銀含
有率相の平均沃化銀含有率は6モル%以下であることが
好ましく、特に好ましくは0〜4モル%である。又最外
相と高沃化銀含有率相の間の沃化銀含有相(中間相)が
存在してもよい。
中間相の沃化銀含有率は10〜35モル%が好ましく、特
に好ましくは12〜30モル%である。
最外相と中間相、中間相と内部の高沃化銀含有率相の
間の沃化銀含有率は、それぞれ6モル%以上の差がある
ことが好ましく、特に好ましくは、それぞれ10モル%以
上の差があることである。
上記態様において、内部の高沃化銀含有率相の中心
部、内部の高沃化銀含有率相と中間相の間、中間相と最
外相との間に更に別のハロゲン化銀相が存在してもよ
い。
又、最外相の体積は粒子全体の4〜70モル%がよく、
10〜50モル%が更に好ましい。高沃化銀含有率相の体積
は、粒子全体の10〜80%とするのが望ましく、20〜50
%、更には20〜45%が望ましい。中間殻の体積は、粒子
全体の5〜60%、更には20〜55%がよい。
これらの相は、均一組成の単一相であってもよいし、
均一組成の複数相から成る、ステップ状に組成の変化す
る相群であってもよいし、あるいは任意相の中において
連続的に組成の変化するような連続相であってもよい
し、これらの組合せでもよい。
本発明のマザー粒子が、沃臭化銀又は塩沃臭化銀であ
る場合の本発明のハロゲン化銀乳剤の別の態様として、
粒子内に局在した沃化銀が実質的に均一な相を形成する
のでなく、沃化銀含有率が粒子中心から外側部に向って
連続的に変化する態様が挙げられる。この場合、沃化銀
の含有率は粒子内の沃化銀含有率が最大であるポイント
から粒子外側部に向けて単調に減少するものであること
が好ましい。
沃化銀含有率が最大ポイントにおける沃化銀含有率
は、15〜45モル%が好ましく、より好ましくは25〜40モ
ル%である。
又、粒子表面相の沃化銀含有率は6モル%以下である
ことが好ましく、特に好ましくは0〜4モル%の沃臭化
銀である。
本発明のマザー粒子は、立方体、8面体、14面体のよ
うな正常晶でもよく、平板状のような双晶であってもよ
い。
又、これらの混合物であってもよい。
平板状の双晶である場合、粒子の投影面積同等円換算
直径と粒子厚みの比が1〜20のものが投影面積の60%以
上であることが好ましく、更に1.2以上、8.0未満が好ま
しく、特に1.5以上5.0未満が好ましい。
単分散性の正常晶乳剤は、例えば特開昭59−177535
号、同60−138538号、同59−52238号、同60−143331
号、同60−35726号、同60−258536号及び同61−14636号
公報等に開示された方法を参考にすることによって製造
することができる。
単分散性の双晶乳剤は、例えば特開昭61−14636号公
報に開示された球型種乳剤を成長させる方法を参考にす
ることによって得ることができる。
成長に当たっては硝酸銀水溶液とハロゲン化物水溶液
をダブルジェット法により添加することが好ましい。
又、沃度は沃化銀として系内に供給することもできる。
添加速度は、新しい核が発生しないような速度で、かつ
オストワルド熟成によるサイズ分布の広がりがない速
度、即ち新しい核が発生する速度の30〜100%の範囲で
添加することが好ましい。
粒子を肥大させる別の条件として、日本写真学会昭和
58年年次大会要旨集88頁に見られるように、ハロゲン化
銀微粒子を加え溶解、再結晶することにより肥大させる
方法が挙げられる。
ハロゲン化銀乳剤の成長条件としては、pAg5〜11、温
度40〜85℃、pH1.5〜12が好ましい。
次に、本発明に用いられる微粒子ハロゲン化銀につい
て説明する。微粒子ハロゲン化銀の粒子サイズとして
は、0.2μm以下が好ましく、より好ましくは0.02〜0.1
μmである。微粒子ハロゲン組成は沃化銀である。微粒
子沃化銀に関しては、一般に立方晶系のγ−AgIと六方
晶系のβ−AgIが知られているが、本発明に用いる微粒
子AgIとしては、いずれの結晶構造であってもよく、
又、これらの混合物であってもよい。尚、マザー粒子の
表面ハロゲン組成を求めるには、先に述べたX線光電子
分光法を用いることができる。
次に、微粒子ハロゲン化銀粒子の添加量に関して述べ
る。
微粒子ハロゲン化銀粒子の添加量は、マザー粒子の平
均粒径をd(μm)としたとき、マザー粒子1モル当た
り1/100dモル以下が好ましく、更にはマザー粒子1モル
当たり1/20000d〜1/300dモルの範囲が好ましく、最も好
ましくは、マザー粒子1モル当たり1/5000d〜1/500dモ
ルである。
本発明で用いる微粒子沃化銀は単分散性が良好である
ことが好ましく、ダブルジェット法により、温度、pH、
pAgを制御しながら調製することが好ましい。
本発明における微粒子沃化銀の添加時期は、化学熟成
工程から塗布の直前までのいずれかの工程であればよい
が、好ましくは化学熟成工程での添加である。ここで言
う化学熟成工程とは、マザー粒子の物理熟成及び脱塩操
作が終了した時点から、化学増感剤を添加し、その後化
学熟成を停止するための操作を施した時点までの間を指
す。尚、化学熟成を終了させる方法としては、温度を下
げる方法、pHを下げる方法、化学熟成停止剤を用いる方
法等が知られているが、乳剤の安定性等を考慮すると、
化学熟成停止剤を用いる方法が好ましい。この化学熟成
停止剤としては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、
塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤として知
られている有機化合物(例えば4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデン等)が知られてい
る。これらは単独でもしくは複数の化合物を併用して用
いられる。
又、本発明の微粒子沃化銀の添加は、時間間隔をとっ
て数回に分けて行ってもよいし、微粒子ハロゲン化銀の
添加後に、更に別の化学熟成済み乳剤を加えてもよい。
微粒子沃化銀を添加する際のマザー粒子乳剤液の温度
は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には40〜65℃の範囲
が特に好ましい。
又、本発明は添加する微粒子沃化銀が添加後、塗布直
前までの間に一部もしくは全部が消失する条件で実施さ
れることが好ましく、更に好ましい条件は添加した微粒
子沃化銀の20%以上が塗布直前において消失しているこ
とである。
尚、消失量の定量は、微粒子沃化銀添加後の乳剤又は
塗布液を適当な条件で遠心分離を行った後、上澄み液の
吸収スペクトル測定を行い、既知濃度の微粒子沃化銀液
の吸収スペクトルと比較することにより行うことができ
る。
本発明においてハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディ
スクロジャー308119(以下、RD308119と略す)に記載さ
れているものを用いることができる。
下表に記載箇所を示す。
本発明においてハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学
熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このような
工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロジャ
ーNo.17643,No.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD
17643,RD18716及びRD308119と略す)に記載されてい
る。
下表に記載箇所を示す。
本発明に係る乳剤の化学増感は、より具体的には、銀
イオンと反応できる硫黄を含む化合物や、活性ゼラチン
を用いる硫黄増感法、セレン化合物を用いるセレン増感
法、還元性物質を用いる還元増感法、金その他の貴金属
化合物を用いる貴金属増感法などを単独又は組合せて用
いることができる。
本発明においては、化学増感剤として例えばカルコゲ
ン増感剤を用いることができ、中でも硫黄増感剤、セレ
ン増感剤が好ましい。
硫黄増感剤としては例えば、チオ硫酸塩、アリルチオ
カルバミド、チオ尿素、アリルイソチオシアネート、シ
スチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンな
どが挙げられる。
その他、米国特許1,574,944号、同2,410,689号、同2,
278,947号、同2,728,668号、同3,501,313号、同3,656,9
55号、西独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56−24
937号、同55−45016号等に記載されている硫黄増感剤も
用いることができる。
硫黄増感剤の添加量は、pH、温度、ハロゲン化銀粒子
の大きさなどの種々の条件の下で相当の範囲にわたって
変化するが、目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり
約10-7モル〜約10-1モル程度が好ましい。
セレン増感剤としては、アリルイソセレノシアネート
の如き脂肪族イソセレノシアネート類、セレノ尿素類、
セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカルボン酸類
及びエステル類、セレノホスフェート類、ジエチルセレ
ナイド、ジエチルジセレナイド等のセレナイド類などを
用いることができ、それらの具体例は、米国特許1,574,
944号、同1,602,592号、同1,623,499号に記載されてい
る。更に還元増感を併用することもできる。
還元剤としては、塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ヒド
ラジン、ポリアミン等が挙げられる。
又、金以外の貴金属化合物、例えばパラジウム化合物
等を併用することもできる。
本発明に係るAgX粒子は金化合物を含有することが好
ましい。
本発明に好ましく用いられる金化合物としては、金酸
化数が+1価でも+3価でもよく、多種の金化合物が用
いられる。
代表的な例としては塩化金酸塩、カリウムクロロオー
レート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリッ
クチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラ
シアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシア
ネート、ピリジルトリクロロゴールド、金サルファイ
ド、金セレナイド等が挙げられる。
金化合物は、AgX粒子を増感させる用い方をしてもよ
いし、実質的に増感には寄与しないような用い方をして
もよい。
金化合物の添加量は種々の条件で異なるが、目安とし
てはハロゲン化銀1モル当り10-8モルから10-1であり、
好ましくは10-7モルから10-2モルである。
又これらの化合物の添加時期はAgXの粒子形成時、物
理熟成時、化学熟成時及び化学熟成終了後の何れの工程
でもよい。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサー
チ・ディスクロジャーに記載されている。
下表に関連する記載箇所を示す。
本発明には種々のカプラーを使用することができ、そ
の具体例は、上記リサーチ・ディスクロジャーに記載さ
れている。下表に関連する記載箇所を示す。
本発明に使用する添加剤は、RD308119X IVに記載され
ている分散法などにより、添加することができる。
本発明においては、前述RD17643 28頁,RD18716 647〜
8頁及びRD308119のX VIIに記載されている支持体を使
用することができる。
本発明の感光材料は、前述RD308119VII−K項に記載
されているフィルター層や中間層等の補助層を設けるこ
とができる。
本発明の感光材料には、前述RD308119VII−K項に記
載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構
成をとることができる。
本発明は、一般用もしくは映画用のカラーネガフィル
ム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルム、カラー反転
ペーパーに代表される種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。
本発明の感光材料は前述RD17643 28〜29頁,RD18716 6
47頁及びRD308119のX IXに記載された通常の方法によっ
て、現像処理することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下に全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当りのグラム
数を示す。
又、ハロゲン化銀及びコロイド銀は、銀に換算して示
した。更に増感色素はモル/銀1モルで示した。
実施例1 特開昭60−138538号に記載の方法に準じて、表−1の
沃臭化銀乳剤I〜IVを調製した。
次に、反応容器にオセインゼラチン5重量%を含む水
溶液を加え、40℃で撹拌しながら3.5N硝酸銀水溶液及び
3.5N沃化カリウム水溶液各々1モルを30分所要して定速
度で添加することにより、AgI微粒子(A)を調製し
た。この際添加中のpAgは常法のpAg制御手段で13.5に保
った。
生成した沃化銀は平均粒径0.06μmのβ−AgIとγ−A
gIの混合物であった。
同様の方法で、沃化カリウム水溶液の代わりに沃化カ
リウム・臭化カリウム混合溶液、あるいは臭化カリウム
水溶液を用いることにより、表−2に示したハロゲン組
成の微粒子ハロゲン化銀(B),(C)を調製した。
更に比較のために、沃化銀含量が30モル%の8面体、
単分散沃臭化銀粒子(D)をアンモニアの存在下でコン
トロールダブルジェット法により調製した。
沃臭化銀乳剤I〜IVを、各々最適な感度を示すよう
に、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸ア
ンモニウムを適量用いて、表−3に示す温度で化学熟成
を施した。
又、化学熟成停止剤は4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを用い、これを添加すると
同時に温度を下げた。
この化学熟成工程において、表−2の微粒子ハロゲン
化銀を添加し、本発明の化学熟成済の乳剤及び比較乳剤
を作成した。
作成した乳剤及び製造条件を表−3に示す。
表−3の乳剤のうちIV−1について、以下に示す増感
色素(SD−4,SD−6,SD−7,SD−8)をチオ硫酸ナトリウ
ムの添加の10分前に添加して、下塗りを施したトリアセ
チルセルロースフィルム支持体上に下記に示す組成の単
層カラー感光材料試料−1を作成した。
試料−1 表−3の沃臭化銀乳剤IV−1 2.0 増感色素 (SD−4) 2.1×10-5 増感色素 (SD−6) 1.2×10-4 増感色素 (SD−7) 1.0×10-4 増感色素 (SD−8) 3.4×10-6 マゼンタカプラー(M−1) 0.11 マゼンタカプラー(M−3) 0.05 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.36 ゼラチン 3.0 尚、前記添加剤の他、塗布助剤Su−1,Su−2,硬膜剤H
−1適宜添加した。
更に、試料−1の沃臭化銀IV−1をそれぞれIV−2,IV
−3,IV−7と置き換えて試料−2,試料−3,試料−4を作
成した。
以上のようにして作成した試料1〜4の各々につい
て、40℃,80%RH条件下で1週間放置したものと、製造
直後のものを準備し、日立自記分光光度計U−3210に積
分球を装着して、それぞれの試料の反射スペクトルを測
定した。いずれの試料も約560nmに吸収極大を示し、そ
のときの下塗りベースを比較とした吸光度を測定し、次
の表を得た。
表からわかるように、本発明の微粒子ハロゲン化銀を
添加した試料は、未添加の試料−1に比べて40℃80%〜
7日後の吸光度の低下が著しく減少し、増感色素の吸着
性が向上している。又、従来から知られたKI添加の試料
−4と比較しても、吸光度の低下がより小さいことがわ
かった。
次に以下に示す、多層カラー写真感光材料の第4層、
第5層、第8層、第9層、第12層の沃臭化銀乳剤を、表
−4に示すように置き換えて試料101〜111を作成した。
トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
層カラー写真感光材料試料を作成した。
第1層;ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀 0.2 UV吸収剤(UV−1) 0.23 高沸点溶媒(Oil−1) 0.18 ゼラチン 1.4 第2層;第1中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 第3層;低感度赤感性乳剤層(RL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 1.0 増感色素(SD−1) 1.8×10-5 増感色素(SD−2) 2.8×10-4 増感色素(SD−3) 3.0×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.70 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.066 DIR化合物 (D−1) 0.03 DIR化合物 (D−3) 0.01 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.64 ゼラチン 1.2 第4層;中感度赤感性乳剤層(RM) 沃臭化銀乳剤 0.8 増感色素(SD−1) 2.1×10-5 増感色素(SD−2) 1.9×10-4 増感色素(SD−3) 1.9×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.28 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.027 DIR化合物 (D−1) 0.01 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.26 ゼラチン 0.6 第5層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤 1.70 増感色素(SD−1) 1.9×10-5 増感色素(SD−2) 1.7×10-4 増感色素(SD−3) 1.7×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.05 シアンカプラー(C−2) 0.10 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02 DIR化合物 (D−1) 0.025 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.17 ゼラチン 1.2 第6層;第2中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 第7層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 1.1 増感色素(SD−4) 6.8×10-5 増感色素(SD−5) 6.2×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.54 マゼンタカプラー(M−2) 0.19 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.06 DIR化合物 (D−2) 0.017 DIR化合物 (D−3) 0.01 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.81 ゼラチン 1.8 第8層;中感度緑感性乳剤層(GM) 沃臭化銀乳剤 0.7 増感色素(SD−6) 1.9×10-4 増感色素(SD−7) 1.2×10-4 増感色素(SD−8) 1.5×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.07 マゼンタカプラー(M−2) 0.03 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 DIR化合物 (D−2) 0.018 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.30 ゼラチン 0.8 第9層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤 1.7 増感色素(SD−4) 2.1×10-5 増感色素(SD−6) 1.2×10-4 増感色素(SD−7) 1.0×10-4 増感色素(SD−8) 3.4×10-6 マゼンタカプラー(M−1) 0.09 マゼンタカプラー(M−3) 0.04 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.31 ゼラチン 1.2 第10層;イェローフィルタ層(YC) 黄色コロイド銀 0.05 色汚染防止剤(SC−1) 0.1 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.13 ゼラチン 0.7 ホルマリンスカベンジャ(HS−1) 0.09 ホルマリンスカベンジャ(HS−2) 0.07 第11層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.5 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.5 増感色素(SD−9) 5.2×10-4 増感色素(SD−10) 1.9×10-5 イェローカプラー(Y−1) 0.65 イェローカプラー(Y−2) 0.24 DIR化合物 (D−1) 0.03 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.18 ゼラチン 1.3 ホルマリンスカベンジャ(HS−1) 0.08 第12層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤 1.0 増感色素(SD−9) 1.8×10-4 増感色素(SD−10) 7.9×10-5 イェローカプラー(Y−1)… 0.15 イェローカプラー(Y−2) 0.05 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.074 ゼラチン 1.30 ホルマリンスカベンジャ(HS−1) 0.05 ホルマリンスカベンジャ(HS−2) 0.12 第13層;第1保護層(Pro−1) 微粒子沃臭化銀乳剤 0.4 (平均粒径0.08μm AgI 1モル%) 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.07 高沸点溶媒 (Oil−3) 0.07 ホルマリンスカベンジャ(HS−1) 0.13 ホルマリンスカベンジャ(HS−2) 0.37 ゼラチン 1.3 第14層;第2保護層(Pro−2) アルカリ可溶性マット剤 (平均粒径2μm) 0.13 ポリメチルメタクリレート (平均粒径3μm) 0.02 滑り剤 (WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.6 尚上記組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤Su−
2、粘度調整剤、硬膜剤H−1,H−2、安定剤ST−1、
かぶり防止剤AF−1、▲▼:10,000及び▲▼:1,
100,000の2種のAF−2を添加した。
上記試料に用いた乳剤は、下記のとおりである。平均
粒径は、立方体に換算した粒径で示した。
各乳剤は、金・硫黄増感を最適に施した。
以上のようにして作製した試料101〜111の各々につい
て、40℃,80%RH条件下で1週間放置したものと、製造
直後のものを準備し、白色光を用いてウェッジ露光した
後、下記現像処理を行った。
〔処理A〕
1. カラー現像 3分15秒 38.0±0.1℃ 2. 漂 白 6分30秒 38.0±3.0℃ 3. 水 洗 3分15秒 24〜41℃ 4. 定 着 6分30秒 38.0±3.0℃ 5. 水 洗 3分15秒 24〜41℃ 6. 安 定 化 1分15秒 38.0±3.0℃ 7. 乾 燥 50℃以下 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
(発色現像液) 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1lとする。(pH=10.0) (漂白液) エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム塩100
g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 10ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0
に調整する。
(定着液) チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
(安定液) ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ(株)製) 7.5ml 水を加えて1とする。
処理済み各試料について、赤色(R)濃度、緑色
(G)濃度、青色(B)濃度を測定し、赤色層感度、緑
色層感度、青色層感度を求めた。
尚、それぞれの感度は、最小濃度+0.4の濃度を得る
のに必要な露光量の逆数として求め、製造直後の試料10
1のR,G,B感度をそれぞれ100とした相対感度で示した。
これらの結果を表−5に示す。
表−5の結果から明らかなように、本発明の試料は高
感度、かつ高温・高湿条件下で感度低下の少ない経時保
存性の非常に優れた結果を示した。
実施例2 実施例1の試料101〜111の試料を実施例1と同様に40
℃,80%RH条件下で放置した後、現像処理方法のみ、以
下の方法(処理B)に置き換えて実施例1と同様の評価
を行った。
その結果、表−5と殆ど同一の結果が得られた。即
ち、本発明の効果は、現像処理方法の影響が殆どないと
いうことが確認できた。
〔処理B〕
処理Bは安定化タンク槽の容量の3倍の補充液が入る
までランニングを行った。
ただし、安定化処理は3槽カウンターカレントで行
い、安定化液の最終槽に補充され、その前槽にオーバー
フローが流入する方式で行った。
更に、定着槽に続く安定化槽のオーバーフローの一部
(275ml/m2)を安定槽に流し込んだ。
使用した発色現像液の組成は次の通りである。
炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.7g 亜硫酸カリウム 2.8g 臭化ナトリウム 1.3g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.2g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.6g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.3g 水を加えて1とし、水酸化カリウム又は20%硫酸を
用いてpH=10.01に調整する。
使用した発色現像補充液の組成は次の通りである。
炭酸カリウム 40g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 7g 臭化ナトリウム 0.5g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.2g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 2g 水を加えて1とし、水酸化カリウム又は20%硫酸を
用いてpH=10.12に調整する。
使用した漂白液の組成は、次の通りである。
1.3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.35モル エチレンジアモン四酢酸2ナトリウム 2g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40ml 硝酸アンモニウム 40g 水を加えて1とし、アンモニア水又は氷酢酸を用い
てpH4.5に調整する。
使用した漂白補充用液の組成は、次の通りである。
1.3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.40モル エチレンジアモン四酢酸2ナトリウム 2g 臭化アンモニウム 170g 硝酸アンモニウム 50g 氷酢酸 61ml 水を加えて1とし、アンモニア水又は氷酢酸を用い
てpH3.5にし、漂白タンク液のpHが保てるように適宜調
整する。
使用した定着液及び定着補充液の組成は次の通りであ
る。
チオ硫酸アンモニウム 100g チオシアン酸アンモニウム 150g 無水重亜硫酸ナトリウム 20g メタ重亜硫酸ナトリウム 4.0g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 1.0g 水を加えて700mlとし、氷酢酸とアンモニア水を用い
てpH=6.5に調整する。
使用した安定化液及び安定化補充液の組成は次の通り
である。
水を加えて1とし、水酸化カリウム及び50%硫酸を
用いてpH7.0に調整した。
実施例3 実施例1の表−1の乳剤IIを、最適な感度を示すよう
にチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸アン
モニウムを用いて実施例1と同様な操作で化学熟成済の
乳剤を得た。この際、実施例1の表−2にある微粒子ハ
ロゲン化銀も添加した。これらの製造条件を表−6に示
す。
尚、表−6の乳剤の化学熟成は、55℃,140分の条件で
実施した。
以下に示す多層カラー写真感光材料の第4層及び第7
層の沃臭化銀乳剤を表−7に示すように置き換えて試料
201〜210を作成した。
下引加工したトリアセチルセルロースフィルム支持体
上に、下記組成の各層を支持体側より順次塗布して多層
カラー感光材料を作成した。各成分の塗布量はg/m2で示
す。
ただし、ハロゲン化銀については、銀に換算した塗布
量で示す。
第1層(ハレーション防止層) 紫外線吸収剤U−1 0.3 紫外線吸収剤U−2 0.4 高沸点溶媒O−1 1.0 黒色コロイド銀 0.24 ゼラチン 2.0 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒O−1 0.2 ゼラチン 1.0 第3層(低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層) 赤色増感色素(S−1,S−2)により分光増感されたA
gBrI(AgI 4.0モル%,平均粒径0.25μm) 0.5 カプラーC−3 0.3 高沸点溶媒O−2 0.6 ゼラチン 1.3 第4層(高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層) 赤色増感色素(S−1,S−2)により分光増感されたA
gBrI 0.8 カプラーC−3 1.0 高沸点溶媒O−2 1.2 ゼラチン 1.8 第5層(中間層) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒O−1 0.2 ゼラチン 0.9 第6層(低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層) 緑色増感色素(S−3,S−4)により分光増感されたA
gBrI(AgI 3.5モル%,平均粒径0.25μm) 0.6 カプラーM−2 0.15 カプラーM−4 0.04 高沸点溶媒O−3 0.5 ゼラチン 1.4 第7層(高感度緑感性ハロゲン化乳剤層) 緑色増感色素(S−3,S−4)により分光増感されたA
gBrI 0.9 カプラーM−2 0.56 カプラーM−4 0.12 高沸点溶媒O−3 1.0 ゼラチン 1.5 第8層(中間層) 第5層と同じ 第9層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 0.1 ゼラチン 0.9 2.5−ジ−t−オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒O−1 0.2 第10層(低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層) 青色増感色素(S−5)により分光増感されたAgBrI
(AgI 2.5モル%,平均粒径0.35μm) 0.6 カプラーY−2 1.4 高沸点溶媒O−3 0.6 ゼラチン 1.3 第11層(高感度青感性ハロゲン化銀乳剤層) 青色増感色素(S−5)により分光増感されたAgBrI
(AgI 2.5モル%,平均粒径0.9μm) 0.9 カプラーY−2 3.5 高沸点溶媒O−3 1.4 ゼラチン 2.1 第12層:第1保護層 紫外線吸収剤U−1 0.3 紫外線吸収剤U−2 0.4 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン 0.1 高沸点溶媒O−3 0.6 ゼラチン 1.2 尚、各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1
や界面活性剤を添加した。又、カプラーの溶媒としてト
リクレジルホスフェートを用いた。
以上のようにして作製した試料201〜210の各々につい
て、55℃,70%RHの条件下で5日間放置したものと、製
造直後のものを準備し、白色光を光源としてイーストマ
ンコダック社製ラッテンフィルターW−26(赤色)及び
W−99(緑色)を装着してウェッジ露光を行った後、下
記現像処理を施した。
処理工程 処理時間 処理温度 第1現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 調 整 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 安 定 1分 常 温 乾 燥 上記処理工程に用いた処理液組成は以下の通りである 第1現像液 テトラポリ燐酸ナトリウム 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルホネート 30g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−
3−ピラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g 沃化カリウム(0.1%溶液) 2ml 水を加えて 1000ml 反転液 ニトリロトリメチレンホスホン酸・6ナトリウム塩3g 塩化第1錫(2水塩) 1g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15ml 水を加えて 1000ml 発色現像液 テトラポリ燐酸ナトリウム 3g 亜硫酸ナトリウム 7g 第3燐酸ナトリウム(2水塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90ml 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−
3−メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11g 2,2−エチレンジチオジエタノール 1g 水を加えて 1000ml 調整液 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 8g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3ml 水を加えて 1000ml 漂白液 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(2水塩) 2g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(2
水塩) 120g 臭化アンモニウム 100g 水を加えて 1000ml 定着液 チオ硫酸アンモニウム 80g 亜硫酸ナトリウム 5g 重亜硫酸ナトリウム 5g 水を加えて 1000ml 安定液 ホルマリン(37重量%) 5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 5ml 水を加えて 1000ml 現像処理済試料X−ライト社製濃度計310型でステー
タスAフィルタを用いて濃度を測定し、相対感度を求め
た。
得られた各試料について、赤分解(W−26)露光済試
料の赤色(R)濃度及び線分解(W−99)露光済試料の
緑色(G)濃度を測定し、最大発色濃度及び分解露光感
度を求めた。
尚、分解露光感度は、発色濃度1.0の濃度を得るのに
必要な露光量の逆数として求め、製造直後の試料201の
赤色光分解露光感度及び緑色光分解露光感度を、それぞ
れ100としたときの相対感度として示した。
これらの結果を表−8に示す。
表−8の結果から明らかなように、本発明の試料は、
色分解露光時の感度が高く、しかも高温・高湿条件下
で、濃度低下、感度低下が少なく経時保存性が非常に優
れていることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−244030(JP,A) 特開 昭63−89838(JP,A) 特開 平1−183417(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学熟成工程から塗布までの過程の中で、
    粒子表面のハロゲン組成がAgClaBrbIc(ただし、0≦a
    ≦1かつ0≦b≦1かつ0≦c≦0.2かつa+b+c=
    1)であるハロゲン化銀に、ハロゲン組成がAgIである
    微粒子ハロゲン化銀を添加し調整することを特徴とする
    ハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有する写真感光材料において、特許請求の範囲
    第1項記載の製造方法により製造されたハロゲン化銀乳
    剤を含有する層を少なくとも1層塗設したハロゲン化銀
    写真感光材料。
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