JPH0319503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動変速機のシフトレバー操作と連動
させた自動変速機付車両の駐車ブレーキ装置に関
する。

〈従来の技術〉 自動変速機付車両では、運転状態に応じて運転
席に設けたシフトセレクタのシフトレバー位置を
運転者が選択するようになつており、シフトレバ
ーの選択位置としては、Ｎレンジ（ニユートラ
ル），Ｐレンジ（パーキングレンジ），Ｄレンジ
（ドライブレンジ）及びＲレンジ（リバースレン
ジ）等を設けてある。

一方、かかる自動変速機付車両の従来の駐車ブ
レーキ装置は、マニユアル式変速機を使用した車
両と同じで、変速機の出力軸とプロペラシヤフト
との接続部に装着した駐車ブレーキと、運転席の
側方に設けたレバーとをワイヤを介して連結し、
レバー操作で駐車ブレーキを駆動させるようにな
つている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このため、車両を駐車する場合は、シフトレバ
ーをＰレンジに入れる操作に加えて、駐車ブレー
キを作動状態にするためのレバー操作をしなけれ
ばならず、煩わしいものであつた。

尚、駐車ブレーキ装置としては、例えば実開昭
53−63122号公報及び実開昭57−84164号公報等で
開示されているものがある。

本考案は上記の実情に鑑みてなされたもので、
変速機のシフトレバー操作に連動して自動的に作
動する駐車ブレーキ装置とすることにより、駐車
ブレーキレバーを不用にしてレバー操作の煩わし
さを解消することを目的とする。

〈問題点を解消するための手段〉 このため本考案は、自動変速機のシフトレバー
位置が駐車レンジにあることを検出する検出手段
と、該検出手段がシフトレバー位置が駐車レンジ
であることを検出したとき駐車ブレーキを作動さ
せる駐車ブレーキ駆動手段とを備えた自動変速機
付車両の駐車ブレーキ装置であつて、前記駐車ブ
レーキ駆動手段は、一側にロツドを有する往復動
自在なピストンで二室に仕切られロツド側室が圧
縮エア供給源に接続し反対側のヘツド側室に前記
ピストンを駐車ブレーキ作動方向であるロツド側
室方向に常時押圧するスプリングを備えたエアシ
リンダと、前記ピストンのロツドと駐車ブレーキ
とを連結するリンケージと、エアシリンダのロツ
ド側室と前記圧縮エア供給源とを接続するエア通
路に介装され前記検出手段がシフトレバー位置が
駐車レンジにあることを検出したとき前記ロツド
側室を大気に開放し駐車レンジ以外の位置にある
ことを検出したときロツド側室を圧縮エア供給源
に接続する通路制御弁とで構成した。

〈作用〉 上記構成において、車両駐車時に、シフトレバ
ーを駐車レンジに入れると、検出手段がこれを検
出し、その検出信号を受けて通路制御弁がエアシ
リンダのロツド側室を大気に開放する。これによ
り、ピストンがスプリングの押圧力を受けてロツ
ド室側に移動し、リンケージを介して駐車ブレー
キを自動的に作動状態とする。また、シフトレバ
ー位置が駐車レンジ以外のときには、通路制御弁
によりエアシリンダのロツド側室が圧縮エア供給
源に接続されて圧縮エアが供給される。これによ
り、スプリングの弾性力に抗してピストンがヘツ
ド側室方向に移動し、リンケージを介して駐車ブ
レーキを自動的に解除する。従つて、従来のレバ
ー操作がいらず、その煩わしさがなくなる。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を説明する。

図面は本考案の１実施例の全体構成図を示す。

図において、運転室内の運転席近傍に設置され
たシフトセレクタ１は、シフトレバー２と該シフ
トレバー２が突出する長孔３ａを有するシフトタ
ワー３とからなつている。前記シフトタワー３の
長孔３ａ側部には、各シフトレンジ位置を表示す
るＰ，Ｒ，Ｎ，Ｄ等の文字が記されている。そし
て、本実施例のシフトタワー３のＰレンジ（パー
キングレンジ）位置には、シフトレバー２が当該
Ｐレンジ位置に入つたことを検出する検出手段と
しての検出スイツチ４が装着されている。この検
出スイツチ４は、例えばシフトレバー２がＰレン
ジにあるときにOFFとなり、他のレンジにある
ときはONとなるよう構成されている。

一方、駐車ブレーキ５は、従来と同様にして変
速機６の出力軸とプロペラシヤフト（図示せず）
との接続部に装着され、そのブレーキレバー５Ａ
にはリンク７の一端が回動自由に連結されてい
る。前記リンク７の他端は、変速機６のケース側
面に回動自由に軸支されるベルクランク８の一端
に回動自由に連結されている。前記ベルクランク
８の他端は、変速機６のケース側面にブラケツト
９を介して固定したエアシリンダ１０のピストン
１１に連結するピストンロツドとしてのプツシユ
ロツド１２の先端と回動自由に連結している。従
つて、リンク７とベルクランク８とで、エアシリ
ンダ１０のプツシユロツド１２と駐車ブレーキ５
と連結するリンケージを構成している。１３はエ
アシリンダ１０のヘツド側室１０Ａに設けられる
リターンスプリングである。また、エアシリンダ
１０のロツド側室１０Ｂは圧縮エア供給源として
のエアタンク１４にエア通路１５を介して接続さ
れ、該エア通路１５に通路制御弁としての三方電
磁弁１６を介装してある。該三方電磁弁１６は検
出スイツチ４を介してバツテリ１７と直列に接続
され、消磁時にはエアシリンダ１０のロツド側室
１０Ｂを大気に開放し、励磁時には前記ロツド側
室１０Ｂをエアタンク１４に連通させる構成であ
る。従つて、前記リンク７，ベルクランク８，エ
アシリンダ１０，エアタンク１４及び三方電磁弁
１６により駐車ブレーキ５の駆動手段が形成され
ている。

次に作用を説明する。

車両を駐車させる際に、シフトセレクタ１のシ
フトレバー２をＰレンジに入れる。すると、検出
スイツチ４がOFFとなつて三方電磁弁１６が消
磁され、エアシリンダ１０のロツド側室１０Ｂ
は、三方電磁弁１６を介して大気に開放されエア
が排出されるので、リターンスプリング１３のば
ね力によつてピストン１１が図中右方に移動し、
プツシユロツド１２を介してベルクランク８が時
計方向に回転しリンク７を引つぱりブレーキレバ
ー５Ａが反時計方向に回転して、駐車ブレーキ５
は自動的に作動状態になる。

一方、車両の運転を開始するためにシフトレバ
ー２をＰレンジから他のレンジへ移動させれば、
検出スイツチ４がONとなつて、三方電磁弁１６
にバツテリー１７から電流が流れ励磁される。す
るとエアタンク１４とエアシリンダ１０のロツド
側室１０Ｂとがエア通路１５を介して連通する。
これにより、エアシリンダ１０のロツド側室１０
Ｂに圧縮空気が流入し、そのエア圧によつてピス
トン１１がリターンスプリング１３のばね力に抗
して図中左方向に移動する。かかるピストン１１
の移動によつて、プツシユロツド１２を介してベ
ルクランク８が図中反時計方向に回動し、リンク
７を介してブレーキレバー５Ａが前述とは逆の動
きとなり、駐車ブレーキ５は自動的に解除され
る。

このようにすれば、駐車及び発進する際に駐車
ブレーキ操作用のレバーを操作する必要がなくな
り、その煩わしさを解消できると共に、車両を運
転する際の運転操作も簡素化され、運転操作性が
向上する。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案によれば、自動変速機
のシフトレバー操作に連動して自動的に駐車ブレ
ーキが駆動する構成としたので、従来のような駐
車ブレーキ専用のレバー操作が不用となり、駐車
及び発進の際のレバー操作による煩わしさを解消
できる。また、運転操作の簡素化にもなり運転操
作性を向上できる。更に、駐車ブレーキの駆動を
機械アクチユエータで行い、エアシリンダ内のス
プリングで駐車ブレーキを作動状態に保持する構
成であるので、電気的なアクチユエータを用いる
のに比べて故障が少なく安定した力で駐車ブレー
キを作動状態に保持でき安定性及び信頼性が高い
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示す全体構成図であ
る。 １……シフトセレクタ、２……シフトレバー、
３……シフトタワー、４……検出スイツチ、５…
…駐車ブレーキ、７……リンク、８……ベルクラ
ンク、１０……エアシリンダ、１４……エアタン
ク、１６……三方電磁弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動変速機のシフトレバー位置が駐車レンジに
   あることを検出する検出手段と、該検出手段がシ
   フトレバー位置が駐車レンジであることを検出し
   たとき駐車ブレーキを作動させる駐車ブレーキ駆
   動手段とを備えた自動変速機付車両の駐車ブレー
   キ装置であつて、前記駐車ブレーキ駆動手段は、
   一側にロツドを有する往復動自在なピストンで二
   室に仕切られロツド側室が圧縮エア供給源に接続
   し反対側のヘツド側室に前記ピストンを駐車ブレ
   ーキ作動方向であるロツド側室方向に常時押圧す
   るスプリングを備えたエアシリンダと、前記ピス
   トンのロツドと駐車ブレーキとを連結するリンケ
   ージと、エアシリンダのロツド側室と前記圧縮エ
   ア供給源とを接続するエア通路に介装され前記検
   出手段がシフトレバー位置が駐車レンジにあるこ
   とを検出したとき前記ロツド側室を大気に開放し
   駐車レンジ以外の位置にあることを検出したとき
   ロツド側室を圧縮エア供給源に接続する通路制御
   弁とで構成したことを特徴とする自動変速機付車
   両の駐車ブレーキ装置。