JPS647385Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、指令ユニツトからの電気信号に基ず
いて変速機本体を空気圧によつて操作する変速機
の遠隔操作装置の改良に関するものである。

（従来技術） この種の遠隔操作装置は、チエンジエレバーの
切替えによつてシフト指令用の電気信号を発生
し、この電気信号に基ずいて空気シリンダを制御
して変速機本体を操作するようになつている。し
かし、この種の装置ではチエンジレバーを急速に
切替えても変速機本体は一定の速度で切替えられ
るため下り坂等でエンジンブレーキを掛るために
変速機本体を緊急に操作したい場合でも切替えに
一定時間を必要とし、緊急操作の要求に対応する
ことができない欠点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、チエンジレバーを急速に切替
えることによつて変速機本体を緊急に切替え操作
することができる変速機の遠隔操作装置を提供す
ることにある。

（考案の構成） 本考案の変速機の遠隔操作装置は、指令ユニツ
トからの電気信号に基ずいて電磁弁を介して制御
される空気シリンダに接続される大小２つの絞り
を有し通常では小さな絞り側となつている絞り切
替電磁弁を備えており、またチエンジレバーを操
作することによつて閉じられて通常指令を発生す
る通常指令スイツチとこのチエンジレバーを急速
に操作することによつて絞り切替電磁弁を大きな
絞り側に急速に切替える緊急シフト指令スイツチ
とから成つている。

（作用） 従つて、チエンジレバーをゆつくり操作する
と、通常指令のみが発生し、空気シリンダは絞り
切替電磁弁の小さな絞りを通して一定の速度で変
速機本体を切替えるが、チエンジレバーを急速に
操作すると、通常指令が発生したのちにこの通常
指令の外に緊急切替指令が発生し、絞り切替電磁
弁が大きな絞り側に切替えられて変速機本体が急
速に切替えられるので緊急の切替えに対応するこ
とができる。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
ると、第１図は本考案に係る変速機の遠隔操作装
置１０を示し、この遠隔操作装置１０は指令ユニ
ツト１２からの電気信号に基ずいて切替指令を発
生するコンピユータ等の制御手段１４を備え、こ
の指令は電磁弁１６を介して変速機本体１８の空
気シリンダ２０を制御して変速機本体１８を切替
操作する。空気シリンダ２０は空気タンク２２か
らの空気圧によつて操作される。空気シリンダ２
０には大小２つの絞り２４ａ，２４ｂを有する絞
り切替電磁弁２４が接続されている。

指令ユニツト１２は、第２図に示すように、チ
エンジレバー２６によつて変位する補助空気シリ
ンダ２８から成り、この補助空気シリンダ２８は
チエンジレバー２６の変位で摺動する２重のピス
トン３０，３２を有し、内側のピストン３０はチ
エンジレバー２６に直接係合し、外側のピストン
３２は内側ピストン３０が最終ストロークまで摺
動したのちチエンジレバー２６によつて摺動する
ようになつている。この補助空気シリンダ２８は
内側ピストン３０が最終ストロークまで摺動した
とき閉じて指令用の電気信号Ssを発生する図示
しない通常指令スイツチを有する。絞り切替電磁
弁２４は通常では小さな絞り２４ｂ側にあり、通
常指令スイツチが指令用の電気信号を発生する
と、変速機本体１８は一定の速度で切替操作され
る。補助空気シリンダ２８内に配置されたばね３
４はチエンジレバー２６の切替操作が所定の切替
位置まで移動したとき反力を与えて運転手に切替
感を付与するためのものである。この補助空気シ
リンダ２８内にはばね３４を圧縮しつつ更にチエ
ンジレバー２６を変位したとき閉じられて緊急切
替指令Suを発生する緊急シフト指令スイツチ３
６が配置されている。第１図に示すように、この
緊急切替指令Suは制御手段１４を介して絞り切
替電磁弁２４に供給され、この絞り切替電磁弁２
４は大きな絞り２４ａ側に切替えられる。

次に、本考案の変速機の遠隔操作装置１０の動
作をのべると、既にのべたように絞り切替電磁弁
２４は小さな絞り２４ｂ側にあつてチエンジレバ
ー２６を通常の速度で変位すると、通常指令スイ
ツチが閉じて指令用の電気信号Ssを発生するが、
空気シリンダ２０に接続された絞り切替電磁弁２
４は小さな絞り側にあるので変速機本体１８は一
定のゆつくりした速度で切替操作される。一方、
下り坂等で変速機を急速に切替えたいときにチエ
ンジレバー２６をばね３４に抗して急速に大きく
変位すると、通常指令スイツチが閉じて電気信号
Ssを発生するが、その後緊急シフト指令スイツ
チ３６が閉じられて緊急切替指令Suが発生する。
従つて、変速機本体１８は電気信号Ssによつて
電磁弁１６を制御するが、その後直ちに絞り切替
電磁弁２４は緊急切替指令Suによつて大きな絞
り２４ａ側に切替えられるので空気シリンダ２０
は変速機本体１８を速い速度で切替える。

第３図は本考案による緊急切替時のチエンジレ
バー２６に掛る反力が変化する状態を示し、チエ
ンジレバー２６が内側のピストン３０を最終スト
ロークまで摺動したとき電気信号Ssが発生する
と同時に外側の大きなピストン３２によつて大き
な反力となり、チエンジレバー２６が更に変位し
てばね３４を押すと、反力が更に大きくなり、そ
れと同時に緊急切替指令スイツチ３６が閉じて緊
急切替指令Suが発生する。

（考案の効果） 本考案によれば、上記のように、緊急時に指令
ユニツト内の緊急切替指令スイツチを操作するこ
とによつて変速機本体を緊急に切替えることがで
きる実益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る変速機の遠隔操作装置の
概略系統図、第２図は本考案に用いられる指令ユ
ニツトの断面図、第３図はチエンジレバーに掛る
反力の変化を示す線図である。 １０……変速機の遠隔操作装置、１２……指令
ユニツト、１６……電磁弁、１８……変速機本
体、２０……空気シリンダ、２４……絞り切替電
磁弁、２４ａ，２４ｂ……大小の絞り、２６……
チエンジレバー、２８……補助空気シリンダ、３
４……ばね、３６……緊急切替指令スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 指令ユニツトからの電気信号に基ずいて電磁
   弁を介して空気シリンダを制御して変速機本体
   を操作する変速機の遠隔操作装置において、前
   記空気シリンダは大小２つの絞りを有し通常で
   は小さな絞り側となつている絞り切替電磁弁に
   接続され、前記指令ユニツトはチエンジレバー
   の変位で閉じて通常指令用の電気信号を発生す
   る通常指令スイツチと前記チエンジレバーの急
   速な変位で前記通常指令用の電気信号が発生し
   たのちに閉じられて前記絞り切替電磁弁を大き
   な絞り側に急速に切替える緊急切替指令を発生
   する緊急シフト指令スイツチとから成つている
   ことを特徴とする変速機の遠隔操作装置。 (2) 前記指令ユニツトは前記チエンジレバーの変
   位で前記通常指令スイツチを閉じつつ摺動する
   ピストンを有する補助空気シリンダと前記補助
   空気シリンダ内に設けられて前記ピストンの変
   位を弾性的に抑制するばねとから成り、前記緊
   急シフト指令スイツチは前記ばねに抗して前記
   チエンジレバーを操作したのちに動作するよう
   に前記補助シリンダ内に配置されている実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の変速機の遠隔
   操作装置。