JPH0318222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、通常のシヤープペンシルの如く後端
ノツクで芯出しができるほか、シヤープペンシル
の先端に突出している芯管、或いは芯管から更に
突出している芯をノツクする（以下先端ノツクと
いう）ことによつて芯出しができる先端ノツク式
シヤープペンシルに関するものである。

従来より上述の如く先端ノツクにより芯出しを
行なうようなしたシヤープペンシルは、種々の態
様が知られているが、その中でも、まず先端ノツ
クにより芯管とボールチヤツク装置とを後退さ
せ、先端ノツクを解除した際、まず芯管が復帰
し、遅れてボールチヤツク装置が復帰するような
して芯を芯管より突出させるようなした先端ノツ
ク式シヤープペンシルにあつては、その遅延手段
が複雑であり、先端ノツクにより確実な芯出しを
得るには至らず、未だこの点で改善の余地が残さ
れていた。

本考案は、上述した点に鑑みなされたもので、
構造簡単にして確実に先端ノツクにより芯出しを
得ることのできる先端ノツク式シヤープペンシル
を提供せんとするものである。

以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき
詳細に説明する。

第１図において、参照符号１は前軸１ａ、中軸
１ｂ、後軸１ｃよりなる軸筒であつて、前軸１ａ
には、前軸１ａの先端孔２より突出し得る芯管３
並びに芯Ｌに僅かな弾性を付与するゴム等の芯保
持体４を備えるスライダー５がスプリング等の弾
撥体６により前方に付勢し摺動自在に内装されて
いる。７は前記スライダー５の後方に摺動自在に
配置されたボールチヤツク装置であつて、このボ
ールチヤツク装置７は、芯Ａを挟持せる２つ割等
のチヤツク体８と、このチヤツク体を後方に付勢
するスプリング等の弾撥体９と、チヤツク体８の
外面のボール受座８ａに配置するボール１０と、
傾斜したボール受内面１１ａを有するチヤツク作
動体１１とよりなる。前記チヤツク作動体１１の
前部外面には、チヤツク作動体１１の後退量を規
制する鍔部１１ｂとその後方位置に溝１１ｃが設
けられており、この溝１１ｃにはＯリング等の係
止体１２が配置されている。１３は後部にノツク
キヤツプ（図示せず）を備える軸筒１に摺動自在
に内装された芯収納管であつて、この芯収納管１
３は、芯収納管１３の前部外面の溝１３ａに配置
されたＯリング等の係止体１４を介して、前記チ
ヤツク作動体１１の後部に係止されている。１５
は、前記チヤツク作動体１１に摺動自在に外嵌さ
れ、その前進量をチヤツク作動体１１の外面の段
部１１ｄに規制される受具１６と、芯収納管１３
の後退量を規制する芯収納管１３の外面の鍔部１
３ｂとの間に張架されたスプリング等の弾撥体で
ある。

次に、上記構成としたシヤープペンシルの先端
ノツクによる芯出し動作を説明する。

始めに芯Ａは第１図の如く、閉じたチヤツク体
８の内面に阻止され、その先端は芯管３の先端と
面一の状態にあるとする。第２図の如く芯管３を
紙面等に押しつけると、スライダー５、ボールチ
ヤツク装置７及び芯Ａはともに後退することにな
る。これらの後退量Ｌはチヤツク作動体１１の鍔
部１１ｂが中軸１ｂの前端と当接することにより
規制される。ちなみに芯収納管１３はその後退を
鍔部１３ａに規制されていて停止状態を保つ。つ
ぎに第３図の如く芯管３を紙面から離す。スライ
ダー５はＬだけ圧縮変形を受けた弾撥体６の復帰
力で何の制約も受けず復帰する。この復帰の際、
芯Ａは芯保持体４の保持力によりチヤツク体８よ
り芯管９の先端と面一状態のまま引き出される。
一方ボールチヤツク装置７をＬだけ圧縮変形を受
けた弾撥体１５の復帰力により復帰しようとする
が、チヤツク作動体１１の係止体１２の摩擦係止
力並びに芯収納管１３の係止体１４の摩擦係止力
の和が弾撥体１５の復帰力よりも僅か小となるよ
うに設定されているが、前述したように各々の係
止体１２，１４の摩擦係止力によりボールチヤツ
ク装置７は後退位置に一時係止され、スライダー
５の復帰よりも遅れて復帰する。この復帰の際、
芯Ａはチヤツク装置７のチヤツク体８に挟持され
チヤツク装置７とともに前進することになり、再
びＬだけ引き出されることになるので、第４図の
如く、スライダー５の芯保持体４を通り抜け芯管
３の先端よりＬだけ突出する。この動作を行なえ
ば先端ノツクにより芯出しを行なうことができる
訳だが、本実施例の場合は繰返し先端ノツクを行
なつても芯Ａは芯管３より一定長さ以上突出する
ことはない。これは弾撥体６の復帰力が芯保持体
４の芯保持力よりも強く設定している為で、逆に
弾撥体６の復帰力よりも芯保持体４の芯保持力を
強く設定すれば、先端ノツクにより芯Ａを必要長
さだけ芯管３より突出させることができる。ちな
みに後端ノツクによる芯出しは以下の通りであ
る。第１図の状態より芯収納管１３の後部のノツ
クキヤツプ（図示せず）を指先で押圧し、弾撥体
１５の弾撥力に抗して芯収納管１３を前進させる
と、この芯収納管１３と係止するボールチヤツク
装置７はチヤツク作動体１１の先端が前軸１ａの
内段と当接するまで芯Ａとともに前進し、芯Ａは
スライダー５の芯保持体４を通り抜ける芯管３の
先端よりＭだけ突出する。更にノツクキヤツプを
押圧してもチヤツク作動管１１は前進することが
できないので、芯収納管１３のみが芯収納管１３
の係子体１４の摩擦係止力に抗して前進し、チヤ
ツク体８の後端と当接して僅かに押圧して停止す
る。次いでノツクキヤツプの押圧を解除すると、
この状態を維持したまま芯収納管１３とチヤツク
装置７は芯Ａをスライダー５の芯保持体４に残し
たまま後退する。この動作を繰り返すことによつ
て必要とする長さだけ芯管３より芯Ａを突出させ
ることができる。

以上の説明から明らかなように、本考案ではチ
ヤツク作動体の係止体の軸筒内面との係止力と芯
収納管の係止体のチヤツク作動体との係止力の和
を、チヤツク装置に対する弾撥体の復帰力よりも
僅か小となるようなしたので、従来のように複雑
な構造を必要とせず、先端ノツクによる芯出しが
確実に行なえる点で優れている。

尚、実施例においては係止体１２，１４として
各々Ｏリングでなしたものを示したが、突部をチ
ヤツク作動体、芯収納管各々と一体に形成して係
止体となしたり、耐久性を考慮しＯリングの代り
に板バネを配置し係止体となしたり、磁性体をＯ
リングの代わりとし係止体となしたりする等、
種々係止手段を採用できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
要部縦断面図、第２図及至第４図は動作説明図で
ある。 １……軸筒、２……先端孔、３……芯管、４…
…芯保持体、５……スライダー、６……弾撥体、
７……ボールチヤツク装置、８……チヤツク体、
９……弾撥体、１１……チヤツク作動体、１２…
…係止体、１３……芯収納管、１４……係止体、
１５……弾撥体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒１の先端孔２より突出し得る芯管３並びに
   芯保持体４を備えたスライダー５を弾撥体６によ
   り前方に付勢し、該スライダー５の後方に、弾撥
   体９により後方に付勢されるチヤツク体８と該チ
   ヤツク体８を縮径せるチヤツク作動体１１との間
   にボール１０を設けてなるボールチヤツク装置７
   と、該ボールチヤツク装置７と連動する芯収納管
   １３との間に弾撥体１５を張架し、前記ボールチ
   ヤツク装置７と芯収納管１３は摺動自在に軸筒１
   に内装してなるシヤープペンシルにおいて、チヤ
   ツク動作体１１の後退時における軸筒１との対応
   した位置での前記チヤツク作動体１１に設けた係
   止体１２の係止力と、芯収納管１３とチヤツク作
   動体１１との対応した位置での前記芯収納管１３
   に設けた係止体１４の係止力の和が前記ボールチ
   ヤツク装置７に対する弾撥体１５の復帰力よりも
   僅か小となるようなしたことを特徴とする先端ノ
   ツク式シヤープペンシル。