JPS6227431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤツプ式シヤープペンシルに関
し、より詳細には、キヤツプを軸筒に止着するこ
とにより自動的に芯出しが行なえるようにしたキ
ヤツプ式シヤープペンシルに関する。

従来のキヤツプ式シヤープペンシルは、先端を
保護できること、携帯に便利であることなどの実
用的効果を具有するシヤープペンシルとして知ら
れているが、使用する際、キヤツプを軸筒の後部
に止着した後に芯出し操作を行なわなければなら
ず、使用に際し、キヤツプの離脱と芯出しの二操
作を必要とするため、操作上の煩わしさにおい
て、未だ改善の余地が残されていた。

そこで、本考案は、キヤツプ式シヤープペンシ
ルのキヤツプ本体とシヤープペンシル本体に工夫
を施こすことにより、キヤツプ本体をシヤープペ
ンシル本体の前部および後部に止着する際、自動
的に芯出しが行なえ、直ちに筆記可能となるキヤ
ツプ式シヤープペンシルを提供するにある。

以下、本考案を添付図面に基づき詳細に説明す
る。

第１図は、本考案の第１実施例を示すもので、
Ａはシヤープペンシル本体を示す。参照符号１
は、樹脂、金属などよりなる軸筒であつて、この
軸筒１内方には、後部にノツクキヤツプ２が被嵌
され、前部に三ツ割チヤツクなどの芯把持手段３
が連接された芯収納筒４が、後述する摺動体６の
後端面との間に設けられ筆記時に芯Ｌを把持する
に足りる弾撥力を有するコイルスプリングなどよ
りなる弾撥部材５により、後方に付勢し配置され
ている。参照符号６は、前記弾撥部材５により前
方に付勢し配置された樹脂、金属などよりなる摺
動体であつて、この摺動体６の内部には、前記芯
把持手段３の前部が開閉並びに移動可能な空洞部
７が設けられている。前記摺動体６は、前方にゴ
ムなどよりなる芯戻り止め部材８を有し、又、後
方の凹部にはリングなどよりなる締部材９を遊嵌
している。

Ｂはキヤツプ本体を示す。参照符号１０は、後
部に透孔を有する帽筒であつて、この帽筒１０内
面には、後述する押圧体１３の突出部１４と係合
する段状の係止部１１を有し、外方に拡開可能に
スリツト１２が設けられた円筒状の開閉部材１２
が一体に形成されている。更に帽筒１０内には、
その前方に前記係止部１１と係合する突出部１４
を有し、先端面中心に芯Ｌの径より僅かに大きな
孔１３ａを有する押圧体１３が、前記帽筒１０と
押圧体１３との間に設けられたコイルスプリン
グ、マグネツトなどよりなる弾撥部材１５によ
り、前方に付勢し配置されている。

本考案において、開閉部材１２は、第２図に示
すように、帽筒１０と別体に設けたり、第３図に
示すように、板バネなどよりなる板状の弾性体に
加工を施こし、帽筒１０内面に取りつけるように
することもできる。

次に、第４図乃至第７図により本考案の第１実
施例の動作並びに作用効果の説明を行なう。

帽筒１０を軸筒１の後部に止着すると、先ず、
押圧体１３の先端面とノツクキヤツプ２とが当接
し、押圧体１３が僅かに後退することにより、開
閉部材１２の係止部１１と押圧体１３の外方突出
部１４とが係合する。この動作とともに、開閉部
材１２の先端部が軸筒１の後端部外周に若干乗り
上げ拡開するが、係止部１１と外方突出部１４が
係合状態を保つ間後退が阻止されるため、ノツク
キヤツプ２が前方に押圧されることとなり、芯収
納筒４の前部に連接された芯把持手段３が、弾撥
部材５の弾撥力に抗して前進し、芯Ｌを所定長さ
繰り出した後拡開する（第４図参照）。

更に、止着すると、開閉部材１２の先端部が軸
筒１の後端部外周に完全に乗り上げ拡開するた
め、係止部１１と外方突出部１４との係合が解か
れ、押圧体１３が弾撥部材１５の弾撥力に抗して
後退し、芯把持手段３が弾撥部材５の弾撥力によ
つて復帰した後、帽筒１０の突部１６と軸筒１の
凹部１７が嵌合止着する（第５図参照）。

帽筒１０を軸筒１の前部に止着すると、先ず、
押圧体１３の先端面と摺動体６の先端が当接し、
押圧体１３が僅かに後退した後、係止部１１と外
方突出部１４が係合する（第６図参照）。

更に、止着すると、押圧体１３の後退が係止部
１１と外方突出部１４との係合により阻止されて
いるため、摺動体６が、弾撥部材５の弾撥力に抗
して後退する。この後退とともに、摺動体６の後
方に配置された締部材９も後退するため、芯把持
手段３が、芯Ｌを孔１３ａ内に所定長さ繰り出し
た後拡開し、拡開状態で空洞部７内を相対的に移
動する。この動作の後に、帽筒１０の突部１６と
軸筒１の凹部１７が嵌合止着する（第７図参
照）。

このように、キヤツプ本体Ｂをシヤープペンシ
ル本体Ａの前，後部に止着することで各々１回の
ノツク操作が行なわれることになる。

次に第２実施例を説明する。

本実施例は、押圧体１１３の前方に係止部１１
１並びに外面にスリツト１１２ａを有する開閉部
材１１２を設け、帽筒１１０内に突出部１１４を
設け、更に、軸筒１０１の後端面にテーパー状の
開閉部１０１ａを設けた点で前実施例と異なる
が、開閉部材１１２を、その係止部１１１と帽筒
１１０の突出部１１４並びに軸筒１０１の開閉部
１０１ａとの協働により縮径し、係止部１１１と
突出部１１４との係脱を行なうようにすることが
できるので前述せる実施例同様、キヤツプ本体を
シヤープペンシル本体の前，後部に止着すること
で各々１回のノツク操作が行なわれることにな
る。

以上の如く、本考案によれば、筆記終了後、キ
ヤツプ本体Ｂをシヤープペンシル本体Ａの前部に
止着して収納する際に１回のノツク操作が行なわ
れ、更に、キヤツプ本体Ｂをシヤープペンシル本
体Ａの後部に止着して筆記状態とする際に１回の
ノツク操作が行なわれることになるので、使用す
る際、自動的に２回のノツク操作が行なわれ、キ
ヤツプ本体Ｂ止着後、直ちに筆記可能となる、従
来のキヤツプ式シヤープペンシルの操作上の煩わ
しさを解消したキヤツプ式シヤープペンシルを提
供することができる。又、本考案は、キヤツプ本
体Ｂをシヤープペンシル本体Ａの前部に嵌合止着
する際（第７図参照）、芯Ｌは芯戻り止め部材８
の弾性圧のみで支持されるため、携帯時の芯折れ
防止という効果をも具有するものである。

尚、本考案において、キヤツプ本体とシヤープ
ペンシル本体との止着手段は、嵌合止着のみなら
ず種々採用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例を示す縦断面
図、第２図、第３図、第８図は他の実施例を示す
要部縦断面図、第４図乃至第７図は、本考案の第
１実施例の動作説明図である。 １……軸筒、３……芯把持手段、４……芯収納
筒、５……摺動体、６……弾撥部材、８……芯戻
り止め部材、１０……帽筒、１１……係止部、１
２……開閉部材、１３……押圧体、１３ａ……
孔、１４……突出部、１５……弾撥部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒と、この軸筒の先端部内に、筆記時、芯を
   把持するに足りる弾撥力を有する弾撥部材により
   前方に付勢し配置され、内部に芯戻り止め部材を
   有する摺動体と、この摺動体にその前部が配置
   し、前記弾撥部材により後方に付勢し配置された
   芯把持手段と、この芯把持手段の後方に連接され
   た後部にノツクキヤツプを被嵌せる芯収納筒より
   なるシヤープペンシル本体と；後部に透孔を有す
   る帽筒と、この帽筒内に、前記弾撥部材より弾撥
   力の小さい弾撥部材により前方に付勢し配置さ
   れ、先端面に孔を有する押圧体とよりなるキヤツ
   プ本体とよりなり、前記帽筒もしくは、押圧体の
   何れか一方に突出部を、又、他方に前記突出部と
   係脱し得る係止部を有する開閉部材を設け、キヤ
   ツプ本体をシヤープペンシル本体の前部に止着す
   る際、摺動体を押圧体に当接して後退させ、芯把
   持手段を相対的に移動させて芯を孔内に繰り出せ
   るようなし、又キヤツプ本体をシヤープペンシル
   本体の後部に止着する際、開閉部材が軸筒後端部
   によつて拡開或いは縮径されて係止部の突出部と
   の係合を解かれる迄に、ノツクキヤツプを押圧体
   で前方に押圧し芯把持手段を前進させて芯を繰り
   出せるようなしたキヤツプ式シヤープペンシル。