JPH0318096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アンダーフロアー空調システムにお
いて使用されるアンダーフロアー空調システム用
空調機に関する。

〔従来の技術〕

近時、事務用のビル等では、床下に空間を形成
し、この空間に暖気あるいは冷気を供給し、これ
等の暖気あるいは冷気を床面に形成される吹出口
から室内に噴出し、室内の空調を行なうアンダー
フロアー空調が行なわれている。

第５図は、従来のアンダーフロアー空調システ
ムを示すもので、このシステムでは、空調機１１
からの暖気あるいは冷気は、フロアパネル１３の
下部に形成される空間１５を通り、フロアパネル
１３に形成されるアンダーフロアー空調用吹出口
１７から室内１９に噴出し、室内１９の空調が行
なわれる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のアンダーフロ
アー空調システムに配置される空調機１１は、空
調機１１のケーシング２１の上部から吸い込んだ
気流をケーシング２１の下部からフロアパネル１
３下方の空間１５に向けて吹き出すだけであり、
冬期の暖気空調と夏期の冷気空調のように空調条
件が全く異なる場合にも、循環気流の適切な制御
を行なうことができず、室内環境の向上を図る上
で限度があるという問題があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記のような問題を解決するためにな
されたもので、空調条件に応じて循環気流の最適
制御を容易に行なうことのできるアンダーフロア
ー空調システム用空調機を提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明にかかわるアンダーフロアー空調システ
ム用空調機は、ケーシング内にフアンと熱交換器
とを収容し、前記ケーシングの上部に上部吹出・
吸込口を開口するとともに、前記ケーシングのフ
ロアパネル下方となる位置に床下吹出口を開口し
てなるアンダーフロアー空調システム用空調機に
おいて、前記ケーシングの下部のフロアパネル上
方となる位置に床上吹出吸込口を開口するととも
に、この床上吹出吸込口と前記フアン入口側との
連通路および前記床上吹出吸込口と前記熱交換器
の出口側との連通路に第１および第２のダンパを
それぞれ設け、さらに、前記上部吹出・吸込口と
前記熱交換器出口側との連通路および前記上部吹
出・吸込口と前記フアン入口側との連通路に第３
および第４のダンパをそれぞれ設けたものであ
る。

〔発明の作用〕

本発明においては、例えば、夏期における冷気
空調時には、第１のダンパおよび第３のダンパが
開、第２のダンパおよび第４のダンパが閉とされ
る。

これにより、室内の冷気は、床上吹出吸込口か
ら空調機内に流入し、第１のダンパを通りフアン
に吸い込まれ、フアンから吹き出された気流は、
熱交換器により冷却され、その一部が床下吹出口
に噴出され、残りの冷気は、第３のダンパを通り
上部吹出・吸込口から室内に吹き出される。

すなわち、冷気空調時には、フロアパネル近傍
の比較的温度の低い冷気が空調機内に取り込ま
れ、熱交換器によりさらに冷却された後、空調機
上部の比較的温度の高い部分に吹き出されること
となる。

一方、冬期における暖気空調時には、第１のダ
ンパおよび第３のダンパが閉、第２のダンパおよ
び第４のダンパが開とされる。

これにより、室内の暖気は、上部吹出・吸込口
から空調機内に流入し、第４のダンパを通りフア
ンに吸い込まれ、フアンから吹き出された気流
は、熱交換器により加熱され、その一部が床下吹
出口に噴出され、残りの暖気は、第２のダンパを
通り床上吹出吸込口から室内に吹き出される。

すなわち、暖気空調時には、空調機上部の比較
的温度の高い暖気が空調機内に取り込まれ、熱交
換器によりさらに加熱された後、空調機下部の比
較的温度の低い部分に吹き出されることとなる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の詳細を図面に示す一実施例につ
いて説明する。

第１図は、本発明のアンダーフロアー空調シス
テム用空調機の一実施例を示すもので、図におい
て符号２３は、フリーアクセス型のフロアパネル
を示している。

このフロアパネル２３の下方には、床スラブ２
５が配置されており、フロアパネル２３と床スラ
ブ２５との間の空間２７がダクトとされている。

床スラブ２５の上面には、空調機２９のケーシ
ング３１が載置されている。

このケーシング３１内には、フアン３３および
熱交換器３５が収容されている。

すなわち、フアン３３は、ケーシング３１の中
央上部に形成されるフアン室３４内に収容されて
おり、フアン室３４の下面には、フアン３３の吹
出口３７が開口している。そして、この吹出口３
７の下方には、冷温水コイルあるいは冷媒コイル
等の熱交換器３５が配置されている。

ケーシング３１の上部には、上部吹出・吸込口
３９が形成されており、また、ケーシング３１の
フロアパネル２３下方となる位置には、床下吹出
口４１が形成されている。

しかして、この実施例では、ケーシング３１の
下部のフロアパネル２３上方となる位置には、床
上吹出吸込口４３が形成されている。

そして、この床上吹出吸込口４３とフアン室３
４入口側との連通路４５には、第１のダンパ４７
が配置されている。また、床上吹出吸込口４３と
熱交換器の出口側との連通路４９には、第２のダ
ンパ５１が配置されている。

さらに、上部吹出・吸込口３９と熱交換器３５
出口側との連通路５３には、第３のダンパ５５が
配置され、上部吹出・吸込口３９とフアン室３４
入口側との連通路５７には、第４のダンパ５９が
それぞれ配置されている。

なお、この実施例では、第１ないし第４のダン
パ４７，５１，５５，５９は、それぞれ、リニア
ー特性を有する電動気密ダンパからなつている。
また、図において、符号６１はフイルタを、符号
６３は点検用板を、符号６５はドレンパンを示し
ている。

以上のように構成されたアンダーフロアー空調
システム用空調機では、例えば、夏期における冷
気空調時には、第１のダンパ４７および第３のダ
ンパ５５が開、第２のダンパ５１および第４のダ
ンパ５９が閉とされる。

これにより、室内の冷気は、図に実線の矢符で
示すように、床上吹出吸込口４３から空調機２９
内に流入し、第１のダンパ４７を通りフアン３３
に吸い込まれ、フアン３３から吹き出された気流
は、熱交換器３５により冷却され、その一部が床
下吹出口４１に噴出され、残りの冷気は、第３の
ダンパ５５を通り上部吹出・吸込口３９から室内
に吹き出される。

すなわち、冷気空調時には、フロアパネル２３
近傍の比較的温度の低い冷気が空調機２９内に取
り込まれ、熱交換器３５によりさらに冷却された
後、空調機２９上部の比較的温度の高い部分に吹
き出されることとなる。

これにより、冷気空調時における室内の温度分
布を均一化することが可能となり、また、効率的
な冷房を行なうことが可能となる。

一方、冬期における暖気空調時には、第１のダ
ンパ４７および第３のダンパ５５が閉、第２のダ
ンパ５１および第４のダンパ５９が開とされる。

これにより、室内の暖気は、上部吹出・吸込口
３９から空調機２９内に流入し、第４のダンパ５
９を通りフアン３３に吸い込まれ、フアン３３か
ら吹き出された気流は、熱交換器３５により加熱
され、その一部が床下吹出口４１に噴出され、残
りの暖気は、第２のダンパ５１を通り床上吹出吸
込口４３から室内に吹き出される。

すなわち、暖気空調時には、空調機２９上部の
比較的温度の高い暖気が空調機２９内に取り込ま
れ、熱交換器３５によりさらに加熱された後、空
調機２９下部の比較的温度の低い部分に吹き出さ
れることとなる。

これにより、暖気空調時における室内の温度分
布を均一化することが可能となり、また、効率的
な暖房を行なうことが可能となる。

また、以上述べた実施例では、第１のダンパな
いし第４のダンパ４７，５１，５５，５９に、リ
ニアー特性を有する電動気密ダンパを用いたの
で、ペリメータ処理とインテリア処理用の風量を
任意に調節することが可能となる。

第２図および第３図は、以上のように構成され
たアンダーフロアー空調システム用空調機をウオ
ールスルー型のパツケージに適用した例を示すも
ので、これ等の図において第１図と共通する部分
には同一符号が付されている。

この例では、空調機２９のケーシング３１に隣
接して外部空気取り込み兼用の室外機６７が配置
されている。この室外機６７のケーシング６９内
には、冷媒コイル７１、フアン７３およびコンプ
レツサー７５が収納されている。また、空調機２
９のフアン室３４への連通路には、外部空気７７
の取り込み量を調節するためのダンパ７９が配置
されている。

すなわち、ダンパ７９の開度を制御することに
より、ダンパ７９を通り空調機２９のフアン室３
４内に取り込まれる外部空気７７の量と、室外機
６７側に流れる外部空気７７の量とが有効に制御
される。

なお、第２図および第３図において、符号８１
は窓を、符号８３は壁を、符号８５は吹出口を示
している。

第４図は、第１図に示したアンダーフロアー空
調システム用空調機をフアンコイルユニツトに適
用した例を示すもので、この例では、外部空気の
処理は、別の場所において行なわれる。また、ケ
ーシング３１には、一端を冷温水ヘツダーに接続
される配管８７の他端が接続されている。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明では、ケーシングの
下部のフロアパネル上方となる位置に床上吹出吸
込口を開口するとともに、この床上吹出吸込口と
フアン入口側との連通路および床上吹出吸込口と
熱交換器の出口側との連通路に第１および第２の
ダンパをそれぞれ設け、さらに、上部吹出・吸込
口と熱交換器出口側との連通路および上部吹出・
吸込口とフアン入口側との連通路に第３および第
４のダンパをそれぞれ設けたので、空調条件に応
じて循環気流の最適制御を容易に行なうことがで
きるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のアンダーフロアー空調システ
ム用空調機の一実施例を示す縦断面図、第２図は
第１図のアンダーフロアー空調システム用空調機
をウオールスルー型パツケージに適用した例を示
す斜視図、第３図は第２図の平面図、第４図は第
１図のアンダーフロアー空調システム用空調機を
フアンコイルユニツトとして用いた例を示す斜視
図、第５図は従来のアンダーフロアー空調システ
ムを示す縦断面図である。 ２３……フロアパネル、３１……ケーシング、
３３……フアン、３５……熱交換器、３９……上
部吹出・吸込口、４１……床下吹出口、４３……
床上吹出吸込口、４７……第１のダンパ、５１…
…第２のダンパ、５５……第３のダンパ、５９…
…第４のダンパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケーシング内にフアンと熱交換器とを収容
   し、前記ケーシングの上部に上部吹出・吸込口を
   開口するとともに、前記ケーシングのフロアパネ
   ル下方となる位置に床下吹出口を開口してなるア
   ンダーフロアー空調システム用空調機において、
   前記ケーシングの下部のフロアパネル上方となる
   位置に床上吹出吸込口を開口するとともに、この
   床上吹出吸込口と前記フアンの入口側との連通路
   および前記床上吹出吸込口と前記熱交換器の出口
   側との連通路に第１および第２のダンパをそれぞ
   れ設け、さらに、前記上部吹出・吸込口と前記熱
   交換器出口側との連通路および前記上部吹出・吸
   込口と前記フアン入口側との連通路に第３および
   第４のダンパをそれぞれ設けたことを特徴とする
   アンダーフロアー空調システム用空調機。