JPH0317979B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、縦葺屋根の屋根板などの面板を接続
する装置に関するものである。

〔従来技術及びその解決すべき課題〕

従来、屋根板接続装置として、特開昭58−
173247号公報に示されているものが知られてい
る。この屋根板接続装置は、第１図に示すよう
に、内層材である野地板１に、支持金具２の起立
部２ａ下端の側方に突出した取付部２ｂを固定
し、支持金具２の起立部２ａの中間部両側に突出
した下突条部２ｃに、接続される一対の屋根板３
の側縁立上り部４中間に形成した嵌合部４ａを外
側から嵌合させ、前記支持金具２の起立部２ａの
上部および前記立上り部４の上部を覆い板５で覆
い、この覆い板５を支持金具２の起立部２ａの上
端部両側に突出した上突条部２ｄに係止し、覆い
板５の外側を化粧カバー６で覆い、化粧カバー６
の両側先端部に形成した係合部６ａを支持金具２
の上、下突条部２ｄ，２ｃおよびこれらの間に位
置する起立部２ａと覆い板５の側板５ａで囲まれ
た内部で、一対の屋根板３の立上り部４の上部に
設けた係合部４ｂに係合させたものである。

しかし、この屋根板接続装置は、覆い板５と化
粧カバー６をかしめ機などで塑性変形させる必要
があるために、作業性に問題があると共に、支持
金具２の起立部２ａが板状であつたために強度的
にも問題があつた。

〔発明の開示〕

本発明は、前述した従来のものの問題を解決し
て、組立時に塑性変形させることをなくして作業
性をよくし、また支持金具に溝を設けて剛性など
の強度を大きくし、主要部品数を増加させること
なく、屋根板などの面板を強固に接続できる建物
の面板接続装置を提供することを目的としてい
る。

この目的を達成するために、本発明による建物
の面板接続装置は、取付部材の外側面または取付
部材の外側面に設けた内層材の外側面に支持金具
を支持させ、支持金具を固定具で前記取付部材ま
たは内層材に固定し、支持金具に形成した外側に
開口する溝の側壁両外側に突起部を突出させ、こ
れらの突起部に接続される一対の面板の側縁立上
り部中間に形成した嵌合部を外側から嵌合支持さ
せ、前記支持具の溝に押え金具の溝部を嵌め、押
え金具を支持金具に外側から支持させて支持金
具、内層材および取付部材の少くとも１つに固定
し、押え金具の溝部両側に突出させたほぼ逆Ｕ字
状の押え部と溝部の側壁の間に前記一対の面板の
嵌合部より側縁寄りに形成した折返し彎曲部を嵌
め、これらの彎曲部を前記押え部で内側に押付
け、前記押え金具の溝部および押え部を金属板カ
バーで外側から覆い、この金属板カバーの両側部
に形成した係合部を一対の面板の嵌合部に外側か
ら弾性係合させ、嵌合部を内側に押付けたことを
特徴としている。

以下、本発明の一実施例につき第２図乃至第４
図を参照して説明する。

第２図乃至第４図において、１１はアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金のような金属の押出形
材からなる支持金具、１２は亜鉛メツキ鋼板、塗
装鋼板、アルミニウム板、鋼板などの金属板の成
形品からなる屋根板等の面板、１３は支持金具１
１と同材質の押え金具、１４は面板１２と同材質
の金属板カバーである。

前記支持金具１１は、下端が直角に屈曲した１
対の脚１１ａの上端が溝１１ｂの底１１ｃと一体
に固定され、溝１１ｂの上方が開口し、溝１１ｂ
の側壁１１ｄ外側面の上下方向中間部から斜め外
下方に突起部１１ｅが突設され、側壁１１ｄ内側
面には断面直角三角形の係止凸部１１ｆが突設さ
れている。

面板１２は、両側に側縁立上り部１５が形成さ
れ、この立上り部１５は、斜め上方に突出する下
部１５ａに屋根板中央側に突出する嵌合部１５ｂ
が形成され、嵌合部１５ｂ上に上部が断面ほぼ逆
Ｕ字形の折返し彎曲部１５ｃが形成されている。

押え金具１３は、断面ほぼＨ形の主体１３ａに
設けた仕切壁１３ｈ下方の下溝部１３ｂ側方の側
壁１３ｃ外側面に断面直角三角形の係止凹部１３
ｄが形成され、上溝部１３ｅ側方の側壁１３ｃ上
端部からこれと共に断面ほぼ逆Ｕ字を構成するよ
うに押え部１３ｆが外方に突出して形成され、押
え部１３ｆ内側面にストツパ突起１３ｇが形成さ
れている。

金属板カバー１４は、上板１４ａの中央部に凹
溝１４ｂが形成され、上板１４ａの両側端から垂
下する側板１４ｃに外側に半円状に突出する係合
部１４ｄが形成され、係合部１４ｄの下に斜め外
下方に突出する傾斜部１４ｆが設けられ、内側に
あざ折り部１４ｅが形成されている。

前述した各部材を有する接続装置で屋根板は次
のようにして接続されている。Ｃ形鋼からなる母
屋すなわち取付部材１６上に野地板である内層材
１７が敷設されている。内層材１７は木毛板など
の断熱性、耐火性、遮音性を有する材料で構成さ
れている。前記内層材１７上に支持金具１１の脚
１１ａが支持され、支持金具１１は、上方から溝
１１ｂの底１１ｃ、内層材１７、取付部材１６の
上壁１６ａを貫通するボルト１８ａと、ボルト１
８ａの下端部に締付けられたナツト１８ｂとから
なる固定具１８で、内層材１７を介して取付部材
１６に固定されている。接続される一対の屋根板
１２，１２の側縁立上り部１５，１５の上下方向
中間に形成された嵌合部１５ｂが支持金具１１の
突起部１１ｄに外側から嵌合支持されている。押
え金具１３の主体１３ａが上方から支持金具１１
の溝１１ｂに圧入嵌合され、側壁１１ｄが弾性変
形されてこれらの係止凸部１１ｆと押え金具１３
の係止凹部１３ｄが係合されることにより、押え
金具１３が支持金具１１に対して位置決め固定さ
れる。また、押え金具１３の仕切壁１３ｈ、支持
金具１１の溝１１ｂの底１１ｃ、内層材１７、取
付部材１６の上壁１６ａを上方から貫通するボル
ト１９ａと、ボルト１９ａの下端部に締付けられ
たナツト１９ｂとからなる固定具１９で、押え金
具１３が支持金具１３、内層材１７を介して取付
部材１６に固定されている。これと共に、押え金
具１３の押え部１３ｆ、と側壁１３ｃの間に面板
１２，１２の折返し彎曲部１５ｃが嵌合され、こ
れらの彎曲部１５ｃが押え部１３ｆで下側に押付
けられている。なお、前記彎曲部１５ｃの端が押
え金具１３のストツパ突起１３ｇに当接されるこ
とで、彎曲部１５ｃは過剰に下側に押付けられる
ことがない。また、押え部１３ｆ，１３ｆの下端
は面板１２，１２の嵌合部１５ｂ上に圧接され
る。上方から金属板カバー１４の凹溝１４ｂが押
え金具１３の上溝部１３ｅに遊嵌されて、金属板
カバー１４で押え金具１３の上溝部１３ｅ上およ
び押え部１３ｆ外側が覆われると共に、金属板カ
バー１４の両側板１４ｃに設けた係合部１４ｄが
面板１２，１２の嵌合部１５ｂに外側から弾性係
合され、係合部１４ｄで嵌合部１５ｂ，１５ｂが
内方に押付けられている。

本実施例の接続装置は、以上のように構成され
ており、内層材１７上に支持されて取付部材１６
に固定された支持金具１１に対する面板１２，１
２および押え金具１３の係合、支持および押え金
具１３に対する金属板カバー１４の係合、支持が
圧入嵌合であり、かしめ機などを用いて塑性変形
させる部材がなく、面板１２，１２の対向する側
縁立上り部１５，１５を接続できるので、組立時
の作業性がよく、前述した従来のものと主要部品
数が同じであり、構造を複雑にしない。

また、本実施例の接続装置は、支持金具１１が
１対の脚１１ａと溝１１ｂの側壁１１ｄを持つＨ
形に近い断面であり、幅が広いために剛性などの
強度が大きく、面板１２，１２を強固に接続固定
できる。さらに、押え金具１３，１３の押え部１
３ｆで面板１２，１２の折返し彎曲部１５ｃが覆
われていると共に、金属板カバー１４の係合部１
４ｄ、傾斜部１４ｆが面板１２，１２の嵌合部１
５ｂ、立上り部１５の下部１５ａ外側面に当接さ
れ、嵌合部１５ｂが支持金具１１の突起部１１ｄ
と押え金具１３の押え部１３ｆで内、外側から挾
着されていることで、面板１２，１２の確実な固
定ができる上に、面板１２，１２の立上り部１５
と支持金具１１、押え金具１３の当接部、および
押え金具１３と金属板カバー１４との当接部の合
計数が多く、これらの当接部間には毛細管現象を
起さない大きさの隙間があるために、雨水などの
侵入を確実に防止できる。

第５図乃至第７図は本発明の互に異る他の実施
例を示す。

第５図に示す実施例は、支持金具１１に脚を設
けることなく、溝１１ｂの底１１ｃを内層材１７
に直接固定すると共に、支持金具１１と押え金具
１３を係止する係止凸部と係止凹部を省略したも
のである。

第６図に示す実施例は、支持金具１１の脚およ
び支持金具と押え金具１３の係止凸部と係止凹部
を第５図のものと同様に省略し、金属板の曲げ加
工品からなる支持金具１１の側壁１１ｄ上端部に
突起部１１ｅを設け、支持金具１１の側壁１１ｄ
上方に長く突出する押え金具１３の側壁１３ｃに
上、下仕切壁１３ｉ，１３ｊを設け、上方の仕切
壁１３ｉに固定具１９のボルト１９ａ頭部を支持
させたものである。

第７図は、押え金具１３の側壁１３ｃ下端を支
持金具１１の溝１１ｂの底１１ｃと離間させ、押
え金具１３の側壁１３ｃ下端部に設けた外向きの
係止凸部１３ｋを支持金具１１の側壁１１ｄ内面
に設けた係止凹部１１ｇに係止させたものであ
る。

なお、第５図乃至第７図に示す実施例の前述し
た以外の構成は、第２図乃至第４図に示すものと
同様であるから、これらの図と同符号を第５図乃
至第７図に付して説明を省略する。

第８図、第９図は、金属板カバーの互に異る変
形例を示し、第８図に示すものは、上板１４ａを
平坦面とし、第９図に示すものは上板１４ａを山
形面とし、ともに凹溝をなくしたものである。な
お、第８図、第９図に示す金属板カバーの前述し
た以外の構成は、第２図乃至第４図に示す実施例
の金属板カバーと同様であるから、これらの図と
同符号を第８図、第９図に付して、説明を省略す
る。

また、第１０図に示すように、本発明では、ね
じ棒２０ａの中間部に支持金具１１に支持される
ナツト２０ｂを固定または螺合し、ねじ棒２０ａ
の両端部に取付部材１６、押え金具１３に締付け
られるナツト２０ｃ，２０ｄを螺合させた固定具
２０を用いてもよく、この固定具２０は、支持金
具と押え金具を取付部材に対し１組で固定でき
る。

本発明において、押え金具は支持金具、内層材
および取付金具の少くとも１つに固定すればよ
く、この場合に第２図乃至第４図に示す実施例で
は、押え金具の固定具１９は省略できる。本発明
において、支持金具は内層材に木ねじのような固
定具で脚の内層材に支持されている部分をこの内
層材に固定することも、第２図乃至第４図の実施
例では可能である。

また、本発明において、接続装置の組立順序は
適宜変更でき、支持金具、押え金具は長尺材とし
て使用し、または短尺に切断して使用し、あるい
は一方を長尺材、他方を短尺にして使用してもよ
い。

さらに、以上の説明は、縦葺き屋根の屋根板の
接続について行つたが、本発明は、建物の外壁板
を接続する場合など、建物の面板の接続に広く適
用でき、内層材を用いることなく支持金具を取付
部材に直接支持固定してもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明による建物の面板
接続装置は、取付部材または取付部材に支持され
た内層材に固定する支持金具、および支持金具に
支持された面板を押える押え金具を両方とも、溝
および溝部を有する幅が広いものとしたので、支
持金具および押え金具を剛性などの強度の大きい
ものにすることができ、面板の強固で確実な固定
ができると共に、装置の組立時にかしめ機などを
用いて塑性変形させる部品がなく、弾性変形する
ものがあるだけなので、作業性がよく、高所作業
でも危険性も少く、さらに、前述した従来ものに
比べて、主要部品数を増加させることがなく、構
造が複雑にならず、防水性の点でも遜色がないと
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の建物の面板接続装置を示す断面
図、第２図は本発明の一実施例の断面斜視図、第
３図は同断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面
図、第５図乃至第７図は本発明の互に異る他の実
施例をそれぞれ示す断面図、第８図および第９図
は本発明による互に異る金属板カバーの変形例を
それぞれ示す断面図、第１０図は本発明による固
定具の変形例を示す正面図である。 １１……支持金具、１１ａ……脚、１１ｂ……
溝、１１ｃ……底、１１ｄ……側壁、１１ｅ……
突起部、１１ｆ……係止凸部、１２……面板、１
３……押え金具、１３ｂ，１３ｅ……溝部、１３
ｃ……側壁、１３ｄ……係止凹部、１３ｆ……押
え部、１４……金属板カバー、１４ａ……上板、
１４ｂ……凹溝、１４ｄ……係合部、１５……側
縁立上り部、１５ａ……下部、１５ｂ……嵌合
部、１５ｃ……折返し彎曲部、１６……取付部
材、１７……内層材、１８，１９，２０……固定
具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 取付部材の外側面または取付部材の外側面に
   設けた内層材の外側面に支持金具を支持させ、支
   持金具を固定具で前記取付部材または内層材に固
   定し、支持金具に形成した外側に開口する溝の側
   壁外側に突起部を突出させ、これらの突起部に接
   続される一対の面板の側縁立上り部中間に形成し
   た嵌合部を外側から嵌合支持させ、前記支持具の
   溝に押え金具の溝部を嵌め、押え金具を支持金具
   に外側から支持させて支持金具、内層材および取
   付部材の少くとも１つに固定し、押え金具の溝部
   両側に突出させたほぼ逆Ｕ字状の押え部と溝部の
   側壁の間に前記一対の面板の嵌合部より側縁寄り
   に形成した折返し彎曲部を嵌め、これらの彎曲部
   を前記押え部で内側に押付け、前記押え金具の溝
   部および押え部を金属板カバーで外側から覆い、
   この金属板カバーの両側板に形成した係合部を一
   対の面板の嵌合部に外側から弾性係合させ、嵌合
   部を内方に押付けたことを特徴とする建物の面板
   接続装置。 ２ 支持金具および押え金具は、金属の押出し形
   成品からなる特許請求の範囲第１項に記載の建物
   の面板接続装置。 ３ 支持金具および押え金具は、ボルト、ナツト
   からなる固定具で取付部材に固定した特許請求の
   範囲第１項または第２項に記載の建物の面板接続
   装置。 ４ 支持金具および押え金具を取付部材に固定す
   る固定具は、共通のボルトに支持金具用ナツトお
   よび押え金具用ナツトをそれぞれ締付けたもので
   ある特許請求の範囲第３項に記載の建物の面板接
   続装置。 ５ 支持金具の突起部は溝の側壁中間部外側か
   ら、押え金具の押え部は溝部の側壁上端からそれ
   ぞれ突出させた特許請求の範囲第２項、第３項ま
   たは第４項に記載の建物の面板接続装置。 ６ 押え金具の押え部は、先端部が面板の嵌合部
   上に当接するものである特許請求の範囲第４項に
   記載の建物の面板接続装置。 ７ 押え金具は、溝部の側壁外面に形成した係止
   部を支持金具の溝の側壁内面に形成した係止部に
   強制嵌合させて、支持金具に位置決め固定した特
   許請求の範囲第２項、第３項、第４項、第５項ま
   たは第６項に記載の建物の面板接続装置。 ８ 面板の折返し彎曲部は断面ほぼ逆Ｕ字形に形
   成してある特許請求の範囲第５項、第６項または
   第７項に記載の建物の面板接続装置。 ９ 金属板カバーは、押え金具の溝に嵌まる凹溝
   が形成してある特許請求の範囲第１項、第２項、
   第３項、第４項、第５項、第６項、第７項または
   第８項に記載の建物の面板接続装置。