JPH0317236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、各種の電気・エレクトロニクス機
器の配線に好適なフレキシブル印刷配線板（以
下、FPCという）に係り、特に、フレキシブル
印刷配線板の製造途中におけるメツキリード部分
の分離技術に関するものである。

「従来の技術」 周知のとおり、FPCは屈曲可能な薄いベース
フイルム上に印刷配線を施したもので、実装スペ
ースの節約や信頼性の向上に役立ち、コンピユー
タ関連機器、オーデイオ製品、通信機器等に広く
利用されている。

このFPCの製造過程は次のとおりである。

ベースフイルムに銅箔を接着してなるフレキ
シブル銅張板の銅箔面上に、最終的に残すべき
回路導体を保護するレジスト皮膜を、スクリー
ン法またはフオト法により形成する。

エツチングにより、不要部分の導体を除去す
る。

レジスト皮膜を剥離して洗浄、乾燥する。

各種表面処理を行う。すなわち、回路導体に
金メツキ、半田メツキなどを施した後、この回
路導体を保護するためのフラツクスを塗布する
（プリフラツクス処理）。

外形加工ならびに穴加工を行う。すなわち、
１枚のベースフイルム上に同時に多数枚形成さ
れた基板を１枚１枚切り離し、穴加工などの加
工をする。

検査、出荷を行う。

従来、このようなFPCの製造過程、上記の
表面処理終了後ないしの切り放し作業までの間
の工程において、メツキリード部分の分離作業が
実施される。

第１図イに示すように、ベースフイルム１に接
着された銅箔の不要部分をエツチングすることに
よつて、ベースフイルム１の上に、複数枚の
FPC分の回路導体２と、その端子３と、メツキ
リード４とが形成され、かつ、各回路導体２はメ
ツキリード４によつて一括接続されている。

メツキリード４の部分は、上述した金などの電
気メツキを行う際に、端子３ならびに回路導体２
に直流電流を供給するためのもので、電気メツキ
終了後に、回路導体２の検査（絶縁検査等）に先
立つて、端子３とメツキリード４との直線状の接
続部分（破線５で示す部分）に、第１図ロに示す
ように、パンチ穴５を明けることによつて切断さ
れる。

そして、この検査終了後、上記の外形加工が
行われ、各FPCは第１図の一点鎖線のところで
切離され製品化される。

「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、パンチ穴５を端子３とメツキリ
ード４との接続箇所に明ける方法であると、作業
時間がかかりかつ正確さが要求されるなどの欠点
があり、また、切つたはずのメツキリード４の一
部がつながつたまま残ることもあつて、正常な製
品が検査時に絶縁不良と判定されてしまうという
こともあつた。

この発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、FPCの製造途中において、回路導体とメツ
キリード部分との分離を容易かつ確実に行い、
FPCの製造工程の短縮化を図るものである。

「課題を解決するための手段」 この目的を達成するために、この発明では、ベ
ースフイルムに接着された銅箔の不要部分をエツ
チングして、回路導体とその端子とメツキリード
とを形成してなるフレキシブル印刷配線板であつ
て、相互平行に配された複数の端子と、その端部
を一括接続するメツキリードとの接続箇所に、複
数の端子とメツキリードとを分離させるＶ溝型の
切れ込みを、端子と直交する方向にかつベースフ
イルムに食い込ませた状態に形成してなるフレキ
シブル印刷配線板としている。

「作用」 Ｖ溝型の切れ込みをベースフイルムに食い込む
ように形成すると、銅箔部分とベースフイルムの
一部とがそれぞれ塑性変形して、銅箔部分、つま
り、端子とメツキリードとの部分が分離して、電
気絶縁性が生じる。

また、Ｖ溝型の切れ込み後にあつて、ベースフ
イルムおよびメツキリードの部分は、回路導体の
部分と一体化状態を保持しており、その後の製造
工程に利用される。

「実施例」 以下、この発明に係るフレキシブル印刷配線板
の一実施例を第２図イないし第２図ニに基づいて
説明する。

これらの図において、符号６は先端部に断面Ｖ
字形の刃型を有するビツク刃型、７は切断位置、
８は切れ込みである。

工程順に説明すると、第２図イに示すように、
ベースフイルム１に回路導体２と、相互平行に配
された複数の端子３とすべき部分と、各端子３を
一括接続するためのメツキリード４とが形成され
ている場合、端子３とメツキリード４との接続箇
所（言い替えると切断位置７）に、第２図ロに矢
印で示すように、ビツク刃型６を交差させ、回路
導体２およびベースフイルム１を圧接して、銅箔
部分（回路導体２）を塑性変形させることによつ
てその切断を行うとともに、ベースフイルム１の
一部に食い込ませることによつて、この部分にも
塑性変形を生じさせ、その後、第２図のニに矢印
で示すように、ビツク刃型６を上方に離間させる
と、形成されたＶ溝型の切れ込み８が残される。

該切れ込み８は、第２図ハに示すように、平行
状態の端子３の長手方向と直交する方向（切断位
置７で示す直線の方向）に形成され、第２図ハに
示す切断長ｌが、各端子３の幅寸法l′より十分大
きくなるように設定される。

この設定によつて、切断時において、端子３の
長手方向およびその直交方向の位置ずれや、切断
方向の角度ずれが生じた場合にも、切断範囲の各
端子３を確実に分離させ、その後に実施される絶
縁検査等の検査の信頼性を向上させることができ
る。

端子３とメツキリード４との部分を分離させた
状態にあつても、メツキリード４の部分は、回路
導体２とともに、ベースフイルム１に対して一体
化状態を維持しており、その後、前述のの残り
の工程やの工程において、１枚のフイルム材料
として、同時に各処理がなされる。

「発明の効果」 以上説明したように、この発明に係るフレキシ
ブル印刷配線板は、ベースフイルムの上に相互平
行に配された複数の端子と、その端部を一括接続
するメツキリードとの接続箇所に、Ｖ溝型の切れ
込みを、端子と直交する方向にかつベースフイル
ムに食い込ませた状態に形成してなるものとして
いるから、端子とメツキリードとの間に間隙が生
じて、電気的分離が確実に行われるものとなり、
回路パターンの検査の信頼性の向上を図ることが
でき、かつ、FPCが切り離されるまでの製造工
程の間、ベースフイルムに回路導体やメツキリー
ドを一体化状態に維持して、FPCの一括製造を
行うことができる。

また、切り込みの形成は、Ｖ字形刃型を各端子
に圧接させて切り分けることにより行い得るの
で、メツキリードの分離作業を効率良く実施する
ことができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来のメツキリード切断方法の
工程を説明するための平面図、第２図はこの発明
に係るフレキシブル印刷配線板の一実施例を示す
もので、イは加工前の状態を示す平面図、ロはビ
ツク刃型と切断位置との関係を示す断面図、ハは
加工後の状態を示す平面図、ニは加工後の状態を
示す断面図である。 １……ベースフイルム、２……回路導体、３…
…端子、４……メツキリード、５……パンチ穴、
６……ビツク刃型、７……切断位置、８……切れ
込み。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベースフイルム１に接着された銅箔の不要部
   分をエツチングして、回路導体２とその端子３と
   メツキリード４とを形成してなるフレキシブル印
   刷配線板であつて、相互平行に配された複数の端
   子と、その端部を一括接続するメツキリードとの
   接続箇所に、複数の端子とメツキリードとを分離
   させるＶ溝型の切れ込み８を、端子と直交する方
   向にかつベースフイルムに食い込ませた状態に形
   成してなることを特徴とするフレキシブル印刷配
   線板。