JPH0316907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、比較的狭い場所における掘削、旋
回、ダンプへの積込み等の一連作業を容易にする
ために小旋回仕様に構成された油圧式パワーシヨ
ベル、即ち小旋回シヨベルに関するものである。

（従来の技術） 近年、特に住宅地内等の狭い道路および比較的
に交通量の多い都市道路等においては、道路を全
面閉鎖したり片側路線のみを閉鎖して、例えば
上、下水道工事の掘削、旋回、ダンプ積込みなど
の一連の作業が必要となり、小旋回仕様の油圧式
パワーシヨベル即ち小旋回シヨベルが使用されて
おり、該小旋回シヨベルの従来例は、第４図に示
すように上部旋回体１の前部に揺動可能に枢着さ
れているブーム２の下面側にブラケツト４（小旋
回用）を固着し、該ブラケツト４と上部旋回体１
の前端部間にブーム操作用のブームシリンダ３を
ピン枢着によつて連結した構造とし、図示のよう
にブームシリンダ３によつてブーム２を直立状態
にして該ブームの先端部に連設されているアー
ム、作業機をほぼ上部旋回体１上にし、上部旋回
体１の旋回によつて小回り旋回ができる構造にな
つている。

また、第５，６図に示すように上部旋回体１の
前部に枢着されているブーム２の下面側にブラケ
ツト４を固着するとともに、上部旋回体１の前端
部にブラケツト６をピン７枢着とボルト８等によ
つて着脱可能に固着して、前記ブラケツト４と前
記ブラケツト６間にブーム操作用のブームシリン
ダ３をピン７枢着によつて連結した小旋回仕様の
構造のものも使用されている。

（従来技術の問題点） 従来の前記小旋回シヨベルにおいては、ブーム
シリンダ３を前記のように連結した構造にして、
該ブームシリンダによつて第４，５図に示すよう
にブーム２を直立状態にしアーム、作業機をほぼ
上部旋回体１の上側に配置して小旋回、走行がで
きるようにしている点で有利であるが、前記ブー
ムシリンダの限られたストロークによつて作業機
の下降が制限され、標準仕様のパワーシヨベルに
比べて掘削深さが浅くなる欠点があり、また、掘
削深さを確保するためにはその都度ブームシリン
ダのピン枢着位置を変えることが必要となつて非
能率的である。

（考案の目的、問題点の解決手段） 本案は、従来の小旋回シヨベルにおける前記の
ような問題点に対処するための考案であつて、上
部旋回体の前部に、下面を長辺とした略台形状の
リンクをその上部のピンで揺動自在に枢着し、該
リンクの揺動後端部と前記旋回体間に略水平のリ
ンク揺動用シリンダを連結すると共に、前記リン
クの揺動上部にブームの基端部を枢着し、該ブー
ムと前記リンクの揺動前端部間にブームシリンダ
を連結した構成に特徴を有し、ブームの基端部お
よび該ブームに連結されているブームシリンダの
上部旋回体側を、リンク揺動用シリンダによつて
前後方向に揺動操作されるリンクの揺動上部およ
び揺動前端部に連結することにより、小旋回性能
とともに深掘りをも可能にして操作性能を向上さ
せ前記のような従来の問題点を解消した小旋回シ
ヨベルを供する点にある。

（考案の実施例） 第１図に本考案の一実施例を示しており、図中
１は下部走行体上に旋回操作自在に装備された上
部旋回体であつて、該上部旋回体１の前部にはピ
ン９によつてリンク１０が枢着され、該リンク１
０は下辺を長辺としたほぼ台形状に形成され、ピ
ン９を中心として揺動され、その揺動後端部と旋
回体１に固設したブラケツト１４，１４との間に
略水平のブーム揺動用シリンダ１２，１２が、そ
の両端部のピン１３，１５によつて連結されてい
るとともに、ブーム２の基端部をリンク１０の揺
動上部にピン１６で枢着し、ブーム２の下面側に
固設されているブラケツト４とリンク１０の揺動
先端部（図示の下部左端側）とにブーム起伏操作
用のブームシリンダ３の両端部をピン１７，１１
によつて枢着した連結した構成になつている。

（作用） 本考案の実施例は、前記のような構成になつて
いるのでリンク揺動用シリンダ１２，１２を伸長
させると、リンク１０の揺動前端部が第３図に示
すように上部旋回体１の前方に揺動され前方かつ
上方へ移動されるため、ブームシリンダ３の下端
部即ちピン１１枢着部が同じく前方かつ上方へ移
動された位置にセツトされるとともに、ブーム２
の基端部もリンク１０の揺動上部により後方へ移
動セツトされて、ブームシリンダ３によるブーム
２の直立姿勢さらには後方への操作（第３図鎖線
位置）、ブーム２の先端部に連設されているアー
ムおよび作業機の上部旋回体１上への移動操作が
無理なく極めて容易となつて、優れた小旋回操作
性能が得られる。

また、リンク揺動用シリンダ１２，１２を短縮
させると、リンク１０の揺動前端部、揺動上部
が、第１図に示すように上部旋回体１側即ち後方
へ揺動されて後方かつ下方へ移動、前方へ移動さ
れるため、ブームシリンダ３の下端部即ちピン１
１枢着部が同じく後方かつ下方へ移動されまたブ
ーム２の基端部が前方へ移動された位置にセツト
されて（第３図実線位置）、前記ブームシリンダ
３の移動、ブーム基端部の移動によつてブーム２
が前方へ傾斜した姿勢に無理なくセツトされるこ
とになり、ブームシリンダ３の短縮によつて作業
機を前記ブーム２の傾斜相当分だけさらに地中へ
深く進出させることが可能となつて、従来の標準
仕様のシヨベル同様にさらにはそれ以上の深掘り
作業ができる。

さらに、前記リンク揺動用シリンダ１２の操作
は運転席から行なうことができ、前記小旋回と深
掘りの切換え操作を円滑に行なうことができる。

（考案の効果） 前述のように本考案においては上部旋回体１の
前部に、下面を長辺とした略台形状のリンク１０
を、その上部のピン９で揺動自在に枢着し、該リ
ンク１０の揺動後端部と前記旋回体１間に略水平
のリンク揺動用シリンダ１２，１２を連結すると
共に、前記リンク１０の揺動上部にブーム２の基
端部を枢着し、該ブーム２と前記リンク１０の揺
動前端部間にブームシリンダ３を連結したもので
あるからリンク揺動用シリンダ１２，１２によつ
てリンク１０の揺動前端部、揺動上部を前後方向
に揺動操作しブームシリンダ３、ブーム基端部の
位置を変えて小旋回性能を高めかつ深掘りを可能
として極めて容易に操作できシヨベル性能ととも
に作業能率が著しく向上され、また小旋回時にバ
ケツトが揺れてバケツト内の土砂が落下してもリ
ンク揺動用シリンダ１２，１２は上部旋回体１上
の後部に位置していること、および底辺が長辺の
台形状リンク１０のためリンク揺動用シリンダ１
２，１２の伸縮量が小さいのでその損傷を免れる
ことが可能である等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す小旋回シヨベ
ルの側面図、第２図は第１図の−部分の断面
図、第３図は第１図の作動状態を示す要部側面
図、第４図は従来の小旋回シヨベルを示す側面
図、第５図は従来の他例を示す側面図、第６図は
第５図の部分の拡大詳細図である。 １：上部旋回体、２：ブーム、３：ブームシリ
ンダ、９，１１，１３，１５，１６，１７：ピン
（枢着部）、１０：リンク、１２：リンク揺動用シ
リンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部旋回体の前部に、下面を長辺とした略台形
   状のリンクをその上部のピンで揺動自在に枢着
   し、該リンクの揺動後端部と前記旋回体間に略水
   平のリンク揺動用シリンダを連結すると共に、前
   記リンクの揺動上部にブームの基端部を枢着し、
   該ブームと前記リンクの揺動前端部間にブームシ
   リンダを連結したことを特徴とする小旋回シヨベ
   ル。