JPH03168140A - 歯列矯正ブラケット及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く産業上の利用分野〉 本発明は、美観上優れたアルミナセラミックからなる歯
列矯正ブラケットに関する。

〈従来の技術〉 近年、単結晶サファイア（米国特許第 ４．８８９．２１８号明細書）やアルミナセラミックス
（米国特許４，２１９．６１７号明細書）を材料とする
歯列矯正ブラケットが開発されている。

く発明が解決しようとする課題〉 これらのアルミナセラミックスは、剛性に優れており、
ブラケットとワイヤー間の滑りは良い。しかし、単結晶
サファイア製の歯列矯正ブラケットは、切削加工によっ
て製作するはかなく、高価なものとなる。粉末原料を使
用する場合は射出成形法によって所望の形状に成形し、
焼成して製造することができるが、口内に装着して美観
をもたせるために透光性を高くしたものは強度に劣り、
強度に優れたものは透光性に劣るという傾向がある。焼
結によって製造されたものであって、この透光性および
強度の両者に優れたものはまだ知られていない。

本発明は、上記欠点を改善するために、すなわち、強度
および美観両面において優れ、かつ、金属とのすべりも
よく、矯正効果が十分得られる透光性セラミック質ブラ
ケットを提供するものである。

く課題を解決するための手段〉 本発明の歯列矯正ブラケットは、アルミナを９９．９ｗ
ｔ％以上含有し、平均粒径１．８　〜３．０　ｐｍの結
晶で構成され、厚さ１　＋ｎ＋＋＋の試料を透過する波
長６００ｎｍの光の透過率が５％以上であり、かつ曲げ
強度が５０ｋｇ／ａ＋ｓ２以上である透光性アルミナセ
ラミックスからなることを要旨とするものである。また
、本発明の歯列矯正用ブラケットの製造方法は、単粒子
の平均径０．２μｍ以下及び純度９９．９ｗｔ％以上の
アルミナ粉末を所望の形状に理論密度の５５％以上の嵩
密度になるように成形し、この戊形体を１３００−１４
００℃で理論密度の９８％以上に焼結し、次いでこの焼
結体を１４００−１５５０℃かつ５００気圧以上の条件
下で熱間静水圧プレス（以下、ＨＩＰという）処理する
ことを要旨とするものである。

歯列矯正ブラケットの製作は、焼結体を切削加工するか
、あるいは、鋳込成形法または射出成形法によってブラ
ケット形状の成形体とし、脱バインダー後焼成してえら
れたブラケット形状の焼結体とし、表面を研磨すること
によって行える。しかし、鋳込成形法によって歯列矯正
ブラケットのように複雑な形状のものに成形することは
実質上不可能であり、プレス成形によるものの焼結体を
切削するのは生産性がわるいだけでなく、製品の光透過
率および強度のいずれの点でも射出成形法によるものに
劣る。

本発明を以下詳細に説明する。

本発明においてアルミナ含有率が上記範囲を下回ると粒
界に不純物が析出した構造のものとなり、それに基づく
光散乱のために上記粒径範囲での透光性の発現は困難と
なる。また、焼結体粒径が上記範囲を上回ると十分な強
度が得られす、下回ると光透過率５％以上のものとなり
えない。ブラケット用素材には高い透光性と高い機械的
強度が要求される。光透過率が上記範囲を下回ると、口
内に装着した状態における美観が劣ることとなる。強度
が上記範囲を下回ると、ブラケット内の狭い溝をワイヤ
ーで締め付ける使用条件により装着中にブラケットが破
壊する恐れがある。

従来、アルミナは１５００℃以上で焼結されていたが、
このように高い温度で焼結すると、粒径が大きく強度の
小さい焼結体しかえられない。

本発明では、ＨＩＰ処理の前に１３００〜１４００℃で
焼結することによってＨＩＰ処理によってえられる製品
の粒径を１．８〜３．０μｍとすることを可能とするも
のである。また、ＨＩＰ処理によって空孔を除くには、
理論密度の９８％以上にま５ で密度を上げておく必要がある。そして、成形体を１３
００〜１４００℃で理論密度の９８％以上のものに焼結
するために、出発原料の純度および単粒子の径ならびに
成形時の嵩密度を上記の範囲のものにする必要がある。

成形時の嵩密度を高くするには、凝集性の小さいアルミ
ナ粉末を選択すればよい。上記各条件がそれらの範囲外
でも、より高温で焼結を行うと理論密度９８％以上のも
のをうることができるが、粒或長してしまって上記の粒
径範囲１．８〜３．０μｍの焼結体が得られないことと
なるのである。また、原料中の不純物は粒界に析出して
製品の透光性を損うことともなるので、原料のアルミナ
の純度は９９．９ｗｔ％以上でなければならない。高い
透光性を得るために、ＨＩＰ処理をする必要がある。こ
の処理温度が上記範囲に満たないと、空孔が残って透光
性の不十分なものかえられ、その範囲をこえると、製品
における粒径が３．０μｍをこえて強度が不十分となる
。加圧条件は５００気圧以上であれば効果に差は見られ
ない。雰囲気はアル６ ゴンか酸素が望ましい。

く発明の効果〉 本発明の透光性アルミナ製ブラケットは、剛性にも優れ
、また、金属ワイヤーとの滑りもよいため、充分な歯列
矯正効果をあげる。さらに、透光性を有して美観上すぐ
れており、強度も高いため装着中に破壊することなく、
患者の心理的苦痛が著しく軽減される。もちろん、唾液
等によって侵蝕されることなく、人体に無害である。本
発明の製造方法によれば、この歯列矯正ブラケットを容
易に製造することができる。

く実施例〉 実施例１ アルミナ微粉末（大明化学製タイミクロンＴＭ−ＤＡＲ
，純度９９．９９ｗｔ％，単粒子の平均径約０．１μｍ
　以下Ａ粉末と略す）に熱可塑性樹脂を主体とした有機
バインダーを加えて粉末体積率５６％のコンパウンドと
し、このコンパウンドを図１に示す形状に射出成形した
。

このようにして得た成形体を脱脂後、大気中て１３５０
℃で焼結した。

以上のようにして得られた焼結体をＨＩＰ処理した。こ
の処理は、１５００℃、圧力ｌ５００気圧でアルゴン雰
囲気中で１時間行った。この焼結体をバレル研磨処理を
施して、透光性アルミナ製歯列矯正ブラケットを得た。

図１中、長手方向の溝が矯正ワイヤーを通す溝である。

物性測定例１〜６　比較測定例１〜６ アルミナ微粉末２種（Ａ粉末と住友化学製ＡＫＰ３０、
純度９９．９９ｗｔ％，単粒子の平均径約０．２μｍ（
以下Ｂ粉末と略す）と）を用いて或形法、焼結温度なら
びにＨＩＰ処理の温度および圧力を表１に示す条件で焼
結し、得られた各焼結体についてＪＩＳ　Ｒ　１６０１
−１９８１に従って３点曲げテストを行い強度を測定し
た。さらに試料厚さ１　ｍｍの光透過率（波長λ−８０
０ｎｍ）も測定を行った。得られた結果を第１表に示す
。

また、焼結体組織の例として物性測定例１でえた焼結体
の破断面の走査型電子顕微鏡写真を第２図に示す。この
結果から、本発明の製造方法、とくにその方法において
成形を射出成形法で行なってえたものが歯列矯正ブラケ
ットとして優れていることがわかる。

９

【図面の簡単な説明】

図１は、実施例１で作製した歯列矯正ブラケットの外観
図である。図２は、物性測定例１のアルミナセラミック
スの破断面の結晶構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）アルミナを９９．９ｗｔ％以上含有し、平均粒径
   １．８〜３．０μｍの結晶で構成され、厚さ１ｍｍの試
   料を透過する波長６００ｎｍの光の透過率が５％以上で
   あり、かつ曲げ強度が５０ｋｇ／ｍｍ＾２以上である透
   光性アルミナセラミックスからなることを特徴とする、
   歯列矯正用ブラケット。
2. （２）単粒子の平均径０．２μｍ以下及び純度９９．９
   ｗｔ％以上のアルミナ粉末を所望の形状に理論密度の５
   ５％以上の嵩密度になるように成形し、この成形体を１
   ３００−１４００℃で理論密度の９８％以上に焼結し、
   次いでこの焼結体を１４００−１５５０℃かつ５００気
   圧以上の条件下で熱間静水圧プレス処理することを特徴
   とする、歯列矯正ブラケットの製造方法。
3. （３）アルミナ粉末を射出成形法で成形する、請求項（
   ２）記載の方法。