JPH0316572B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

＜技術分野＞ 本発明は、食品等を加熱するための電子レンジ
や電気ヒータ等の加熱器に関する。 ＜従来技術＞ 従来のセンサーでガス、湿度或いは熱を検知し
調理仕上り状態を制御回路で制御する電子レンジ
では、第５図ａの電子レンジの加熱調理時間とセ
ンサー出力との関係を示す線図、第５図ｂの加熱
調理時間とマグネトロンのパワーレベルとの関係
を示す線図の如く、センサーの出力が制御回路に
食品の質と量毎に予め決められ記憶された仕上り
判定値Ｈを越えるまでの期間T1は、できるだけ
高いパワーレベルｐ１（例えば70％）で加熱調理
し、追い加熱時間T2は低いパワーレベルｐ２
（例えば50％）で調理を仕上げていた。 しかし、この様に二段階しかパワーレベルを切
換えしない電子レンジで冷凍ハンバーガーパーテ
イーを解凍調理しても、電子レンジの均一加熱性
能が顕著に表われ、電界強度が強い部分に置かれ
た被加熱物は過加熱気味に仕上り、電界強度の弱
い部分に置かれた被加熱物は全く未加熱で生とな
る。この一例として、第４図の様に配置された六
個のハンバーガーパーテイーＡ〜Ｆを従来の電子
レンジで調理した時の仕上り温度を表１に示す。

【表】 ハンバーガーの仕上りはメデイアムで65℃〜70
℃に仕上げるのが理想であるが、従来の電子レン
ジでは、表１の様に40℃〜83℃までの巾があり、
良い仕上りを得ることができなかつた。 ＜目的＞ 本発明は、複数の冷凍ハンバーガーパーテイー
の如き冷凍被加熱物のすべてをほぼ均一に加熱解
凍できる加熱器の提供を目的としている。 ＜実施例＞ 以下、本発明の一実施例を第１〜４図に基づい
て説明する。第１図ａは電子レンジの加熱調理時
間とセンサー出力との関係を示す線図、第１図ｂ
は加熱調理時間とマグネトロンのパワーレベルと
の関係を示す線図、第２図は制御回路のブロツク
図、第３図は電子レンジの電気回路図、第４図は
冷凍ハンバーガーパーテイーの配置図である。そ
してこれらの図に示す如く、本発明加熱器である
電子レンジは、加熱庫内（または加熱庫より排出
される排気中）に含まれるガス、水蒸気或いは熱
等を検知するためのガスセンサー、湿度センサー
或いは温度センサー（サーミスタ）等のセンサー
１と、被加熱物の調理条件を入力する入力手段１
５と、前記センサー１の出力信号に従つて調理条
件に応じた被加熱物の仕上り状態を演算しマグネ
トロン２等の加熱源を制御するマイクロコンピユ
ータからなる制御回路３とを具え、加熱開始時点
ｔ１とセンサー１が被加熱物の質と量に基づいて
決まる仕上り判定値Ｈを検知する仕上り状態検知
時点ｔ２との間の期間T1に前記加熱源であるマ
グネトロン２のパワーレベルを大から小に次に大
へ切換える機能、すなわち高圧トランスをON・
OFFさせてマグネトロン２のパワーレベルを強
弱に切換える機能が前記制御回路３に有せしめら
れている。該制御回路３は、入力された調理条件
により被加熱物に応じた加熱時間とパワーレベル
を設定する加熱条件設定手段３１と、該加熱条件
設定手段３１およびセンサー１からの出力により
加熱源２を制御する駆動手段３２と、加熱開始時
点ｔ１から前記加熱条件設定手段３１により設定
された第一設定時間TS1だけ被加熱物を第一設定
出力Ｐ１で加熱する初期加熱手段３３と、第一設
定時間経過後、第二設定時間TS2だけ第二設定出
力Ｐ２で加熱して被加熱物の熱伝導により均一な
熱分布とする均一加熱手段３４と、第二設定時間
経過後、センサー１が被加熱物の質と量に基づい
て決まる仕上り判定値Ｈを検知する仕上り状態検
知時点ｔ２までの間に第三設定出力Ｐ３で加熱し
て被加熱物を均一に仕上げる仕上加熱手段３５
と、加熱開始時点ｔ１から仕上り状態検知時点ｔ
２までの時間に被加熱物に対して予め決められた
常数Ｎを掛けた時間T2だけ第四設定出力Ｐ４で
加熱する追い加熱手段３６とを有せしめられ、第
一設定出力Ｐ１および第三設定出力Ｐ３より第二
設定出力Ｐ２のパワーレベルが低く設定されてい
る。 すなわち、本発明電子レンジのシーケンスは、
第１図ｂに示す如く、加熱開始時点ｔ１から第一
の時間TS1の間は100％の出力（第一のパワーレ
ベルＰ１）で被加熱物を加熱し、引き続き第二の
時間TS2の間は10％の出力（第二のパワーレベル
Ｐ２）で加熱し、それ以降は仕上り状態検知時点
ｔ２までの時間Ｔの間、第三のパワーレベルＰ３
である70％で加熱する。そして追い加熱期間T2
は第四のパワーレベルＰ４である50％で調理を仕
上げる。この追い加熱期間T2は、加熱開始時点
ｔ１からセンサー１の出力が仕上り判定値Ｈに達
するまでの期間T1をベースに、食品毎に決めら
れている常数Ｎを掛けることにより決定される。
すなわちT2＝Ｎ×T1の間、第四のパワーレベル
Ｐ４で調理する。 この様な加熱シーケンスにて、第４図のように
配置された冷凍ハンバーガーパーテイー六個を調
理した結果、表１に示す如く58℃〜73℃の仕上り
温度を得ることができた。これは第一のパワーレ
ベルＰ１（100％）である程度まで解凍しておき、
第二のパワーレベルＰ２である低い出力（10％）
の期間に被加熱物（食品）をそれ自身の熱伝導を
用い均一な熱分布とするもので、この第一のパワ
ーレベルＰ１の時間TS1と第二のパワーレベルＰ
２の時間TS2の間で良好な解凍状態を得るもので
ある。そしてそれ以後の時間Ｔは解凍された被加
熱物を第三のパワーレベルＰ３で調理するための
シーケンスである。なお、仕上り状態検知時点ｔ
２に達する前の時間Ｔは比較的高いマグネトロン
２のパワーレベルＰ３（70％）を用いているた
め、この時間に水蒸気やガスが急激に被加熱物
（食品）から放出され、センサー１の出力も急激
な変化を示すため加熱間始時点ｔ１から仕上り状
態検知時点ｔ２までの期間T1のバラツキも少な
く、結果として冷凍ハンバーガーの仕上りバラツ
キが少ない。 以上の様にセンサー１で被加熱物（食品）の仕
上りを制御する方式でも、マグネトロン２のパワ
ーレベルを大から小に更に大に切替えて使う事に
より被加熱物の良好な調理仕上りが得られる。 なお、第３図において、４は商用電源によりマ
グネトロン２にマイクロ波を発生するための高圧
回路であり、高圧トランスが設けられている。５
はフアンモーターで、これは加熱庫内のガス、熱
等を加熱庫外のセンサー１部へ送込むためのもの
であり、これらモーター５と、高圧回路４の高圧
トランスは制御回路３により次の様に制御され
る。すなわち、高圧トランスと直列に配された第
二リレー接点Ｓ２がON・OFFされそのON時間
とOFF時間の比率によりマグネトロン２のパワ
ーレベルはＰ１（100％）、Ｐ２（10％）、Ｐ３
（70％）、Ｐ４（50％）の四種類に切換られる。ま
たモーター５と直列に配された第一リレー接点Ｓ
１がONされるとセンサー１は被加熱物の仕上り
状態の検出を始める。６はヒユーズ、７，８は第
一、第二のインターロツクスイツチである。 さらに第２図において、制御回路３は、CPU、
RAM、ROM、レジスターａ，ｂ，ｃ，ｄから
なり、これにはセンサー１の出力信号が増巾回路
９、Ａ／Ｄ変換回路１０を介して入力され、また
制御回路３から前記第一、第二リレー接点Ｓ１，
Ｓ２をON・OFFさせるための第一、第二のリレ
ーコイル１１，１２用のドライバー回路１３，１
４へ出力される。１５はキーボード、１６は被加
熱物（食品）の温度等の仕上り状態や「おまかせ
加熱」のメニユーキー番号等を表示するための表
示回路である。 次に上記実施例の作用を説明する。キーボード
１５からフローズンハンバーガーのメニユーが選
択された事を示す信号がCPUに入ると、フロー
ズンハンバーガーに相当するコードがRAMに格
納され、キーボード１５の調理開始を表わす信号
がCPUに入ると、レジスターａに時間TS1、レ
ジスターｂにパワーレベルＰ１（100％出力）、レ
ジスターｃにセンサー１の出力の初期値がそれぞ
れセツトされる。レジスターｄにはセンサー１の
出力値が刻々セツトされる。調理をスタートする
と、１秒毎にレジスターａの値が減少し、TS1秒
経過すると、レジスターａはボローを生じる。こ
のボロー信号がCPUに入ると、ROMから時間
TS2とパワーレベルＰ２の値がそれぞれレジスタ
ーａ、レジスターｂに転送され、パワーレベルＰ
２にてTS2秒間の食品の加熱を行なう。同様に
TS2秒経過するとレジスターａはボローを生じ、
ROMからパワーレベルＰ３のデーターがレジス
ターｂに転送され、パワーレベルＰ３での加熱を
行なう。そしてレジスターａは１秒毎にカウント
アツプし、センサー１の出力が仕上り状態検知時
点ｔ２に達するまでの時間Ｔを測定する。センサ
ー１の出力が仕上り判定値Ｈに達したかどうかの
判定は、レジスターｄの値とレジスターｃの値の
差が或る決められた値を越えた時に仕上り判定値
Ｈに達したと判定し、加熱開始時点ｔ１から仕上
り状態検知時点ｔ２までの時間（TS1＋TS2＋
Ｔ）に食品毎に決められている追い加熱常数Ｎを
掛けた時間であるT2＝Ｎ×（TS1＋TS2＋Ｔ）が
CPUで演算され、レジスターｄに入れられる。
また追い加熱時のパワーレベルＰ４もレジスター
ｂに転送され、T2秒間パワーレベルＰ４で食品
を加熱し、T2秒経過すると調理を終了する。 なお、本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの
修正および変更を加え得ることは勿論であり、例
えば、高圧回路の高圧トランスのON・OFFはリ
レー接点で行なう代わりに、BCR（双方性シリコ
ン整流素子）で行なうように構成してもよい。 ＜効果＞ 以上の説明から明らかな通り、本発明は、加熱
庫内に含まれるガス、水蒸気或いは熱等を検知す
るためのセンサーと被加熱物の調理条件を入力す
る入力手段と、前記センサーの出力信号に従つて
調理条件に応じた被加熱物の仕上り状態を演算し
加熱源を制御する制御回路とを具えた加熱器にお
いて、前記制御回路は、入力された調理条件によ
り被加熱物に応じた加熱時間とパワーレベルを設
定する加熱条件設定手段と、該加熱条件設定手段
およびセンサーからの出力により加熱源を制御す
る駆動手段と、加熱開始時点から前記加熱条件設
定手段により設定された第一設定時間だけ被加熱
物を第一設定出力で加熱する初期加熱手段と、第
一設定時間経過後、第二設定時間だけ第二設定出
力で加熱して被加熱物の熱伝導により均一な熱分
布とする均一加熱手段と、第二設定時間経過後、
センサーが被加熱物の質と量に基づいて決まる仕
上り判定値を検知する仕上り状態検知時点までの
間に第三設定出力で加熱して被加熱物を均一に仕
上げる仕上加熱手段と、加熱開始時点から仕上り
状態検知時点までの時間に被加熱物に対して予め
決められた常数を掛けた時間だけ第四設定出力で
加熱する追い加熱手段とを有せしめられ、第一設
定出力および第三設定出力より第二設定出力のパ
ワーレベルが低く設定されたものである。 したがつて、本発明によると、第一の大加熱パ
ワーレベルである程度まで解凍しておき、第二の
小加熱パワーレベルである低い出力の期間に被加
熱物をそれ自身の熱伝導を用い均一な熱分布とす
ることができるので、この第一のパワーレベルの
時間と第二のパワーレベルの時間で良好な解凍状
態を得ることができるという優れた効果がある。 また、仕上り状態検知時点に達する直前の時間
は比較的高いパワーレベルで調理するので、この
時間に水蒸気やガスが急激に被加熱物（食品）か
ら放出され、センサーの出力も急激な変化を示す
ため、加熱開始時点から仕上り状態検知時点まで
の期間のバラツキを少なくできる。しかも、第
三、第四のパワーレベルで加熱することにより、
被加熱物の配置場所に関係なく均一な仕上げを行
なうことができる。そのため、結果として例えば
冷凍ハンバーガーの仕上りバラツキを少なくでき
る効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明加熱器の一例である電子レン
ジの加熱調理時間とセンサー出力との関係を示す
線図、第１図ｂは同じく加熱調理時間とマグネト
ロンのパワーレベルとの関係を示す線図、第２図
は同じく制御回路のブロツク図、第３図は同じく
電子レンジの電気回路図、第４図は冷凍ハンバー
ガーパーテイーの配置図、第５図ａは従来電子レ
ンジの加熱調理時間とセンサー出力との関係を示
す線図、第５図ｂは同じく加熱調理時間とマグネ
トロンのパワーレベルとの関係を示す線図、第６
図は本発明加熱器における機能ブロツク図であ
る。 １：センサー、２：マグネトロン、３：制御回
路、１５：入力手段、３１：加熱条件設定手段、
３２：駆動手段、３３：初期加熱手段、３４：均
一加熱手段、３５：仕上加熱手段、３６：追い加
熱手段、Ｐ１：第一設定出力、Ｐ２：第二設定出
力、Ｐ３：第三設定出力、Ｐ４：第四設定出力、
Ｈ：仕上り判定値、ｔ１：加熱開始時点、ｔ２：
仕上り状態検知時点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱庫内に含まれるガス、水蒸気或いは熱等
   を検知するためのセンサーと、被加熱物の調理条
   件を入力する入力手段と、前記センサーの出力信
   号に従つて調理条件に応じた被加熱物の仕上り状
   態を演算し加熱源を制御する制御回路とを具えた
   加熱器において、前記制御回路は、入力された調
   理条件により被加熱物に応じた加熱時間とパワー
   レベルを設定する加熱条件設定手段と、該加熱条
   件設定手段およびセンサーからの出力により加熱
   源を制御する駆動手段と、加熱開始時点から前記
   加熱条件設定手段により設定された第一設定時間
   だけ被加熱物を第一設定出力で加熱する初期加熱
   手段と、第一設定時間経過後、第二設定時間だけ
   第二設定出力で加熱して被加熱物の熱伝導により
   均一な熱分布とする均一加熱手段と、第二設定時
   間経過後、センサーが被加熱物の質と量に基づい
   て決まる仕上り判定値を検知する仕上り状態検知
   時点までの間に第三設定出力で加熱して被加熱物
   を均一に仕上げる仕上加熱手段と、加熱開始時点
   から仕上り状態検知時点までの時間に被加熱物に
   対して予め決められた常数を掛けた時間だけ第四
   設定出力で加熱する追い加熱手段とを有せしめら
   れ、第一設定出力および第三設定出力より第二設
   定出力のパワーレベルが低く設定されたことを特
   徴とする加熱器。