JPH0316309B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は前輪をも駆動する４輪駆動農用トラク
ターのフロントデフケースの支持配置に関するも
のである。

(ロ) 従来技術 トラクターの前端から後端までフレームを延設
したフレームトラクターにおいて、フレームとエ
ンジンの位置関係については、実開昭56−127172
号公報に記載の如き技術が公知とされており、ま
たフレームとフロントデフケースの位置関係につ
いては、実開昭57−179574号公報に記載の如き技
術が公知されているのである。

(ハ) 発明が解決すべき課題 しかし上記従来の技術においては、高く配置さ
れた前フレームの部分にエンジンが搭載されてい
るので、エンジンの位置が高くなり、また該エン
ジンのラジエータをエンジンの直前に配置してい
るので、ラジエータの位置も高くなり、該エンジ
ンの下方にフロントデフケースが配置されている
ので、エンジンが更に高い位置となり、全体とし
てボンネツトの上部が高くなり、またボンネツト
を前下がり状に構成することが出来ないという不
具合いがあつたのである。

またエンジンとフロントデフケースが上下に重
複配置されているので、フロントデフケースの位
置が低くなり、地上高が低くなるという不具合い
もあつたのである。

本発明はフレームが機体の前端から後端まで延
設されたフレームトラクターにおいて、エンジン
とフロントデフケースの位置をずらして配置し、
エンジンを、低く配置した後フレームの上に搭載
することにより、更に出来るだけ低くし、ラジエ
ータを下部バンパーの部分に搭載することにより
出来るだけ低く配置し、またフロントバンパーの
上にフロントグリルを配置することにより、全体
としてボンネツトを前下がり状に構成し、前方へ
の視界を良くするものである。

(ニ) 課題を解決する手段 本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、
該課題を解決する手段を説明する。

農用トラクターのフレームを、前方の前フレー
ム１９と後方の後フレーム２６により構成し、前
フレーム１９を高く、後フレーム２６を低く段違
い状に両フレームを連結し、該後フレーム２６の
上方にエンジン１５を載置し、前フレーム１９の
上方にエアクリーナー３とマフラー４を載置し、
前フレーム１９から前方に延設したフロントバン
パー１７の上方にフロントグリル２８を配置し、
フロントバンパー１７の下方に設けた下部バンパ
ー１８にラジエータ１を配設し、後フレーム２６
と前フレーム１９と下部バンパー１８により下向
きの凹部を構成し、該凹部にフロントデフケース
２１を配置したものである。

(ホ) 実施例と作用 本発明の目的・構成は以上の如くであり、添付
の図面に示した実施例の構成及び、発明の作用を
説明すると。

第１図は農用トラクター前部の側面断面図、第
２図はボンネツト前部の拡大側面断面図、第３図
は前フレーム、後フレームの一体化した状態の側
面図、第４図は同じく平面図、第５図はエンジン
搭載部の後面図である。

エンジン１５の近辺にてフレームが前フレーム
１９と後フレーム２６に分離されているが、両者
はボルトにて固定され、第３図、第４図の如く一
体化されている。

エンジン１５は第５図の如く、後フレーム２６
の前端に突設された防振ブラケツト２７に、防振
ゴム４０を介して載置されている。

そして、後フレーム２６よりやや前方へ傾けて
門形フレーム２２を立設している。この門形フレ
ーム２２に前部を固定し、下部を後フレーム２６
上に載置してダツシユボード２４を設けている。
ダツシユボード２４内にバツテリー２５を配置し
ている。２３はステアリングハンドルである。

ボンネツトはボンネツト天板１６と左右の側板
とフロントグリル２８より構成されている。

前フレーム１９の前端のフロントバンパー１７
が突出されており、この上にフロントグリル２８
が載置されている。又、フロントバンパー１７の
下面に下部バンパー１８が固設され、この下部バ
ンパーに載置されてラジエータ１が低い位置で配
置されている。

又、左右の前フレーム１９，１９の間に渡架し
て横フレーム２９を設け、この上面に前輪操向用
のベルクランクの軸２０を設け、下面にフロント
デフケース２１の前部センターピン軸受装置３１
を固設している。フロントデフケース２１の後部
センターピン軸受装置３０は、後フレーム２６の
前端面に固定している。

即ち、前フレーム１９と後フレーム２６は上下
に段違い状に形成されており、この前フレーム１
９の下面と後フレーム２６の前面が作る空間にフ
ロントデフケース２１を配置している。

又、更に左右の前フレーム１９，１９の上面に
ブラケツト９を門形に設け、これに前照灯１０の
出入装置、エアクリーナー３、マフラー４を固定
している。エンジン１５のクランクシヤフトの前
端を突出し、ユニバーサルジヨイント１２、中間
軸８、ユニバーサルジヨイント７、ラジエーター
フアン軸２ａを介してラジエーター１のフアン２
を駆動している。ラジエーターフアン軸２ａには
フロントPTOプーリー５を固設している。１３，
１４は冷却水ポンプの駆動プーリーである。

又、トラクターのボンネツト内部において、ラ
ジエーターフアン２によつて生ずる冷却風の流れ
を後方下部にスムーズに排出すべく構成してい
る。

第３図、第４図に示すフレームが本発明の要部
であり、従来は前フレーム１９をエンジンに固定
していたのであるが、本発明では前フレーム１９
を後フレーム２６に固定連結し、この後フレーム
２６の後端はミツシヨンケースと固定連結し、結
果的にはエンジン１５は機枠部材ではなくなり、
唯単に浮設された構成となつたのである。

(ヘ) 発明の効果 本発明は以上の如く構成したので次のような効
果を有するものである。

第１に、エンジン１５を低い方の後フレーム２
６の上部に搭載することにより低く配置し、該エ
ンジン１５の前方で重複しない位置に、フロント
デフケース２１を配置することにより、フロント
デフケース２１の下面と後フレーム２６の下面の
高さを同じ程度とし、両者が決定する最低地上高
を高くすることが可能となつたのである。

第２に、フロントデフケース２１が、後フレー
ム２６と前フレーム１９と下部バンパー１８によ
り構成された下向きの凹部に配置されるので、前
部の下部バンパー１８により、フロントデフケー
ス２１の前部が保護されるので、フロントデフケ
ース２１に地上の障害物等が衝突することが少な
くなつたのである。

第３に、ラジエータ１をエンジン１５から離し
て、フロントバンパー１７から下方へ突出した下
部バンパー１８により支持したので、ラジエータ
１を低い位置に取り付けることが可能となり、ボ
ンネツト天板１６を全体として、前下がりに構成
することが出来るのである。

第４に、前下がり状に構成したボンネツトの内
部に、エンジン１５やエアクリーナー３やマフラ
ー４やラジエータ１をコンパクトに納めることが
出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は農用トラクター前部の側面断面図、第
２図はボンネツト前部の拡大側面断面図、第３図
は前フレーム、後フレームの一体化したものの側
面図、第４図は同じく平面図、第５図はエンジン
搭載部の後面図である。 ３…エアクリーナー、４…マフラー、１５…エ
ンジン、１７…フロントバンパー、１８…下部バ
ンパー、１９…前フレーム、２１…フロントデフ
ケース、２６…後フレーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 農用トラクターのフレームを、前方の前フレ
   ーム１９と後方の後フレーム２６により構成し、
   前フレーム１９を高く、後フレーム２６を低く段
   違い状に両フレームを連結し、該後フレーム２６
   の上方にエンジン１５を載置し、前フレーム１９
   の上方にエアクリーナー３とマフラー４を載置
   し、前フレーム１９から前方に延設したフロント
   バンパー１７の上方にフロントグリル２８を配置
   し、フロントバンパー１７の下方に設けた下部バ
   ンパー１８にラジエータ１を配設し、後フレーム
   ２６と前フレーム１９と下部バンパー１８により
   下向きの凹部を構成し、該凹部にフロントデフケ
   ース２１を配置したことを特徴とする農用トラク
   ターのフレーム構造。