JPH0316134B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0316134B2
JPH0316134B2 JP63141809A JP14180988A JPH0316134B2 JP H0316134 B2 JPH0316134 B2 JP H0316134B2 JP 63141809 A JP63141809 A JP 63141809A JP 14180988 A JP14180988 A JP 14180988A JP H0316134 B2 JPH0316134 B2 JP H0316134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood collection
sealing member
collection tube
tube
gas barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63141809A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6476831A (en
Inventor
Masaaki Kasai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP63141809A priority Critical patent/JPS6476831A/ja
Publication of JPS6476831A publication Critical patent/JPS6476831A/ja
Publication of JPH0316134B2 publication Critical patent/JPH0316134B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血液採取等に用いられる採血管に関
する。
[従来の技術] 従来、例えば臨床検査、生化学検査の際に行な
う血液採取には、第7図に示す採血管が用いられ
る。第7図は従来の採血管の使用前の状態を示す
断面図、第8図は同使用時の状態を示す断面図で
ある。使用は両頭穿刺針16を備えたホルダー1
2と併用されるのが一般的である。
この採血管10は、第7図に示すように管体1
1と該管体11の開口部に嵌着される栓体14か
ら構成される。管体11は、ガラス材、透明樹脂
等で形成され、栓体14には、一般に加硫ブチル
ゴム等のゴム材が用いられ、管体内部は減圧状態
に保たれている。また、栓体14は、後述するよ
うに中空針を穿刺可能とし、さらに穿刺された中
空針を抜去した後において針孔を閉塞して液道状
態を維持することが要求される。この点で、従
来、栓体14には、ゴム材等のシール部材を用い
ることが適当とされていた。
一方、採血ホルダー12は、下端が開放した筒
状のホルダー本体15を有し、その上方先端部に
は中空の穿刺針16が装着される。穿刺針16の
装着は、穿刺針16のハブ17をホルダー本体に
形成される螺合部18に螺合されて行なわれる。
穿刺針16の先端部16Aには、人体等への穿刺
に供される尖端が備えられ、一方、穿刺針16の
後端部16Bには、管体11に取付けられる栓体
14を穿通可能とする尖端が備えられる。さらに
後端部16Bは、第7図に示す未使用状態におい
て鞘状の弾性体、例えばゴムチツプ19等により
被包される。
このような構成からなる採血管10とホルダー
12を用いて血液採取を行なう場合、先ず、採血
ホルダー12の穿刺針16の先端部16Aを、血
管へ穿刺する。次に採血管10をホルダー本体1
5内に挿入する。この時、穿刺針16は、第8図
で示すようにゴムチツプ19、次いで採血管の1
0の栓体14を穿刺し、中空針とされる穿刺針1
6の後端部16Bが減圧状態の管体11の内部に
穿通されることとなる。ゴムチツプ19は、この
際、栓体14とホルダー本体15との間で蛇腹状
に折り畳まれる。この結果、採血管10の内部の
減圧状態により、中空の穿刺針16の先端部16
Aから後端部16Bに血液を導入することが可能
となる。これにより、採血管10の内部に血液を
流入し、採血が行なわれることとなる。
採血管10の内部に所定量の血液が採取される
と、採血管10が採血ホルダー12から矢印B方
向に取外される(第8図参照)。取外された状態
においてゴムチツプ19は復元されることとな
る。さらに複数の採血を行なう場合、新たな管体
11をホルダー本体15内に押入すればよい。採
血が完了されると採血ホルダー12が人体から取
外される。
なお、採血管10の内部は必ずしも減圧されて
いなくてもよい。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、上記のような構成からなる採血管1
0において採血された血液を検査のために取出す
ためにはゴム栓等の栓体14を管体11の開口部
から強い力で抜き取る開封という操作が必要であ
る。しかし、開封という操作に際して、栓体14
がゴム等の弾性体で成形されている場合、管体1
1からの離脱時のシヨツクにより、栓体14で付
着した血液が大気中に飛び散る、手に付着するな
どの問題があり改善が求められていた。また、自
動検査システムにおいて栓体14をはずさずに針
などで血液を採取しようとする試みもなされた
が、ゴム栓の肉厚が厚いため、栓体14をはずさ
ずに直接針を刺通しようとしても針が曲がるなど
の現象があり容易ではなかつた。
さらに上記のような管体内部を減圧してなる採
血管10は、工場での製造時において管体内部を
採血量に応じた適度の減圧値に設定することとし
ている。製造された採血管10は、病院、医院等
において使用されるまでの間、それらユーザーの
もとで保管される。採血管10の保管日数は、ユ
ーザーによつてまちまちであるが、長い場合は2
〜3年とされる場合がある。これらの長い間にわ
たつて採血管10を保管する間に、栓体14の部
分から内部に大気が入り込む場合には、採血管1
0内の減圧度が維持されず、その血液採取のため
の使用時に、所定量の血液を採取することが困難
となる。このため、従来、採血管10における保
管段階での気密性能を確保するため、栓体14の
厚みを厚くする、またゴム材質を検討するなどの
方法がとられた。しかしながら、栓体14を厚く
する場合、使用時において穿刺針16が穿刺しに
くく、作業性が悪い。
また、管体11に上記のような栓体14を備え
た採血管10は、一旦栓体14を開けた後、元に
戻しても外見は変わらないため、管体内部の減圧
度が維持されていないものを採血に供してしまう
ことがあつた。
本発明は、検査のために針等で血液を採取する
場合、管体の開口部から栓体を抜き取る等の開封
という操作を必要とせず取扱い容易とし、かつ採
血管の製造後使用するまでの間の気密状態を確保
することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、一端が開口し、他端が閉塞した有底
管体と、中空針が刺通可能であるとともに該管体
の開口部に必要に応じて剥離しうる程度の接着力
で接着され、該開口部を封止する封止部材とを備
え、内部が採血量に応じて適度に減圧されてなる
採血管であつて、該封止部材は採血時まで採血管
内部の減圧度を実質的に保持するための管体の開
口部全域を覆うガスバリヤー部材と、採血時に該
封止部材を刺通した中空針が抜去された後に針孔
を閉塞可能とするシール部材とからなるようにし
たものである。
上記本発明によれば、下記〜の作用があ
る。
封止部材を管体の開口部から分離する開封時
に、開封に必要な力を接着領域の一端から他端
に徐々に分散する如くに経時的に及ぼし、封止
部材を管体の開口部からゆつくりと剥離するこ
とができる。したがつて、開封に伴うシヨツク
を封止部材に作用することがなくなり、結果と
して封止部材に付着していた血液が飛散するこ
とを防止できる。
封止部材を管体の開口部から一旦剥離した後
には、該封止部材を再び管体の開口部に接着し
てなる採血管の封止状態を再現できない。した
がつて、一旦開封後の採血管を未開封の採血管
と明瞭に識別でき、一旦開封後の採血管を未開
封の採血管と見誤つてこれを再び採血に供して
しまう等の不都合がない。
ガスバリヤー部材が管体の開口部全域を覆つ
て該開口部に直接的に接着されるので、採血管
内部の減圧後を長期に渡り、十分に確保でき
る。
したがつて、本発明によれば、上記〜によ
り、検査のために針等で血液を採取する場合、管
体の開口部から栓体を抜き取る等の開封という操
作を必要とせず取扱い容易とし、かつ採血管の製
造後使用するまでの間の気密状態を確保すること
ができる。
[実施例] 本発明の第1実施例に係る採血管20は、第1
図に示すように一端が開口し、他端が閉塞した有
底管体21と、中空針が刺通可能であるとともに
該管体21の開口部に接着され、該開口部を封止
する封止部材24から構成され、内部を減圧状態
としている。管体21の材質としては、ガスバリ
ヤー性能の高いものが良く、この点でガラス、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートアク
リルニトリル系樹脂等を用いることが好ましく、
ブロー成形、深しぼり成形、真空成形、射出成形
等の任意の成形方法で成形される。なお、管体2
1をガスバリヤー性能の低い材質で形成した場合
には、管体21の外壁または内壁にポリビニルア
ルコール、ポリエチレンビニルアルコール共重合
体等のガスバリヤー性膜でコーテイングすること
が好ましい。また、ポリ塩化ビニルで管体21が
形成した場合には、塩化ビニル中に含まれる安定
剤が、採取された血液に溶出するのを防止するた
め、管体21の内壁に溶出防止膜をコーテイング
することが好ましい。
さらに管体21の内壁底部には、ヘパリン粉
末、EDTA−2K、クエン酸等の抗凝固剤、抗凝
固液が収納されてなり、該管体21の内部に血液
が流入された状態において抗凝固剤を血液に溶解
させるようにしている。なお、管体21の内壁底
部には、用途に応じて血清分離剤や凝固促進剤を
収納するようにしてもよい。
管体21の上方開口部に取付けられるフイルム
状の封止部材24は、下方に気密性の高いガスバ
リヤー部材25を配設し、該ガスバリヤー部材2
5の上方の全面にシール部材26を被着する状態
で両者を層状に結合している。さらにガスバリヤ
ー部材25の下方には、接着性フイルム27を被
着している。すなわち、封止部材24の管体21
の上方開口部に対する取付けは、該開口部の周縁
部に接着性フイルム27を被着することにより行
なわれる。なお、ガスバリヤー部材とシール部材
の位置は逆転してもよい。また、接着性フイルム
は必ずしも必要でなく、管体21の上方開口部の
周縁部に接着剤を塗布しガスバリヤー部材を接着
することも可能である。また、封止部材24を構
成する材質と管体21を構成する材質として、互
いに相溶性のある材質を選択し、それらを融着す
ることにより、接着剤を介することなく封止部材
24を管体21の上方開口部に取付けることがで
きる。さらに接着強度的にはいわゆるイージーピ
ール性を付与するために、後から開封が可能なよ
うに剥離しうる程度の接着力でも良い。
ガスバリヤー部材25は、採血管20の使用前
の状態、すなわちフイルム状封止部材24に後述
する穿刺針が採血時に穿刺される前の状態での管
体21内部の減圧度を実質的に保持するための気
密性の高い材質であることが必要である。この点
でガスバリヤー部材25の材質としては、アルミ
箔等の金属薄膜やエチルレン−ビニルアルコール
共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂フイルム
材等が用いられる。好適にはガスバリヤー性にす
ぐれたアルミ箔フイルム、またはアルミ蒸着フイ
ルムである。ガスバリヤー部材の針刺通部の厚み
は5μ〜300μ、好ましくは20μ〜100μであり、必ず
しも厚みは均一でなくても良い。シール部材26
は、採血管20を使用した後の状態、すなわち、
フイルム状封止部材24に後述する穿刺針が穿刺
し、抜去された後の状態において、針孔を閉塞
し、液密状態を保持する材質であることが必要と
される。この点でシール部材26の材質として
は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジ
エンゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマ
ー等のゴム材が用いられる。好適にはシール性に
すぐれている加硫ゴムである。シール部材の針刺
通部の厚みは0.1mm〜7mm、好ましくは0.5〜2mm
である。
一方、採血ホルダー22は、下端が開放した筒
状のホルダー本体29を有し、その上方先端部に
は中空の穿刺針30が装着される。穿刺針30の
装着は、穿刺針30のハブ31をホルダー本体2
9に形成される螺合部32に螺合させて行なわれ
る。穿刺針30の先端部30Aには、人体等への
穿刺に供される尖端が備えられる。一方、後端部
30Bには、採血管20のフイルム状封止部材2
4を穿通可能とする尖端が備えられる。さらに後
端部30Bは、鞘状の弾性体、ゴムチツプ33で
被包される。
なお、上記実施例のうち、採血管20の具体的
形成例を示す。
管体;ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて
射出成型し、内容量10c.c.の管体を形成する。
フイルム状封止部材; シール部材→加硫天然
ゴムシート(0.5mm厚) ガスバリヤー部材→アルミ箔(10μ)フイ
ルムとナイロフイルム(12μ)とのラミネー
トフイルム 接着性フイルム→ポリエチレンテレフタレ
ートフイルム(25μ) 〜をエポキシ接着剤を用いて層状に張り合
せた。
採血管本体の形成は、上記管体の上方開口部の
周縁部にフイルム状封止部材の接着性フイルムの
部分を所定の減圧状態で熱融着して行なつた。
[実施例の作用] 上記のような構成に係る採血管20を用いて血
液採取を行なう場合、先ず採血ホルダー22の穿
刺針30の先端部30Aを、例えば第3図に示す
ように人体の腕34に穿刺する。次に採血管20
を矢印Cに示すようにホルダー本体29内に押入
する。この時、穿刺針30は第2図に示すように
ゴムチツプ33、次いで採血管20のフイルム状
封止部材24を穿刺し、中空針とされる穿刺針3
0の後端部30Bが減圧状態の管体21の内部に
穿通されることとなる。ゴムチツプ33は、この
際、フイルム状封止部材24とホルダー本体29
との間で蛇腹状に折り畳まれる。この結果、管体
21の内部の減圧状態により、中空の穿刺針30
の先端部30Aから後端部30Bに血液を導入す
ることが可能となる。これにより、管体21の内
部に血液を流入し、採血が行なわれることとな
る。
管体21の内部に所定量の血液が採取される
と、採血管20が採血ホルダー22から矢印D方
向に取外される。取外された状態においてゴムチ
ツプ33は、ゴムの弾性力により復元されること
となる。さらに複数の採血を行なう場合、第1図
に示すように新たな採血管20を矢印Cに示すよ
うにホルダー本体29内に押入すればよい。採血
が完了すると採血ホルダー22が腕34から取外
される。
このような構成からなる採血管20によれば、
フイルム状封止部材24にガスバリヤー部材25
が設けてあるため、製造後、使用するまでの間の
気密状態を確保することが可能となる。また、封
止部材24はシール部材26の存在によつて、穿
刺針30を穿刺し、抜去した後の液密状態を確保
することが可能となる。さらに、フイルム状封止
部材24はガスバリヤー部材25の存在によつ
て、従来のように減圧保持のためにシール部材2
6を厚くする必要性がなく、これにより穿刺針3
0を穿刺し易くすることが可能となる。また、シ
ール部材はガスバリヤー性が要求されないため、
シール性に優れた材質を選ぶことができ、シール
部材26の肉厚を薄くすることができ、自動血清
分取装置の針を封止部材24に直接、刺通するこ
とができる。したがつて封止部材24を管体21
の開口部から剥離することなく、採血及び遠心の
行なわれた採血管20をそのまま自動血清分取装
置にセツトして血清の分取が可能となる。
また、上記採血管20にあつては、封止部材2
4が管体21の開口部に直接的に接着されている
ことにより、一旦開封され、減圧度が低下したも
のを識別することができる。
また、上記実施例においては、ガスバリヤー部
材25が接着性フイルム27により開口部の周縁
部に密着されるため、採血後の管内部の密閉状態
が維持され、かつ血液の汚染も完全に防止され
る。
なお、上記実施例において、採血中採血ホルダ
ー22のゴムチツプ33の弾性力により管体21
がホルダーから押し出され、離脱するいわゆるキ
ツクバツクという現象が生ずるおそれがある。こ
のような問題を解決するため、管体21の周縁部
に突起を形成し、ホルダー本体29の内壁に凹溝
を形成し、採血の際にこれらを嵌合させるように
してもよい。また、ホルダー内面に凸部を設け管
体周縁部との間で摩擦を生じさせてキツクバツク
が生じないようにしてもよい。
[他の実施例] 第4図は本発明の第2実施例に係る採血管の使
用前の状態を示す断面図である。
この採血管40は、管体41の上方開口部に封
止部材42を取付けている。管体41は、アクリ
ルニトリル系樹脂(商品名:バレツクス210(三井
東圧社製))を用いれブロー成型により形成され、
内壁面には従来の加硫ゴム栓の処理にも用いられ
ている血ぺい付着防止用の水溶性シリコーン(商
品名:SF8421(東レシリコーン社製))が塗布さ
れる。また、内壁底部には、凝固促進剤としての
ガラス粉末(5mg)が付着されている。
封止部材42は、接着性フイルム43(商品
名:バレツクス210フイルム(三井東圧社製)
25μ)を用いて管体41の開口部周縁に密着さ
れ、上方にガスバリヤー部材44(ポリエチレン
テレフタレートフイルムにアルミを蒸着したフイ
ルム12μ)を配設し、該ガスバリヤー部材44の
上面にシール部材45(加硫天然ゴムシート
(1.2mm厚))を被着して形成される。ガスバリヤ
ー部材44は、予めエポキシ接着剤を用いて接着
性フイルム43に貼合され、さらにシール部材4
5は、貼合されたガスバリヤー部材44の上面に
ゴムのりを用いて接着される。シール部材45は
穿刺針30が穿刺されるガスバリヤー部材44の
上面中心部に被着される。すなわち、シール部材
44は、必ずしも上記第1実施例のようにガスバ
リヤー部材の全面に被着する必要はなく、ガスバ
リヤー部材44よりも小さな径を有し、穿刺針3
0が穿刺されるガスバリヤー部材44の中央部分
にのみ配設すれば足りる。
また、シール部材45は、第5図に示す変形例
のように、管体41の内部に臨む接着性フイルム
43の下面中心部に被着されてもよい。
上記第4図、第5図に示す封止部材42におけ
るように、シール部材45がガスバリヤー部材4
4よりも小さな径、例えば管体41の開口部の径
の2分の1の径を有し、ガスバリヤー部材44の
中央に被着される場合には、シール部材45によ
り覆われないガスバリヤー部材44のリング状の
部分に自動検査器の針を刺通させて血液を採取し
てもよい。この場合、シール部材45を介して自
動検査器の針を刺通する場合よりも刺通抵抗が小
さくて済む。この場合、シール部材45を介さな
いため、針とガスバリヤー部材44の針孔との空
隙から空気の置換が可能となり、採血管内の血液
を吸引しても採血管内が陰圧にならない、すなわ
ち血液の吸引操作をスムーズに行なうことができ
る。
第6図は本発明の第3実施例に係る採血管の使
用前の状態を示す断面図である。
この採血管50は、上記第2実施例と同様の構
成に係る管体41の開口部に、深しぼり成型によ
り形成された封止部材51を取付けられている。
すなわち、封止部材51は接着性フイルム43に
貼合されたガスバリヤー部材44の上面中心部に
シール部材45が被着された状態で、管体41の
開口部に挿入される凸部が下面に突出形成される
ように深しぼり成型されている。また、フイルム
の血液接触面にも血ぺい付着防止用の水溶性シリ
コーンが途布されていることが望ましい。この場
合、接着強度に影響を与えることはない。
なお、封止部材がガスバリヤー部材とシール部
材とからなる時、ガスバリヤー部材とシール部材
とは必ずしも相互に接着状態にある必要はない。
また、封止部材は管体の開口部に接着されて封
止作用をなすものであれば、必ずしも気密性の高
いガスバリヤー機能を備えていない別の態様も本
発明は含むものである。以下にこの態様について
説明する。
従来、臨床検査装置において、生化学検査用血
清は、真空採血管により血液を採血し、凝固後遠
心し、栓を開け、ピペツトで血清を分取しサンプ
リング容器に移す、あるいは自動血清分取装置に
よりサンプリング容器にあける等の手段で用意さ
れていた。水の蒸散を防ぐためにプラスチツク製
簡易キヤツプをはめたりシールフイルムを巻いた
りすることもある。これらの操作においては容器
が開放状態におかれる時があり汚染防止という意
味で問題があつた。そこで、この問題を解決する
ための手段として、本発明に係る上述の採血管を
使用することができるが、この場合、必らずしも
上述の実施例の場合のようなガスバリヤー機能は
必要とされず、内部を減圧状態にしなくても使用
することができる。すなわち、この態様において
は前記の自動血清分取装置のサンプリング容器と
して使用するものである。つまり、別途用意した
真空採血管に血液を採取した後、自動血清分取装
置を使用して前記真空採血管より分取された血液
は、針をフイルム状封止部材に刺通してこの容器
に入れるわけである。このとき容器内が加圧にな
らないように空気針を刺通した方がよい。容器の
構成は、容器本体と、フイルム状封止部材からな
り、第1図に示す態様とほぼ同様な構成とするこ
とができ、唯一異なるのは第1図におけるガスバ
リヤー部材の代りに、他のガスバリヤー性を有し
ない基体とすることができる点である。容器本体
の材質としては、ガラス、プラスチツクなどがあ
る。プラスチツクとしてはポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポチメチルメタアクリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネー
ト、エチレン酢酸ビニル共重合体等のものがあ
る。フイルム状封止部材に要求される性質として
は、注入用針を抜いた後、針孔から、容器をさか
さにしても内容液がこぼれない、再シール性が挙
げられる。例えばポリエステルフイルムに熱可塑
性エラストマーをラミネートしたもの等である。
フイルム状封止部材の平均厚みは1mm以下であ
ることが好ましい。フイルム状封止部材の容器本
体との接着面にはシール剤等がコーテイングされ
本体にシールされる。本体と同一の材料を用いて
シールしても構わない。この態様の実施例を以下
に示す。
[別の態様の実施例] 容器本体はポリスチレン(商品名:エスチレン
G−12;新日本製鉄化学(株)製)を用いて成形し
た。フイルム状封止部材はポリエステルフイルム
(12μ厚)にヒートシート剤(商品名:ラテイシ
ールA7734A;セメダイン(株)製)を塗布し、さら
にSEBS系熱可塑性エラストマー(商品名:ラバ
ロンSJ5400;三菱油化(株)製)をラミネート(0.5
mm厚)したものを用いた。21Gの空気針を刺し、
21Gの針を用いて血清を分注した。針を抜き容器
をさかさにしても内容液がこぼれることはなかつ
た。この態様においては、血液試料を密閉状態で
移しかえできるものであり、血液汚染の心配を軽
減したものである。特に自動血清分取装置に用い
た時に有用である。また、この態様の採血管にあ
つても、検査のために針などで血液を採取する場
合、管体の開口部から栓体を抜き取る等の開封と
いう操作を必要とせず、取扱いが容易となる。
また、封止部材があることにより、ゴム栓の場
合のような揮発性物質による採血管内の汚染を防
止でき、採血管内部を清浄に保持できる。
また、本発明の上述のいくつかの実施例におい
て、封止部材の管体開口部への接着は接着層を設
けて行なう場合の他、接着層を介さずに封止部材
を直接、開口部へ接着する(例えば封止部材と管
体を同一部材で成型し、超音波融着等により接着
する構造)こととしてもよい。
また、本発明の採血管の使用時には、検査のた
めに血液を採取する時に、必要により封止部材を
剥離してもよく、この時ゴム栓の場合のような開
封にともなうシヨツクがないため、栓体に付着し
た血液が飛散することがない。また、本発明の採
血管ほ、封止部材の上記剥離を容易にするため、
剥離開始片を封止部材に一体に備えるものとして
もよい。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、検査のために
針等で血液を採取する場合、管体の開口部から栓
体を抜き取る等の開封という操作を必要とせず取
扱い容易とし、かつ採血管の製造後使用するまで
の間の気密状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る採血管の使
用前の状態を示す断面図、第2図は同使用時の状
態を示す断面図、第3図は採血管を用いて人体の
腕から採血する状態を示す斜視図、第4図は本発
明の第2実施例に係る採血管の使用前の状態を示
す断面図、第5図は第4図の変形例に係る採血管
の断面図、第6図は本発明の第3実施例に係る採
血管の使用前の状態を示す断面図、第7図は従来
の採血管の使用前の状態を示す断面図、第8図は
同使用時の状態を示す断面図である。 20,40,50……採血管、21,41……
管体、24,42,51……栓体、25……ガス
バリヤー部材、26……シール部材、30……穿
刺針(中空針)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一端が開口し、他端が閉塞した有底管体と、
    中空針が刺通可能であるとともに該管体の開口部
    に必要に応じて剥離しうる程度の接着力で接着さ
    れ、該開口部を封止する封止部材とを備え、内部
    が採血量に応じて適度に減圧されてなる採血管で
    あつて、該封止部材は採血時まで採血管内部の減
    圧度を実質的に保持するための管体の開口部全域
    を覆うガスバリヤー部材と、採血時に該封止部材
    を刺通した中空針が抜去された後に針孔を閉塞可
    能とするシール部材とからなることを特徴とする
    採血管。 2 シール部材がガスバリヤー部材よりも小さな
    径を有し、ガスバリヤー部材の中央に被着されて
    なる特許請求の範囲第1項記載の採血管。 3 シール部材がガスバリヤー部材の全面に被着
    されてなる特許請求の範囲第1項記載の採血管。 4 ガスバリヤー部材がアルミ箔フイルムまたは
    アルミ蒸着フイルムである特許請求の範囲第1項
    記載の採血管。 5 シール部材が加硫ゴムからなる特許請求の範
    囲第1項記載の採血管。 6 封止部材が、管体の開口部からの剥離の開始
    を容易にする剥離開始片を一体に備えてなる特許
    請求の範囲第1項記載の採血管。
JP63141809A 1985-12-19 1988-06-10 Blood collecting tube Granted JPS6476831A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63141809A JPS6476831A (en) 1985-12-19 1988-06-10 Blood collecting tube

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19428385 1985-12-19
JP63141809A JPS6476831A (en) 1985-12-19 1988-06-10 Blood collecting tube

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6476831A JPS6476831A (en) 1989-03-22
JPH0316134B2 true JPH0316134B2 (ja) 1991-03-04

Family

ID=26473980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63141809A Granted JPS6476831A (en) 1985-12-19 1988-06-10 Blood collecting tube

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6476831A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01317733A (ja) * 1988-06-20 1989-12-22 Terumo Corp 有底筒状成形物、有底筒状成形物製造用金型および有底筒状成形物の製造方法
JPH0398811U (ja) * 1990-01-30 1991-10-15
JPH03114210U (ja) * 1990-03-05 1991-11-22
US7048724B2 (en) * 2002-12-17 2006-05-23 Denver Biomedicals, Inc. Device for withdrawing body fluids

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59230539A (ja) * 1983-01-27 1984-12-25 ツェ−・ア−・グライナ−・ウント・シェ−ネ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツンク 血液試料採取管

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59230539A (ja) * 1983-01-27 1984-12-25 ツェ−・ア−・グライナ−・ウント・シェ−ネ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツンク 血液試料採取管

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6476831A (en) 1989-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5033476A (en) Blood collecting tube
US6280400B1 (en) Device and method for separating component of a liquid sample
US5326534A (en) Liquid collection tube
JP2008089604A (ja) 液体試料用容器蓋
JPH01291830A (ja) 採血管ホルダー
US7387899B1 (en) Saliva sample collection system
JPH11235329A (ja) 真空検体採取管および真空検体採取方法
JPH0316134B2 (ja)
EP0414179B1 (en) Fluid sample container
JP2684318B2 (ja) 減圧採血管
JPH0618945U (ja) 減圧採血管
JPH02174835A (ja) 減圧採血管
JPH0751252A (ja) 採血管
JPH06189943A (ja) 真空採液法
JPH0466576B2 (ja)
JPH0544105U (ja) 減圧採血管
JP3533023B2 (ja) 血液検査容器
JP3065365B2 (ja) 液体分取器具
JP2819325B2 (ja) 採液管
JPH0634787B2 (ja) 採血管ホルダー
WO1989000830A1 (en) Blood collecting tube
JPH0621443Y2 (ja) 減圧採血管
JPH01313040A (ja) 減圧採血管
JPH02167141A (ja) 採液管
JPH0545262A (ja) 減圧採血管およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term