JPH0618945U - 減圧採血管 - Google Patents

減圧採血管

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JPH0618945U
JPH0618945U JP6427392U JP6427392U JPH0618945U JP H0618945 U JPH0618945 U JP H0618945U JP 6427392 U JP6427392 U JP 6427392U JP 6427392 U JP6427392 U JP 6427392U JP H0618945 U JPH0618945 U JP H0618945U
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tube
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信 吉川
泰広 魚谷
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テルモ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】密封部材刺通針部を採血管の密封部材に刺通す
る際、採血管内部にエアーが流入することがなく、初期
設定した減圧量に応じた所定量の採血を得ることができ
る減圧採血管を提供する。 【構成】一端が開口し他端が閉塞した有底管2と、有底
管の開口部を密封するとともに採血針の密封部材刺通針
部により刺通可能なフィルム状密封部材3とを有し、内
部が減圧された減圧採血管であって、採血管1は、密封
部材3の下面に設けられ、前記密封部材刺通針部が刺通
される際の採血管内部へのエアーの流入を防止するエア
ー流入防止部材4を有している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、血液検査に用いる血液試料を採取するための減圧採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、臨床検査、例えば生化学検査、血清検査の際に種々の採血器具が用 いられており、例えば内部が減圧され、開口部は密封部材により封止された採血 管と、この採血管を収納可能であり、先端部に採血針を備えた採血器具(採血管 ホルダー)とからなる採血器具が多く使用されている。そして、一般的な減圧採 血管としては、ガラス製あるいはプラスチック製の有底管と、この有底管の開口 部を密封するゴム栓とからなるものが使用されている。また、採血管ホルダーの 採血針は、両端に刃面を有する中空針であり、先端側が採血者に穿刺させる穿刺 針部、後端側が密封部材を刺通するための刺通針部となっている。 近年減圧採血管を用いて血液を採取した後、採血管の内部の血液を自動的に採 取し、検査する自動検査システムが発達してきた。このため、採血管の開口部を 密封する密封部材として、ゴム栓のように、開封した後、再密封できることが必 ずしも要求されないようになってきた。 そこで、有底管の開口部を、気密性フィルムで密封し、さらに気密性フィルム にシール部材を設けて、採血針の後端に設けられた密封部材刺通針部の針先が刺 通され、さらに抜去された後、刺通部をシールできるよう構成されたものが提案 されてきている。そして、この気密性フィルムおよびシール部材からなる密封部 材は、剥離される際の剥離容易性を考慮して肉薄に形成されている。 ところで、従来より血液バッグを用いて採血が行われ、採血された血液はその まま(全血)、あるいは必要な成分に遠心分離されて患者に輸血されるが、輸血 による血清肝炎、エイズ、性病などの感染性疾患の感染を防止するために、採血 された血液の検査を行う必要がある。この検査のために、例えば血液バッグを用 いて採血した後、血液バッグの採血針を供給者より抜去し、その採血針を減圧採 血管の密封部材に穿刺し、血液バッグ内の血液の一部を採血管に採取し、検査を 行っている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このように血液バッグの採血針で穿刺する場合、血液バッグの採血針 は採血管ホルダーの採血針より大きいため、従来の減圧採血管では、密封部分の 肉厚が血液バッグの採血針の密封部材に刺通針部の針先の長さ(刃面が設けられ ている部分の長さ)より小さくなることがあり、密封部材に密封部材刺通針部を 刺通する際、減圧採血管内部と外部とが、密封部材刺通針部の刃面内に形成され る開口を介して連通してしまうことがあった。具体的には、密封部材刺通針部の 刃面の開口の後端部(密封部材の上方で、密封部材によって封止されない部分) から、空気が、密封部材刺通針部の刃面の開口の先端部(密封部材の下方で、採 血管内に侵入している部分)に流れ、これにより、減圧された採血管内部に空気 が流入し、採血管内に血液が流入し始める前に、採血管内の陰圧度(減圧度)が 低下する。このため、初期設定した減圧量に応じた量の採血を得られないことが あった。 そこで、本考案の目的は、採血器具の採血針の密封部材刺通針部を密封部材に 刺通する際、刺通針部の刃面の開口を介して、採血管内部にエアーが流入するこ とがなく、初期設定した減圧量に応じた所定量の採血を得ることができる減圧採 血管を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、一端が開口し他端が閉塞した有底管と、該有底管 の開口部を密封するフィルム状密封部材とを有し、内部が減圧された減圧採血管 であって、前記密封部材は、採血針に形成された密封部材刺通針部により刺通可 能であり、さらに、前記採血管は、前記密封部材の下面に設けられ、前記密封部 材刺通針部が刺通される際の該採血管内部へのエアーの流入を防止するエアー流 入防止部材を有している減圧採血管である。
【0005】 そして、前記密封部材は、気密維持性部材と、刺通された前記密封部材刺通針 部を抜去した後に刺通部を再びシールしうるシール性部材と、該密封部材を前記 有底管より剥離するためのタブとを有するものであることが好ましい。そして、 前記エアー流入防止部材は、前記密封部材の下面であって、かつ前記密封部材の 前記シール性部材が設けられた位置に対応する位置に設けられていることが好ま しい。さらに、前記エアー流入防止部材の前記有底管の底部方向へ長さ(厚さ) と、密封部材の肉厚との和は、採血針の密封部材刺通部の針先からのエアーの流 入を十分に防止でき、かつ刺通針部を密封部材に刺通または抜去する際、その刺 通抵抗および抜去抵抗が刺通または抜去を阻害しない程度の長さ(厚さ)である ことが好ましい。さらに、前記エアー流入防止部材の前記有底管の底部方向への 長さ(厚さ)と、密封部材の肉厚との和は、採血針の密封部材刺通針部の針先の 長さ(刃面が設けられている部分の長さ)より長いものであることが好ましい。
【0006】 そこで、本考案の減圧採血管を図1ないし図4に示す実施例を用いて説明する 。 図1は、本考案の減圧採血管の一実施例の断面図であり、図2は、図1の部分 拡大断面図であり、図3は、図1のA−A線断面図であり、図4は、本考案の減 圧採血管の密封部材の平面図である。 本考案の減圧採血管1は、一端が開口し他端が閉塞した有底管2と、有底管2 の開口部を密封するフィルム状密封部材3とを有し、内部が減圧された減圧採血 管1であって、密封部材3は、採血針に形成された密封部材刺通針部により刺通 可能であり、さらに、密封部材3の下面に設けられ、密封部材刺通針部が刺通さ れる際の採血管1内部へのエアーの流入を防止するエアー流入防止部材4を有し ている。そして、図1に示す実施例の減圧採血管1は、一端が開口し他端が閉塞 した有底管2と、有底管2の開口部を密封するとともに採血針の密封部材刺通針 部により刺通可能な密封部材3と、密封部材3の下面に固着されたエアー流入防 止部材4とからなっており、内部が所定の採血量分だけ減圧されている。
【0007】 有底管2は、一端が開口し、他端が閉塞した筒状体であり、閉塞端を除く部分 は、略円筒状となっている。また、図1に示すものでは、有底管2の開口部に、 有底管2の軸方向に直行して、外方に突出する環状のフランジ2aが設けられて いる。そして、このフランジ2aは、後述する密封部材3の気密維持性部材3a との固着部を形成している。
【0008】 有底管2の材質としては、内部の減圧状態を維持するために、ガスバリヤー性 の高いものが好ましく、例えば、アクリルニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ リエチレンテレフタレート、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)、ポリエ ルテル樹脂等を用いることが好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチ レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレー ト系樹脂との混合物などが好ましい。また、有底管2をガスバリヤー性の低い材 質(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなど)で形成した場 合は、有底管2の表面(例えば、外面)にポリビニルアルコール、エチレン−ビ ニルアルコール共重合体等のガスバリヤー性を有する被膜をコーティングするこ と、または、有底管の内部の減圧状態を維持するために、包装形態を工夫するこ とが好ましい。さらに、ポリ塩化ビニルで有底管2を形成した場合は、塩化ビニ ル中に含まれる安定剤が、採取された血液中に溶出するのを防止するために、有 底管2の内面に溶出防止剤をコーティングすることが好ましい。さらに、疎水性 合成樹脂を用いて有底管2を形成した場合は、内面を親水化処理し、有底管の内 面に血球が付着することを防止することが好ましい。この親水化処理は、有底管 2の内面に親水性物質(例えば、水溶性シリコーン、PVA、PVPなど)をコ ーティングすることにより行うことができる。
【0009】 そして、有底管には、図1に示すように、ヘパリン粉末、EDTA−2K等の 血液抗凝固剤を有底管の内面に付着あるいは収納してもよい。また、逆に、血液 凝固促進剤を内面に付着あるいは収納させてもよく、さらには、ろ紙、不織布な どに血液凝固促進剤を付着あるいは含浸させたものを有底管2内に封入してもよ い。凝固促進剤としては、例えば、大きさ0.4〜20ミクロンの珪砂の他、大 きさ5ミクロン以下で平均粒径1.1ミクロンの結晶シリカ(例えばペンシルバ ニア・グラス・サンド社製,商品名Min−U−Sil)、珪藻土、ガラス微粉 末、カオリン、ベントナイト、硫酸プロタミンおよびトロンビンなどが好適に使 用できる。 さらに、有底管2の内部に、血清分離剤を収納してもよい。血清分離剤は、血 清と血球成分との中間比重を有するチキソトロピー性を有するゲル状物質であり 、例えばα−オレフィン・マレイン酸ジエステル共重合体を主成分とし、これに 粘度、比重調整剤を添加したものが好適に使用できる。
【0010】 そして、密封部材3は、この実施例では、図1または図4に示すように、気密 維持性部材3aと、気密維持性部材3aの上面に設けられ、刺通された密封部材 刺通針部を抜去した後に刺通部を再びシールしうるシール性部材3bと、密封部 材3を有底管2より剥離するためのタブ3cとを有している。
【0011】 気密維持性部材3aは、有底管2の開口部を密封するとともに、有底管2の内 部の減圧状態を保持する機能を有するものであり、ガスバリヤー性の高い物質に より形成されたガスバリヤー性フィルム、例えば、アルミ箔等の金属箔、エチレ ン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂フィルム材等によ り形成される。そして、このガスバリヤー性フィルムの下面には、有底管2の開 口部に固着するための接着性フィルムが設けられている。接着性フィルムとして は、変成ポリエステル樹脂が好適に使用できる。この接着性フィルムは、有底管 2を形成する樹脂と熱融着性を有するとともにイージーピール性を有している。 変成ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタ ル酸などの芳香族ジカルボン酸などと、ジオール成分としてエチレングリコール 、1・4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールな どを用いたものであり、軟化点80〜170℃(JIS K2531環球法)、 ガラス転移点−30℃〜80℃(DSC法)の範囲のものが好適である。 さらに、ガスバリヤー性フィルムの上面には、品種等を表示する印刷層、さら に、その印刷層を保護するオーバコート層(例えば、セルロース系コーティング 層)を設けてもよい。
【0012】 シール性部材3bは、採血器具に設けられている密封部材刺通針部が、採血管 1の密封部材3に刺通され、抜去された後において、密封部材3に形成される穿 刺孔を密封し、液密状態を保持する機能を有するものである。シール性部材とし ては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等 のゴム材質、またはスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合 体等の熱可塑性エラストマーなどの樹脂が使用できる。 そして、このシール性部材3bは、図1または図4に示すような形状を有して おり、シール性部材3bの底面は、気密維持性部材3aとの接着面を形成する平 面部となっている。そして、シール性部材3bの上部のほぼ中心には、凹状の血 液収容部が設けられている。この凹状の血液収容部は、採血器具の密封部材刺通 針部が、密封部材3より抜去される際に、シール性部材3bに付着した血液を収 納する機能を有している。そして、シール性部材3bは、気密維持性部材3aの ほぼ中心に設けられている。なお、シール性部材3bの形状は、円形のものに限 らず、楕円形を含む略円形、四角形、五四角形などの多角形であってもよく、ま た、気密維持性部材3aの上面の全体を被覆するものであってもよい。そして、 シール性部材3bと気密維持性部材3aとは、瞬間接着剤を用いて接着されてい る。
【0013】 そして、密封部材3の下面には、図1または図3に示すように、所定長有底管 2の底部に延びるエアー流入防止部材4が設けられている。エアー流入防止部材 4は、密封部材3に密封部材刺通針部を刺通する際、減圧採血管1内部と外部と が、密封部材刺通針部の刃面内に形成される開口を介して連通し、密封部材刺通 針部の刃面の開口の後端部(密封部材の上方で、密封部材によって封止されない 部分)から、空気が密封部材刺通針部の刃面の開口の先端部(密封部材の下方で 、採血管内に侵入している部分)に流れ、これにより、減圧された採血管内部に 空気が流入し、採血管内に血液が流入し始める前に、採血管内の陰圧度(減圧度 )が低下することを防止するためのものである。
【0014】 そして、エアー流入防止部材4は、図1に示すように、密封部材3の下面に固 着されており、密封部材3の開封に伴い、有底管2の開口部より離脱するように 構成されていることが好ましい。 また、エアー流入防止部材4の形状は、密封部材刺通針部の刺通部となる付近 の肉厚を大きくするものであれば、いかなる形状のものでもよいが、例えば、円 柱体、多角柱体、立方体、半球状、円錐状、多角錐状などである。好ましくは、 図1に示すように、有底管2の開口部付近の内面に密着し、開口部を実質的に封 止する円柱体であることが好ましい。より好ましくは、流入防止部材4は、外周 部より下方に伸びる、かつ先端側に向かって肉厚が減少する環状の突出部を有す ることである。特に、図1に示す実施例の採血管では、有底管2の開口部が外方 に向かって、拡径しているので、上記の環状の突出部の外周面は、有底管2の開 口部の形状に合致して、先端側に向かって縮径するテーパー面を形成している。 これにより、有底管2の開口部の密封性はより向上する。よって、環状の突出部 を有する流入防止部材は、その内部に、有底管2の閉塞端を向いた凹部を形成し ている。このような形状とすることにより、上述したエアーの流入を防止するこ とができるとともに、密封部材3を剥離する際、環状の突出部が、有底管2の内 部の血液が外部に飛散することを防止できる。
【0015】 具体的に説明すると、採血後の有底管2の内部は、若干陽圧状態となる場合が あり、密封部材3を剥離する際、内部の血液が外部に飛散し、手や作業環境を汚 染することがある。エアー流入防止部材4の下部が、凹部状に形成されることに より、凹部を形成する環状の突出部が障壁となり、血液が外部に飛散することを 防止できる。さらに、密封部材3の剥離後において、エアー流入防止部材4を簡 易的なキャップとして使用できる。そして、エアー流入防止部材4をこのような 形状に形成する場合は、流入防止部材4は、密封部材3の開封に伴い、密封部材 3とともに有底管2の内面を上方に滑動し、有底管2の開口部から容易に離脱で きるよう構成されることが好ましい。
【0016】 また、図2に示すように、エアー流入防止部材4の有底管2の底部方向への長 さ(イ)は、密封部材3の肉厚(ロ)との和、すなわち(イ+ロ)が、密封部材 刺通針部の針先の長さ(刃面が設けられている部分の長さ:ハ)より大きく(イ +ロ>ハ)なるような長さに形成されていることが好ましい。言い換えれば、シ ール性部材を含む密封部材の厚さとエアー流入防止部材4の厚さとの和は、密封 部材刺通針部の針先の長さ(刃面が設けられている部分の長さ)より大きく形成 されていることが好ましい。 これにより、本考案の減圧採血管1は、密封部材3に密封部材刺通針部を刺通 する際、密封部材刺通針部の針先が、密封部材3内部およびエアー流入防止部材 4内部に収まり、減圧採血管内部と外部とが、密封部材刺通針部の刃面を介して 連通してしまうことがなくなる。そして、密封部材刺通針部の刃面の開口の後端 部(密封部材の上部に位置し、密封部材によって封止されない部分)より、空気 が、密封部材刺通針部の刃面の開口の先端部(密封部材(流入防止部材4)の下 方で、採血管内に侵入している部分)に流れ、減圧された採血管内部に空気が流 入してしまうことを防止でき、初期設定した減圧量に応じた所定量の採血を得る ことができる。ただし、本考案は、密封部材3に密封部材刺通針部を刺通、抜去 する際の刺通抵抗や抜去抵抗が、エアー流入防止部材4を厚くする程大きくなる ことを考慮すると、必ずしも(イ+ロ>ハ)である必要はない。そして、(イ+ ロ)がハより小さい場合でも、エアー流入防止部材4は十分なエアー流入防止効 果を有するものである。
【0017】 具体的には、エアー流入防止部材4の有底管2の底部方向の長さ(イ)は、通 常、密封部材刺通針部の針先の長さ(ハ)が、採血管ホルダーの採血針では、1 .0mm〜3.0mm程度、血液バッグの採血針では、3.0mm〜8.0mm 程度であり、密封部材3の肉厚(ロ)が、1.0mm〜2.0mm程度であるこ とから、1.0mm〜7.0mmに形成されることが好ましく、より好ましくは 、1.5mm〜5.0mmに形成されることである。 また、シール性部材3bの肉厚を厚くすることによっても、同様の効果を得ら れるが、肉厚を厚くすることにより、密封部材3の表面より突出するシール性部 材が大きくなり、取り扱いにくいものとなる可能性が高く、また、密封部材の剥 離時に邪魔になる可能性が高い。さらに、気密維持性部材3aの採血管との接着 部が、刺通抵抗に耐え切れず破損するおそれがある。
【0018】 そして、エアー流入防止部材4は、採血針の密封部材刺通針部により刺通可能 であり、かつ、あまり刺通抵抗が大きいものでなく、さらに、密封部材3を剥離 する際の障害とならないように、ある程度の可撓性を有することが好ましく、そ の形成材料としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シ リコーンゴム等のゴム材質、またはスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS) ブロック共重合体、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィンエラストマー (例えば、ポリプロピレンエラストマー)、エチレンビニルアセテートコポリマ ー等の熱可塑性エラストマーなどの樹脂が使用できる。好ましくは、気密維持性 部材3aとの接着性が良いポリエステル系エラストマーである。また、エアー流 入防止部材4の表面、特に内表面を親水化処理して、血液の付着を抑制してもよ い。この親水化処理は、エアー流入防止部材4の表面に、親水性物質(例えば、 水溶性シリコーン、PVP,PVA)をコーティングすることにより行うことが できる。
【0019】 また、エアー流入防止部材4と密封部材3の固着は、接着剤(例えば、瞬間接 着剤)を用いた接着、さらには、加熱による熱融着により行うことができる。好 ましくは、熱融着である。 さらに、密封部材3と有底管2との固着は、密封部材3の接着フィルムを、有 底管2の開口部の周縁、図1に示すものでは、フランジ2aの表面に、上記変成 ポリエステル樹脂フィルムを、熱、超音波、高周波などを用いた融着により、気 密に被着することにより行われる。また、密封部材3の下面へのエアー流入防止 部材4の固着は、密封部材3と有底管2との固着と同時に行ってもよい。そして 、有底管2の内部は、上記密封部材3と有底管2の開口部との固着を、減圧雰囲 気下で行うことにより、減圧状態とすることができる。
【0020】 つぎに、図5および図6に示す本考案の減圧採血管の他の実施例について説明 する。 図5は、本考案の減圧採血管の他の実施例の断面図であり、図6は、図5のB −B線断面図である。 この実施例の減圧採血管1と前述した実施例の減圧採血管1との相違は、エア ー流入防止部材4の形状のみであり、他は同じである。 そして、この実施例のエアー流入防止部材4の形状は、図5および図6に示す ように円柱体であり、この円柱体は密封部材3のシール性部材3bが設けられる 部分の下方部分に設けられている。すなわち、この実施例の減圧採血管10は、 本考案におけるエアー流入防止部材4が、少なくとも密封部材刺通針部が刺通さ れる部分にのみ設けられれば足りることを示すものである。なお、この実施例で は、密封部材3の内面(接着性フィルム面)が血液と接触することがあり、密封 部材3の内面は疎水性表面であるため、密封部材3の内面に血餅が付着すること を防止するための処理を行うことが好ましい。この処理は、例えば、密封部材3 の内面に親水性物質(例えば、水溶性シリコーン、PVA、PVPなど)をコー ティングすることにより行うことができる。
【0021】
【作用】
つぎに、本考案の減圧採血管1の作用を説明する。 本考案の減圧採血管1を使用し、血液採取を行なう場合、まず、血液バッグ( 図示せず)に取り付けられた採血針(密封部材刺通針部)の針先を、密封部材3 のシール性部材3bに設けられている凹部に刺通する。図7は、密封部材刺通針 部が、密封部材に刺され、その針先先端が、シール性部材3b、気密維持性部材 3aを刺通し、かつ、エアー流入防止部材4内に位置しており、未だ、エアー流 入防止部材4を完全に刺通していない状態を示している。図7が示すように、本 考案の減圧採血管では、密封部材3の下面に所定の肉厚を有するエアー流入防止 部材4を有しているので、刺通針部により密封部材の刺通時に、一時的に、刺通 針部の針先(刃面全体)は、エアー流入防止部材4を含めた密封部材3の内部に 収まり、減圧採血管1内部と外部とが密封部材刺通針部の刃面の開口を介して連 通してしまうことがない。よって、刺通針部により密封部材の刺通時に、減圧さ れた採血管1内部に空気が流入してしまうことがない。 そして、密封部材刺通針部が減圧採血管1の内部に達するまで、減圧採血管1 を採血器具に挿入する。このとき、本考案の減圧採血管では、上述したように、 採血前にエアーが採血管1内部に流入してしまうことがないので、減圧に応じた 量の血液が採血管1内に流入する。そして、採血が完了したのち、採血器具より 採血管1を抜去する。 採血が完了した後は、密封部材刺通針部の刺通部はシール性部材3bにより再 シールされる。そして、検査等を行う際は、減圧採血管1のタブ3cを把持して 、上方に引っ張り、密封部材3を開封する。それに伴って、密封部材3の下面に 溶着されたエアー流入防止部材4も、有底管2より離脱する。
【0022】 (実施例1) 有底管として、図1に示すような形状を有し、採血管の開口部の外径13.4 mm、肉厚1.0mm、テーパー15/1000で、開口部に外径17.3mm 、肉厚2.0mmのフランジを有するものをポリエチレンテレフタレートを射出 成形することにより作成した。 密封部材を形成する気密維持性部材として、上面に品種を区別する印刷面、そ の下面にガスバリヤー性を持たせるアルミ箔層(40μ)、さらに、その下面に 接着フィルムである変成ポリエステル層(5μ,ユニチカ(株)製エリーテルU E3500)からなる密封部材用積層フィルムを作成した。そして、この密封部 材用積層フィルムを用いて、図4に示すような形状を有し、有底管の開口部を封 止する部分の直径が18mm、タブの長さ9mm、幅8mmの気密維持性部材を 作成した。 そして、シール性部材として、天然ゴム部材を用い、直径7.0mm、厚さ3 .0mmで、上部中心部に直径3.0mm、深さ1.0mmの凹状の血液収容部 を有するものを作成し、前記気密維持性部材の上面に、瞬間接着剤を用いて接着 した。 さらに、エアー流入防止部材として、ポリエステル系エラストマー(商品名ペ ルプレン、グレードP30B、東洋紡株式会社)を用いて、図1または図3に示 すような形状を有し、直径11.4mm、厚さ1.5mmのものを作成し、有底 管の内部に抗凝固剤EDTA−2K 2.5mgを入れた後、上記エアー流入防 止部材を有底管の開口部に挿入した。そして、減圧下で、密封部材を有底管のフ ランジに、また同時にエアー流入防止部材を密封部材の下面にヒートシール(シ ール温度190℃)し、採血量約6.9mlの本考案の減圧採血管を作成した。 そして、このようにして作成した採血管の密封部材のタブを引っ張って、密封 部材を有底管より剥離した。この剥離作業により、エアー流入防止部材も密封部 材とともに、有底管より離脱した。また、剥離した密封部材を有底管の開口部に 被嵌し、エアー流入防止部材を有底管の開口部内に嵌入させることにより、有底 管を再封止することができた。 (実施例2) エアー流入防止部材の厚さが5.0mmで、その他は実施例1と同様である本 考案の減圧採血管を作成した。
【0023】 (比較例) 有底管、気密維持性部材およびシール性部材として、実施例と同様のものを同 様の方法で作成し、エアー流入防止部材を有しない減圧採血管を作成した。
【0024】 (実験) 上記実施例1、実施例2の減圧採血管を各10本、比較例の減圧採血管20本 を用いて吸水実験を行った。実験では、内部に水を充填し、採血針(刃面の長さ 5.0mm、外径1.6mm)を有する血液バッグを用い、実施例1、実施例2 および比較例の減圧採血管各10本に血液バッグの採血針を穿刺し吸水させた。 そして、比較例の残りの10本に、採血管ホルダーの採血針(刃面の長さ1.0 mm)を穿刺し吸水させた。なお、実施例および比較例の採血管の内部は、共に 、初期設定としては、6.92ml(誤差±0.01)の水を吸引するよう減圧 状態とした。
【0025】 その結果、血液バッグの採血針(刃面の長さ5.0mm)を穿刺した比較例の 減圧採血管では、0.15ml〜5.40ml(平均1.95ml)の水が内部 に流入し、採血管ホルダーの採血針(刃面の長さ1.0mm)を穿刺した比較例 の減圧採血管では、6.91ml〜6.93ml(平均6.92ml)の水が流 入した。そして、実施例1の減圧採血管(エヤー流入防止部材の厚さ1.5mm )では、6.50ml〜6.91ml(平均6.73ml)の水が流入し、実施 例2の減圧採血管(エヤー流入防止部材の厚さ5.0mm)では、6.90ml 〜6.93ml(平均6.92ml)の水が流入した。 これにより、実施例1および実施例2の減圧採血管、特に実施例2の減圧採血 管では、刃面の長さが短い採血針を穿刺した比較例の減圧採血管(この場合、エ アーの流入は生じない。)とほぼ同様の水が吸水され、殆どエアーの流入が生じ ないことが確認された。
【0026】
【考案の効果】
本考案の減圧採血管は、一端が開口し他端が閉塞した有底管と、該有底管の開 口部を密封するフィルム状密封部材とを有し、内部が減圧された減圧採血管であ って、前記密封部材は、採血針に形成された密封部材刺通針部により刺通可能で あり、さらに、前記採血管は、前記密封部材の下面に設けられ、前記密封部材刺 通針部が刺通される際の該採血管内部へのエアーの流入を防止するエアー流入防 止部材を有しているので、密封部材に密封部材刺通針部を刺通する際、密封部材 刺通針部の刃面内に形成される開口を介して連通し、密封部材刺通針部の刃面の 開口の後端部(密封部材の上方で、密封部材によって封止されない部分)から、 空気が、密封部材刺通針部の刃面の開口の先端部(密封部材の下方で、採血管内 に侵入している部分)に流れ、これにより、減圧された採血管内部に空気が流入 し、採血管内に血液が流入し始める前に、採血管内の陰圧度(減圧度)が低下す ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の減圧採血管の一実施例の断面
図である。
【図2】図2は、図1の部分拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線断面図である。
【図4】図4は、本考案の減圧採血管の密封部材の平面
図である。
【図5】図5は、本考案の減圧採血管の他の実施例の断
面図である。
【図6】図6は、図5のB−B線断面図である。
【図7】図7は、本考案の減圧採血管の作用を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1 減圧採血管 2 樹脂製有底管 2a フランジ 3 密封部材 3a 気密維持性部材 3b シール性部材 3c タブ 4 エアー流入防止部材 10 減圧採血管

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が開口し他端が閉塞した有底管と、
    該有底管の開口部を密封するフィルム状密封部材とを有
    し、内部が減圧された減圧採血管であって、前記密封部
    材は、採血針に形成された密封部材刺通針部により刺通
    可能であり、さらに、前記採血管は、前記密封部材の下
    面に設けられ、前記密封部材刺通針部が刺通される際の
    該採血管内部へのエアーの流入を防止するエアー流入防
    止部材を有していることを特徴とする減圧採血管。
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