JPH0315945B2 - - Google Patents

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JPH0315945B2
JPH0315945B2 JP29848585A JP29848585A JPH0315945B2 JP H0315945 B2 JPH0315945 B2 JP H0315945B2 JP 29848585 A JP29848585 A JP 29848585A JP 29848585 A JP29848585 A JP 29848585A JP H0315945 B2 JPH0315945 B2 JP H0315945B2
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Kyoshi Himeno
Junji Yoshihara
Masateru Ishida
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、モノアゾ染料混合物に係り、更に詳
しくは、高温かつ苛酷な条件下でもポリエステル
繊維等を均一に染色することのできる新規な結晶
変態を有する、赤色系のモノアゾ染料混合物に関
するものである。
(従来の技術) 近年、染色業界では染色法の合理化が種々行わ
れており、例えば分散染料を用いポリエステル繊
維を染色する場合、多量の繊維を一度に染色処理
する液流染色法が多く採用され、そのうち広く一
般に使用されている例としてはビーム染色、チー
ズ染色、パツケージ染色等の方法が挙げられる。
これらの染色法は、静止した繊維を何層にも巻
いた緻密な層内に、染料分散液を強制的に循環さ
せて染色させる方式であるため、従来以上に、染
色浴に分散した染料粒子が微粒子であること及び
染色浴における分散安定性の優れていることが要
求される。すなわち、染料粒子が大きくなると、
繊維層によつて染料粒子の過現象が起こり、繊
維内部への染料の浸透不良、あるいは凝集物の付
着による内層又は外層の濃淡染め、繊維表面のみ
への染料の付着による耐摩擦堅ろう度等の堅ろう
度の低下などの問題が発生する。したがつて、こ
のような染色法に使用する染料としては、染浴中
で分散が良好であり、かつ室温から実際の染着が
起こる高温度までの広い温度範囲において分散性
の低下しないことが必要となるのである。
ところが、一般的に染浴を高温度にした時の染
浴中の染料の分散性は往々にして低下しやすく、
その結果凝集した染料が上述したように被染物の
表面に過残渣状に付着し、また何層にも重なつ
ている被染物は外層部分と内層部分で染着濃度が
異なつて、均一な濃度の染色が得られない。
とくに最近は、省資源、省エネルギーの観点か
ら、染浴の低浴比化(例えば被染物対染色液の
比率を1:30から1:10に低下させる)、分散
剤の使用割合の低下(例えば染料ケーキ対分散剤
の比率を1:3から1:1に低下させる)、更に
染色条件の一層の短時間高温化(例えば130℃
×1時間から135℃×0.5時間へ高温短時間化す
る)などのように、染色条件が苛酷なものへと移
行しつつある。しかも、かかる染色条件の苛酷化
はいずれも、染料の分散安定性には不利に働くた
め、従来の染色法によれば比較的分散安定性の良
好であつた分散染料であつても、従来よりも厳し
い最近の合理化された染色法によると分散安定性
の不良となるものが少なくない。
すなわち、例えば下記構造式〔〕及び〔〕 で示されるモノアゾ染料はいずれも、その構造自
体は特公昭44−30628号公報に記載の特許請求の
範囲に含まれるものであつて、通常、ジアゾ成分
の合成面から上記構造式〔〕のものと〔〕の
ものとの混合物として製造される。すなわち、こ
のモノアゾ染料混合物は、常法に従つて、対応す
るジアゾ成分の混合物をジアゾ化したものとカツ
プリング成分とをカツプリング反応させる製造法
により得られるものである。しかも、このモノア
ゾ染料混合物は、従来の温和な染色条件下で用い
た場合にはポリエステル繊維を均一に染色するこ
とができ、得られた染色物の諸堅ろう度も優れて
いる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前示構造式〔〕及び〔〕で
示される従来のモノアゾ染料混合物を、前述のよ
うな最近の合理化された高温で苛酷な染色条件下
でポリエステル繊維の染色に用いた場合には、染
料の分散性低下が著しく、染色濃度の均一な染色
物を得ることは極めて困難である、という問題点
があつた。また、従来の該染料混合物は、各種染
色助剤との相溶性にも問題があり、例えば芒硝
(Na2SO4)存在下での高温分散安定性が著しく
悪く、したがつて芒硝を含む反応性染料等と併用
してポリエステル/綿混紡品を染色する際に不均
染となるばかりでなく、更には染料を配合し使用
する際にも配合染料との相溶性の点から色ブレや
不均染を発生する、という問題点があつた。
本発明は、上記の従来の問題点を解決しうる新
規なモノアゾ染料混合物の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意検
討の結果、前示構造式〔〕及び〔〕で示され
るベンゾチアゾール系のモノアゾ染料混合物には
少なくとも2種類の結晶変態が存在し、その一つ
は高温度の染色条件下では分散安定性があまり良
好でない結晶変態であり、他の一つは高温度でし
かもさらに苛酷な染色条件下でも分散安定性の非
常に良好な結晶変態であることに加えて、通常の
合成反応で得られるケーキは前者の分散安定性が
あまり良くないほうの結晶変態であることを見い
だした。さらに、染料組成物の高温染浴中での分
散状態の安定性は、染料粒子の大小のみでは決定
されず、上述の結晶変態に重大な関係があり、染
浴の安定な分散系を得るためには、従来にはなか
つた上記でいう他の一つの新規な結晶変態の化合
物を用いて初めて目的を達成できる、との知見を
得て本発明に到達したものである。すなわち、本
発明は、回折角(2〓)約14.1°、18.6°、23.6°、25.
0゜
及び25.8゜に5本の強いピークを示すX線回折図
(CuK〓)により特徴づけられる結晶変態(以下、
「α型結晶変態」という。)を有し、かつ下記構造
式〔〕及び〔〕 で示されるモノアゾ染料混合物を要旨とするもの
である。
本発明の新規なα型結晶変態を有するモノアゾ
染料混合物は、以下のようにして得ることができ
る。まず、例えば下記構造式〔〕及び〔〕 で示されるジアゾ成分の混合物を常法によりジア
ゾ化し、次いで、生成したジアゾ混合物を下記構
造式〔〕 で示されるカツプリング成分と水媒体中で、0〜
15℃、好ましくは0〜10℃で30分〜10時間カツプ
リング反応させることにより、前示構造式〔〕
及び〔〕のモノアゾ化合物の混合物を合成す
る。この合成で得られるモノアゾ化合物の混合物
のケーキはほぼ無定型に近い結晶変態(以下、
「β型結晶変態」という。)である。これに対して
本発明では、このケーキを更に、特定条件下で処
理することによりα型結晶変態とする。この場合
の特定条件下での処理方法としては、β型結晶変
態のケーキを、例えば水媒体中に分散し、場合
によりナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド
縮合物、リグニンスルホン酸ソーダが主成分であ
るサルフアイトパルプ廃液の濃縮物等の分散剤の
存在下、60〜130℃、好ましくは80〜100℃の温度
で0.5〜30時間、好ましくは1〜10時間撹拌処理
する方法、又は、メタノール、エタノール又は
ブタノールなどのアルコール類、ジオキサンなど
のエーテル類、エチレングリコール、グリコール
エーテル等の有機溶媒中に分散し、15〜100℃、
好ましくは20〜80℃の温度で0.5〜10時間程度撹
拌処理する方法などが採用される。
また、前示構造式〔〕と〔〕で示されるモ
ノアゾ染料を各別々に合成した後、上述の処理を
施して本発明のモノアゾ染料の混合物を製造して
も差し支えない。
本発明のモノアゾ染料混合物は、前示構造式
〔〕及び〔〕のモノアゾ化合物の混合物であ
るが、この混合割合は、通常70:30〜30:70(重
量比)、好ましくは60:40〜40:60(重量比)であ
り、かかる混合比率のときに優れた染色特性を発
揮する。このような混合割合の染料混合物は全て
同一のX線回折図を示し、この混合物の結晶変態
がα型の場合には、いずれも優れた染色特性を有
するものである。
(作用) 次に、前示構造式〔〕及び〔〕で示される
モノアゾ染料混合物における本発明品のα型結晶
変態及び従来品のβ型結晶変態を図面により説明
する。第1図及び第2図は、粉体X線回折法にお
けるCuKα線による回折状態をプロポーシヨナル
カウンターを用いて記録したX線回折図であり、
横軸は回折角(2〓)、縦軸は回折強度を示す、第
1図は本発明の新規な結晶型であるα型結晶変態
を示すもので、特に、回折角(2〓)約14.1°、
18.6°、23.6°、25.0゜及び25.8゜に5本の強いピーク
を持つている。第2図は従来のβ型結晶変態を示
すものであり、第1図のα型結晶変態と明確に異
なつている。X線回折法による回折角は、同一結
晶型のものであれば、±0.1゜程度の誤差で常に一
致するものであつて、これらの図面は結晶変態の
相違を明白に示している。この結晶型の差異によ
り染色時におけるモノアゾ化合物の挙動が異な
り、本発明の場合には、高温度で、しかも、苛酷
な条件での染色法を採用しても、良好な染色がで
きるのである。
本発明のモノアゾ染料混合物により染色しうる
繊維類としてはポリエチレンテレフタレート、テ
レフタル酸と1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサンとの重縮合物などよりなるポリエ
ステル繊維、あるいは木綿、羊毛などの天然繊維
と上記ポリエステル繊維との混紡品混織品が挙げ
られる。本発明のモノアゾ染料混合物を用いてポ
リエステル繊維を染色するには、常法により分散
剤としてナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒ
ドとの縮合物、高級アルコール硫酸エステル、高
級アルキルベンゼンスルホン酸塩などを用いて、
水性媒質中に分散させた染色浴または捺染糊を調
整し浸染又は捺染を行なうことができる。また、
例えば、浸染の場合、上述のような高温染色法、
キヤリヤー染色法、サーモゾル染色法などの染色
処理法を適用することができ、しかも、これらの
方法で苛酷な染色条件を採用しても、本発明のモ
ノアゾ染料混合物は分散安定性に優れているの
で、ポリエステル繊維ないしはその混紡品を良好
に染色することができる。
その際、場合により、染色浴にギ酸、酢酸、リ
ン酸、硫酸アンモニウムなどの酸性物質を添加す
れば、更に好結果が得られる。
また、本発明の前示構造式〔〕及び〔〕で
示されるモノアゾ染料混合物は他の染料と併用し
てよく、染料相互の配合により染色性の向上等好
結果が得られる場合がある。
(実施例) 次に、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。
前示構造式〔〕及び〔〕の染料混合物結晶
の製造例1: N,N−ビス(アセトキシエチル)アニリン
5.3gを1%硫酸300mlに0〜3℃で分散させ、カ
ツプリング成分溶液とした。
5,6−ジクロロ−2−アミノベンゾチアゾー
ル及び6,7−ジクロロ−2−アミノベンゾチア
ゾールをそれぞれ2.2gずつ用い、リン酸/酢酸
=1/1溶液60mlに溶解し、42%ニトロシル硫酸
を用い、0℃にて2時間ジアゾ化を行い、ジアゾ
液を調製した。このジアゾ液を前記カツプリング
成分溶液中に滴下し、3時間、0℃にて反応後析
出結晶を別、水洗乾燥して、褐色結晶(前示構
造式〔〕と〔〕のモノアゾ染料の50:50混合
物)9.5gを得た。この反応で得られたモノアゾ
染料混合物の粉末をX線回折法により分析したと
ころ、β型結晶であり、そのX線回折図を第2図
に示す。
次いで、得られたβ型結晶変態を用い、20倍容
量の水中に分散させ、90〜95℃で3時間撹拌する
ことにより熱処理し、結晶の転移を行つた。結晶
の転移終了後過、乾燥を行い、得られた結晶を
X線回折法により分析したところ、第1図のX線
回折図を示すα型結晶変態を得た。
同上の染料混合物結晶の製造例2: 上記製造例1において、5,6−ジクロロ−2
−アミノベンゾチアゾールと6,7−ジクロロ−
2−アミノベンゾチアゾールの使用割合を変え、
前示構造式〔〕と〔〕のモノアゾ化合物の比
率を70:30の混合物を得、次いで、上記製造例1
と同様な熱処理を行つた。
この際の熱処理前と熱処理後の結晶変態を分析
したところ、熱処理前は第2図と同様のX線回折
図を示すβ型結晶変態であり、また、熱処理後は
第1図と同様のX線回折図を示すα型結晶変態で
あつた。
実施例 1 上記製造例1で得られたα型結晶変態のモノア
ゾ化合物混合物0.5gを、ナフタレンスルホン酸
−ホルムアルデヒド縮合物0.25g及び高級アルコ
ール硫酸エステル0.25gを含む水1に分散させ
て染色浴を調製した。この染色浴にポリエステル
繊維100gを浸漬し、135℃で30分間染色した後、
ソーピング、水洗及び乾燥を行つたところ、染料
の分散性は良好であり、染布への均一な染色がな
された。また、得られた染布は、青味赤色の耐光
堅ろう度6級、耐摩擦堅ろう度5級という極めて
良好なものであつた。
なお、上記製造例の製造途中のβ型結晶変態の
モノアゾ化合物混合体を用いて、同様の染色試験
を行つたところ、染浴中で染料の部分凝集が起こ
り、不均染な染布となり、かつ耐摩擦堅ろう度は
1級と大きく劣るものであつた。
実施例 2 実施例1において、ナフタレンスルホン酸−ホ
ルムアルデヒド縮合物および高級アルコール硫酸
エステルをそれぞれ3倍の0.75gに、水を3倍の
3とし、染色温度は130℃で60分間とする、や
や温和な染色法で行つた以外は、実施例1と同様
にして実施した。
その結果、本発明のα型結晶変態を用いた場合
は、実施例1の際と同様に良好な均一染色がで
き、得られた染布も耐光堅ろう度6級、耐摩擦堅
ろう度5級という極めて良好なものであつた。
これに対して、従来のβ型結晶変態を用いた場
合は、実施例1の際に比べて僅かな向上はみられ
たが、依然として不均染な染布が得られ、その耐
摩擦堅ろう度も3級というやや劣るものにとどま
つた。
実施例 3 実施例1の方法において、前記製造例2で得ら
れたモノアゾ染料混合物結晶を用いて同様にポリ
エステル繊維の染色を行つたところ、α型結晶変
態の場合も、β型結晶変態の場合も、それぞれ実
施例1におけると同様な結果であつた。
(発明の効果) 以上の結果から明らかなように、本発明のとく
にα型結晶変態を有する点で新規なベンゾチアゾ
ール系のモノアゾ分散染料混合物は、従来のβ型
結晶変態を有するベンゾチアゾール系のモノアゾ
分散染料混合物に比べて、格段に分散安定性に優
れ、これを例えばポリエステル繊維の染色に用い
れば、最近の合理化された高温でしかも苛酷ない
かなる染色条件下でも分散安定性を維持すること
ができ、したがつて常に良好な均一染色が行われ
かつ耐光堅ろう度、耐摩擦堅ろう度等も極めて良
好な染色物が得られる、という工業的価値ある顕
著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造例において得られたモノ
アゾ染料混合物の有するα型結晶変態のX線回折
図、第2図は同じくβ型結晶変態のX線回折図で
あつて、図中、横軸は回折角(2〓)を表わし、縦
軸は回折強度を表わす。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 回折角(2〓)約14.1゜、18.6゜、23.6゜、25.0゜
    及び
    25.8゜に5本の強いピークを示すX線回折図
    (CuKα)により特徴づけられる結晶変態を有し、
    かつ下記構造式〔〕及び〔〕 で示されるモノアゾ染料混合物。 2 構造式〔〕及び〔〕で示されるモノアゾ
    染料の混合割合が重量比で70:30〜30:70である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の染
    料混合物。
JP29848585A 1985-12-30 1985-12-30 モノアゾ染料混合物 Granted JPS62158763A (ja)

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