JPH0315854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は騒音防止およびシール性にすぐれたシ
ールワツシヤーに関する。

従来、ボルト等を組付ける個所において、これ
の固定部分の漏洩防止を目的として、種々のシー
ルワツシヤーが知られている。一般的なものとし
ては第１図に示すごとく、断面で逆Ｌ字形状の補
強環１を用い、その下部に該逆Ｌ字形補強環１が
抱含しうるドーナツツ状の弾性体２を設けて密封
を図つていたが、この構造のシールワツシヤーで
はボルト等で締付けたとき逆Ｌ字形状補強環１の
外周端に設けた傘部３下方より弾性体２が横流れ
を起し充分な密着力を持たないばかりか該横流れ
変形した弾性体２を長期間使用すると弾性体疲労
によるトルクダウンが発生して弾性力を弱め密封
性を極端に悪化させていたし再使用を全く受付け
ないものとなるなど多くの欠点があつた。

この様な欠点を解消すべく、該逆Ｌ字形状補強
環１の外周端に設けた傘部３を下部の弾性体２が
横流れしない範囲まで垂下させ横流れを防ぐ方法
もあるが、この方法では逆に弾性体２の変形量が
少な過ぎ高トルクを持つて締付けても該弾性体２
は十分な密着を行なわず密封性を向上させ得ない
し、振動防止効果を全く持たないものとなつてし
まう。すなわち、該逆Ｌ字形状補強環１の垂下す
る傘部３寸法及び中心から該傘部３までの寸法は
下部の弾性体２のトルクと変形量を左右し密封性
に大きく影響を及ぼすものであり自と限られた形
状となる。また昨今求められる防振、防音対策に
付いても弾性体２は充分なボリユームを必要とし
前記した横流れする欠点をさらに増加させる傾向
にある。

本考案はこれらの欠点を除去し、シール性能に
すぐれ、かつ装着が容易で、更にメタルタツチが
なく騒音防止効果の大きい理想的シールワツシヤ
ーを提供するものである。

本考案を図面に基づいて説明すると、第２図、
及び第３図に示すごとく、頭部に断面が平形状、
または外周端あるいは内周端もしくは内外両周端
に傘部３を備える金属製補強環Ａを具備し、該補
強環Ａの下方に合成ゴムまたは合成樹脂等の弾性
体で形成されシール部４を配置し、かつ該シール
部４は連続的に上方に連なり該補強環Ａより上に
突出する凸出シール輪５を有すると共に内側中央
にボルト挿入穴６を備えたシールワツシヤーであ
つて；該シール部４の胴部に平形状か、または外
周端あるいは内周端もしくは内外周端に上向き傘
部７を備えたワツシヤーＢを挿設し一体化した構
造である。この構造は第２図で示すごとく、傘部
３を外周端に備えた金属製補強環Ａを使用する場
合は平形状あるいは内周端に上向き傘部７を備え
るワツシヤーＢと組合せ、第３図で示すごとく平
形状あるいは内周端に傘部３を有する金属製補強
環Ａを使用する場合外周端に上向き傘部７を有す
るワツシヤーＢを組合せるなど、何れも上記二部
材Ａ・ＢがワツシヤーＢ上部のシール部４を外方
より抱きかかえる形状に構成することが好まし
い。

このとき凸出シール輪５は金属製補強環Ａの内
周上方を内含するものと内含しない方法があるが
本考案では特に限定しない。なお、シール部４の
胴部に挿設されるワツシヤーＢの内径は少なくと
もシール部のボルト挿入穴より大径に構成し、該
シール部４の下端に至らず補強環Ａに接触しない
位置に挿設するのがメタルタツチを防げるので好
ましい。

本考案のシールワツシヤーは第４図に示すごと
く支持部材８に装着しボルトに螺合するナツト９
等にて締付けシール部４の上下部がナツト９と支
持部材８とに圧接し、シール効果を発揮するもの
であるが、このとき、締付けられたシール部４は
圧縮され補強環Ａの外周に設けた傘部３、あるい
は他の組合せで構成した場合はワツシヤーＢの外
周に設けた上向き傘部７から外方に過多の横流れ
を起そうとする。しかしシール部４の胴部に挿設
した鋼性の有るワツシヤーＢで弾性体の横流れ量
を分散し、さらに該ワツシヤーＢはシール部４と
一体化されているためシール部４の該ワツシヤー
Ｂに接する面は横流れによる移動性を全く奪われ
ておりその面周辺も拘束されるので、横流れ量を
大きく規制し充分な弾力性保持と過度の変形を防
ぐ。このシール部４の変形量を押える効果は材料
である弾性体のひずみ変形と横流れ破壊を押え弾
性体の寿命を大巾に延ばす効果とシール性を大き
く向上させる効果があり繰返しての使用を可能と
し、かつシールに最適な弾性を有する材料を選択
可能とする大きな効果を有している。

また振動、騒音に対しても本考案のシールワツ
シヤーは、ワツシヤーＢをシール部４の胴部に挿
設したことにより、前述した強い弾力性を保持す
る材料を使用することが出来ることと横流れ量の
分散及びひずみ変形量の減少などの効果で振動を
微小に押え、さらにメタルタツチする箇所を持た
ないため大きく防音効果を向上させたものであ
る。

この様に本考案のシールワツシヤーは簡単な構
造で、シール性能が大巾に向上し、作業性がよく
更に騒音の発生も少ない理想的シールワツシヤー
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシールワツシヤーの断面図であ
る。第２図、及び第３図は本考案のシールワツシ
ヤーの断面図である。第４図は本考案のシールワ
ツシヤーの使用状態の断面図である。 Ａ……金属製補強環、Ｂ……ワツシヤー、１…
…逆Ｌ字形補強環、２……弾性体、３……傘部、
４……シール部、５……凸出シール輪、６……ボ
ルト挿入穴、７……上向き傘部、８……支持部
材、９……ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 頭部に金属製補強環を具備し、該金属製補強
   環の下方に合成ゴムまたは合成樹脂等の弾性体
   で形成されたシール部を備えるシールワツシヤ
   ーにおいて；該シール部は連続的に上方に連な
   り該補強環より上に突出する凸出シール輪を有
   すると共に内側中央にボルト挿入穴を備え、か
   つ該シール部の胴部にワツシヤーを挿設し固着
   一体化した構造を特長とするシールワツシヤ
   ー。 (2) 前記金属製補強環は、平形状か、または外周
   端あるいは内周端もしくは内外周端に傘部を設
   けた形状である実用新案登録請求の範囲第１項
   のシールワツシヤー。 (3) 前記ワツシヤーは、平形状か、または外周端
   あるいは内周端もしくは内外周端に上向き傘部
   を設けた形状である実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のシールワツシヤー。