JPH0315310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオフセツト印刷機におけるインキ着け
装置の版面着脱機構に関する。

従来のインキ着け装置の版面着脱機構は、第１
図に示す如く、横転ローラｊ，j′に回転可能に基
端を支承して逆Ｖ字状に配設されたアームｉ，
i′，i″，ｉの先端に夫々回転可能に支承された
インキ着けローラｂ，b′，b″，ｂを図示しない
バネにより版胴ａに圧着するように弾撥付勢し、
版胴ａ側方の図示しないフレームの軸ｃに枢着さ
れたカムｄの他端と着脱軸ｅに固定されたアーム
ｆとを駆動用リンクｇにて枢着連結し、着脱軸ｅ
を回転させることによりカムｄを軸ｃを支点とし
て矢印として矢印ｈ←→h′方向へ揺動することでア
ームｉ，i′，i″，ｉを介して各インキ着けロー
ラｂ，b′，b″，ｂが版胴ａに巻着された図示し
ない原版の版面に着脱するように構成されてい
る。

しかし、上述の従来装置は、複数個のインキ着
けローラｂ…に夫々付勢されたバネの弾撥力に抗
して版胴ａの軸芯から略放射方向にカムｄの力を
掛けることにより各インキ着けローラｂ…を離脱
するものであるため、着脱操作に大きな力が必要
となり、特に自動で着脱する場合は駆動源に大き
な負荷をかけ、故障等の印刷障害の原因となるも
のであつた。

そこで本考案は、版胴を支承するハウジングに
形成した環状溝に対して単一の着脱軸の回動操作
により相互に異なる方向に回動するように２枚の
カムを回動可能に支承すると共に、離脱時に時計
方向に回動するカムにより右側のインキ着けロー
ラを、又反時計方向に回動するカムにより左側の
インキ着けローラを夫々離脱するようにして、イ
ンキ着けローラを版胴に着脱するのに要する力を
軽減して操作性を向上したインキ着け装置の版面
着脱機構の提供を目的とする。

以下本考案の一実施例を第１図及び第２図によ
り説明すれば、インキ着けローラ３，４，５，６
は転ローラ１１，１２の横転ローラ用ハウジング
１１ａ，１２ａに基端を外装して同ハウジング１
１ａ，１２ａを中心として回転自在に略逆Ｖ字状
に配設されたアーム１３，１４，１５，１６の先
端に設けられたホルダー７，８，９，１０に夫々
回転可能に支承されたインキ着けローラ３，４，
５，６を上記アーム１３，１４，１５，１６の基
端延長部１３ａ，１４ａ，１５ａ，１６ａとフレ
ーム１に設けたバネ受け１７，１８，１９との間
に設けたバネ２０…によつて版胴２に巻着された
図示しない原版の版面に圧着するように弾撥付勢
している。

そして、後述するカム２５，２６により前記横
転ローラ用ハウジング１１ａ，１２ａを中心とし
て右側のアーム１４，１６に支承されたインキ着
けローラ４，６の反時計方向に、又左側のアーム
１３，１５に支承されたインキ着けローラ３，５
は時計方向に回転し、もつて版胴軸２２によりフ
レーム１に回転自在に軸架した版胴２に巻着され
た図示しない原版の版面より離脱するように設け
られている。

即ち、上記アーム１３，１４，１５，１６の先
端延長部１３ｂ，１４ｂ，１５ｂ，１６ｂにはベ
アリングなどからなるカムフオロアー２１…が
夫々後述するカム２５，２６と当接可能に設けら
れている。

前記カム２５，２６は略孤状に形成され、版胴
軸２２をフレーム１に支承するためのハウジング
２３の外周に形成した環状溝２４に２枚重ねて回
動可能に支承されている。

そして上記カム２５，２６の一端には前記フレ
ーム１に版胴２と平行に軸架した回転自在な着脱
軸２７に固定したアーム２８の一端２８ａにピン
２９により基端を枢着した２本の駆動用リンク３
２，３３の先端がピン３０，３１により夫々枢着
され、前記着脱軸２７を図において反時計方向に
回転することでカム２５は時計方向に、カム２６
に反時計方向に、即ち相互に異なる方向に回動す
るように設けられている。

即ち着脱軸２７の先端に基端を枢着した駆動用
リンク３２，３３の先端がカム２５，２６の一端
を反対方向に押圧回動するように版胴軸２２の周
方向へ適当寸法だけ離間された位置でカム２５，
２６の一端に夫々枢着されている。

そして、上記一方のカム２５には４個のインキ
着けローラ３，４，５，６中のインキ着けローラ
４，６を支承する右側のアーム１４，１６の先端
延長部１４ｂ，１６ｂに設けられたカムフオロア
ー２１，２１が当接し、該カムフオロアー２１が
カム２５の高所に乗り上げることによりアーム１
４，１６をこの基端延長部１４ａ，１６ａに弾撥
力を付勢したバネ２０，２０の弾撥力に抗して反
時計方向に回動して、それに支承されたインキ着
けローラ４，６を版胴２に巻着された原版の版面
より離脱し、逆にカム２５の低所にカムフオロア
ー２１が下降することによりインキ着けローラ
４，６を原版の版面に圧着させるようにしてい
る。

又、他方のカム２６には残りのインキ着けロー
ラ３，５を支承する左側のアーム１３，１５の先
端延長部１３ｂ，１５ｂに設けられたカムフオロ
アー２１，２１が当接し、該カムフオロアー２１
がカム２６の高所に乗り上げることによりアーム
１３，１５をこの基端延長部１３ａ，１５ａに弾
撥力を付勢したバネ２０，２０の弾撥力に抗して
時計方向に回動して、それに支承されたインキ着
けローラ３，５を原版の版面より離脱し、逆にカ
ム２６の低所にカムフオロアー２１が下降するこ
とによりインキ着けローラ３，５を原版の版面に
圧着させるようにしている。

尚、上記実施例においては駆動用リンク３２，
３３のうち何れか一方、図示例においては駆動用
リンク３２の先端に長孔３４をリンクの長さ方向
に形成し、駆動用リンク３２とカム２５を枢着す
るピン３０をスライド可能に挿通しているが、こ
のように長孔３４を一方の駆動リンク３２に設け
ることにより、他方の駆動リンク３３に枢着され
たカム２６を反時計方向に回動した後にカム２５
を時計方向に回動してインキ着けローラ３，４，
５，６を略半数づつ２段階に時間差をもつて離脱
でき、又逆に圧着できる。

尚、第２図において３５，３６は上記アーム２
８の回転角度、即ち着脱軸２７の回転角度を規制
すべくその他端２８ｂが当接するように設けたス
トツパーである。

以上説明したように本考案に係るオフセツト印
刷機におけるインキ着け装置の版面着脱機構は版
胴２に巻着された原版の版面に対して着脱可能に
設けた複数個のインキ着けローラ３，４，５，６
中の略半数ずつを回動方向の異なるカム２５，２
６により版面に着脱、即ち右側のインキ着けロー
ラ４，６は時計方向に回動するカム２５により、
又左側のインキ着けローラ３，５は反時計方向に
回動するカム２６により版面より離脱するように
したため、インキ着けローラ３，４，５，６が横
転ローラ１１，１２を中心として版面から離脱す
る方向に回動するカム２５，２６により作動され
るので無理な負荷がなく、またこれに要する荷重
が分割されるので、上記着脱操作を小さな力で軽
快に行うことができて操作性を向上できると共
に、この着脱ための駆動源に大きな負荷をかける
等の影響も与えないので故障等の印刷障害を防止
できる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオフセツト印刷機におけるイン
キ着け装置の版面着脱機構を示した正面図、第２
図は本考案に係るオフセツト印刷機におけるイン
キ着け装置の版面着脱機構の一実施例を示した正
面図、第３図は第２図の−断面図である。 ２…版胴、３，４，５，６…インキ着けロー
ラ、２２…版胴軸、２３…ハウジング、２４…環
状溝、２５，２６…カム、２７…着脱軸、２８…
アーム、３２，３３…駆動用リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横転ローラ１１，１２に回転可能に基端を支承
   して逆Ｖ字状に配設されたアーム１３，１４，１
   ５，１６の先端に夫々回転可能に支承されたイン
   キ着けローラ３，４，５，６をバネ２０…により
   版胴２に圧着するように弾撥付勢したオフセツト
   印刷機におけるインキ着け装置において、版胴２
   を支承するハウジング２３に形成した環状溝２４
   に回動可能にカム２５，２６を支承し、該カム２
   ５，２６に対して着脱軸２７に固着された２７に
   基端を枢着した駆動用リンク３２，３３の先端を
   枢着して両カム２５，２６の回動方向を相互に異
   ならしめると共に、離脱時に時計方向に回動する
   カム２５に対して右側のインキ着けローラ４，６
   を支承するアーム１４，１６のカムフオロアー２
   １，２１を当接し、反時計方向に回動するカム２
   ６に対して左側のインキ着けローラ３，５を支承
   するアーム１３，１５のカムフオロアー２１，２
   １を当接させたことを特徴とするオフセツト印刷
   機におけるインキ着け装置の版面着脱機構。