JPH03130322A - Fe―Co系軟磁性材料の製造方法 - Google Patents

Fe―Co系軟磁性材料の製造方法

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JPH03130322A
JPH03130322A JP9187790A JP9187790A JPH03130322A JP H03130322 A JPH03130322 A JP H03130322A JP 9187790 A JP9187790 A JP 9187790A JP 9187790 A JP9187790 A JP 9187790A JP H03130322 A JPH03130322 A JP H03130322A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、極めて高い飽和磁束密度を持つFe−Co系
軟磁性材料の、冷間加工性に優れた製造方法に関する。
(従来の技術) 鉄系磁性材料の飽和磁束密度は、原子1個当たりの、磁
気モーメントを担う電子の密度(d電子密度)によって
規定される。スレータ−=ポーリング曲線によれば、飽
和磁束密度は、周期律表の中でFeより原子番号の小さ
い側で増加し、COより原子番号の大きい側で減少する
。即ち、Fe−Co合金は最も大きな飽和磁束密度を持
つことになる。最大となるところはCo:30%の組成
のところであるが、キュリー温度はCo量が増加するに
つれて上昇し、室温付近での飽和磁束密度はCo:40
%で最大となる。
また、Fe−Co合金は室温で、Co二〇〜70%で体
心立方格子であるが、Co:50%付近の組成のとき、
CsC1型の規則合金となる。合金が規則化するにつれ
て透磁率の増大、保磁力の低下など、軟磁気特性の向上
がみられる。
従ってFe−Co系合金は飽和磁束密度の最も高い軟磁
性材料となり、小型モーター、プリンターヘッド等、小
さな体積で大きな出力を必要とする機器のコア等に用い
られてきた。
Fe−Co系軟磁性合金は、室温で規則相が安定となり
良好な磁気特性をもたらすが、非常に脆い相であり、冷
間加工が困難となる。そのため、従来は、冷間加工に先
立って、規則不規則変態温度である730℃以上の温度
域、即ち、不規則相域、あるいはγ相域から素材を焼入
し、規則相の析出を阻止することによって加工性を良好
ならしめるようにしていた。焼入処理における冷却速度
は、730℃〜980℃(α:不不規粗相から焼入を行
う場合は、規則不規則変態を阻止できる400℃/se
c以上の冷却速度で、また980℃/sec以上の温度
域(γ相域)から焼入を行う場合は、マルテンサイト変
態を生じせしめ得る100℃/sec以上の冷却速度で
、規則相が析出不可能となる500℃以下の温度まで冷
却することが必要となる。(rJo−urnal of
 Applied PhysicsJ Vol、32.
348s、「日立金属技報J Vol、13.20 、
等)即ち、従来の熱間加工終了後、焼入処理のために再
び加熱した後に前記条件の焼入を行っている。そのため
熱間加工後、焼入処理を行うまでの間は材料の曲げ、剪
断などの加工が不可能となるので、熱間加工直後の高温
状態でシート状に加工して、以降の焼入、酸洗、冷間加
工等の工程に供する。少量のバッチ生産となる処から、
極めて生産性が低くなる。
このため、従来技術による時は、Fe−Co系軟磁性材
料の製造コストは極めて高いものとなっていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来技術における生産性の問題を解決し、熱
間加工後の材料を連続的に、多量、迅速、かつ安価に、
冷間加工工程までもちきたすFe−C0系軟磁性材料の
製造プロセスを提供することを目的としてなされた。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは、 (1)重量で、CO:40〜60%、残部:Feおよび
不可避的不純物からなる鋼を、730℃以上の温度域で
加工し、加工終了後加工歪が解放されない時間内に、7
30℃以上の温度域から100℃/s以上の冷却速度で
300℃以下の温度まで冷却し、次いで冷間加工するこ
とを特徴とするFe−Co系軟磁性材料の製造方法。
(2)重量で、Co:40〜60%、さらにV、Cr。
C,Nb5Ti、Mn、Mo、5nSPbSZn。
Ta、’ WSN iおよびAlのうちの少なくとも■
種を合計量で0.01〜3.5%含有し、残部:Feお
よび不可避的不純物からなる鋼を、730℃以上の温度
域で加工し、加工終了後加工歪が解放されない時間内に
、730℃以上の温度域からlOO℃/s以上の冷却速
度で300℃以下の温度まで冷却し、次いで冷間加工す
ることを特徴とするFe−Co系軟磁性材料の製造方法
にある。
以下に、本発明の詳細な説明する。
Fe−Co系軟磁性材料は、Co含有量が40〜60%
、即ちCo 二Fe=1 : 1近傍で透磁率が最大に
なる。従って、Co:40〜60%とした。
特許請求範囲第2項で示した添加元素は、材料の加工性
をさらに向上させるために添加する。0゜01%に満た
ない添加量では効果が発現せず、一方、3.5%を超え
て添加すると磁性を担うFe、Coの成分比率が低下し
、飽和磁束密度が低下する。
次に、プロセス条件について説明する。
取上のように、Fe−Co系軟磁性材料はCo含有量が
40〜60%、即ちCo:Fe=1:1近傍で透磁率が
最大となるが、この成分範囲では、材料は室温において
規則相が熱的平衡相として存在する。本発明が対象とす
るのは、この規則相を有する高透磁率合金である。
規則相は塑性変形に際して、複数の転位が同時に運動し
なければならないため、一般に変形しがたく、加工が極
めて困難である。本発明の対象とする合金も、規則相の
ままの熱間加工材は、室温で圧延、剪断、打ち抜き等の
冷間加工を施すことが困難である。
本発明者らは、冷間加工可能なFe−Co系軟磁性材料
を得るプロセス条件について研究を進めた結果、730
℃以上の温度域での熱間加工の後に、直ちに100℃/
sec以上の冷却速度で300℃以下まで冷却を行えば
、冷間加工が可能になるという知見を得た。即ち、本発
明においては、まず、鋼塊(鋼片)を熱間加工によって
熱処理に適した形状(=板厚)に加工する。熱間加工を
730℃以上の温度域で完了させ、その温度域から直ち
に冷却すれば、規則相の出現を阻止する熱処理を実現で
き、再加熱工程を省くことができる。
従来の技術のように、再加熱工程を経た場合、730℃
以上980℃以下の温度域から冷却を開始すれば冷間圧
延可能な材料を得ることができるが、400℃/sec
以上の冷却速度が必要となる。熱間加工後の板厚が2〜
3Mの場合熱間加工直後でこれだけの冷却を行うには、
巨大な冷却漕、あるいは強力な冷却水スプレーが必要と
なる。一般に設置されている冷却設備の冷却能の限界は
、200℃/secである。従って、従来技術による場
合は、γ単相域である980℃以上の温度域から冷却を
開始しなければならない。一部でもα相が存在している
と、そこが規則相に変態し、冷間加工、例えば冷間圧延
に際して塑性変形せずに、割れ、傷などを惹起するから
である。
本発明の、熱間加工後再加熱することなしに直ちに冷却
するプロセスによる時は、冷却開始温度は980℃以上
の温度域から冷却を開始しても、冷間加工が可能となる
まず初めに、α単相域で熱間加工を行う時を考える。熱
間加工に際して材料に加工歪が導入されるが、この歪が
解放されない内に冷却を行うと、歪は凍結される。つま
り、材料内は転位密度の非常に高い状態となる。この状
態が保たれたまま規則不規則変態温度以下に冷却される
と、転位が原子の再配列の障害となって規則化変態が阻
止される、あるいは遅れることになる。従って規則不規
則変態温度以下でも不規粗相を得ることができるように
なるのである。
ところで、この温度域では、熱的には規則相が安定であ
る。冷却終了温度が十分に低くない、あるいは冷却速度
が十分に大きくないと、上記の歪による変態を阻止する
力よりも、変態するための熱的な駆動力が優り、規則相
が析出して材料は、脆化する。この限界の冷却終了温度
が300℃であり、冷却速度が、100℃/seeであ
る。
熱間加工によって導入された歪が解放されるのに必要な
時間は、730℃以上の温度では5秒である。また、特
許請求範囲の(2)に示した合金添加を行えばさらに1
0数秒に延びる。
加工歪が残留しない、即ち動的回復、動的再結晶が生じ
る温度域で加工した場合は本発明による効果は得られな
いことになる。しかし、本合金においては、そのような
高温度域においてγ相戸なるために、100℃/sec
以上の冷却速度で冷却した場合、マルテンサイト相が析
出する。この相は冷間圧延可能である。従って、加工歪
によって規則化変態が阻止されなくても、規則相は出現
せず、冷間加工が可能となるのである。
ただし、この場合でも、熱間加工後冷却開始までの時間
が長いと、温度低下によりα相が出現する。このα相中
には加工歪が導入されていないので、100℃/see
程度の冷却速度では規則相に変態してしまう。従って、
やはり、熱間加工後直ちに冷却を開始する必要がある。
(実施例) 第1表に、本発明の実施例、及び比較例を示す。
試験魔1〜7より、本発明により、100℃/sec以
上の冷却で、冷間加工性に優れた熱間加工材が得られた
事がわかる。しかし、冷却速度の遅いkloは冷間加工
性が悪い。熱間加工後、冷却開始までの時間は、試験N
(L8より、添加合金無しの場合は8秒おくと冷間加工
不可能となるが、添加合金がある場合は、Nα5のよう
に12秒おいても冷間加工可能であった。しかし、20
秒を経過したN(111の試料は不可となる。また、試
験M9は、冷却終了温度が高くて、冷却終了後に延性が
劣化した例である。試験N(L3のように、320℃で
終了した場合は、冷間加工可能であった。
(発明の効果) 本発明により、飽和磁束密度の非常に高い軟磁性材料で
あるFe−Co系合金の、低コストな大量生産が、可能
となるのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量で、Co:40〜60%、残部:Feおよび
    不可避的不純物からなる鋼を、730℃以上の温度域で
    加工し、加工終了後加工歪が解放されない時間内に、7
    30℃以上の温度域から100℃/s以上の冷却速度で
    300℃以下の温度まで冷却し、次いで冷間加工するこ
    とを特徴とするFe−Co系軟磁性材料の製造方法。
  2. (2)重量で、Co:40〜60%、さらにV、Cr、
    C、Nb、Ti、Mn、Mo、Sn、Pb、Zn、Ta
    、W、NiおよびAlのうちの少なくとも1種を合計量
    で0.01〜3.5%含有し、残部:Feおよび不可避
    的不純物からなる鋼を、730℃以上の温度域で加工し
    、加工終了後加工歪が解放されない時間内に、730℃
    以上の温度域から100℃/s以上の冷却速度で300
    ℃以下の温度まで冷却し、次いで冷間加工することを特
    徴とするFe−Co系軟磁性材料の製造方法。
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