JPH03128702A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はベルト端剥離を抑制でき高速耐久性を向上しう
る重荷重用タイヤに関する。

〔従来の技術〕

トランク、バス等の重荷重車両に用いられるラジアルタ
イヤにあっては、従来、例えば第５図に示すように、ラ
ジアル構造のカーカスａの半径方向外側に、同一弾性率
を有するスチール製のベルトコードを用いた少なくとも
３枚のベルトプライｂ１．ｂ２・・・ｂｎからなるベル
トＮｂを設けている。なおベルトｌｂは、第６．７図に
示すように、半径方向外側２枚のベルトプライｂ１、ｂ
２の各コード角を、カーカスａに隣接する最内側のベル
トプライｂｎのコード角に比して小さく、かつベルトプ
ライｂ１、ｂ２のコードを、ｎ−３の場合は互いに交差
する向きに、又ｎｘ４の場合は同一の向きに配置されて
、全体として互いに交差するトラス構造とすることによ
ってトレッド部を均一にかつ剛性高く補強している。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながらこのようなタイヤでは高速走行時、最外側
のベルトプライｂ１がその端部から分離するいわゆる眉
間剥離が早期に発生し高速耐久性を著しく低下させるこ
とが知られている。

これはタイヤが高荷重条件下で使用されるため、トレッ
ド内部温度が一般タイヤに比して高く、しかもベルト層
ｂ１がカットエンドプライから形成されるため、プライ
端部におけるタイヤケースへの拘束力が弱く、その結果
、トレッドショルダー部での外径成長に伴う接地圧の増
加によってこの部分の内部温度がさらに上昇する。しか
も接地面からの応力変動を直接に受ける最外側のベルト
プライｂ１が最も苛酷な剪断歪をうけるためベルトプラ
イｂ１、ｂ２間の剥離が助長されるのである。

しかもベルトプライ数が３枚のとき、ベルト層すはベル
トプライｂ１、ｂ２の各コードが交差する向きとなるた
め、タイヤ変形時、コードの伸長方向が互いに異なり、
従ってベルトプライｂ１、ｂ２間に剪断応力が作用し、
このことが前記ショルダ一部での温度上昇と相俟ってベ
ルトプライｂ１端部の層間剥離を発生させる。

なお、このような眉間剥離を防止するために、トレッド
ゴムに損失係数の小さい低発熱性のゴムを採用し又トレ
ッドゲージ厚、特にショルダ一部でのゲージ厚を低下さ
せるなどのトレッドゴムの低発熱化が一部行なわれてい
るが、このような手段では効果が極めて不十分であり、
しかも低発熱性ゴムの採用はグリップ性能を低下させ又
ゲージ厚の低下は、摩耗寿命を損ねかつ偏摩耗を悪化さ
せるなどタイヤ諸性能に多くの弊害を招来する。

さらに、このようなベルトプライ間の眉間剥離を防止す
る方法として、特開昭５０−６７１０８号公報は、第８
．９図に示すように、４枚のスチールベルトプライｂ１
、ｂ２、ｂ３、ｂ４からなるベルト層すにおいて、トレ
ッド面側より数えて２枚目と３枚目のベルトプライｂ２
、ｂ３間の角度差に起因する剪断歪の発生を防止するた
めに、このスチールベルトプライｂ３を有機繊維コード
に変更しベル）ｂ２、ｂ３間の眉間剥離を軽減すると共
にベルトプライｂ２の両端を前記ベルトプライｂ３の有
機繊維コードで被覆することによりベルトプライｂ２端
の剪断歪を軽減し、剥離を防止する方法が開示されてい
る。しかしながら、実際に使用されているトラック、バ
ス用のカーカス、ベルトの双方をスチールコードとした
オールスチールタイヤは、前記ベルト１ｇｂの層間剥離
は、トレッド接地面に最も近いベルトプライｂ１が路面
よりの変動を最も苛酷にうけるため、ベルトプライｂ１
、ｂ２間において剥離が発生するのであり、前記公報の
従来技術ではこのｆｆ１Ｊｌ離を防ぐことは不可能であ
る。

又最外層のベルトプライの両端末を、その下側に隣接配
置されたプライの両端部を折返すことにより保護する構
造のものも特開昭５３−１８１０５号に開示されている
が、このものはオフロード使用の大型車用タイヤに関す
るものであり、又悪路に順応して変形容易となるような
ベルト構成としている。

従ってトランク、バス用のオールスチールラジアルタイ
ヤのタイヤ性能を維持しつつ最外側に配置されたスチー
ルベルト層の剥離を防ぎ高速耐久性を向上するには、従
来技術ではいづれもなお不十分である。

本発明は、３〜４枚のスチールへルトブライによりトラ
ス構造としたベルト層において、最外層の第１のベルト
プライとその内側の第２のベルトプライとの間に第１の
ベルトプライ外側端を囲んで折返させる折返し部を有す
る芳香族ポリアミド繊維コードよりなる中間プライを介
在させることを基本として、タイヤ諸性能を損ねること
なくブライ間剥離を抑制でき、高速耐久性を向上しうる
重荷重用タイヤの提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本発明は、トレッド部から
サイドウオール部をへてビード部のビードコアの廻りを
折返すラジアル又はセミラジアル構造のカーカスの半径
方向外側かつ前記トレッド部の内方に、スチール製のベ
ルトコードを用いた少なくとも３枚のベルトプライから
なるトラス構造のベルｔ４を配するとともに、該ベルト
プライのうち半径方向最外側に位置しかつタイヤ赤道に
対して１０゛以上かつ３０°以下の傾斜角度でベルトコ
ードを配列した第１のベルトプライと、該第１のベルト
プライの内側に配置されかつベルトコードを前記第１の
ベルトプライのベルトコードと交差する方向でしかもタ
イヤ赤道に対して１０゛以上かつ３０”以下の傾斜角度
で配列した第２のベルトプライとの間に、芳香族ポリア
ミド繊維を用いた中間コードを配列してなりかつ前記第
１、第２のベルトプライ間に介在する基部の両側端部分
に、前記最外側の第１のベルトプライのタイヤ軸方向外
側端を囲んでタイヤ赤道に向かって折返す折返し部を具
える中間層を設ける一方、前記中間コードは第１のベル
トプライのベルトコードと同じ向きに傾きかつ該ベルト
コードに対して３度以下の傾斜角度で配列してなる重荷
重用タイヤである。

〔作用〕

第１、第２のベルトプライ間に配される中間層は、スチ
ール製のベルトコードに比して伸長性の比較的高い芳香
族ポリアミド繊維からなる中間コードから形成されてい
るため、タイヤ変形時に第１、第２のベルトプライ間に
作用する剪断応力を緩和する。又折返し部によってカッ
トエンド状の第１のベルトプライ外側端を被覆保護する
ためゴムとの接着性を高めることができ、しかも該折返
し部によって該外側端でのタガ効果を高めタイヤの高速
回転に伴うトレッドショルダ一部での外径成長を抑制し
、高速耐久性を向上する。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。

第１〜３図において、重荷重用タイヤ１は、ビードコア
２が通るビード部３と、該ビード部３に連なりかつタイ
ヤ半径方向外向きにのびるサイドウオール部４と、該サ
イドウオール部４の外端間を継ぐトレッド部５とを具え
ている。又ビード部３．３間には、前記トレッド部５か
らサイドウオール部４を通ってビード部３に到る本体部
７Ａ両端に前記ビードコア２を内側から外側に折返した
巻上げ部７Ｂを設けたカーカス７が架は渡されるととも
に、該カーカス７の半径方向外側かつトレッド部５内方
にはベル）ＩＷ９がタイヤ円周方向に巻装される。

前記カーカス７は、カーカスコードをタイヤ赤道に対し
て７５〜９０’の角度αで配列した１枚もしくは２枚以
上のカーカスプライからなるラジアル構造もしくはセミ
ラジアル構造のものが採用される。なおり−力スコード
としては有機、無機の繊維コード、本例ではスチールコ
ードが用いられる。又該カーカス７の本体部７Ａ及び巻
上げ部７Ｂの間には、硬質ゴムからなりかつ前記ビード
コア２から半径方向外方にその厚さを漸減してのびる断
面三角形状のビードエーペックス１０が設けられ、前記
サイドウオール部５を補強しタイヤ横剛性を高めている
。

又前記ベルト層９は、本例ではトレッド表面からカーカ
ス７に向って配される第１のベルトプライ１１、第２の
ベルトプライ１２、第３のベルトプライ１３からなる３
）１１構造をなし、第２のベルトプライ１２は、その巾
を第１のベルトプライ１１の巾に比して大に、又第３の
ベルトプライ１３の巾は前記第１のベルトプライ１１の
巾よりも中挟に形成されており、該ベルｌ−Ｎ９の最大
重ＢＷ、すなわち本例では第２のベルトフライ１２の巾
をトレッド巾ＴＷの０．８３倍以上かつ０．９９倍以下
とすることによりベルト層９は、トレッド部５をそのほ
ぼ金山をタガ効果を有して補強する。

又前記第１〜３のベルトプライ１１．１２．１３は、夫
々初期弾性率が１５Ｘ１０’ｋｇハ１以上の強靭なスチ
ール製のベルトコードから形成され、第３のベルトプラ
イ１３は、そのベルトコードをタイヤ赤道ＣＯに対して
５０〜７０’の角度β１で前記カーカスコードと同方向
の例えば右上りに傾斜させて配置する。又第２のベルト
プライ１２はそのベルトコードをタイヤ赤道ＣＯに対し
て１０〜３０°の角度β２で右上りに配列する一方、第
１のベルトプライ１１はそのベルトコードをタイヤ赤道
Ｃ○に対して１０〜３０°の角度β３で左上りに配列し
ている。

従って、ベルト層９は、各ベルトプライ１１．１２．１
３のベルトコードが互いに交差することによってほぼ金
山に亘って剛性の大なトラス構造を形成する一方、第２
、第３のベルトプライ１２．１３のベルトコードが夫々
同じ向きに傾斜するため、走行時のタイヤ変形によって
生じる第２、第３のベルトプライ１２．１３間の剪断歪
を緩和しており、しかも第３のベルトプライ１３のコー
ド角を前記カーカス７のコード角αと第２のベルトプラ
イ１２のコード角β２との中間としているため、該カー
カス７とベルト層９との相互間の剥離損傷を軽減しうる
。

そして本発明においては、第１、第２のベルトプライイ
１１．１２間に中間１ｉ１５を介在させ半径方向最外側
となる第１のベルトプライ１１の剥離を防止する。

中間層１５は、前記第１、第２のベルトプライ１１．１
２間に配置される基部１６の両側端部分に、前記第１の
ベルトプライ１１の外側端を囲んで上にかつタイヤ赤道
ＣＯに向かって内方に折返される折返し部１７を設けた
ホールドエンドプライとして形成される。

又中間層１５は、前記スチールベルトコードに比して低
弾性でかつ伸長性が比較的高くしかも耐熱性に優れる有
機繊維コードすなわち初期弾性率が１３　Ｘ　１０　’
　ｋｇｆ　／　ａｍ”以下の芳香族ボリア　％ド繊維を
用いた中間コードから形成され、該中間コードは前記第
１のベルトプライのベルトコードに対して３°以下の傾
斜角度θでベースゴム中に埋設される。

従って中間層１５は、中間コードが比較的高い伸長性を
有することによって、前記第１、第２のベルトプライｌ
Ｌ１２間に作用する剪断応力を緩和する一方、中間コー
ドと第１のベルトプライ１１のコーードとがほぼ同方向
となることによって中間層１５と第１のベルトプライ１
１との密着性を高めている。

又中間層１５は折返し部１７により、カットエンドプラ
イからなる第１のベルトプライ１１の外側端を被覆保護
する一方、該外側端におけるタイヤケースに対する拘束
力を高め、トレッドシッルダ一部での外径成長に起因す
る温度上昇及び偏摩耗を抑制する。

なお中間コードとして例えばナイロン、レーヨン、ポリ
エステル等の他の有機繊維コードを用いた場合には、タ
イヤケースの拘束力が不十分となり、外径成長を抑制し
えず又耐熱性にも劣る。

又中間コードとしてはコードサイズが１５００ｄ／２で
しかも撚数が３５Ｘ３５回／１０口のものが好適に使用
できる。

又ベースゴムとして、１００％モジュラス（Ｍｌｏｏ）
を２５〜５０　ｋｇ／ｃ！Ｉ”かつ３００％モジュラス
（Ｍ２Ｏ３）を１００〜２００ｋｇ／ａｍ”とするとと
もに、ＪＩＳＡ硬度（ＨＡ）が７５〜８０°でありかつ
複素弾性率（Ｅ″）が５０〜２０Ｏｋｇ／ｃｍ”しかも
損失係数（ｔａｎ　δ）が０．１〜０゜２の範囲である
柔らかくかつエネルギー損失の小さい低発熱性のゴム組
成物を採用することが好ましく、このことにより前記剪
断歪をより軽減するとともに中間１ｉ１５と第２のベル
トプライ１２との間のセパレーシヨンを予防しうる。

なお複素弾性率（Ｅｏ）及び損失係数（ｔａｎδ）は、
春本製作所製の粘性スペクトロメータを用いて７０℃、
周波数２０８２、静歪率１０％、動歪率２％の条件で、
４Ｎ巾Ｘ３Ｑｍ長さＸ　１．５　＊＊厚さの短冊状試料
を用いて測定した値である。

又中間層１５は、前記折返し部１７の内側端間のタイヤ
軸方向長さである内側端間長さｌを前記トレッド巾ＴＷ
の０．８倍以下、好ましくは０．４倍以下とする。これ
により、内側端をタイヤ変形量の比較的小さなトレッド
中央部分で終端させることにより該内側端での応力集中
を軽減する。又そのために内端間長さを０、即ち内端を
突き合わせることもできるが、重ね合わせるのは厚さ変
動が生じて好ましくない、なお突き合わせる場合の他、
トレッド巾ＴＷの０．２　イｇ以上の距離とすることに
より、前記効果を維持しつつコスト、重量を軽減するの
もよい。

なお第４図は、スチールコードからなる４枚のベルトプ
ライ１１．１２．１３．１４を用いた他の実施例を示し
、この実施例では、第１、第２のベルトプライ１１．１
２のコード角度を左上がりの１０〜３０°、第３のベル
トプライ１３のコード角度を右上がりの１０〜３０°、
第４のへルトブライ１４は右上がりの６０〜７０’程度
としている。

〔具体例〕

タイヤサイズが１１Ｒ２２，５１４Ｐかつトレッドパタ
ーンがＨＷ−Ｊであるタイヤを第１表の仕様に基づき試
作するとともに、ドラム走行テストによって高速耐久性
能を第５図に示す従来タイヤと比較した。なおテストは
規格荷重の１４０％の負荷状態で、速度を１００１ｕａ
／Ｈより２時間走行１０ｋｍ／Ｈステップアンプスピー
ドで走行させ、該タイヤにベルト破壊が発生した時のベ
ルト端破壊温度を比較した。

第１表に示すように本発明の重荷重用タイヤは、耐摩耗
性を維持しうる従来タイヤに比して約５〜１５％破壊温
度を上昇させることができ高速耐久性を向上している。

〔発明の効果〕

畝上のごとく本発明の重荷重用タイヤは、第１、第２の
ベルトプライ間に芳香族ポリアミド繊維を用いたホール
ドエンドブライからなる中間層を設けているため、第１
、第２のベルトプライ間に作用するせん断応力を緩和す
る一方、トレッドショルダ一部での外径成長を抑制でき
、しかもゴムとの接着性を高めるなど第１のベルトプラ
イ端部の剥離の発生を軽減しタイヤ諸性能を損ねること
なく高速耐久性を向上しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図はベル
ト層を拡大して示す断面図、第３図はベルト層のみを取
出して示す平面図、第４図は他の実施例を示す断面図、
第５図は従来タイヤの断面図、第６．７図はそのコード
の角度を示す線図、第８図は他の従来技術を示す断面図
、第９図は従来タイヤのベルト層を例示する断面図であ
る。 ２−・−ビードコア、　３・−・ビード部、４・−サイ
ドウオール部、　　５・−・トレン７−カーカス、　　
９・・−ベルト層、１１・−・第一のベルトプライ、 １２・・・第二のベルトプライ、 １５・・−中間層、　　１７・・・折返し部、ｃｏ−・
タイヤ赤道。 ド部、

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　トレッド部からサイドウォール部をへてビード部の
   ビードコアの廻りを折返すラジアル又はセミラジアル構
   造のカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方
   に、スチール製のベルトコードを用いた少なくとも３枚
   のベルトプライからなるトラス構造のベルト層を配する
   とともに、該ベルトプライのうち半径方向最外側に位置
   しかつタイヤ赤道に対して１０゜以上かつ３０゜以下の
   傾斜角度でベルトコードを配列した第１のベルトプライ
   と、該第１のベルトプライの内側に配置されかつベルト
   コードを前記第１のベルトプライのベルトコードと交差
   する方向でしかもタイヤ赤道に対して１０゜以上かつ３
   ０゜以下の傾斜角度で配列した第２のベルトプライとの
   間に、芳香族ポリアミド繊維を用いた中間コードを配列
   してなりかつ前記第１、第２のベルトプライ間に介在す
   る基部の両側端部分に、前記最外側の第１のベルトプラ
   イのタイヤ軸方向外側端を囲んでタイヤ赤道に向かって
   折返す折返し部を具える中間層を設ける一方、前記中間
   コードは第１のベルトプライのベルトコードと同じ向き
   に傾きかつ該ベルトコードに対して３度以下の傾斜角度
   で配列してなる重荷重用タイヤ。 ２　前記中間コードは、芳香族ポリアミド繊維からなり
   かつコードサイズが１５００ｄ／２しかも撚数が３５×
   ３５回／１０ｃｍであることを特徴とする請求項１記載
   の重荷重用タイヤ。 ３　前記中間層は、前記折返し部の内側端間のタイヤ軸
   方向長さである内側端間長さｌが前記トレッド部両側端
   間のタイヤ軸方向長さであるトレッド巾ＴＷの０．４倍
   以下であることを特徴とする請求項１及び２記載の重荷
   重用タイヤ。 ４　前記中間層は、中間コードを、１００％モジユラス
   が２５以上かつ５０ｋｇ／ｃｍ＾２以下しかも３００％
   モジュラスが１００以上かつ２００ｋｇ／ｃｍ＾２以下
   とするとともにＪＩＳＡ硬度が７５゜以上かつ８０゜以
   下でありかつ複素弾性率が５０以上かつ２００ｋｇ／ｃ
   ｍ＾２以下しかも損失係数が０．１以上かつ０．２以下
   のゴム組成物に埋設させたプライからなることを特徴と
   する請求項１〜３のいずれかに記載の重荷重用タイヤ。