JPH031234Y2 - - Google Patents

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JPH031234Y2
JPH031234Y2 JP13769986U JP13769986U JPH031234Y2 JP H031234 Y2 JPH031234 Y2 JP H031234Y2 JP 13769986 U JP13769986 U JP 13769986U JP 13769986 U JP13769986 U JP 13769986U JP H031234 Y2 JPH031234 Y2 JP H031234Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は表皮付発泡成形品に関し、詳しくは
正面の中央部に空所を有する穴あきの環状形態を
なし、その内部に補強用の芯体が埋設された表皮
付発泡成形品に関する。
(従来技術及び考案が解決しようとする問題点) 表皮付発泡成形品の一種に、穴あきの環状形態
をなす袋状の表皮の内部に発泡体が充填され、そ
の発泡体の内部に、補強用の芯部とその芯部から
延び出す一対のステーとを備えた芯体が、それら
ステーを表皮外側に突出させる状態で埋設された
形態のものがある。自動車のシート頭部に取り付
けられるヘツドレストはその一例である。
ところで、従来のこの種表皮付発泡成形品にお
いては、環状の発泡成形品を全周に亘つて補強し
得るように、芯体の芯部が表皮形状に対応した環
形状に形成されており、このためこの芯体を表皮
内部に挿入するにあたつて、環状表皮の全外周又
は全内周を予め開いておかなければならなかつ
た。
しかしながら表皮の全外周又は全内周を開いて
おくと、芯体挿入後においてこれら開口を縫製,
溶着,カバー類の固着等によつて閉じ合せる処理
が必要となり、従来これが面倒な作業となつてい
た。
この問題点を解決するため、本出願人は先の特
許願(特願昭60−176158号特開昭62−35811号公
報参照)において、表皮に形成した開口を封鎖部
材(係合部材)にて封鎖する技術手段を提案し
た。第11図及び第12図はその一例を示してい
る。図に示すように、表皮100に形成した開口
102の縁部に一対の封鎖部材104を配設し、
環状の芯部108を有する芯体110を開口10
2を通じて表皮100内部に挿入・セツトした後
に、これら封鎖部材104を互いに係合させるこ
とによつて(但しこの例では間接部材106を介
した間接的な係合)、表皮100の開口102を
封鎖するのである。
このようにすれば、表皮に形成した開口を、芯
体挿入後において縫製等にて閉じ合せる処理は不
要となるが、一方においてかかる封鎖部材を表皮
の全外周開口若しくは全内周開口に亘つて配設し
なければならない不都合がある。
本出願人はこの他、芯体の構造を工夫すること
によつて、表皮の全外周又は全内周を予め開いて
おかなくても、芯体を表皮内に挿入し得る技術手
段を提案している(特願昭61−102644号特開昭62
−257818号公報参照)。第13図及び第14図は
その一例である。図に示すように、この技術手段
は、上記芯体110における芯部108を一定範
囲に亘つて切除した形態、すなわち不連続な環形
態とすることによつて、表皮100の全外周又は
全内周を開いておかなくても、その一部開口11
2から芯体110を表皮100内部に挿入し得る
ようにし、そして芯体110を表皮100内にセ
ツトした段階で、連結バー(補強部材)114を
芯部108の両端部間ないし表皮内部に位置する
一対のステー116の上端部間に架け渡して環を
形成し、以て芯体100自体を補強するととも
に、ステー116,116間のピツチを一定に規
定するようにしたものである。
本願の技術手段によれば、表皮の一部を部分的
に開口させておくだけで足り、従つて表皮の全外
周又は全内周を開口させて、それら開口部全てに
封鎖部材を配設する必要はなくなるが、反面、補
強部材114を単独の部品として別途に用意して
おかなければならない不具合がある。
(問題点を解決するための手段) 本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたものであり、その要旨は、前記芯体の芯部
を、前記表皮に対応した形状の環体を一定範囲に
亘つて切除した形態として前記一対のステーを該
芯部の両端部から延び出させる一方、前記表皮に
該芯体を挿入するための開口を形成して該開口の
相対向する一対の縁部のそれぞれに封鎖部材を配
設し、該芯体の挿入後前記発泡材料の発泡に先立
つてそれら封鎖部材を係合させることにより前記
表皮の開口を封鎖するようにするとともに、該封
鎖部材に、前記芯部の切除部分に配置されて該芯
部とともに環体を形成する芯体補強部材を一体に
設け、該封鎖部材により前記開口を封鎖する際
に、該補強部材の両端部を前記芯部の両端部若し
くは前記一対のステーの表皮内部に位置する上端
部分にそれぞれ連結するようにしたことにある。
(作用) かかる本考案においては、芯体の芯部が完全な
環形状を成しておらず、一部切除された形態とな
つているため、環状表皮の外周全部或いは内周全
部を芯体挿入に先立つて予め開いておく必要がな
い。表皮の一部のみ部分的に開口させておくだけ
で、芯体を一方のステーの先端部分から表皮内部
に挿入・セツトし得るからである。従つてまた表
皮の開口を塞ぐ封鎖部材も、表皮の一部開口にの
み配設するだけで良くなる。
また、芯体を補強するための補強部材が封鎖部
材に一体に設けられているため、補強部材を別途
に用意する必要がなくなり、加えて、本考案にお
いては、かかる補強部材を芯体に連結した状態に
おいて、その芯体と表皮との相対位置が封鎖部材
を介してある程度規定されるため、表皮内部にお
ける芯体のセツト位置の精度が高められる利点が
ある。
(実施例) 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。
第2図において、10は表皮付発泡成形品とし
ての自動車用のヘツドレストである。このヘツド
レスト10は穴あき形態、すなわち正面中央部に
空所12を有する環状形態をなしている。その下
辺部からは一対のステー20が延び出しており、
このステー20によつて自動車のシート頭部に取
り付けられるようになつている。
このヘツドレスト10は、断面が環状をなし且
つ袋状に形成された表皮14と、表皮14の内部
に充填されたポリウレタン発泡体(図示は省略)
と、その発泡体の内部に埋設された芯体16(第
1図)とで構成されている。芯体16は、表皮1
4に対応した形状の環体を一定範囲に亘つて切除
した形態の芯部18と、芯部18の両端から延び
出す一対のステー20とを有し、そのステー20
が表皮14から外側に突き出す状態で、表皮14
の内部に配設されている。
表皮14は、第2図に示すように下辺部分に開
口26を有し、且つこの開口26が第3図に示す
ように、開口端部のそれぞれに配設された合成樹
脂製の一対の板状の封鎖部材28,30にて封鎖
されている。すなわち、一方の封鎖部材30には
三角頭部を備えた複数の係合突起32が開口26
に沿つて設けられるとともに、他方の封鎖部材2
8には複数の係合穴34が同じく開口26に沿つ
て設けられ、これら係合突起32と係合穴34と
の係合に基づいて、一対の封鎖部材28,30が
密着させられ、以つて開口26が封鎖されている
のである。
これら封鎖部材のうちの一方28には、第4図
に詳しく示すように、芯体16を補強するための
補強ロツド42が、封鎖部材28から立ち上がる
支壁36を介して一体に設けられている。そして
その補強ロツド42の両端部には、半円筒状の嵌
合部40が一体に設けられるとともに、中央部に
は、発泡材料注入用の円筒部38が同じく一体に
設けられ、表皮14の注入口19(第2図)から
注入された発泡材料が、この円筒部38を通じ
て、表皮14内部に導かれるようになつている。
他方、封鎖部材30には、円筒部38との干渉
防止用の半円形状の切欠46が中央部に設けら
れ、また両端部には、封鎖部材28の嵌合部40
と対となつて前記ステー上端部と嵌合する半円筒
状の嵌合部44が一体に設けられている。
これら嵌合部40,44は、補強ロツド42と
芯体16とを連結するためのものであつて、一方
の嵌合部40には、第5図に詳しく示すように、
補強ロツド42と芯体16との相対位置(ステー
20の軸心方向の相対位置)を規定するための凸
部48が形成され、そしてこの凸部48に対応し
て、芯体16の側に凹部50が形成されている。
次に、以上の構成から成るヘツドレスト10の
作用をその製造手順とともに説明する。
先ず複数の表皮材片を縫製により互いに継ぎ合
せて表皮14を形成する。そのとき一部を未接合
のまま残して前記開口26とし、その開口26の
縁部に、一対の封鎖部材28,30を配設する。
そしてその開口26内に芯体16の一方のステー
20の先端部を挿し込み、次いで環状の表皮14
と芯体16とを環の周方向に相対移動させて、そ
の芯部18を表皮14の内部所定位置まで挿入す
る。この挿入状態において、芯体16は、一対の
ステー20の上端部がそれぞれ表皮14の内部に
位置し、その大部分が表皮14の開口26から外
側に突き出した状態となる。そこで一対の封鎖部
材30,28の係合突起32と係合穴34とを互
いに係合させて開口26を閉塞すると同時に、こ
れら封鎖部材28,30に一体に設けられた嵌合
部40,44を芯体16における一対のステー2
0の各上端部分に嵌合する。このとき嵌合部40
の凸部48とステー20の凹部50とを合せてお
けば、嵌合部40,44をステー20に嵌合する
と同時に、補強ロツド42と芯体16との相対位
置(ステー20の軸心方向及びこれと直角な方向
の相対位置)が規定される。また補強ロツド42
が芯体16に連結された状態において、この補強
ロツド42と芯体芯部18とは連続する環体を形
成し、これによつて芯体16の強度が高められる
とともに、一対のステー20と20との間のピツ
チが規定される。
こうして芯体16が表皮14内部にセツトされ
たところで、表皮14を芯体16とともに発泡型
内にセツトして、注入口19から発泡材料を表皮
14内部に注入し、そして発泡させると、表皮1
4内部が発泡体で埋められて、ここに表皮付発泡
成形品ができあがる。
このように、本例によれば表皮14の全内周を
或いは全外周を開口させておかなくても、芯体1
6を表皮14の一部開口26からその内部に容易
に挿入することができる。そして芯体16を表皮
14内に挿入した状態において、開口26部に配
設された一対の封鎖部材28,30を互いに係合
させると、開口26が塞がれると同時に、封鎖部
材28に一体の補強ロツド42が芯体16に自動
的に連結されて、芯体16の補強構造ができあが
る。しかもその時、芯体16と補強ロツド42、
つまり芯体16と表皮14とが相対移動不能に固
定される。このため、芯体16を表皮14に対し
て正しく位置決めした状態で、その内部にセツト
することができる。
尚、本例では封鎖部材28の嵌合部40に設け
られた凸部48と、芯体16のステー20に設け
られた凹部50とによつて、それらの相対位置を
定める位置決め手段が構成されているが、第6図
乃至第8図に示すように、ステー20の側に凸部
52を設けて、かかる位置決め手段とすることも
可能である。
次に、第9図は本考案の他の実施例を示したも
ので、図中54は表皮開口26の縁部に配設され
る一方の封鎖部材である。本例ではこの封鎖部材
54に3本の円筒部が一体に設けられ、このうち
中央部の円筒部58が発泡材料の注入用とされ、
他の2本の円筒部が、芯体16のステー20上端
部と嵌合する嵌合部56とされている。そしてこ
れら嵌合部56とステー20とには、第10図に
示すように相一致するピン穴が設けられており、
このピン穴にピン60が挿通されることによつ
て、補強ロツド42と芯体16との相対位置が規
定されるようになつている。
尚、本例においては、表皮14の前記開口26
から芯体16を表皮14内部に挿入した後、封鎖
部材54を芯体16に嵌合し、その後表皮14に
予め形成した切込みを通じて芯体16のステー2
0を開口26から貫通穴62まで移動させる等の
手法により、芯体16を表皮14内部の所定位置
にセツトすることができる。
以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はそ
の他の形態で構成することが可能である。
例えば、封鎖部材に一体に設けられた補強部材
と芯体との連結部の構成は他に種々の形態が可能
であるし、その補強部材を芯体の芯部に対して連
結することも可能であり、また封鎖部材も上例と
は異なつた形態で構成することが可能である。更
に本考案は自動車のヘツドレスト以外の表皮付発
泡成形品にも適用可能である等、その主旨を逸脱
しない範囲において、当業者の知識に基づき様々
な変形を加えた形態で構成することが可能であ
る。
(考案の効果) 以上詳述したように、本考案によれば、環状の
表皮内部に芯体を挿入するにあたつて、表皮の全
外周又は全内周を予め開いておく必要がなく、従
つてまた表皮内部に芯体を挿入した後においてこ
れら開口を閉じ合せる処理も不要となる。
また、芯体を補強する補強部材が封鎖部材に一
体に設けられているために、発泡成形品の構成部
品点数が少なくてすむとともに、かかる補強部材
を芯体に連結した状態において、表皮と芯体との
相対位置(少なくともステーの軸心と直角な方向
の)が定まつて、芯体のセツト位置精度が高まる
など、各種優れた効果が生ずる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例であるヘツドレスト
を一部切欠いて(発泡体は省略)その内部を示す
斜視図であり、第2図はそのヘツドレストの外観
を示す斜視図である。第3図は第1図及び第2図
のヘツドレストの開口部及びその周辺部を示す要
部断面図であり、第4図は第1図及び第3図の封
鎖部材に設けられた補強ロツドと芯体との連結部
分の構造を分解して示す要部斜視図である。第5
図は第4図の封鎖部材と一体の嵌合部の要部拡大
斜視図であり、第6図は本考案の他の実施例にお
ける芯体の要部斜視図である。第7図は第6図に
示す芯体凸部の要部断面図であり、第8図は第6
図の芯体を表皮内部にセツトした状態を示す要部
断面図である。第9図は本考案の他の実施例にお
ける補強ロツドと芯体との連結部分の構造を封鎖
部材とともに示す要部斜視図であり、第10図は
その実施例において芯体を表皮内部にセツトした
状態の要部断面図である。第11図は本願の先願
に係る表皮付発泡成形品の一構成例を示す一部切
欠斜視図であり、第12図は同じ発泡成形品の要
部断面図である。第13図及び第14図はそれぞ
れ本考案の更に他の先願に係る発泡成形品の製造
方法の一例を示す斜視図である。 10:ヘツドレスト、12:空所、14:表
皮、16:芯体、18:芯部、20:ステー、2
6:開口、28,30,54:封鎖部材、40,
44,56:嵌合部、42:補強ロツド。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央部に空所を有する穴あき形態の環状をなし
    且つ全体が袋状に形成された表皮の内部所定位置
    に、補強用の芯部と該芯部から延び出す一対のス
    テーとを備えた芯体を、それらステーが該表皮の
    外側に突出する状態で挿入・セツトするととも
    に、該表皮の内部において発泡材料を発泡させて
    該表皮の内部を発泡体で埋めて成る表皮付発泡成
    形品において、 前記芯体の芯部を、前記表皮に対応した形状の
    環体を一定範囲に亘つて切除した形態として前記
    一対のステーを該芯部の両端部から延び出させる
    一方、前記表皮に該芯体を挿入するための開口を
    形成して該開口の相対向する一対の縁部のそれぞ
    れに封鎖部材を配設し、該芯体の挿入後前記発泡
    材料の発泡に先立つてそれら封鎖部材を係合させ
    ることにより前記表皮の開口を封鎖するようにす
    るとともに、該封鎖部材に、前記芯部の切除部分
    に配置されて該芯部とともに環体を形成する芯体
    補強部材を一体に設け、該封鎖部材により前記開
    口を封鎖する際に、該補強部材の両端部を前記芯
    部の両端部若しくは該芯部の両端部から延び出す
    前記一対のステーの上端部分にそれぞれ連結する
    ようにしたことを特徴とする表皮付発泡成形品。
JP13769986U 1986-09-08 1986-09-08 Expired JPH031234Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2651712B2 (ja) * 1988-10-24 1997-09-10 難波プレス工業株式会社 穴あきヘッドレストの製造方法
JP4653432B2 (ja) * 2004-07-06 2011-03-16 テイ・エス テック株式会社 ヘッドレストおよび車両用シート並びにヘッドレストの製造方法
JP4503373B2 (ja) * 2004-07-06 2010-07-14 テイ・エス テック株式会社 ヘッドレストおよび車両用シート並びにヘッドレストの製造方法

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