JP4653432B2 - ヘッドレストおよび車両用シート並びにヘッドレストの製造方法 - Google Patents

ヘッドレストおよび車両用シート並びにヘッドレストの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はヘッドレストおよび車両用シート並びにヘッドレストの製造方法に係り、特に、開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストおよびこのヘッドレストを用いた車両用シート並びにヘッドレストの製造方法に関する。
従来から、例えば、車両用シートのヘッドレストとして、開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストが知られている。
一般に、上記ヘッドレストを製造するには、まず、発泡樹脂を開口部から表皮材の内部に注入し、この発泡樹脂を発泡させることによって表皮材の内部にクッション材を形成する。
そして、クッション材を表皮材で被覆した状態で、表皮材の開口部を封着することによってクッション材を表皮材で被覆する処理を完了する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
例えば、特許文献1に記載の例では、表皮材に形成された前側部材の下縁と下面部材の前縁とを縫着せずに、この部分に開口部を形成し、この開口部から表皮材の内部にクッション材の原料を注入している。
そして、表皮材の内部に注入したクッション材の原料を発泡させ、この発泡したクッション材によって前側部材の下縁と下面部材の前縁とを端末挟持させることにより、開口部を封着している。
ところが、特許文献1に記載のように、発泡したクッション材によって前側部材の下縁と下面部材の前縁とを端末挟持させて開口部を封着する方法では、クッション材の発泡による圧力によって開口部が開いてしまうことがあった。
このため、前側部材の下縁と下面部材の前縁とを接合できないことがあり、これによって、開口部の接合部分に穴が開いたり、開口部の周囲にしわや局所的な膨らみ等が生じたりすることがあった。
従って、特許文献1に記載の方法では、前側部材の下縁と下面部材の前縁との封着部分の外観を良好とすることが困難であった。
また、特許文献2に記載の例では、表皮材の開口部周縁に形成された第一表皮端末と第二表皮端末とを接着剤を介して重ね合わせ、第一表皮端末と第二表皮端末を外側から圧着した状態で加熱している。
そして、第一表皮端末と第二表皮端末を圧着した状態で加熱することによって接着剤を溶融させ、この溶融した接着剤を冷却固化させて第一表皮端末と第二表皮端末を接合し、これによって開口部を封着している。
ところが、特許文献2に記載のように、第一表皮端末と第二表皮端末を接着剤によって接合させて開口部を封着する方法では、第一表皮端末と第二表皮端末との間から接着剤がはみ出したり、第一表皮端末と第二表皮端末から接着剤が滲んだりすることがあった。
また、第一表皮端末と第二表皮端末を加熱処理する際に、第一表皮端末と第二表皮端末にずれやしわが生じることがあった。
従って、特許文献2に記載のように、第一表皮端末と第二表皮端末を接着剤によって接合させて開口部を封着する方法では、第一表皮端末と第二表皮端末の封着部分の外観を良好とすることが困難であった。
さらに、第一表皮端末と第二表皮端末に接着剤を装着する工程や第一表皮端末と第二表皮端末を加熱処理する工程において、作業者によって開口部の封着部分の仕上がりにばらつきが生じやすく、ヘッドレストの外観品質を一定に保持することが困難であった。
そこで、上記のような不具合を解消するために、外部装着部材を用いて開口部の封着部分を被覆処理するようにしたヘッドレストが提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
例えば、特許文献3に記載の例では、表皮材の開口部周縁に形成された第一表皮端末と第二表皮端末とにファスナを設けている。そして、表皮材の内部にクッション材を配置した状態でファスナを閉じることにより第一表皮端末と第二表皮端末を接合している。
そして、ファスナによって接合した第一表皮端末と第二表皮端末の上から外部装着部材としてのフィニッシャを装着することにより、第一表皮端末と第二表皮端末の封着部分を被覆し、これによって開口部を被覆処理している。
このように、特許文献3に記載の例では、第一表皮端末と第二表皮端末の封着部分をフィニッシャによって被覆するので、第一表皮端末と第二表皮端末の封着部分を外部から覆い隠すことが可能である。
一方、特許文献4に記載の例では、フレームの水平杆部を連結する外部装着部材としての連結フレームを用いている。この連結フレームの外周面には、表皮材に形成された開口部周縁の表皮端末を嵌合する嵌合溝が形成されている。
そして、表皮材に形成された開口部周縁の表皮端末を連結フレームの嵌合溝に嵌合することによって、表皮材の開口部を封着処理している。
また、連結フレームには、開口部の表皮端末を挟み込む嵌合溝が設けられているので、これによって開口部の封着部分を覆い隠すことが可能である。
さらに、特許文献4に記載の例では、開口部周縁の表皮端末を連結フレームの嵌合溝に嵌合することによって開口部の封着処理を行うことができるので、開口部周縁の表皮端末を接合する封着部材を不要にでき、ヘッドレストのコストを低減することが可能である。
特開2000−189291(第2−3頁、図20) 特開平9−76351号公報(第3頁、図3、図4) 特開平6−245851号公報(第3−4頁、図1) 特開平10−295485号公報(第2−3頁、図1、図4)
しかしながら、特許文献3に記載の例では、ヘッドレストの組立工程において、ファスナを閉じて第一表皮端末と第二表皮端末を接合する処理が作業者にとってたいへん煩わしいものであった。
従って、ヘッドレストを組み立てる作業現場では、第一表皮端末と第二表皮端末を接合する処理を簡素化することが望まれていた。
また、特許文献4に記載の例では、開口部の表皮端末を連結フレームの嵌合溝に嵌合する作業に熟練を要していた。このため、作業経験の少ない作業者によっては、開口部の表皮端末を連結フレームの嵌合溝に嵌合する際に、表皮端末にしわや弛みを生じさせてしまうことがあった。
このように、特許文献4に記載の例では、作業者によって開口部の封着部分の仕上がりにばらつきが生じやすく、ヘッドレストの外観品質を一定に保持することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、外観品質を向上させることが可能なヘッドレストを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、外観品質を一定に保持することが可能なヘッドレストを提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、ヘッドレストを備えてなる車両用シートにおいて、ヘッドレストの外観品質を向上させることが可能な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ヘッドレストを備えてなる車両用シートにおいて、ヘッドレストの外観品質を一定に保持することが可能な車両用シートを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、ヘッドレストの外観品質を向上させることが可能なヘッドレストの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ヘッドレストの外観品質を一定に保持することが可能なヘッドレストの製造方法を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の発明によれば、開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストであって、前記表皮材の内側に配置されるインナーガーニッシュと、前記表皮材の外側に配置されるアウターブラケットと、該アウターブラケットよりも外側に配置されるアウターガーニッシュと、を備え、前記インナーガーニッシュは、前記表皮材のうち少なくとも前記開口部が形成された領域を前記表皮材の内側から覆うインナーガーニッシュ本体部と、前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合して前記開口部を封着する封着部と、前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を介して外部に突出する第一固定部と、を有して構成され、前記アウターブラケットは、前記インナーガーニッシュ本体部と対向して配置されるアウターブラケット本体部と、該アウターブラケット本体部を前記第一固定部に接続する第二固定部と、を有して構成され、前記アウターガーニッシュは、前記表皮端末の接合部分を覆うアウターガーニッシュ本体部と、該アウターガーニッシュ本体部を前記アウターブラケット本体部に接続する第三固定部と、を有して構成されたこと、により解決される。
このように、請求項1に記載のヘッドレストによれば、インナーガーニッシュのインナーガーニッシュ本体部が表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域を表皮材の内側から覆うように構成されているので、このインナーガーニッシュ本体部によって表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域を表皮材の内側から覆うことができる。
これにより、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域をインナーガーニッシュ本体部の形状に沿った形状(例えば、アーチ状や円形状)とすることが可能となる。
また、インナーガーニッシュには、表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合して開口部を封着する封着部が備えられているので、表皮材の開口部を封着するには、インナーガーニッシュの封着部で開口部周縁の表皮端末を接合するだけで良い。
従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業を簡素化することが可能となる。
さらに、本発明のヘッドレストによれば、表皮材の外側に配置されるアウターブラケットと、アウターブラケットよりも外側に配置されるアウターガーニッシュを備え、アウターブラケットが、インナーガーニッシュ本体部と対向して配置されるアウターブラケット本体部と、アウターブラケット本体部をインナーガーニッシュの第一固定部に接続する第二固定部と、を有して構成され、アウターガーニッシュが、表皮端末の接合部分を覆うアウターガーニッシュ本体部と、アウターガーニッシュ本体部をアウターブラケット本体部に接続する第三固定部と、を有して構成されている。
従って、アウターブラケットの第二固定部をインナーガーニッシュの第一固定部に接続することによってアウターブラケットをインナーガーニッシュに装着すると共に、アウターガーニッシュの第三固定部をアウターブラケット本体部に接続することによってアウターガーニッシュをアウターブラケットに装着することにより、表皮端末の接合部分をアウターガーニッシュによって外部から覆い隠すことができる。
ここで、請求項2に記載のように、アウターブラケット本体部に板厚方向に貫通するスリットが設けられ、アウターガーニッシュ本体部にスリットと整合する位置にアウターブラケット本体部側へ突出する接続突起が形成され、接続突起がスリットに挿入固定されていると、アウターガーニッシュをアウターブラケットにより強固に固定することができる。これにより、ヘッドレストの形崩れを防止することが可能となる。
なお、請求項3に記載のように、接続突起は、スリットに接続部材を介して接続固定され、接続部材に接続突起を挟持した状態でスリットに挿通される該略U字状の接続部材本体部と、接続部材本体部の外側に形成されアウターブラケット本体部に係止される第一係止部と、接続部材本体部の内側に形成され接続突起に係止される第二係止部と、が形成されていると、アウターガーニッシュとアウターブラケットとの接続をより確実なものとすることができ好適である。
ここで、請求項に記載のように、インナーガーニッシュ本体部が表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域の形状に沿って配設され、アウターガーニッシュ本体部がインナーガーニッシュ本体部の形状に沿って配設されていると、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域をインナーガーニッシュ本体部およびアウターガーニッシュ本体部の形状に沿わせることができる。
これにより、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域にしわやたるみ等が発生することを防止することが可能となる。
また、請求項に記載のように、表皮端末が少なくとも第一表皮端末と第二表皮端末とを備え、第一表皮端末および第二表皮端末に互いに重なり合う第一表皮端末延出部および第二表皮端末延出部がそれぞれ形成され、第一表皮端末延出部に第一表皮端末係合孔が形成され、第二表皮端末延出部に第二表皮端末係合孔が形成され、インナーガーニッシュの封着部に第一表皮端末延出部および第二表皮端末延出部を互いに重ね合わせた状態で、第一表皮端末係合孔および第二表皮端末係合孔と係合する係合突起が形成されていると、第一表皮端末延出部および第二表皮端末延出部を互いに重ね合わせた状態で、係合突起を第一表皮端末係合孔および第二表皮端末係合孔と係合するという非常に簡単な作業によって第一表皮端末と第二表皮端末を接合することができる。
従って、従来のように、第一表皮端末と第二表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業をより簡単に行うことが可能となる。
また、第一表皮端末係合孔、第二表皮端末係合孔および係合突起は予め定められた位置に形成されているので、表皮端末を接合する際に、表皮端末を接合するための位置決め作業を行う必要が無く、作業の熟練を要することが無い。
従って、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部が形成された表皮材の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することが可能となる。
さらに、請求項に記載のように、本発明のヘッドレストは、より具体的には、表皮材に樹脂を注入するための樹脂注入口が形成され、開口部がインナーガーニッシュによって封着された状態で、樹脂注入口より表皮材の内部に注入された発泡樹脂を発泡させることによってクッション材が形成される構成である。
このように、本発明のヘッドレストによれば、表皮材の開口部がインナーガーニッシュによって封着された状態で、樹脂注入口より表皮材の内部に注入された発泡樹脂を発泡させることによってクッション材が形成されるので、予め所定の形状に成形されたクッション材を表皮材の内部に挿入配置する場合に比して、表皮材の内側に配置したフレームやインナーガーニッシュ等の隙間に隈なくクッション材を形成することができる。これにより、ヘッドレストを所望の形状とすることが可能となる。
そして、上記請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のヘッドレストは、請求項に記載のように、車両用シートに適用されると好適である。
また、前記課題は、請求項に記載の発明によれば、開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストの製造方法であって、前記フレームおよびインナーガーニッシュを前記表皮材の内部に配置すると共に、前記表皮材のうち少なくとも前記開口部が形成された領域を前記表皮材の内側から前記インナーガーニッシュによって覆う内側部材配置工程と、前記インナーガーニッシュに備えられた封着部と第一固定部とを前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末に係合させて前記開口部を封着する開口部封着工程と、前記表皮材の外側からアウターブラケットに備えられた第二固定部を前記インナーガーニッシュの前記第一固定部に当接させ、前記アウターブラケットを前記インナーガーニッシュに装着すると共に、前記アウターブラケットの両端に形成された差込部を前記アウターガーニッシュに備えられた第三固定部とアウターガーニッシュ本体部との間に差込み、前記アウターブラケットの外側にアウターガーニッシュを装着することによって前記表皮端末の接合部分を被覆する接合部被覆工程と、を備えたこと、により解決される。
このように、請求項に記載のヘッドレストの製造方法によれば、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域を表皮材の内側からインナーガーニッシュによって覆うので、これにより、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域をインナーガーニッシュの形状に沿った形状(例えば、アーチ状や円形状)とすることが可能となる。
また、本発明のヘッドレストの製造方法において、表皮材の開口部を封着するには、インナーガーニッシュによって表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合するだけで良い。従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業を簡素化することが可能となる。
さらに、本発明によれば、表皮材の外側からアウターガーニッシュをインナーガーニッシュに装着することによって表皮端末の接合部分を被覆するので、表皮端末の接合部分をアウターガーニッシュ本体部によって外部から覆い隠すことができる。
ここで、請求項に記載のように、前記接合部被覆工程において、アウターブラケットに形成されたスリットにアウターガーニッシュに形成された接続突起を挿入固定すると、アウターガーニッシュをアウターブラケットにより強固に固定することができる。これにより、ヘッドレストの形崩れを防止することが可能となる。
また、本発明のヘッドレストの製造方法において、表皮材の開口部を封着するには、インナーガーニッシュによって表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合するだけで良い。従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業を簡素化することが可能となる。
さらに、本発明によれば、表皮材の外側からアウターガーニッシュをインナーガーニッシュに装着することによって表皮端末の接合部分を被覆するので、表皮端末の接合部分をアウターガーニッシュ本体部によって外部から覆い隠すことができる。
そして、本発明では、請求項10に記載のように、前記開口部封着工程において、表皮端末のうち少なくとも第一表皮端末および第二表皮端末を互いに重ね合わせた状態で、第一表皮端末に形成された第一表皮端末係合孔と第二表皮端末に形成された第二表皮端末係合孔にインナーガーニッシュに形成された係合突起を係合することによって、開口部を封着するようにしているので、従来のように、第一表皮端末と第二表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業をより簡単に行うことが可能である。
また、予め定められた位置に形成されている第一表皮端末係合孔、第二表皮端末係合孔に係合突起を係合するだけで良いので、表皮端末を接合する際に、表皮端末を接合するための位置決め作業を行う必要が無く、作業の熟練を要することが無い。
従って、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部が形成された表皮材の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することが可能となる。
さらに、請求項11に記載のように、前記開口部封着工程の後に、表皮材の内部に発泡樹脂を注入し、該発泡樹脂を発泡させることによって表皮材の内部にクッション材を形成すると好適である。
すなわち、前記開口部封着工程の前に、予め所定の形状に成形されたクッション材を表皮材の内部に挿入配置しても良いが、請求項11に記載のように、前記開口部封着工程の後に、表皮材の内部に発泡樹脂を注入し、該発泡樹脂を発泡させることによって表皮材の内部にクッション材を形成すると、予め所定の形状に成形されたクッション材を表皮材の内部に挿入配置する場合に比して、表皮材の内側に配置したフレームやインナーガーニッシュ等の隙間に隈なくクッション材を形成することができる。これにより、ヘッドレストを所望の形状とすることが可能となる。
本発明によれば、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域を表皮材の内側からインナーガーニッシュによって覆うことができるので、表皮材のうち少なくとも開口部が形成された領域をインナーガーニッシュの形状に沿った形状(例えば、アーチ状や円形状)とすることができる。
また、表皮材の外側からアウターガーニッシュをインナーガーニッシュに装着することによって表皮端末の接合部分を被覆することができるので、これにより、表皮端末の接合部分をアウターガーニッシュによって外部から覆い隠すことができる。
さらに、接続突起をスリットに挿入固定することにより、アウターガーニッシュをアウターブラケットにより強固に固定することができるので、ヘッドレストの形崩れを防止することができる。
また、表皮端末を接合する際に、表皮端末を接合するための位置決め作業を行う必要が無いので、作業の熟練を要することが無い。これにより、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部が形成された表皮材の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することができる。
また、表皮材の内側に配置したフレームやインナーガーニッシュ等の隙間に隈なくクッション材を形成することができるので、ヘッドレストを所望の形状とすることができる。
本発明によれば、これらの作用により、従来に比して、ヘッドレストの外観品質を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、インナーガーニッシュによって表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合するだけで表皮材の開口部を封着することができる。従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業を簡素化することができる。
また、表皮端末のうち少なくとも第一表皮端末および第二表皮端末を互いに重ね合わせた状態で、第一表皮端末に形成された第一表皮端末係合孔と第二表皮端末に形成された第二表皮端末係合孔にインナーガーニッシュに形成された係合突起を係合することによって、開口部を封着することができるので、第一表皮端末と第二表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材の開口部を封着する作業をより簡単に行うことができる。
これにより、作業者によって開口部の封着部分の仕上がりにばらつきが生じることを防止することができるので、ヘッドレストの外観品質を一定に保持することが可能となる。
以下、本発明の第一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
(第一実施形態)
図1乃至図9は、本発明の第一実施形態を示す図であり、図1はヘッドレストの構成を示す断面図、図2はヘッドレストの分解斜視図、図3は端末表皮を係合突起によって接合した状態を示す断面図、図4はヘッドレストの要部拡大図、図5は表皮材の構成を示す斜視図、図6は表皮材の内部にフレームを配置させる様子を示す説明図、図7は表皮材の内部にインナーガーニッシュを配置させる様子を示す説明図、図8はヘッドレストの内部に発泡樹脂を注入する様子を示す説明図、図9はヘッドレストにアウターブラケットおよびアウターガーニッシュを装着する様子を示す説明図である。
はじめに、図1乃至図5を参照しながら、本発明の第一実施形態に係るヘッドレスト10の構成について説明する。
本発明の第一実施形態に係るヘッドレスト10は、例えば、乗用自動車等の車両に設けられた車両用シートのヘッドレストとして好適に用いられるものであり、フレーム20と、インナーガーニッシュ30と、アウターブラケット40と、接続部材としてのクリップ50と、アウターガーニッシュ60と、クッション材70と、表皮材80を有して構成されている。
フレーム20には、図1,図2に示すように、略水平方向に沿って延出する水平杆部21が形成されており、この水平杆部21の両端部には、垂直方向に沿って延出する垂直杆部22が一体に形成されている。
垂直杆部22の延出端部は、車両用シートに設けられた不図示のシートバックの上端部に固定される。これにより、本例のヘッドレスト10は、不図示のシートバックの上部に固定される。
インナーガーニッシュ30は、表皮材80の内側に配置されるものであり、概略円弧状のインナーガーニッシュ本体部31を有して構成されている。
インナーガーニッシュ本体部31は、表皮材80のうち少なくとも開口部84が形成された領域を表皮材80の内側から覆うものであり、表皮材80のうち開口部84が形成された領域の形状に沿って形成されている。
インナーガーニッシュ本体部31の内側面には、径方向内側へ突出する封着部としての係合突起35が複数(例えば、6個)形成されている。
係合突起35は、図3に示すように、後述する表皮材80に形成された第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合されるものであり、円柱基部35aと、先端球状部35bを有して構成されている。
先端球状部35bは、円柱基部35aの突出端に形成され、円柱基部35aよりも大径に構成されている。
インナーガーニッシュ本体部31の頂部には、図1,図2に示すように、板厚方向に貫通する貫通孔34が形成されている。この貫通孔34には、後述するように、表皮材80の内部に発泡樹脂の原液を注入する際に樹脂注入ノズル91が挿入される(図8参照)。
インナーガーニッシュ本体部31の貫通孔34を挟んだ両側には、図1,図4に示すように、径方向内側へ突出する第一固定部としての固定突起36(例えば、2個)が形成されている。
本例の固定突起36は、図4に示すように、円柱基部36aと、先端固定部36bを有して構成されている。固定突起36は、後述する表皮材80に形成された第一固定孔82cおよび第二固定孔83cに係合されると共に、アウターブラケット40の固定部44と接続固定されるものである。
固定突起36には、軸方向に沿って下穴36cが形成されている。この下穴36cには、後述するように、タッピングネジ37が螺入される。
アウターブラケット40は、図1,図2に示すように、表皮材80の外側でインナーガーニッシュ30とアウターガーニッシュ60との間に配置され、インナーガーニッシュ30に対してアウターガーニッシュ60を固定支持するためのものである。
本例のアウターブラケット40は、アウターブラケット本体部41を有して構成されている。アウターブラケット本体部41は、インナーガーニッシュ本体部31の曲面に沿った概略円弧状に形成されている。
アウターブラケット本体部41の頂上部には、平板部42が形成されており、この平板部42には、後述するクリップ50が挿入固定されるスリット43(例えば、2箇所)が形成されている。このスリット43は、アウターブラケット本体部41の板厚方向に貫通している。
アウターブラケット本体部41の平板部42を挟んだ両側には、インナーガーニッシュ30側へ突出する第二固定部としての固定部44が形成されている。
固定部44は、インナーガーニッシュ30に形成された固定突起36と整合する位置に形成されている。この固定部44には、板厚方向に貫通する貫通孔45が形成されている。
アウターブラケット本体部41の両端部には、アウターガーニッシュ60に形成されたアウターガーニッシュ本体部61と固定板68との間に差込まれる差込部46が形成されている。
クリップ50は、アウターブラケット40に対してアウターガーニッシュ60を接続固定するためのものであり、概略U字状のクリップ本体部51を有して構成されている。
なお、クリップ50は、図4に示すように、組み付け時には折り返し部52をインナーガーニッシュ30側にして用いられる。
クリップ本体部51の外側には、アウターガーニッシュ60側に斜めに延出する係止片53が形成されている。この係止片53は、弾性を有する弾性片により構成されており、アウターブラケット40に形成された平板部42の上面42aに係止されるようになっている。
クリップ本体部51の内側には、インナーガーニッシュ30側に斜めに延出する第二係止部としての係合凸部54が形成されている。この係合凸部54は、アウターガーニッシュ60の接続突起64に形成された係合溝67と係合するようになっている。
クリップ本体部51のアウターガーニッシュ60側には、水平方向に延出する延出部55が形成されている。この延出部55は、アウターブラケット40に形成された平板部42の下面42bに係止されるようになっている。なお、係止片53および延出部55により本発明に係る第一係止部が形成されている。
アウターガーニッシュ60は、図1,図2に示すように、表皮材80の外側でアウターブラケット40よりも外側に配置されるものであり、アウターガーニッシュ本体部61を有して構成されている。
アウターガーニッシュ本体部61は、表皮材80の接合部分を覆うためのものであり、インナーガーニッシュ本体部31の曲面に沿った概略円弧状に形成されている。
アウターガーニッシュ本体部61の縁部には、図2に示すように、径方向外側へ延出する壁部62,63が形成されている。壁部62,63は、後述するように、ヘッドレスト10を組み立てたときに表皮材80から外部へ突出する係合突起35および固定突起36やアウターブラケット40を外部から視認できないように覆い隠すためのものである。
アウターガーニッシュ本体部61の頂部には、垂直方向の上側(アウターブラケット本体部41側)へ突出する接続突起64(例えば、2箇)が形成されている。
この接続突起64は、アウターブラケット本体部41に形成されたスリット43と整合する位置に形成されている。接続突起64には、リブ65が設けられており、これにより接続突起64の強度が向上されている。
接続突起64には、図4に示すように、リブ65の間に平面部66が形成されている。この平面部66は、後述するように、クリップ本体部51によって挟持される。
また、接続突起64には、クリップ50に形成された係合凸部54と整合する位置に係合溝67が形成されている。
アウターガーニッシュ本体部61の端部の外側面には、アウターガーニッシュ60をアウターブラケット40に固定するための第三固定部としての固定板68が形成されている。
固定板68は、図2に示すように、アウターガーニッシュ本体部61の表面部と所定距離を有するように離間して配置されると共に、壁部62と壁部63に挟持されるように一体に形成されている。
クッション材70は、例えば、ウレタン等の発泡樹脂体により構成されている。本例のクッション材70は、フレーム20の上部およびインナーガーニッシュ30を包囲すると共に、表皮材80により被覆される。
なお、クッション材70は、後述するように、金型装置90を用いた発泡成形により形成される。
表皮材80は、クッション材70を被覆するためのものであり、図5に示すように、所定の立体的形状を有する概略袋状に形成されている。
本例の表皮材80は、例えば、本革、合成皮革、ファブリック等により構成されている。表皮材80の底面表皮81には、フレーム20の垂直杆部22を挿通するためのピラー孔81aが形成されている。
底面表皮81と底面表皮81との間には、第一表皮端末82および第二表皮端末83が設けられている。この第一表皮端末82および第二表皮端末83は互いに分離されており、これによって、第一表皮端末82と第二表皮端末83との間に開口部84が形成されている。
第一表皮端末82の第二表皮端末83側には、図3に示すように、ヘッドレスト10の正面側へ延出する第一表皮端末延出部82aが形成されており、第二表皮端末83の第一表皮端末82側には、第二表皮端末延出部83aが形成されている。第一表皮端末延出部82aは、第二表皮端末延出部83aと重なり合うことができるように形成されている。
第一表皮端末延出部82aには、複数の第一表皮端末係合孔82b(例えば、4箇所)が形成されており、第二表皮端末延出部83aには、複数の第二表皮端末係合孔83b(例えば、4箇所)が形成されている。
この第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bは、インナーガーニッシュ30に設けられた係合突起35と対応する位置にそれぞれ形成されている。また、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bは、係合突起35に形成された先端球状部35bよりも小径に形成されている。
第一表皮端末延出部82aの第一表皮端末係合孔82bが形成された位置よりも横方向内側には、図4,図5に示すように、第一固定孔82c(例えば、2箇所)が形成されており、第二表皮端末延出部83aの第一固定孔82cと整合する位置には、第二固定孔83c(例えば、2箇所)が形成されている。この第一固定孔82cおよび第二固定孔83cは、インナーガーニッシュ30に形成された固定突起36と係合する。
第一表皮端末82の中央部には、図5に示すように、第一樹脂注入口82dが形成されており、第二表皮端末83の中央部には、第二樹脂注入口83dが形成されている。
この第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83dは、後述するように、表皮材80の内側に発泡樹脂の原液を注入するためのものである。本例の第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83dは、互いに整合する位置に形成されている。
次に、上記構成からなるヘッドレスト10の製造方法について説明する。
まず、図6に示すように、表皮材80の底面表皮81に形成された片側のピラー孔81aからフレーム20の垂直杆部22を挿通し、フレーム20の上部を表皮材80の内部に配置する。また、垂直杆部22をピラー孔81aから外部にそれぞれ導出する。このようにして、フレーム20の上部に表皮材80を被覆する。
そして、上述のように、フレーム20の上部に表皮材80を被覆した状態で、図7に示すように、表皮材80の開口部84からインナーガーニッシュ30を挿入する。
そして、インナーガーニッシュ本体部31によって表皮材80のうち開口部84が形成された領域を表皮材80の内側から覆う。これにより、表皮材80のうち少なくとも開口部84が形成された領域をインナーガーニッシュ本体部31の形状に沿った形状(例えば、アーチ状)とすることができる(図1参照)。
続いて、図3に示すように、表皮材80の第一表皮端末延出部82aが第二表皮端末延出部83aの上側に位置するように第一表皮端末延出部82aと第二表皮端末延出部83aとを重ね合わせる。
そして、インナーガーニッシュ30に形成された係合突起35を、表皮材80に形成された第二表皮端末係合孔83bおよび第一表皮端末係合孔82bに順次係合する。
このようにして、係合突起35を第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合すると、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bより係合突起35の先端球状部35bが突出した状態となる。
また、係合突起35を第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合すると同時に、図4に示すように、インナーガーニッシュ30に形成された固定突起36を、表皮材80に形成された第二固定孔83cおよび第一固定孔82cに順次係合する。
このように、固定突起36を第一固定孔82cおよび第二固定孔83cに係合すると、第一固定孔82cおよび第二固定孔83cより固定突起36の先端固定部36bが突出した状態となる。
そして、上述のように、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合突起35を係合することにより、第一表皮端末82と第二表皮端末83とが接合され、開口部84が封着される。
このように、本例では、表皮材80の開口部84を封着するには、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合突起35を係合して開口部84の周縁の表皮端末を接合するだけで良い。
従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材80の開口部84を封着する作業を簡素化することが可能である。
また、本例では、第一表皮端末係合孔82b、第二表皮端末係合孔83bおよび係合突起35は予め定められた位置に形成されているので、第一表皮端末82および第二表皮端末83を接合する際に、第一表皮端末82および第二表皮端末83を接合するための位置決め作業を行う必要が無く、作業の熟練を要することが無い。
従って、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部84が形成された表皮材80の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することが可能である。
そして、上述のように、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bに係合突起35を係合すると共に、第一固定孔82cおよび第二固定孔83cに固定突起36を係合することにより、第一表皮端末延出部82aが第二表皮端末延出部83aに密着する。
これにより、第一表皮端末82および第二表皮端末83がインナーガーニッシュ本体部31の円弧形状に沿うように円弧状に形成される。このとき、第一樹脂注入口82dと第二樹脂注入口83dとが整合した状態となる(図5参照)。
このようにして、フレーム20およびインナーガーニッシュ30に表皮材80を被覆した状態で、図8に示すように、ヘッドレスト10の本体部Aを金型装置90の型部(不図示)にセットする。なお、金型装置90の型部(不図示)は、ヘッドレスト10の本体部Aを所定形状に成形することができるように形成されている。
そして、第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83d(図8において第一樹脂注入口82dのみ図示)に樹脂注入ノズル91の先端部を挿入し、樹脂注入ノズル91からウレタン等の発泡樹脂の原液を表皮材80の内部に所定量注入する。
続いて、表皮材80の内部に注入した発泡樹脂の原液を樹脂発泡させてクッション材70を形成する。これにより、フレーム20、インナーガーニッシュ30、クッション材70、表皮材80が一体に形成される(図1参照)。
このように、本例では、表皮材80の開口部84がインナーガーニッシュ30によって封着された状態で、第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83dより表皮材80の内部に注入された発泡樹脂を発泡させることによってクッション材70が形成される。
従って、予め所定の形状に成形されたクッション材70を表皮材80の内部に挿入配置する場合に比して、表皮材80の内側に配置したフレーム20やインナーガーニッシュ30等の隙間に隈なくクッション材70を形成することができる。
これにより、クッション材70が表皮材80の内部の隅部に行き渡らないことによって凹み等が発生することを防止できるので、ヘッドレスト10の外観品質を向上させることが可能である。
そして、上述のようにして、フレーム20、インナーガーニッシュ30、クッション材70、表皮材80を一体に形成した後、金型装置90の型開きを行い、金型装置90からヘッドレスト10を取り出す。
このようにして、ヘッドレスト10の本体部を所定形状に成形した後、図9に示すように、ヘッドレスト10に形成されたアーチ部Bにアウターブラケット40を装着する。
このとき、表皮材80より突出した固定突起36の先端固定部36bに、アウターブラケット40に形成された固定部44を当接させる(図1参照)。
そして、固定突起36の先端固定部36bに固定部44を当接させた状態で、タッピングネジ37をアウターブラケット40の貫通孔45を介して固定突起36の下穴36cに螺入する。これにより、インナーガーニッシュ30にアウターブラケット40が強固に接続される。
続いて、アウターガーニッシュ60の接続突起64にクリップ50を装着する。このとき、接続突起64の平面部66をクリップ本体部51によって挟持する。また、接続突起64に形成された係合溝67にクリップ50の内側に形成された係合凸部54を係合する。これにより、接続突起64にクリップ50が強固に接続される。
そして、アウターガーニッシュ60にクリップ50を装着した状態で、クリップ50をアウターブラケット40の平板部42に形成されたスリット43に挿入する。
このとき、係止片53が弾性変形するため、クリップ50をスリット43に容易に挿入することができる。
そして、クリップ50の延出部55がアウターブラケット40に形成された平板部42の下面42bに当接すると同時に、係止片53がスリット43から解放されて外側に拡がる。これにより、係止片53が平板部42の上面42aに係止された状態となる。
このように、クリップ50の延出部55が平板部42の下面42bに係止され、係止片53が平板部42の上面42aと係止されることにより、クリップ50がアウターガーニッシュ60に強固に接続される。
このとき、上述のように、クリップ50を介してアウターブラケット40にアウターガーニッシュ60を接続すると同時に、アウターブラケット40の両端に形成された差込部46をアウターガーニッシュ本体部61と固定板68との間に差し込む。
これにより、アウターブラケット40とアウターガーニッシュ60とが強固に接続される。
このように、接続突起64がスリット43に挿入固定されていると、アウターガーニッシュ60をアウターブラケット40により強固に固定することができる。これにより、ヘッドレスト10の形崩れを防止することが可能となる。
なお、本例では、アウターガーニッシュ60にクリップ50を装着してから、クリップ50をアウターブラケット40に接続したが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、アウターブラケット40にクリップ50を装着してから、クリップ50にアウターガーニッシュ60を接続しても良い。
そして、上述のようにして、インナーガーニッシュ30にアウターブラケット40およびアウターガーニッシュ60を装着することにより、表皮材80における第一表皮端末82および第二表皮端末83の接合部分を被覆することができる。
また、アウターガーニッシュ60を装着することにより、第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bより突出した係合突起35の先端球状部35bと、第一固定孔82cおよび第二固定孔83cより突出した固定突起36の先端固定部36bとを、壁部62および壁部63によって外部から視認できないように覆い隠すことができる。
そして、上述のようにして、本実施形態に係るヘッドレスト10の製造を完了する。
このように、本発明の第一実施形態によれば、表皮材80のうち開口部84が形成された領域を表皮材80の内側からインナーガーニッシュ30によって覆うことができるので、表皮材80のうち開口部84が形成された領域をインナーガーニッシュ30の形状に沿った形状(例えば、アーチ状)とすることができる。
また、表皮材80の外側からアウターブラケット40およびアウターガーニッシュ60を装着することによって第一表皮端末82および第二表皮端末83の接合部分を被覆することができるので、これにより、第一表皮端末82および第二表皮端末83の接合部分を外部から覆い隠すことができる。
また、本例では、第一表皮端末82および第二表皮端末83を接合する際に、第一表皮端末82および第二表皮端末83を接合するための位置決め作業を行う必要が無いので、作業の熟練を要することが無い。
これにより、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部84が形成された表皮材80の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することができる。
また、接続突起64をスリット43に挿入固定することにより、アウターガーニッシュ60をアウターブラケット40により強固に固定することができるので、ヘッドレスト10の形崩れを防止することが可能である。
さらに、表皮材80の内側に配置したフレーム20やインナーガーニッシュ30等の隙間に隈なくクッション材70を形成することができるので、ヘッドレスト10を所望の形状とすることができる。
そして、本例によれば、これらの作用により、従来に比して、ヘッドレスト10の外観品質を向上させることができるという効果を奏する。
また、本例によれば、インナーガーニッシュ30によって表皮材80の開口部周縁に形成された第一表皮端末82および第二表皮端末83を接合するだけで表皮材80の開口部84を封着することができる。
従って、従来のように、第一表皮端末82および第二表皮端末83を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材80の開口部84を封着する作業を簡素化することができる。
また、第一表皮端末82および第二表皮端末83を互いに重ね合わせた状態で、第一表皮端末係合孔82bと第二表皮端末係合孔83bに係合突起35を係合することによって、開口部84を封着することができるので、第一表皮端末82と第二表皮端末83を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材80の開口部84を封着する作業をより簡単に行うことができる。
これにより、作業者によって開口部84の封着部分の仕上がりにばらつきが生じることを防止することができるので、ヘッドレスト10の外観品質を一定に保持することが可能となる。
なお、上記実施形態では、ヘッドレスト10本体のアーチ部に第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83dが形成され、この第一樹脂注入口82dおよび第二樹脂注入口83dを介して表皮材80の内部に発泡樹脂の原液が注入される構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、例えば、図10に示すように、表皮材180の底面表皮181に樹脂注入口182dが設けられ、この樹脂注入口182dに樹脂注入ノズル91の先端部を挿入し、樹脂注入ノズル91からウレタン等の発泡樹脂の原液が表皮材180の内部に所定量注入される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、表皮材の内部に発泡樹脂の原液を注入してクッション材を形成した後に、アウターガーニッシュをヘッドレストに装着するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、例えば、図10に示すように、アウターガーニッシュ160をヘッドレスト110に装着してから発泡樹脂を表皮材180の内部に注入しても良い。
また、上記実施形態では、表皮材80の開口部84がインナーガーニッシュ30によって封着された状態で、樹脂注入口より表皮材80の内部に注入された発泡樹脂を発泡させることによってクッション材70が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、例えば、フレーム20やインナーガーニッシュ30を表皮材80の内部に挿入配置すると同時に、予め所定形状に成形されたクッション材70を表皮材80の内部に挿入配置させても良い。
また、上記実施形態では、第一表皮端末82に第一表皮端末係合孔82bが形成され、第二表皮端末83に第二表皮端末係合孔83bが形成され、インナーガーニッシュ30に第一表皮端末係合孔82bおよび第二表皮端末係合孔83bと係合する係合突起35が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、例えば、第一表皮端末82に第一端末係合突起が形成され、第二表皮端末83に第二端末係合突起が形成され、インナーガーニッシュ30に第一端末係合突起および第二端末係合突起と係合する係合孔が形成されていても良い。
また、上記実施形態では、表皮材80の開口部周縁に第一表皮端末82と第二表皮端末83の二枚の表皮端末が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、表皮材80の開口部周縁に複数毎の表皮端末が形成されていても良いことは勿論である。
また、上記実施形態では、アウターブラケット40、クリップ50、アウターガーニッシュ60が別体により構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
その他にも、アウターブラケット40とクリップ50とが一体に構成されても良く、また、アウターガーニッシュ60がクリップ50と一体に構成されていても良い。
参考例
図11乃至図15は、本発明の参考例を示す図であり、図11はヘッドレストの構成を示す断面図、図12はヘッドレストの分解斜視図、図13は表皮材の構成を示す斜視図、図14はヘッドレストの内部に発泡樹脂を注入する様子を示す説明図、図15は端末表皮を係合突起によって接合した状態を示す断面図である。
上記第一実施形態では、ヘッドレスト本体にアーチ部を有する所謂アーチ型のヘッドレストについて説明したが、参考例では、ヘッドレスト本体に孔部を有する所謂シースルー型のヘッドレストについて説明する。
本発明の参考例に係るヘッドレスト210は、フレーム220と、インナーガーニッシュ230と、アウターガーニッシュ260と、クッション材270と、表皮材280を有して構成されている。
フレーム220には、図11,図12に示すように、略水平方向に沿って延出する水平杆部221が形成されており、この水平杆部221の両端部には、垂直方向に沿って延出する垂直杆部222が一体に形成されている。
インナーガーニッシュ230は、表皮材280の内側に配置されるものであり、インナーガーニッシュ本体部231を有して構成されている。
インナーガーニッシュ本体部231は、表皮材280のうち少なくとも開口部284が形成された領域を表皮材280の内側から覆うものであり、概略円弧状の円弧部材の両端を板状部材で接続してなる概略環状体により構成されている。
本例のインナーガーニッシュ本体部231は、表皮材280のうち開口部284が形成された領域の形状に沿って形成されている。
インナーガーニッシュ本体部231の内側面には、径方向内側へ突出する複数の係合突起235(例えば、7個)が形成されている。
係合突起235は、後述する表皮材280に形成された第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bに係合されるものである(図13参照)。
アウターガーニッシュ260は、インナーガーニッシュ本体部231の内側で表皮材280の外側に配置されるものであり、アウターガーニッシュ本体部261を有して構成されている。
アウターガーニッシュ本体部261は、インナーガーニッシュ本体部231の内側面に沿うようにインナーガーニッシュ本体部231と概略相似状に形成されている。
本例のアウターガーニッシュ本体部261は、図12に示すように、第一アウターガーニッシュ本体部261aおよび第二アウターガーニッシュ本体部261bを有する分割構造となっている。
第一アウターガーニッシュ本体部261aには、突起部266aを有する第一嵌合部266が形成されており、第二アウターガーニッシュ本体部261bには、突起部266aと係合する係合孔267aを有する第二嵌合部267が形成されている。
第一アウターガーニッシュ本体部261aの第二アウターガーニッシュ本体部261bと反対側には、第一アウターガーニッシュ本体部261aの表面部と垂直な方向に延出する第一壁部262が形成されている。
また、第二アウターガーニッシュ本体部261bの第一アウターガーニッシュ本体部261aと反対側には、第二アウターガーニッシュ本体部261bの表面部と垂直な方向に延出する第二壁部263が形成されている。
これら第一壁部262および第二壁部263は、後述するように、ヘッドレスト210を組み立てたときに表皮材280から外部へ突出する係合突起235を外部から視認できないように覆い隠すためのものである。
第一アウターガーニッシュ本体部261aの表面部には、突条体からなる第一係合部268が形成されており、第二アウターガーニッシュ本体部261bの表面部には、第一係合部268と整合する位置に概略U字状の第二係合部269が形成されている。この第一係合部268および第二係合部269は、係合突起235と係合する。
クッション材270は、例えば、ウレタン等の発泡樹脂体により構成されている。本例のクッション材270は、フレーム220の上部およびインナーガーニッシュ230を包囲すると共に、表皮材280により被覆される。なお、クッション材270は、後述するように、金型装置290を用いた発泡成形により形成される。
表皮材280は、クッション材270を被覆するためのものであり、所定の立体的形状を有する袋状に形成されている。本例の表皮材280は、例えば、本革、合成皮革、ファブリック等により構成されている。
表皮材280の底面表皮281には、フレーム220の垂直杆部222を挿通するためのピラー孔281aが形成されている。また、本例の底面表皮281には、樹脂注入口282dが形成されている。この樹脂注入口282dは、後述するように、表皮材280の内側に発泡樹脂の原液を注入するためのものである。
側面表皮285には、車両の前後方向に沿って貫通する孔部285aが形成されており、この孔部285aには、この孔部285aの孔形状に沿って第一表皮端末282および第二表皮端末283が設けられている。
第一表皮端末282は、側面表皮285に縫合されており、第二表皮端末283は、側面表皮285と対峙する不図示の側面表皮に縫合されている。
また、本例の第一表皮端末282および第二表皮端末283は、互いに分離されており、これによって、第一表皮端末282と第二表皮端末283との間に環状の開口部284が形成されている。
第一表皮端末282の一部は、第二表皮端末283の一部と重なり合うことができるように形成されている。
第一表皮端末282には、複数の第一表皮端末係合孔282b(例えば、7箇所)が形成されており、第二表皮端末283には、複数の第二表皮端末係合孔283b(例えば、7箇所)が形成されている。
この第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bは、インナーガーニッシュ230に設けられた係合突起235と対応する位置にそれぞれ形成されている。
次に、上記構成からなるヘッドレスト210の製造方法について説明する。
まず、表皮材280の底面表皮281に形成されたピラー孔281aにフレーム220の垂直杆部222を挿通する。続いて、表皮材280の開口部284からフレーム220の上部を挿入することによって、フレーム220の上部に表皮材280を被覆する。
そして、上述のように、フレーム220の上部に表皮材280を被覆した状態で、表皮材280の開口部284より表皮材280の内部にインナーガーニッシュ230を挿入配置する。
続いて、表皮材280の第一表皮端末282の一部と第二表皮端末283の一部とを重ね合わせ、インナーガーニッシュ230に形成された係合突起235を、表皮材280に形成された第二表皮端末係合孔283bおよび第一表皮端末係合孔282bに順次係合する。
そして、上述のように、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bに係合突起235を係合することにより、第一表皮端末282と第二表皮端末283とが接合され、開口部284が封着される。
このように、本例では、表皮材280の開口部284を封着するには、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bに係合突起235を係合して開口部284の周縁の表皮端末を接合するだけで良い。
従って、従来のように、表皮端末を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材280の開口部284を封着する作業を簡素化することが可能である。
また、本例では、第一表皮端末係合孔282b、第二表皮端末係合孔283bおよび係合突起235は予め定められた位置に形成されているので、第一表皮端末282および第二表皮端末283を接合する際に、第一表皮端末282および第二表皮端末283を接合するための位置決め作業を行う必要が無く、作業の熟練を要することが無い。
従って、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部284が形成された表皮材280の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することが可能である。
そして、上述のように、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bに係合突起235を係合することにより、第一表皮端末延出部82aが第二表皮端末延出部83aに密着する。
これにより、第一表皮端末282および第二表皮端末283がインナーガーニッシュ本体部231の孔部231aの孔形状に沿うように環状に形成される。
このようにして、フレーム220およびインナーガーニッシュ230に表皮材280を被覆した状態で、図14に示すように、ヘッドレスト210の本体部Cを金型装置290の型部(不図示)にセットする。なお、金型装置290の型部(不図示)は、ヘッドレスト210の本体部Cを所定形状に成形することができるように形成されている。
このとき、図15に示すように、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bより外部に突出した係合突起235の先端球状部235bを金型装置290の位置決め凹部292に挿入して位置決めを行う。
そして、樹脂注入孔262dに樹脂注入ノズル291を挿入し、樹脂注入ノズル291からウレタン等の発泡樹脂の原液を表皮材280の内部に所定量注入する。
続いて、表皮材280の内部に注入した発泡樹脂の原液を樹脂発泡させてクッション材270を形成する。これにより、フレーム220、インナーガーニッシュ230、クッション材270、表皮材280が一体に形成される(図11参照)。
そして、上述のようにして、フレーム220、インナーガーニッシュ230、クッション材270、表皮材280を一体に形成した後、金型装置290の型開きを行い、金型装置290からヘッドレスト210を取り出す。
このようにして、ヘッドレスト210の本体部を所定形状に成形した後、ヘッドレスト210本体部に形成された孔部にアウターガーニッシュ260を装着する。このとき、ヘッドレスト210の正面側から第一アウターガーニッシュ本体部261aを装着し、ヘッドレスト210の背面側から第二アウターガーニッシュ本体部261bを装着する。
このように、本例では、ヘッドレスト210の正面側と背面側からそれぞれ第一アウターガーニッシュ本体部261aと第二アウターガーニッシュ本体部261bと装着することができるので、アウターガーニッシュ260をインナーガーニッシュ230に容易に装着することができる。
そして、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bより突出した係合突起235の先端部分を第一係合部268および第二係合部269によって挟持することによって、アウターガーニッシュ260をインナーガーニッシュ230に固定する(図1参照)。
また、第一表皮端末係合孔282bおよび第二表皮端末係合孔283bより突出した係合突起235の先端部分は、アウターガーニッシュ260の第一壁部262と第二壁部263とによって外部から視認できないように覆い隠される。このようにして、本実施形態に係るヘッドレスト210の製造を完了する。
このように、本発明の参考例によれば、表皮材280のうち開口部284が形成された領域を表皮材280の内側からインナーガーニッシュ230によって覆うことができるので、表皮材280のうち開口部284が形成された領域をインナーガーニッシュ230の形状に沿った形状(例えば、環状)とすることができる。
また、表皮材280の外側からアウターガーニッシュ260を装着することによって第一表皮端末282および第二表皮端末283の接合部分を被覆することができるので、これにより、第一表皮端末282および第二表皮端末283の接合部分を外部から覆い隠すことができる。
また、本例では、第一表皮端末282および第二表皮端末283を接合する際に、第一表皮端末282および第二表皮端末283を接合するための位置決め作業を行う必要が無いので、作業の熟練を要することが無い。
これにより、作業者によって接合位置にばらつきが生じることを防止できるので、開口部284が形成された表皮材280の表皮端末部分にしわやたるみ等が発生することを防止することができる。
さらに、表皮材280の内側に配置したフレーム220やインナーガーニッシュ230等の隙間に隈なくクッション材270を形成することができるので、ヘッドレスト210を所望の形状とすることができる。
そして、本例によれば、これらの作用により、従来に比して、ヘッドレスト10の外観品質を向上させることができるという効果を奏する。
また、本例によれば、インナーガーニッシュ230によって表皮材280の開口部周縁に形成された第一表皮端末282および第二表皮端末283を接合するだけで表皮材280の開口部284を封着することができる。
従って、従来のように、第一表皮端末282および第二表皮端末283を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材280の開口部284を封着する作業を簡素化することができる。
また、第一表皮端末282および第二表皮端末283を互いに重ね合わせた状態で、第一表皮端末係合孔282bと第二表皮端末係合孔283bに係合突起235を係合することによって、開口部284を封着することができるので、第一表皮端末282と第二表皮端末283を縫合したり接着したりする場合に比して、表皮材280の開口部284を封着する作業をより簡単に行うことができる。
これにより、作業者によって開口部284の封着部分の仕上がりにばらつきが生じることを防止することができるので、ヘッドレスト210の外観品質を一定に保持することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るヘッドレストの構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るヘッドレストの分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る端末表皮を係合突起によって接合した状態を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るヘッドレストの要部拡大図である。 本発明の第一実施形態に係る表皮材の構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る表皮材の内部にフレームを配置させる様子を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係る表皮材の内部にインナーガーニッシュを配置させる様子を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るヘッドレストの内部に発泡樹脂を注入する様子を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係るヘッドレストにアウターブラケットおよびアウターガーニッシュを装着する様子を示す説明図である。 第一実施形態の改変例に係るヘッドレストの内部に発泡樹脂を注入する様子を示す説明図である。 本発明の参考例に係るヘッドレストの構成を示す断面図である。 本発明の参考例に係るヘッドレストの分解斜視図である。 本発明の参考例に係る表皮材の構成を示す斜視図である。 本発明の参考例に係るヘッドレストの内部に発泡樹脂を注入する様子を示す説明図である。 本発明の参考例に係る端末表皮を係合突起によって接合した状態を示す断面図である。
符号の説明
10 ヘッドレスト
20 フレーム
30 インナーガーニッシュ
31 インナーガーニッシュ本体部
34 貫通孔
35 封着部(係合突起)
36 第一固定部(固定突起)
40 アウターブラケット
41 アウターブラケット本体部
43 スリット
44 第二固定部(固定部)
50 接続部材(クリップ)
51 接続部材本体部(クリップ本体部)
53,55 第一係止部(第一係止片,延出部)
54 第二係止部(第二係止片)
60 アウターガーニッシュ
61 アウターガーニッシュ本体部
64 接続突起
68 第三固定部(固定板)
70 クッション材
80 表皮材
82 表皮端末
83 表皮端末
84 開口部

Claims (11)

  1. 開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストであって、
    前記表皮材の内側に配置されるインナーガーニッシュと、
    前記表皮材の外側に配置されるアウターブラケットと、
    該アウターブラケットよりも外側に配置されるアウターガーニッシュと、
    を備え、
    前記インナーガーニッシュは、
    前記表皮材のうち少なくとも前記開口部が形成された領域を前記表皮材の内側から覆うインナーガーニッシュ本体部と、
    前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を接合して前記開口部を封着する封着部と、
    前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末を介して外部に突出する第一固定部と、
    を有して構成され、
    前記アウターブラケットは、
    前記インナーガーニッシュ本体部と対向して配置されるアウターブラケット本体部と、
    該アウターブラケット本体部を前記第一固定部に接続する第二固定部と、
    を有して構成され、
    前記アウターガーニッシュは、
    前記表皮端末の接合部分を覆うアウターガーニッシュ本体部と、
    該アウターガーニッシュ本体部を前記アウターブラケット本体部に接続する第三固定部と、
    を有して構成されたことを特徴とするヘッドレスト。
  2. 前記アウターブラケット本体部には、板厚方向に貫通するスリットが設けられ、
    前記アウターガーニッシュ本体部には、前記スリットと整合する位置に前記アウターブラケット本体部側へ突出する接続突起が形成され、
    前記接続突起は、前記スリットに挿入固定されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  3. 前記接続突起は、前記スリットに接続部材を介して接続固定され、
    前記接続部材には、前記接続突起を挟持した状態で前記スリットに挿通される該略U字状の接続部材本体部と、
    該接続部材本体部の外側に形成され前記アウターブラケット本体部に係止される第一係止部と、
    前記接続部材本体部の内側に形成され前記接続突起に係止される第二係止部と、が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のヘッドレスト。
  4. 前記インナーガーニッシュ本体部は、前記表皮材のうち少なくとも前記開口部が形成された領域の形状に沿って配設され、
    前記アウターガーニッシュ本体部は、前記インナーガーニッシュ本体部の形状に沿って配設されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  5. 前記表皮端末は、少なくとも第一表皮端末と第二表皮端末とを備え、
    前記第一表皮端末および前記第二表皮端末には、互いに重なり合う第一表皮端末延出部および第二表皮端末延出部がそれぞれ形成され、
    前記第一表皮端末延出部には、第一表皮端末係合孔が形成され、
    前記第二表皮端末延出部には、第二表皮端末係合孔が形成され、
    前記インナーガーニッシュの封着部には、前記第一表皮端末延出部および前記第二表皮端末延出部を互いに重ね合わせた状態で、前記第一表皮端末係合孔および前記第二表皮端末係合孔と係合する係合突起が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  6. 前記表皮材には、樹脂を注入するための樹脂注入口が形成され、
    前記クッション材は、前記開口部が前記インナーガーニッシュによって封着された状態で、前記樹脂注入口より前記表皮材の内部に注入された発泡樹脂を発泡させることによって形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のヘッドレストを用いたことを特徴とする車両用シート。
  8. 開口部を有する概略袋状の表皮材によってクッション材およびフレームを被覆してなるヘッドレストの製造方法であって、
    前記フレームおよびインナーガーニッシュを前記表皮材の内部に配置すると共に、前記表皮材のうち少なくとも前記開口部が形成された領域を前記表皮材の内側から前記インナーガーニッシュによって覆う内側部材配置工程と、
    前記インナーガーニッシュに備えられた封着部と第一固定部とを前記表皮材の開口部周縁に形成された表皮端末に係合させて前記開口部を封着する開口部封着工程と、
    前記表皮材の外側からアウターブラケットに備えられた第二固定部を前記インナーガーニッシュの前記第一固定部に当接させ、前記アウターブラケットを前記インナーガーニッシュに装着すると共に、前記アウターブラケットの両端に形成された差込部を前記アウターガーニッシュに備えられた第三固定部とアウターガーニッシュ本体部との間に差込み、前記アウターブラケットの外側にアウターガーニッシュを装着することによって前記表皮端末の接合部分を被覆する接合部被覆工程と、を備えたことを特徴とするヘッドレストの製造方法。
  9. 前記接合部被覆工程において、前記アウターブラケットに形成されたスリットに前記アウターガーニッシュに形成された接続突起を挿入固定することを特徴とする請求項に記載のヘッドレストの製造方法。
  10. 前記開口部封着工程において、前記表皮端末のうち少なくとも第一表皮端末および第二表皮端末を互いに重ね合わせた状態で、前記第一表皮端末に形成された第一表皮端末係合孔と第二表皮端末に形成された第二表皮端末係合孔に、インナーガーニッシュに形成された係合突起を係合することによって、前記開口部を封着することを特徴とする請求項に記載のヘッドレストの製造方法。
  11. 前記開口部封着工程の後に、前記表皮材の内部に発泡樹脂を注入し、該発泡樹脂を発泡させることによって前記表皮材の内部に前記クッション材を形成することを特徴とする請求項に記載のヘッドレストの製造方法。
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