JPH03120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は例えば自動車等の車両用シートに着
座した乗員の両側部を保持するシートのサイドサ
ポート装置の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、第４図に示すように例えば自動車等の
車両のフロントシート１としてシートバツク２の
両側部にサイドサポート本体３ａ，３ｂをそれぞ
れ配設し、これらのサイドサポート本体３ａ，３
ｂによつてシート１に着座した乗員の両側部を保
持させる構成にしたものが知られている。そし
て、この種のサイドサポート装置として第５図お
よび第６図に示すようにシート１のシートバツク
２の両側部にそれぞれサイドサポート本体３ａ，
３ｂのサイドサポートフレーム４ａ，４ｂが取付
けられた回動軸５ａ，５ｂを配設し、これらの両
サイドサポート本体３ａ，３ｂの回動軸５ａ，５
ｂを回動操作してサイドサポート本体３ａ，３ｂ
の開き角度を例えば約22゜程度の範囲で調整する
調整機構を備えたものが開発されている。この場
合、従来のサイドサポートの開き角度調整機構に
はシートバツク２の一側下部に調整用ダイヤル６
が設けられている。この調整用ダイヤル６は回転
軸７の一端側に止着されている。さらに、この回
転軸７の他端側にはねじ部８が形成されており、
このねじ部８がシート１の下方に設けられた取付
けブラケツト９に装着されたナツト１０等の移動
部材に螺着されている。また、このナツト１０に
は一方のサイドサポート本体３ａの回動軸５ａを
回動操作する第１のリンク部材１１の一端が固着
されている。そして、調整用ダイヤル６の回転操
作にともないナツト１０が回転軸７の軸方向に進
退動作するようになつているとともに、このナツ
ト１０の進退動作にともない第１のリンク部材１
１が押し引き操作されようになつており、この第
１のリンク部材１１の押し引き動作に連動して一
方のサイドサポート本体３ａの回動軸５ａが回動
駆動されるようになつている。さらに、シート１
のシートバツク２の下部には一方のサイドサポー
ト本体３ａの回動軸５ａの回動動作にともない押
し引き操作される第２のリンク部材１２が配設さ
れている。そして、この第２のリンク部材１２の
押し引き動作に連動して他方のサイドサポート本
体３ｂの回動軸５ｂが回動駆動されるようになつ
ている。したがつて、調整用ダイヤル６の回転操
作にともない第１のリンク部材１１および第２の
リンク部材１２がそれぞれ押し引き操作され、第
１のリンク部材１１および第２のリンク部材１２
の押し引き動作に連動して両回動軸５ａ，５ｂが
同時に反対方向に回動駆動されてサイドサポート
本体３ａ，３ｂの開き角度が適宜調整されるよう
になつている。なお、１３はシートバツクのパイ
プフレームを示すものである。

しかしながら、上記従来構成のものにあつては
サイドサポートの開き角度調整機構には一方のサ
イドサポート本体３ａの回動軸５ａを回動操作す
る第１のリンク部材１１およびこのサイドサポー
ト本体３ａの回動軸５ａの回動動作を他方のサイ
ドサポート本体３ｂの回動軸５ｂに伝達してこれ
を回動操作する第２のリンク部材１２がそれぞれ
必要であつたので、サイドサポートの開き角度調
整機構の構成が比較的複雑になり、サイドサポー
ト装置全体が大形になり、重量も大きくなる問題
があつた。さらに、第１、第２のリンク部材１
１，１２およびナツト１０を支持する取付けブラ
ケツト９等の構成部材がシート１の内部側に突出
されていたので、シート１の座り心地が悪くなる
問題もあつた。また、調整用ダイヤル６の回転操
作してサイドサポート本体３ａ，３ｂの開き角度
を調整する場合にはナツト１０がサイドサポート
本体３ａ，３ｂの移動動作の反力を受け、この反
力によつてナツト１０と噛合している回転軸７が
取付けブラケツト９の軸受用の穴の周縁部位に押
し付けられる問題があつた。そのため、この調整
用ダイヤル６の回転軸７と取付けブラケツト９の
軸受用の穴の周縁部位との間の摩擦力が増大する
ので、この調整用ダイヤル６の回転を円滑化する
ことが難しく、操作性が低下する問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案はサイドサポートの開き角度調整機構
の構成を簡略化することができ、装置全体の小形
化および重量の軽量化を図ることができるととも
に、シートの座り心地を改良することができ、加
えて操作性の向上を図ることができるシートのサ
イドサポート装置を提供することを目的とするも
のである。

〔考案の概要〕

この考案はシートのシートバツク両側部にそれ
ぞれ配設された両サイドサポート本体の回動軸を
回動操作して前記サイドサポート本体の開き角度
を調整する調整機構を前記一方のサイドサポート
本体のサイドサポートフレームに固着され略水平
面に長孔状のガイド孔が形成された支持ブラケツ
ト、この支持ブラケツトのガイド孔に沿つて摺動
可能に取付けられ水平方向に略沿つてねじ穴が形
成された摺動部材、この摺動部材のねじ穴に螺合
するねじ部を備え固定部側に固定された軸受ブラ
ケツトに回転可能に取付けられた操作部材および
前記一方のサイドサポート本体の回転動作を他方
のサイドサポート本体に伝達する伝達部材によつ
て形成するとともに、前記摺動部材の移動方向に
沿つて設けられ同摺動部材に常時当接する反力受
け部を前記軸受ブラケツトに装着したことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
ものである。第１図はサイドサポートの開き角度
調整機構全体の概略構成を示すもので、２１ａは
一方のサイドサポート本体３ａ（第４図に示す）
のサイドサポートフレーム、２１ｂは他方のサイ
ドサポート本体３ｂ（第４図に示す）のサイドサ
ポートフレームである。そして、一方のサイドサ
ポートフレーム２１ａは例えばシートバツクの一
側部側のパイプフレーム１３に回動可能に保持さ
れた回動軸２２ａに止着されているとともに、他
方のサイドサポートフレーム２１ｂは同様にシー
トバツクの他側部側のパイプフレーム１３に回動
可能に保持された回動軸２２ｂに止着されてい
る。

また、一方のサイドサポートフレーム２１ａに
は第２図に示すように支持ブラケツト２３がねじ
止め等の手段で固着されている。この支持ブラケ
ツト２３は略コ字状に屈曲形成されたもので、こ
の支持ブラケツト２３の一対の略水平面には長孔
状のガイド孔２４がそれぞれ形成されている。さ
らに、この支持ブラケツト２３にはガイド孔２４
に沿つて摺動可能に摺動部材２５が取付けられて
いる。この摺動部材２５には第３図に示すように
軸方向に対し略直交する方向（水平方向）に沿つ
てねじ穴２６が形成されている。また、支持ブラ
ケツト２３の近傍にはシートバツクのパイプフレ
ーム１３等の適宜の固定部に固着された軸受ブラ
ケツト２７が配設されている。この軸受ブラケツ
ト２７には操作ロツド（操作部材）２８が回転可
能に取付けられている。この操作ロツド２８には
摺動部材２５のねじ穴２６に螺合するねじ部２９
が形成されている。さらに、軸受ブラケツト２７
には操作ロツド２８に常時接触して操作ロツド２
８の回転操作時に操作ロツド２８に加わる反力の
うち操作ロツド２８の軸方向に対して直交する水
平方向に作用する反力成分を受ける受け部２７ａ
が設けられている。また、操作ロツド２８の先端
部には調整用ダイヤル３０が止着されている。そ
して、この調整用ダイヤル３０の回転操作にとも
ない操作ロツド２８のねじ部２９と螺合された摺
動部材２５が支持ブラケツト２３のガイド孔２４
に沿つて摺動し、一方のサイドサポートフレーム
２１ａが回動軸２２ａを中心に回動駆動されるよ
うになつている。

一方、回動軸２２ａの下端部には略直角に屈曲
された屈曲部３１が形成されている。この屈曲部
３１の先端部には支軸３２が突設されており、こ
の支軸３２にリンク部材（伝達部材）３３の一端
部が取付けられている。さらに、このリンク部材
３３の他端部は他方の回動軸２２ｂの下端部に略
直角に屈曲された屈曲部３４の先端部に突設され
た支軸３５に取付けられている。そして、このリ
ンク部材３３によつて一方のサイドサポート本体
３ａ側の回動軸２２ａの回動動作が他方のサイド
サポート本体３ｂ側の回動軸２２ｂに伝達され、
一方のサイドサポートフレーム２１ａの回動動作
と同時に他方のサイドサポートフレーム２１ｂが
反対方向に回動駆動されてサイドサポートの開き
角度調整が行われるようになつている。

そこで、上記構成のものにあつては調整用ダイ
ヤル３０の回転操作にともない摺動部材２５によ
つて一方のサイドサポートフレーム２１ａを回動
軸２２ａを中心に直接回動駆動することができる
ので、従来に比べてリンク部材の数を少なくする
ことができ、サイドサポートの開き角度調整機構
の構成の簡略化を図ることができる。そのため、
装置全体の小形化および重量の軽量化を図ること
ができる。さらに、摺動部材２５が装着された支
持ブラケツト２３やリンク部材３３等の構成部材
をシート１の外部側に配設することができるの
で、シート１の座り心地を改良することができ
る。また、軸受ブラケツト２７には操作ロツド２
８に常時接触して操作ロツド２８の回転操作時に
操作ロツド２８に加わる反力のうち操作ロツド２
８の軸方向に対して直交する水平方向に作用する
反力成分を受ける受け部２７ａを設けたので、操
作ロツド２８の回転操作時に操作ロツド２８の軸
方向に対して直交する水平方向に作用する反力成
分によつて軸受ブラケツト２７における操作ロツ
ド２８の軸受部位に生じる摩擦力を低減すること
ができる。そのため、操作ロツド２８の回転操作
を円滑に行なうことができ、調整用ダイヤル３０
の回転操作を容易化してサイドサポートの開き角
度調整操作の操作性の向上を図ることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案によればシートのシートバツク両側部
にそれぞれ配設された両サイドサポート本体の回
動軸を回動操作して前記サイドサポート本体の開
き角度を調整する調整機構を前記一方のサイドサ
ポート本体のサイドサポートフレームに固着され
略水平面に長孔状のガイド孔が形成された支持ブ
ラケツト、この支持ブラケツトのガイド孔に沿つ
て摺動可能に取付けられ水平方向に略沿つてねじ
穴が形成された摺動部材、この摺動部材のねじ穴
に螺合するねじ部を備え固定部側に固定された軸
受ブラケツトに回転可能に取付けられた操作部材
および前記一方のサイドサポート本体の回転動作
を他方のサイドサポート本体に伝達する伝達部材
によつて形成するとともに、前記摺動部材の移動
方向に沿つて設けられ同摺動部材に常時当接する
反力受け部を前記軸受ブラケツトに装着したの
で、サイドサポートの開き角度調整機構の構成を
簡略化することができ、装置全体の小形化および
重量の軽量化を図ることができるとともに、シー
トの座り心地を改良することができる。さらに、
操作部材の回転操作時にこの操作部材に加わる反
力のうちこの操作部材の軸方向に対して直交する
略水平方向に作用する反力成分を摺動部材に常時
当接する反力受け部によつて受けさせる構成にし
たので、軸受ブラケツトにおける操作部材の軸受
部位に生じる摩擦力を低減して操作部材の回転操
作の操作性の向上を図り、サイドサポート本体の
操作性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示す
もので、第１図はサイドサポートの開き角度調整
機構全体の概略構成を示す斜視図、第２図は同平
面図、第３図は要部の平面図、第４図はフロント
シート全体の外観を示す斜視図、第５図および第
６図は従来例を示すもので、第５図はサイドサポ
ートの開き角度調整機構全体の概略構成を示す正
面図、第６図は同平面図である。 ３ａ，３ｂ……サイドサポート本体、２１ａ，
２１ｂ……サイドサポートフレーム、２２ａ，２
２ｂ……回動軸、２３……支持ブラケツト、２４
……ガイド孔、２５……摺動部材、２６……ねじ
穴、２７……軸受ブラケツト、２７ａ……受け
部、２８……操作ロツド（操作部材）、２９……
ねじ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートのシートバツク両側部にそれぞれサイド
   サポート本体を配設し、これらの両サイドサポー
   ト本体の回動軸を回動操作して前記サイドサポー
   ト本体の開き角度を調整する調整機構を備えたシ
   ートのサイドサポート装置において、前記調整機
   構を前記一方のサイドサポート本体のサイドサポ
   ートフレームに固着され略水平面に長孔状のガイ
   ド孔が形成された支持ブラケツト、この支持ブラ
   ケツトのガイド孔に沿つて摺動可能に取付けられ
   水平方向に略沿つてねじ穴が形成された摺動部
   材、この摺動部材のねじ穴に螺合するねじ部を備
   え固定部側に固定された軸受ブラケツトに回転可
   能に取付けられた操作部材および前記一方のサイ
   ドサポート本体の回動動作を他方のサイドサポー
   ト本体に伝達する伝達部材によつて形成するとと
   もに、前記摺動部材の移動方向に沿つて設けられ
   同摺動部材に常時当接する反力受け部を前記軸受
   ブラケツトに装着したことを特徴とするシートの
   サイドサポート装置。