JPH0312037B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、搬送された紙葉類の集積及び分離を
行う紙葉類自動取扱い装置に関するものである。

〔発明の背景〕

従来の紙葉類の自動取扱い装置は例えば、特開
昭58−220043号公報に開示されているように、集
積部に集積された紙葉類を繰り出す繰り出し手段
として真空ドラム用い、真空により紙葉類を吸着
して分離取り出しを行つている。従来のこの方式
では、真空を発生するための装置が必要であり装
置が大きくなること、及び真空で紙葉類を吸着す
る時の吸着力を利用して紙葉類を分離取り出すた
めに折れぐせのある紙葉類や破れのある紙葉類で
は吸着力が充分でなく、紙葉類の分離繰り出し性
能が劣化することが考えられる。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、紙葉類の集積および分離繰り
出し動作の信頼性を向上し、装置をコンパクトに
した紙葉類自動取扱い装置を提供することにあ
る。

〔発明の概要〕

本発明の特徴は、搬送手段により搬送された紙
葉類を受収して紙葉類を集積部に順次集積する集
積手段と、その集積された紙葉類を再び一枚ずつ
分離する分離取り出し手段とを備えた紙葉類自動
取扱い装置において、集積手段は、紙葉類の進入
を案内しながら回転する一対の羽根車受収案内手
段と羽根車受収案内手段を回転自在に本体に支持
する第１の回動手段とを具備し、分離取り出し手
段は、本体に軸支されかつ集積された紙葉類に当
接して紙葉類に繰り出し力を与える繰り出し手段
と、繰り出し手段により繰出される紙葉類の前縁
側に設けられ繰り出し手段と協働して紙葉類に送
り出し力を与える送出手段と、この送出手段に対
向して配設され摩擦抵抗力を付与して紙葉類を分
離する分離手段と、送出手段側に回動中心を有し
て回動する第２の回動手段とを備え、第２の回動
手段及び第１の回動手段は、紙葉類の集積時に、
繰り出し手段を一対の羽根車受収案内手段の回動
中心側に退避するとともにそれぞれの羽根車受収
案内手段を集積部側に回動し、紙葉類の分離取り
出し時に、繰り出し手段を集積部側に回動して紙
葉類に当接させるとともにそれぞれの羽根車受収
案内手段を反集積部側に退避する集積分離機構を
形成させるように構成したことにある。

〔発明の実施例〕

第１図は本発明の装置を備えた現金自動取引装
置の現金取扱部を示すもので、この図において、
この現金取扱部はその本体１の前面側に入出金口
２を備えている。この入出金口２の一方側には、
入金紙幣Ｂを取込むための分離装置３が、また他
方側には払い出し紙幣Ｂを入出金口２に押し出す
押出フオーク４が設けられている。本体１内の中
央部には鑑別部５が設けられている。この鑑別部
５は取込みあるいは払出しする紙幣Ｂの真偽を判
別する。本体１内の後方中央部には、鑑別不能な
紙幣Ｂを回収するリジエクトボツクス６が設けら
れている。その上方すなわち、本体１内の後方上
部には、裏向き紙幣Ｂを表向きに反転する表裏反
転部７が配置されている。前述した押出フオーク
４の部分には、羽根車スタツカ部８が設けられて
いる。本体１内の中央から下部には本体１の後方
から前方に紙幣リサイクル用の第１の金種ボツク
ス９と、同様に紙幣リサイクル用の第２の金種ボ
ツクス１０と、始業時、終業時に紙幣Ｂを供給、
回収すると共に出金不適な紙幣Ｂを回収する金庫
１１と、取込紙幣Ｂを一時保管する一時スタツク
部１２と、その下方に位置する取忘れ紙幣回収ボ
ツクス１３とが配置されている。前述した第１の
金種ボツクス９、第２の金種ボツクス１０、金庫
１１及び一時スタツカ部１２の各上部には、羽根
部スタツカ部１４、分離機構１５および紙幣を分
離機構１５に操り出す繰り出し機構１６が配置さ
れている。前述した各部は搬送手段によつて連結
されており搬送手段中の分岐部にはゲート部が設
けられている。また、上述の現金取扱部の上には
伝票・カード機構、通帳印字機構が設置されてい
る。

上述した現金取扱部は、顧客により入出金口２
に挿入された紙幣Ｂを、一時スタツカ部１２に一
時保管したのち金種別に第１、第２の金種ボツク
ス９，１０及び金庫１１に収納する。また顧客の
要求により、第１、第２の金種ボツクス９，１０
に収納した紙幣Ｂを、表裏反転機構７を通して表
面を揃えて入出金口２に払い出すことができる。

次に本発明の装置の一実施例を第２図から第５
図により説明する。紙幣Ｂを本装置に搬入する搬
送手段を構成するベルト２０と２１およびベルト
２２と２３はそれぞれ互いに対向して配設されて
いる。ベルト２０と２２は軸２４に支持されたロ
ーラ２５，２６に掛合し、ベルト２１と２３は軸
２７に支持されたローラ２８，２９に掛合してい
る。そして、これらの軸２４，２７は、図示して
いないが、別々の駆動手段により駆動され、上記
のベルトを駆動する。

羽根車スタツカ部（羽根車受収案内手段）１４
の構成の一つである羽根車３０は、円周上に複数
枚の紙幣受収用の羽根３１が等間隔で取付けられ
ている。この羽根車３０は、ローラ２５，２８及
びローラ２６，２９の近くに位置し、羽根３１間
の開口部が、ローラ２５，２８及びローラ２６，
２９の共通接線方向に向くように配置する。これ
により、ベルト２０と２１及びベルト２２と２３
により挾持されて搬送されてくる紙幣Ｂを、羽根
車３０の羽根３１間に押し込むことができる。羽
根車３０は軸３２を回転中心にして回転し、軸３
２はアーム（第１の回動手段）３３に支持されて
いる。アーム３３は図示していないが別の駆動手
段で軸２７を中心にして回動可能に軸２７に支持
されている。また、このアーム３３は、アーム３
３に設けた長穴３４に係合した軸３５をガイドに
して案内され回動する。この軸３５は羽根車３０
と干渉しないように羽根車３０の両側に位置し、
それぞれ本体シヤーシ３６に固定している。前述
の羽根車３０には歯車３７がこれらと一体で回転
するように取付けられている。（一方の羽根車は
図中には現われていない。）歯車３７はアーム３
３に回転自由に取付けられている歯車３８と噛合
つている。この歯車３８は歯車３９と噛合い、こ
の歯車３９に図示していないが別の駆動手段によ
り回転駆動されると軸４０と一体で回転する。

羽根車３０により案内されてきた紙幣Ｂを、羽
根間から離脱するためのストツパー４１は羽根車
３０の羽根３１と干渉しないように羽根車３０を
避けて配置してあり、図示していないが別の駆動
手段により羽根車３０の回動に対応して上下に駆
動される。集積箱（集積部）４３に集積された紙
幣を分離し繰り出す繰り出し手段としてのローラ
４２は、集積箱４３に集積された紙幣のうちこの
実施例では最上位の紙幣を後述する分離部側へ繰
り出すものである。このローラ４２は、アーム
（第２の回動手段）４４に回転自在に支持されて
いる。軸４５と一体で回転可能である。このアー
ム４４は本体シヤーシ３６に回転可能に支持され
た軸４６と一体で回転可能であり、図示していな
いが別の駆動手段で前述の軸４６を中心に回動さ
れ、アーム４４、軸４６及び駆動手段よりなる集
積分離機構を形成させている。前述の軸４５は切
り欠きローラ４７と接しており、切り欠きローラ
４７は、アーム４４に回転自由に支持された軸４
８と一体である。軸４８が１回転すると、切り欠
きローラ４７は軸４５と間欠的に接触し軸４５を
回転させる。切り欠きローラ４７はベルト車４９
と一体で回転し、ベルト車４９とベルト車５０の
間にはベルト５１がかかつている。このベルト車
５０は軸４６に対して回転可能に支持されてお
り、同じように、軸４６に回転可能に支持される
歯車５２を一体に固定している。この歯車５２は
軸５３と一体で回転する歯車５４と噛合つてい
る。そして、この軸５３は、図示していないが、
別の駆動手段により回転駆動される。この軸５３
の回転駆動により、前述の紙幣繰り出し用のロー
ラ４２は、切り欠きローラ４７を介して間欠的に
回転する。案内板５５は、ローラ４２を作動して
紙幣を繰出すときの案内をするためのものであ
り、アーム４４の先端側にアーム４４と一体的に
設けられている。この案内板５５の中央部には、
切り欠き穴があり、前述のローラ４２の一部が案
内板５５よりも数mm下側（紙幣側）に突き出るよ
うにしている。

集積箱４３は、側板４３ａ及び図示していない
が底板から構成されている。この集積箱４３内を
移動する押板６０は、ガイドロツド６１と嵌合し
ており、ガイドロツド６１を案内にして図では上
下に移動可能である。押板６０の端部には、バネ
６２の一端がかかつている。バネ６２は、固定さ
れた軸６３を中心に回転可能なローラ６４に巻き
付いている。そしてバネ６２の他端は軸６５に固
定されている。この軸６５を例えば、駆動源によ
り回転可能とし、バネ６２の他端部を巻込めるよ
うに構成することも可能である。このように構成
すると、外部信号により駆動源を制御し、押板６
０による押圧力を制御することができる。なお、
押圧力制御は、上記のバネ構造に限るものではな
い。

ローラ（送出手段）６６及びローラ（分離手
段）６７は集積箱４３の紙幣繰出し部に互いに対
向して配置されており、それぞれ軸６８及び６９
で支持されている。このローラ６６は図示してい
ないが駆動手段により回転駆動される軸６８と一
体で回転して紙幣を送出す。また、ローラ６７は
紙幣との摩擦抵抗が紙幣同志の摩擦抵抗よりも大
きくなるような摩擦部材でできている。そして、
これラローラ６６及び６７により、集積箱４３か
ら繰り出される紙幣を一枚ずつに分離して次段の
搬送路に搬出する。

以上の構成により、次の動作が可能となる。

まず、紙葉類としての紙幣Ｂの集積動作は、第
４図に示すように、アーム４４は回動させて、紙
幣を繰出すためのローラ４２を集積された紙幣面
上から退避させる。アーム３３を回動させて、羽
根車３０を、紙幣取込み位置に挾持し、また、ス
トツパ４１を集積箱４３の紙幣繰り出し位置に配
置するようにする。この状態において、図示して
いないが搬送手段により、ベルト２０と２１及び
ベルト２２と２３間に送り込まれた紙幣Ｂは、ベ
ルト２０と２１及びベルト２２と２３に挾持、搬
送され、羽根車３０の羽根３１間に送り込まれ
る。羽根車３０に挾持された紙幣Ｂは、羽根車３
０の回転により運ばれ、羽根車３０の下方の空間
部において、ストツパ４１に当たり、羽根車３０
の羽根３１間から分離され、ストツパ４１に沿つ
て降下し集積箱４３の中に集積される。集積箱４
３に集積される紙幣Ｂは、図示してはいないが、
常に紙幣集積量検知手段により検知される。この
検知手段の検知信号に基づき、押板６０が下降す
る。

集積箱４３内に集積された集積紙幣Ｂの最上部
の紙幣と羽根車３０との間の空間部は、押圧力制
御手段として作用する。例えばバネ６２により調
整される。即ち、この押圧力制御手段は集積紙幣
の枚数が増えると前述したように、図示はされて
いないが、紙幣集積量検知手段からの信号に基づ
き押板作動機構を制御し、押板６０がガイドロツ
ド６１に沿つて空間部が一定値になるまで下降す
る。

次に、紙幣類の分離取り出し動作を第５図によ
り説明する。分離動作時は、羽根車３０と分離部
との間に一定の間隔が必要となる。そのため、ア
ーム３３を回動して羽根車３０を紙幣集積位置か
ら退避（この実施例では上方に退避）させ、ま
た、ストツパ４１を集積箱４３の紙幣繰出し位置
から退避（この実施例では上方に退避）させる。
また、アーム４４を回動して紙幣繰出し用のロー
ラ４２を繰出し位置に保持する。これによりこの
実施例ではローラ４２は案内板５５とともに下が
つた状態となる。この状態でバネ６２によりロー
ラ４２と接する位置まで押板６０を押上げる。押
上げられた紙幣Ｂは、ローら４２が歯車５２，５
３及び切り欠きローラ４７の回転により間欠駆動
されると、ローラ４２との間に生じる摩擦力によ
り、最上部の紙幣が案内板５５に沿つてローラ６
６とローラ６７の間に送り込まれる。さらに、ロ
ーラ６６の回転により、紙幣は集積箱４３から分
離して取り出される。これにより、集積箱４３内
の紙幣の集積量は減少していくが、前述したよう
に、図示されていないが、紙幣集積量検知手段の
検知信号により、押板６０は減少量に対応させて
上昇していく。これにより、ローラ４２とこのロ
ーラ４２が接触する集積箱内の最上位の紙幣との
押圧力は常に一定範囲内になるように制御され
る。

さらに、羽根車３０が軸２７を中心として下方
に回動できるため、羽根３１の先端が最上位の紙
幣に接触してその紙幣を押圧し変形を防止する効
果もある。

本実施例によれば、羽根車３０による紙幣の集
積及びローラ４２及びローラ６６，６７による紙
幣の分離取り出しとを組み合せて実装することが
でき、紙幣の集積および分離取り出し性能の向上
が図れるとともに、羽根車３０及びローラ４２，
６６，６７がお互いに干渉しないように回動退避
することによりコンパクトに実装ができる。

なお、以上の実施例においては、紙葉類として
紙幣の取扱いの場合について説明したが、本発明
は紙幣に限らず他の紙葉類についても同様の作
用、効果を奏することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、紙葉類の集積と分離繰り出し
の信頼性を向上し、装置をコンパクト化すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の一例を備えた例として
現金自動取引装置の現金取扱部を示す概略側面
図、第２図は本発明の装置の一例を示す斜視図、
第３図は第２図の略示的正面図、第４図は第２図
における紙幣の集積時を説明する要部側面図、第
５図は同じく分離時を説明する要部側面図であ
る。 ９，１０，１１……金種ボツクス、１２……一
時スタツカ部、１４……羽根車スタツカ部、１５
……分離機構、１６……繰り出し機構、３０……
羽根車、３３，３４……アーム、４１……ストツ
パ、４３……集積箱、４７……切り欠きローラ、
５５……案内板、６０……押板、６６，６７……
ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 搬送手段により搬送された紙葉類を受収して
   該紙葉類を集積部に順次集積する集積手段と、そ
   の集積された前記紙葉類を再び一枚ずつ分離する
   分離取り出し手段とを備えた紙葉類自動取扱い装
   置において、 (A) 前記集積手段は、 前記紙葉類の進入を案内しながら回転する一
   対の羽根車受収案内手段１４と、 該羽根車受収案内手段を回動自在に本体に支
   持する第１の回動手段３３とを具備し、 (B) 前記分離取り出し手段は、 本体に軸支されかつ集積された前記紙葉類に
   当接して該紙葉類に繰り出し力を与える繰り出
   し手段４２と、 該繰り出し手段により繰出される前記紙葉類
   の前縁側に設けられ前記繰り出し手段と協働し
   て前記紙葉類に送り出し力を与える送出手段６
   ６と、 この送出手段に対向して配設され摩擦抵抗力
   を付与して前記紙葉類を分離する分離手段６７
   と、 送出手段側に回動中心を有して回動する第２
   の回動手段４４とを備え、 (C) 該第２の回動手段及び前記第１の回動手段
   は、 前記紙葉類の集積時に、前記繰り出し手段を
   前記一対の羽根車受収案内手段の回動中心側に
   退避するとともにそれぞれの羽根車受収案内手
   段を集積部側に回動し、 前記紙葉類の分離取り出し時に、前記繰り出
   し手段を集積部側に回動して前記紙葉類に当接
   させるとともにそれぞれの羽根車受収案内手段
   を反集積部側に退避する集積分離機構を形成さ
   せることを特徴とする紙葉類自動取扱い装置。