JPH0311826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案はプレハブ方式のゴム・プラスチツク絶
縁ケーブルの縁切り接続部形成用ユニツトに関す
る。

［考案の技術的背景］ 従来から、架橋ポリエチレン絶縁ケーブル等の
縁切り接続部を形成する場合には、現場のケーブ
ル接続部組立工程において、絶縁体接続部の絶縁
補強体の外周に、遮蔽層が縁切りされた状態とな
るように、絶縁層を介して各ケーブルの外部半導
電層に電気的に接続された内外各半導電層をそれ
ぞれテープ巻きモールドにより形成することが行
われている。

［背景技術の問題点］ しかしながら、このような従来の方法では、絶
縁補強体上に、内側半導電層、絶縁層、外側半導
電層を形成し、さらにその上に外部絶縁層を順に
成形していくため、作業に時間がかかるという難
点があつた。

またテープ巻きモールド法では、内側半導電層
の縁切り側端部が薄肉に形成されるため、電気的
なウイークポイントとなるという問題があつた。

近時、作業時間の短縮を目的として、予め工場
内で絶縁層中に半導電層を縁切りされた状態で２
層に埋設したユニツトを製造しておき、現場の接
続作業時に絶縁体接続部外周に、このユニツトを
装着し、ユニツト内の遮蔽層とケーブル遮蔽層と
を接続する方法も検討されているが、このユニツ
トにおいても、内側半導電層の形状は改善されて
おらず問題の解決には至つていない。

［考案の目的］ 本考案はかかる従来の事情に対処してなされた
もので、電気的特性に優れたケーブルの縁切り接
続部を容易に形成することにできるケーブルの縁
切り接続部形成用ユニツトを提供しようとするも
のである。

［考案の概要］ すなわち本考案のケーブルの縁切り接続部形成
用ユニツトは、一端部に外側に向けて湾曲する丸
みを設け他端部を端末に向けて順次薄くなるテー
パー状に形成した架橋半導電ゴム・プラスチツク
組成物からなる円筒体の外周に、前記丸み部がほ
ぼ中央に位置しかつ他端部が露出するように紡錘
状の絶縁補強体がモールド成形され、この絶縁補
強体の前記円筒体露出部とは反対側のテーパー面
から前記丸み部上にかけて架橋半導電ゴム・プラ
スチツク組成物により外側半導電体がモールド成
形されてなり、かつ全体が拡管されて熱収縮性が
付与されてなることを特徴としている。

［考案の実施例］ 以下本考案の詳細を図面に示す一実施例につい
て説明する。

第１図は本考案の一実施例の縁切り接続部形成
用ユニツトを示す断面図である。

同図において、この実施例の縁切り接続部形成
用ユニツト１は、一端部に外側に向けて湾曲した
丸み１１ａが設けられ他端部が端末に向けて順次
薄肉となるテーパー面１１ｂとされた架橋半導電
ゴム・プラスチツク組成物からなる円筒状内側半
導電体１１と、丸み１１ａがほぼ中央に位置し他
端部が露出するように円筒状内側半導電体１１の
外周にモールド成形された紡錘状の絶縁補強体１
２と、この絶縁補強体１２の円筒状内側半導電体
１１の露出部とは反対側のテーパー面から丸み１
１ａ上にかけて架橋半導電ゴム・プラスチツク組
成物によりモールド成形された円筒状の外側半導
電体１３と、この外側半導電体１３の丸み１１ａ
上とは反対側の端部が露出するように外側半導電
体１３から絶縁補強体１２にかけてモールド成形
された外側絶縁体１４からなり、かつ全体が拡管
されて熱収縮性が付与されている。

このような縁切り接続部形成用ユニツト１で
は、内側半導電体１１の縁切り側端部に外側に向
けて湾曲する丸み１１ａが設けられており、電界
が集中し電気的弱点となるような突起がないの
で、例えば後述するような方法により、電気的特
性に優れた縁切り接続部を容易に形成することが
できる。

また内側半導電体１１の丸み部１１ａと反対側
の端部は端末に向けて順次薄くなるテーパー面１
１ｂとされているので、内側半導電体１１とケー
ブル遮蔽層とを電気的に接続するために、例えば
後述する半導電性テープを巻回する場合に、半導
電性テープを隙間なく巻き付けることができ良好
な電気的接続を行うことができる。

なお、この縁切り接続部形成用ユニツト１は、
工場内で金型モールド法により所望の最終外径よ
やや小さい外径に成形し、次いで拡管することに
より製造することができる。

次にこの実施例の縁切り接続部形成用ユニツト
１を使用したケーブルの縁切り接続部の形成方法
の一例を図面を用いて説明する。

第２図は、上記実施例のユニツト１を使用して
形成されたゴム・プラスチツク絶縁ケーブルの縁
切り接続部を示す縦断面図である。

まず、縁切り接続部形成用ユニツト１が、接続
現場において、段剥して接続されたゴム・プラス
チツク絶縁ケーブル、例えば架橋ポリエチレン絶
縁ケーブル２１，２２のケーブル導体接続部を覆
つて設けられた紡錘状の補強絶縁体３上に、丸み
１１ａ側端部がそのほぼ中央に位置するように嵌
挿され、しかる後加熱縮径されて装着される。し
かしてこのとき、縁切り接続部形成用ユニツト１
は所望の最終外径よりやや小さい外径に成形した
ものを拡管して全体に熱収縮性を付与したもので
あるので、補強絶縁体３上に密着性よく装着され
る。

次いで、このユニツト１の内側半導電体１１お
よび外側半導電体１３の各外側端部より各ケーブ
ル２１，２２の外部半導電層４１，４２上、さら
にケーブル遮蔽層５１，５２上にかけてそれぞれ
半導電性テープ６が巻回されて、ユニツト１の内
側半導電体１１および外側半導電体１３がそれぞ
れ各ケーブル遮蔽層５１，５２と電気的に接続さ
れる。

しかる後、これらの半導電性テープ６を覆つ
て、ユニツト１の絶縁補強体１２端部から一方の
ケーブルシース７１にかけて、また外側絶縁体１
４端部から他方のケーブルシース７２にかけてシ
ール体９が形成され、ケーブルの縁切り接続部が
完成する。

このように形成された縁切り接続部は、この縁
切り接続部の特性に大きく影響する内側の縁切り
遮蔽層となるユニツト１の内側半導電体１１の縁
切り側端部に予め外側に向けて湾曲する丸み１１
ａが設けられていて電界が集中するような突起が
ないので優れた電気的特性を有している。

なお、上記実施例では、縁切り接続部形成用ユ
ニツト１が、内側半導電体１１、絶縁補強体１
２、外側半導電体１３および外側絶縁体１４から
構成されているが、外側絶縁体１４についてはこ
れを接続現場において絶縁テープなどの巻回によ
り設けるようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、縁切り接
続部の良好な特性を得る上で特に重要な内側に位
置する縁切り遮蔽層を好ましい形状にユニツトと
して予め工場内で製造しておき、これをケーブル
接続部組立時に装着するようにしたので、特性の
良好かつ安定した縁切り接続部を容易に形成する
ことができ、作業時間も短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の縁切り接続部形
成用ユニツトを示す一部縦断面図、第２図は、第
１図に示すユニツトを使用して形成された架橋ポ
リエチレン絶縁ケーブルの縁切り接続部の一部切
欠断面図である。 １……縁切り接続部形成用ユニツト、１１……
内側半導電体、１１ａ……丸み、１１ｂ……テー
パー面、１２……紡錘状の絶縁補強体、１３……
外側半導電体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端部に外側に向けて湾曲する丸みを設け他端
   部を端末に向けて順次薄くなるテーパー状に形成
   した架橋半導電ゴム・プラスチツク組成物からな
   る円筒体の外周に、前記丸み部がほぼ中央に位置
   しかつ他端部が露出するように紡錘状の絶縁補強
   体がモールド成形され、この絶縁補強体の前記円
   筒体露出部とは反対側のテーパー面から前記丸み
   部上にかけて架橋半導電ゴム・プラスチツク組成
   物により外側半導電体がモールド成形されてな
   り、かつ全体が拡管されて熱収縮性が付与されて
   なることを特徴とするケーブルの縁切り接続部形
   成用ユニツト。