JPH0310464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案にいう合成樹脂製地中埋設管は、主とし
て地中に埋め込んで使用するための耐圧管であつ
て、上水管、下水（排水）管、電線保護管等に使
用するためのものである。

〈従来の技術〉 従来この種の合成樹脂製地中埋設管としては、
第１０図に示したように、断面円形の既製の波形
管０３にその全周を被覆素材で被覆しながら押出
機から押出した被覆管０２を、管主体を構成する
溶融直後の管本体０１の外周壁上に巻回したもの
が既に知られている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 この構造の管は、管全体として強度があり、地
中に埋設しても充分に土圧に耐える耐圧性を有
し、かつ、補強用螺旋部内に既製管を埋め込んだ
構造としてあるので、管全体の重量も軽くて取扱
い易いという利点を有しているものではあるが、
既製管が通常の管、所謂断面円形の管であるた
め、管本体０１の外周壁に対する面接当抵抗が少
なく、第１１図に示すように、管本体０１の外周
壁上に巻回融着するとき、非溶融状態で硬度の高
い既製管０３自体のテンシヨン作用によつて、管
本体０１の管壁内に沈み込み、管本体０１内壁部
が極めて薄いものとなつてしまうという欠点があ
るため、耐久性に欠け、殊に一旦地中へ埋設して
しまうと摩耗状態の点検が極めて困難で、しか
も、点検できたとしても新管との取換工事の困難
な地中埋設管としては安心して使用できないとい
う致命的な欠点を有する。

そこで、本考案者は、上記既製管の管本体壁内
への沈下作用を防止する手段について種々研究し
た結果、上記公知の断面円形状既製管を利用する
こと自体の技術的欠陥を全面的に排斥し、独自か
つ特殊形状の波形管を製造し利用する新しい技術
構造を開発した。即ち、断面形状を蒲鉾形とした
波形管を製造し、この波形管を、その直線状底部
が管本体の周壁側に面するようにして、管本体の
外周面近く位置に螺旋状に巻回し、かつ、この波
形管の外周面を管本体の形成材料と同一の材料
か、または、管本体の材料と融着性の高い合成樹
脂材料で被覆した構造としたのである。

その具体的手段として、管本体を形成する管壁
に外方に突出する部分を形成し、この外方突出部
分内に上記断面蒲鉾形の波形管を一体的に埋設
し、管本体の管壁自体で蒲鉾形波形管を被覆する
手段と、管本体の形成材料と同一材料かまたは融
着性の高い材料で断面蒲鉾形の波形管の外周を被
覆した被覆管を管本体の外周壁上に螺旋状に巻回
する手段と、からなる合成樹脂製地中埋設管を考
案し、既に実用新案登録出願（実願昭59−122687
号〔実開昭61−36785号公報〕）した。

しかしながら、この考案による地中埋設管は、
上記被覆管部分の耐圧性については地中埋設管と
しての耐圧性を充分具有するものとなつたが、基
本管を構成する管本体をこの被覆管部分の耐圧性
に比して充分な耐圧性を有するものとするために
は、管本体の管壁を相当に厚肉のものとしなけれ
ばならないことが実験の結果明らかになつた。

しかし、管本体の管壁を厚肉のものとすると、
合成樹脂材料を多量に必要とすることのみに止ま
らず、管全体の重量が大きく増大し、そのため持
運び取扱いが困難となり、可撓性に著しく欠ける
ものとなるため、殊に地中への埋設作業に当つて
作業性が悪く、特に彎曲状部分の作業性に欠ける
欠点のあるものとなることを究明した。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案は、先に出願した上記考案の利点
を利用し、かつ、多量の合成樹脂材を使用するこ
となく、管全体としての重量が極度に増大するこ
ともなく、しかも、可撓性についても管壁を厚肉
としたものに比して著しく秀れ、充分な耐圧性を
有する地中埋設用の耐圧管を提供するものであ
る。

即ち、その構造は、 断面蒲鉾形の既製の波形管の外周面に、管本体
を形成する合成樹脂材料と同質の材料または管本
体の形成材料と融着性の高い合成樹脂材料で被覆
した巻回帯材を、上記管本体の外周壁上に所定の
ピツチで螺旋状に巻回融着させて断面半円弧状の
突出リブを形成させた管であつて、当該管本体を
実質的に合成樹脂帯材による重層管構造とし、当
該合成樹脂層間に外層管を形成する帯状材の幅と
略同幅に形成した金属製または繊維製の補強材を
前記外層管を形成する帯状材の螺旋巻回方向と同
一螺旋方向に螺旋状に巻回介装させたものであ
る。

〈実施例〉 本考案の実施例について図面に基いて以下に説
明する。

（第１実施例） 第１図乃至第４図に示したものは一つの実施例
構造を示す図であつて、管本体１は内層管１ａと
外層管１ｂとからなる重層管構造となつている。
外層管１ｂは、第２図及び第３図に明らかなよう
に、断面形状が蒲鉾形（半円弧状）で、長手方向
に沿つて環状（螺旋状でもよい）の凹凸を有する
波形に形成された既製の波形管３の外周部を包み
込んで、外層管１ｂの外周方向に向けて突出させ
た突出リブ２内に埋込んだ状態とした外層管１ｂ
形成用帯状材１b′（第３図参照）を、内層管１ａ
の外周面上に補強材４として螺旋状に巻着した、
後記構造のパンチングメタル帯４ａの外周面上に
螺旋状に巻回し、当該帯状材１b′自身の側縁部１
１，１１同士を重合させて融着一体化すると同時
に、上記パンチングメタル帯４ａに形成された多
数の孔４１…と帯４ａ，４ａ間の空隙部４２とを
介して内層管１ａとも融着一体化した構造とした
ものである。上記パンチングメタル帯４ａは、第
４図に示すように、薄いメタル帯の全面にわたつ
て多数の小孔４１…を穿設したもので、全体の幅
ｗを前記帯状体１b′の幅と略同程度の幅とし、細
幅のもの数本を小許の間隔４２をあけて内層管１
ａの外周面上に巻回するもので、このように細幅
のものとしておくことによつて、管本体１の可撓
性を阻害しないようにしたが、メタル帯それ自体
が屈撓性に富むものであれば、一枚の広幅ｗのメ
タル帯を使用すればよい。内層管１ａの継ぎ目１
２と外層管１ｂの継ぎ目１２との位置は相互に異
なる位置に配置してある。

（第２実施例） 第５図に示す螺旋管は、上記第１実施例に示し
た内層管１ａ及び外層管１ｂと略同じ構造からな
る二重管構造となつていて、これら内外両層管１
ａ，１ｂ間に、第６図に示したように、多数の金
属線材４３を網状に組んだ組網帯４ｂの、前記外
層管１ｂ形成用帯状材の幅と略同幅ｗのものを埋
設した構造としたものである。

（第３実施例） 第７図に示した実施例の螺旋管は、既製の波形
管３の断面形状を、円形管の一部を直線状に切断
した形状のものとして突出リブ２内に埋設した外
層管１ｂと、内層管１ａとの間に合成樹脂製の中
層管１ｃの層を形成した三重層管としたもので、
内層管１ａと中層管１ｃとの層間に、前記第４図
に示したと同様の多数のパンチング孔４１…を形
成した不織布帯４ｃの巻回埋設層を形成するとと
もに、中層管１ｃと外層管１ｂとの層間に、前記
第６図に示したと同様の組網状に編成した天然繊
維糸製の網帯４ｄを巻回埋設した構造としたもの
である。

（第４実施例） 第８図に示した実施例の螺旋管は、内層管１ａ
と外層管１ｂとの層間に、第９図に示す細幅の金
属性帯４ｅ…を所要数小許の間隔４４をあけて並
列させた、前記外層管１ｂの形成帯幅と略同幅ｗ
にした帯群を巻回埋設した構造とし、かつ、前記
外層管１ｂの外周面上に、断面蒲鉾形状の既製の
波形管３の外周面を前記外層管１ｂの合成樹脂材
と同質の材料または融着性の高い合成樹脂材料で
被覆した被覆管２を、その扁平な面３′を外層管
１ｂ上に位置するように配置して巻回融着した構
造としたものである。

以上の実施例説明で既に明らかなように、本考
案にいう地下埋設用の耐圧合成樹脂管の管壁層間
に埋設する補強材４は、金属製のものでも天然繊
維、化学繊維製のものでもよく、また、丸形細線
材でも扁平材でもよい。また、管本体１並びに既
製の波形管を被覆する合成樹脂材としては、主と
してポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフイ
ン系の合成樹脂や塩化ビニール系の合成樹脂が使
用されるが、その他の合成樹脂材を使用してもよ
い。管本体１は二層のもの及び三層のものについ
て実施例で示したが、これらのものに限られるこ
となく、管本体１の肉厚内に外層管を形成する帯
状材の幅と略同幅に形成した補強材を前記外層管
を形成する帯状材の螺旋巻回方向と同一螺旋方向
に螺旋状に巻回埋設し、管本体の管壁を実質的に
補強した構造としたものであればよいことは容易
に理解できるであろう。

〈考案の効果〉 本考案は、以上説明したように、管本体の外周
面上に突出する突出リブ内に既製の波形管が埋入
されていて、該突出リブ部が軽量なものであるに
もかかわらず、極めて耐圧性に富み、かつ、管本
体の管壁内には外層管を形成する帯状材の幅と略
同幅に形成した金属性等の補強材が巻回埋入され
ている構造としてあるため管壁の強度が極めて高
く、厚肉のものとする必要がないので、管全体と
して軽量なものとすることができ、それでいてリ
ブ部分も管壁部分も共に耐圧性に秀れ、使用材料
としての合成樹脂材料が少くてすみ、軽量で取扱
い易く、しかも可撓性も秀れた理想的な地中埋設
用耐圧合成樹脂管を得ることができるに至つた顕
著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図に示す管は、本考案による地
中埋設用耐圧合成樹脂管の第１実施例を示す一部
切欠斜視図、要部の縦断面図、同一部切欠斜視
図、第４図は補強材の斜視図、第５図乃至第６図
は第２実施例を示す要部の縦断面図、補強材の斜
視図、第７図は第３実施例の要部の縦断面図、第
８図乃至第９図は第４実施例の要部の縦断面図、
補強材の斜視図である。また、第１０図乃至第１
１図は従来構造を示す図で、融着前と融着後のそ
れぞれ要部の縦断面図である。 １……管本体、２……突出リブ、３……波形
管、４……補強材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 断面蒲鉾形の既製の波形管３の外周面に、管
   本体１を形成する合成樹脂材料と同質の材料ま
   たは管本体１の形成材料と融着性の高い合成樹
   脂材料で被覆した巻回帯材を、上記管本体１の
   外周壁上に所定のピツチで螺旋状に巻着させて
   断面半円弧状の突出リブ２を形成してある管で
   あつて、当該管本体１を実質的に合成樹脂帯材
   の螺旋巻回による重層管構造とし、当該合成樹
   脂層間に外層管１ｂを形成する帯状材１b′の幅
   と略同幅Ｗに形成した金属製または繊維製の補
   強材４を前記外層管１ｂを形成する帯状材１
   b′の螺旋巻回方向と同一螺旋方向に螺旋状に巻
   回介装させてある地下埋設用耐圧合成樹脂管。 管本体１の形成材料及び既製波形管３の被覆
   材料が共にオレフイン系又は塩化ビニール系の
   合成樹脂である実用新案登録請求の範囲第項
   に記載の地下埋設用耐圧合成樹脂管。 補強材４が網状の構造となつて介装されてい
   る実用新案登録請求の範囲第項または第項
   に記載の地下埋設用耐圧合成樹脂管。 補強材４がパンチングメタル帯で、螺旋状に
   巻回介装されている実用新案登録請求の範囲第
   項または第項に記載の地下埋設用耐圧合成
   樹脂管。 補強材４が多数本の細線材によつて形成され
   ている実用新案登録請求の範囲第項または第
   項に記載の地下埋設用耐圧合成樹脂管。 管本体１が三重層に形成されていて、各層間
   に形状の異なる補強材４が介装されている実用
   新案登録請求の範囲第項または第項に記載
   の地下埋設用耐圧合成樹脂管。