JPH0151717B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は浮遊性のある可撓管に関するものであ
る。

既に数多くの形式の可撓管もしくは浮遊性パイ
プが知られている。これらは一般に、その浮遊性
を持たせるため、管に取り付けるか合体させた浮
子を持つている。従つて例えばフランス特許出願
第75・37791号の場合にはらせん状に巻きついた
中空パイプ状部材が２層あつて浮遊性を持たせて
いる。

このような構造は、従来から公知の可撓管の構
造のように、やはりある種の実施、特に炭化水素
の移送または海底の多金属性の団塊の移送のため
の実施をする場合には、機械的に十分な特質を提
供していなく、特に押し潰すこと、即ち倒壊に対
する半径方向の抵抗力に関する場合には、機械的
特性を改善するために予定された金属製の補強部
材を設けることがしばしばあるのにも拘らずそう
である。

これらとは異なり、本発明は特に半径方向圧潰
強さならびに軸方向引張強さに関して優秀な機械
的特性を示す浮遊性可撓管の実現を提案するもの
である。

また本発明は、少くともその実施例のある種の
ものにおいては、利用の現場の付近で、換言すれ
ば、例えば、海中での炭化水素の採掘用の船槽甲
板の上、水に浮かぶ工場の上または管の敷設をす
る船舶の上で直接に実施されることのできる管を
提供するものである。

従つて、現在の方式では使用場所まで輪送する
ことのできないような大口径かつ長さの大きい管
を実現することが可能となる。

本発明の対象は浮遊性のある可撓管であつて、
樹脂製の帯状形材からなり、この樹脂は特に比重
が１以下の熱可塑性材料であつて、断面は引伸ば
したＳ字状をなし、細かいピツチでらせん状に巻
き付け、隣接する輪が互いに嵌り合つて構成さ
れ、更に少くとも１つの密封性部材を有すること
を特徴としている。

この実施例の第１の場合には、１個または複数
の密封性部材は特にエラストマでできた密封コー
ドであつて、熱可塑性形帯材の巻き付いた輪の配
置から定まるらせん状溝の全ての内部に当てがつ
て、らせん状に巻き付ける。

この形帯材には１個または２個の凹みを設け、
単数または複数の密封コードを埋め込むようにす
るのがよい。するとこれらの凹みが上記のらせん
状溝となる。

第２の実施例の場合には密封鞘は外面の管状鞘
部材とか皮覆用接着性外装テープとかであつて例
えばリルサン（RILSAN商品名）などのポリア
ミド製とする。

平たいＳ字状断面の形帯材は特に比重が１より
小さい全ての熱可塑性材料を引抜加工して製造す
ることができ、海水や化学材料、特に加圧して輪
送されることの多い炭化水素によつて腐蝕され難
い特性を持つている。

例えば本発明に従い、平たいＳ字状断面の形帯
材を、リルサンと云う商品名で知られているポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミドからなる
グループに属する熱可塑性材料を元にして作るの
がよい。

ある特殊な実施例においては、この形帯材の中
央部分において、少くとも１個の導管を設け、必
要な場合に管の浮力調節に役立てられる。

また本発明の対象は浮遊性可撓管であつて、内
部に管状密封鞘部材があり、更に耐圧強度を受持
つための熱可塑性形帯材による層があり、この形
帯材の材料は特に１より小さい比重を持ち、平た
いＳ字状断面を有し、細かいピツチでらせん状に
巻かれて隣接する輪が互いに嵌り合つて層を形成
しており、更に少くとも１つの保護層があり、こ
れは特に比重が１以下の熱可塑材で特にポリプロ
ピレン製であり、最後に表面に管状の密封鞘を有
することを特徴としている。

この実施例の場合、数拾バールに達する高い使
用内圧にも耐えることができる。

２層の密封鞘は例えばリルサンのようなポリア
ミド製とすることができる。

ある特殊な実施例においては、２層の保護層を
それぞれワイヤをらせん状に揃えて巻き付け、隣
合う２層の巻き方向を反対にして実現する。

このようにして、本発明によれば浮遊性のある
可撓管であつて、しかも半径方向の圧潰に優れた
強度を示すものを、Ｓ字状断面の自動噛合性のあ
る形帯材を巻き付けて、隣接輪が嵌合わされてで
きる層を設けることにより実現されることが理解
される。

本発明をよりよく理解するために、ここでその
一例として、全く範囲を制限することのないよう
に、いくつかの実施例を添付図面を参照しながら
述べることにする。

第１図には本発明による管の実現に適用されう
る形帯材における平たいＳ字状断面が示してあ
る。実施の１例によれば比重が0.91のポリプロピ
レンを形帯材の製造に使用している。普通用いら
れる公称直径が40.64cm（16インチ）の管を実現
した例において、その形帯材は断面の長さ140mm、
高さ60mmで平均厚さは20mmである。

またこの帯材は２個所の溝２と、浮力調節に用
いる２本の導管３を有している。

第２図には第１図に示した形帯材を使つてこれ
を細かいピツチでらせん状に巻き、隣接する輪を
嵌込んで実現した管が示されている。その断面形
のお陰で形帯材は自動噛合性を持ち、巻き付ける
と、凹み２の中に当てがつて密封コード４の巻か
れる少くとも１本のらせん溝が連接する輪の間に
設けられるようになつている。

第２図に示したような管は、その実現の簡単さ
の故に、その使用場所の近傍で直接、形帯材と密
封コードを巻付けるだけで実現することができ
る。言うまでもなく、使用後に希望すれば形帯材
の嵌め合いを解き戻し、後で再使用できるように
保管用巻枠に巻いておくことも可能である。

第３図に示した実施例においては、管は平たい
Ｓ字状断面の形帯材１を巻いて構成され、外面に
管状の密封鞘５を有している。

第４図の形帯材を実現する変形１′では、管の
浮力調節が行われる細長い断面の導管３′がある。

第５図は本発明による管の第３の実施例を示し
ている。

そこに示された管は内面に管状をなす密封鞘
６、形帯材１または時によつて１′をらせん状に
巻いて構成した耐圧補強層、複数の例えば76本の
ポリプロピレン製ワイヤで、その直径は例えば公
称直径40.64cm（16インチ）の管の場合に12mmで
あるようなワイヤをそれぞれ使つた軸方向引張強
さ補強の２段の保護層８と９からなつていて、そ
の８と９の各層のワイヤは巻き方向が反対になつ
たらせん状に配置されている。なおこの管は表面
に管状の密封鞘１０を有している。内面の密封鞘
６と外面の１０とは例えばリルサンのようなポリ
アミド作られている。

このようにして本発明によれば、軸方向引張強
さおよび半径方向圧潰強さにおいて、機械的にも
流体静力学的にも高い強度を持ちながら、しかも
20バールの使用圧力を許容するような浮遊性可撓
管が、実用的な公称径を持ち長さも充分長尺もの
の実現が可能となるのである。

本発明は特定の実施例と関連して述べたけれど
も、これは決してそれの形状に制限されるもので
はなく、本発明の枠と趣旨を逸脱することなしに
数多くの変更を加えることができるのは云うまで
もない。特に形帯材の断面は実現された帯材が自
動噛合性を残している限り、本明細書に示した断
面に若干の変更を加えて差支えないであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する場合に適用しうる形
帯材の一つを断面で示している。第２図は本発明
による管の第１の実施例を一部分だけ剥がして断
面にして示している。第３図は本発明による管の
第２の実施例を部分的に剥がして断面で示してい
る。第４図は本発明の実施に当つて利用しうる形
帯材の１変形を示している。第５図は本発明によ
る管の第３の実施例を部分的に剥がした透視図で
示している。 １，１′……形帯材、２……みぞ、３……導管、
４……密封コード、５，６……密封鞘、８，９…
…保護層、１０……密封鞘。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 浮遊性のある可撓管であつて、内面に管状の
   密封鞘、特に比重が１より小さい熱可塑性材料で
   作られ、断面が縦に引伸ばしたＳ字形をした１本
   の形帯材を小さいピツチで巻付け、隣合つた同志
   の輪が互いに嵌り合つている耐圧層、特に比重が
   １より小さい熱可塑性材料の中でもなかんずくポ
   リプロピレンのワイヤでできた少くとも１つの保
   護層および表面の管状密封鞘のものから構成され
   ることを特徴とする浮遊性可撓管。 ２ 保護のための２層を有し、それぞれは互いに
   密着させてらせん状に巻いたワイヤからなり、こ
   れらの連なつた２保護層の巻かれたワイヤは互い
   に逆方向のらせんとなつている特許請求の範囲第
   １項に記載の浮遊性可撓管。 ３ 引伸ばしたＳ字状断面を持つ形帯材がポリエ
   チレン、ポリプロピレン、ポリアミドからなるグ
   ループに属する熱可塑性材料で構成されている特
   許請求の範囲第１，２項のいずれかに記載の浮遊
   性可撓管。 ４ 形帯材の中央部に少くとも１本の導管を有す
   る熱可塑性材料で構成されている特許請求の範囲
   第１項ないし第３項のいずれかに記載の浮遊性可
   撓管。 ５ 浮遊性のある可撓管であつて、内面に管状の
   密封鞘、特に比重が１より小さい熱可塑性材料で
   作られ、断面が縦に引伸ばしたＳ字形をした１本
   の形帯材を小さいピツチで巻付け、隣合つた同志
   の輪が互いに嵌り合つている耐圧層、特に比重が
   １より小さい熱可塑性材料の中でもなかんずくポ
   リプロピレンのワイヤでできた少くとも１つの保
   護層および表面の管状密封鞘のものから構成さ
   れ、さらに、前記耐圧層は、特に比重が１より小
   さい熱可塑性材料で作られ、引伸ばしたＳ字状断
   面をもつ自動噛合性のある１本の形帯材を細かい
   ピツチでらせん状に巻いて、隣合う輪が嵌り合つ
   て作られさらに少くとも１個の密封性部材を加え
   て構成されることを特徴とする浮遊性可撓管。 ６ 単数または複数の密封性部材は特にエラスト
   マ製の密封コードが使はれていて、これをらせん
   状に巻き付け、熱可塑性材料の形帯材の連続した
   輪によつて画定された１本または複数のらせん状
   の溝に当てがわれている特許請求の範囲第５項に
   記載の浮遊性可撓管。 ７ 上記の単数または複数のらせん状溝が形帯材
   に設けてある１本または複数の凹みによて確定す
   る特許請求の範囲第６項に記載の浮遊性可撓管。 ８ 密封性部材は表面の管状鞘もしくは表面被覆
   用接着性テープであることを特徴とする前記特許
   請求の範囲各項のいずれかに記載の浮遊性可撓
   管。 ９ 形帯材はその中央部分に少くとも１本の導管
   を備えている特許請求の範囲第５ないし８項のい
   ずれかに記載の浮遊性可撓管。 １０ 形帯材はその断面形が縦に引伸ばしたＳ字
   形にほとんど近く、特に比重が１より小さい熱可
   塑性材料によつて構成されたことを特徴とする前
   記特許請求の範囲各項のいずれかに記載の浮遊性
   可撓管。 １１ 少くとも１本の導管をその中央部に備えて
   いる特許請求の範囲第１０項に記載の浮遊性可撓
   管。