JPH02945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の技術分野 本考案は、発熱するユニツトを実装した電子装
置の放熱構造に係り、とくにユニツト間に付設す
る対流誘導板を三方漏斗状に形成した電子装置の
放熱構造に関するものである。

(b) 技術の背景 近年、各種の電子装置は小型、軽量化の趨勢に
ある。この趨勢に対処するため電子部品の高密度
実装が余儀なくされ、これに伴つて発散する熱の
放熱に対処する装置の構造の改善が強く要望され
ている。

(c) 従来技術の問題点 第１図は、従来の電子装置の放熱構造を説明す
るためのａは側面図、ｂは裏カバーの斜視図、ｃ
は放熱器ユニツトの斜視図である。

装置本体１に複数の装置ユニツト２を実装し、
該装置ユニツト２相互間に対流誘導板３１を具備
してなる放熱ユニツト３を設け装置本体１に多数
の通気孔４１を穿設してなる複数の裏カバー４を
装着して、前記装置ユニツト２を動作せしめる
と、該装置ユニツト２から発散する熱は対流作用
によつて上昇気流５が発生する。そして該上昇気
流５は対流誘導板３１により誘導されて、裏カバ
ー４の通気孔４１から大気中に発散する発散気流
５１と、装置ユニツト２と裏カバー４の間を上昇
する上昇流５２と、前記対流誘導板３１を貫通し
て上昇する熱貫流５３に分散するものとがある。
ところが前記熱貫流５３は対流誘導板３１の上方
の装置ユニツト２の温度を一層高め、装置の特性
に悪影響を与えるという問題点があつた。

(d) 考案の目的 本考案は下部装置ユニツトよりの前述の熱貫流
の如き発散熱が上部装置ユニツトへ流入する従来
構造の問題点を解決し、下部装置ユニツトと上部
装置ユニツトとはユニツトよりの発散熱について
は無関係となりうるような構造とすることを目的
とする。

(e) 考案の構成 この目的は本考案によれば装置ユニツト間に
は、上下面、正裏面及び両側面が開口となつてい
る放熱ユニツト枠状部と、それに取付けられた対
流誘導板とよりなる放熱ユニツトが設けられ、対
流誘導板は放熱ユニツト枠状部の正面の左右を一
部残した下辺と裏面の上辺両端間に設けられた逆
梯形状の正面対流誘導板と、該正面対流誘導板の
両端部と夫々対応する側面の上辺両端間に設けら
れた側面対流誘導板とよりなり、正面が上部装置
ユニツトへの空気流入口を、裏面及び両側面が下
部ユニツトからの空気流出口を構成することを特
徴とする電子装置の放熱構造によつて達成され
る。

即ち本考案においては、従来電子装置の後方の
一方向のみに発散せしめていたユニツトからの発
散熱を三方向へ同時に発散せしめ、放熱効率の向
上を図つたものである。

(f) 考案の実施例 以下図面を参照しながら本考案に係る電子装置
の放熱構造の実施例について詳細に説明する。

第２図および第３図は、本考案に係る電子装置
の放熱構造の一実施例を説明するための第２図は
外観斜視図、第３図ａは放熱ユニツトの斜視図、
ｂは対流誘導板の斜視図で、前図と同等の部分に
ついては同一符号を付している。

装置本体１に複数の装置ユニツト２を実装し、
該装置ユニツト２の間に放熱ユニツト枠６１の中
に対流誘導板６２を具備してなる放熱ユニツト６
を設置したものである。この場合放熱ユニツト枠
６１は上下面、正面、裏面及び２側面は開口とな
つている。この放熱ユニツト枠は６面が開口の枠
状の機能を有し装置ユニツト間に空間を形成しう
るものであればよい。例えば装置ユニツトの支持
用側板とそれに支持される上部装置ユニツト及び
下部装置ユニツトの底面側及び上面側の夫々の端
部四辺とで構成されてもよい。一方対流誘導板６
２は放熱ユニツト枠の正面の両端部を一部残した
下辺と裏面の上辺の両端間に取付けられている逆
梯形状の正面対流誘導板と、この両端と夫々対応
する側面の上辺両端間とに取付けられた２枚の側
面対流誘導板との組合わせより構成され、正面が
上部装置ユニツト２への空気流入口となり、裏面
及び両側面が下部装置ユニツトよりの空気流出口
となり、対流誘導板はこの流入口と流出口を区切
り、しかも側面対流誘導板は発散熱が両側面及び
裏面の方向のみに流れるような傾斜面となつてい
るので下部装置ユニツトからの発散熱が上部装置
ユニツトへは全く流入せず、各装置ユニツト２か
ら発散した熱により上昇対流を後方への発散流７
１と側方２方向への発散流７２で放熱する構成と
なつている。この場合側方排気を行なうため側面
も開口となつているため、高発熱印刷配線板を装
置ユニツトの両端に実装するのが一般的である。
したがつて従来の後方への一方向のみの熱発散に
対して、本考案は後方一方向への発散流７１と側
方２方向への発散流７２で熱を発散するので放熱
効率は飛躍的に向上する。

なお、側方排気のためくり抜いて装置の左右に
窓を設けても装置ユニツト２自体が遮蔽されてい
るので、窓の遮蔽は考慮しなくてもよい。

(g) 考案の効果 以上の説明から明らかなように本考案に係る電
子装置の放熱構造によれば、従来の後方一方向へ
の熱発散にくらべて後方一方向と、側方２方向へ
熱を発散するので放熱効率が飛躍的な向上が期待
できるとともに、装置の電気的特性を良好に維持
できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の電子装置の放熱構造を説明す
るためのａは側面図、ｂは裏カバーの斜視図、ｃ
は放熱器ユニツトの斜視図、第２図および第３図
は、本考案に係る電子装置の放熱構造の一実施例
を説明するための第２図は外観斜視図、第３図ａ
は放熱ユニツトの斜視図、ｂは対流誘導板の斜視
図である。 図において、１は装置本体、２は装置ユニツ
ト、３および６は放熱ユニツト、４は裏カバー、
５は上昇対流、７は発散熱、３１および６２は対
流誘導板、４１は通気孔、５１は発散流、５２は
上昇流、５３は熱貫流、６１は放熱ユニツト枠、
７１は後方への発散流、７２は側方への発散流を
それぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置ユニツト間には、上下面、正裏面及び両側
   面が開口となつている放熱ユニツト枠状部と、そ
   れに取付けられた対流誘導板とよりなる放熱ユニ
   ツトが設けられ、対流誘導板は放熱ユニツト枠状
   部の正面の左右を一部残した下辺と裏面の上辺両
   端間に設けられた逆梯形状の正面対流誘導板と、
   該正面対流誘導板の両端部と夫々対応する側面の
   上辺両端間に設けられた側面対流誘導板とよりな
   り、正面が上部装置ユニツトへの空気流入口を、
   裏面及び両側面が下部ユニツトからの空気流出口
   を構成することを特徴とする電子装置の放熱構
   造。