JP3722616B2 - 情報端末機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式キャッシュレジスタのような端末電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品が発生する熱を放熱する放熱構造を備えた電子機器としてのコンピュータモジュールにおける放熱構造としては、特開平3−36615号公報に開示してあるように、コンピュータを構成するCPU、メモリ回路部品及び制御回路部品を一枚の基板に組み付け且つケース部と蓋部とより構成される金属製のケース内に収納されるコンピュータモジュールにおいて、熱伝導率が高い金属板をCPUの上面と蓋部の下面との間に配置した構成としたものがある。
【0003】
また、電子式キャッシュレジスタにあっては、その内部構造に、多数の電子部品を使用しており、これら電子部品のうちの特に発熱量の大きい、例えば、高速CPUのような電子部品の放熱をいかに行うかによって、性能の善し悪しが決まるようになり、電子部品の放熱が性能に影響していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高速CPU等の、特に発熱量の大きい電子部品の放熱を効率よく行う技術の確立が早急に望まれ、特開平3−36615号公報に記載された構成では、電子部品の発熱量に対して放熱が間に合わないという問題点があった。また、放熱フアンを設けると、外気に含まれた粉塵等を装置内部に取りこんでしまい、故障の原因となるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、高速CPU等の、特に発熱量の大きい電子部品の放熱を電子部品に外気を触れることなく効率よく行うことができる情報端末機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る情報端末機器は、基板取付構体を、シールド構成部品を兼ねたシャーシと、このシャーシに取り付けられるシールド構成部品を兼ねたシャーシ蓋体とより構成し、前記シャーシ蓋体が前記基板取付構体の最下部に位置し、基板取付構体内に搭載された複数枚の基板のうち最も最下部、外側に位置する外側基板の外面側の実装面に、発熱量の大きい電子部品を実装し、この電子部品を熱伝導部材を介して前記シャーシ蓋体の放熱部位に接触させ、前記シャーシと前記外側基板は固着され、前記シャーシ蓋体と前記外側基板とが所定の間隙を保持するものであり、前記基板取付構体が、情報端末機器の装置本体であるベースの底部から前記シャーシ蓋体を最下部として前記ベース内に挿入し、前記ベースに固着するものであることを特徴とする。
【0011】
したがって、本発明に係る情報端末機器にあっては、電子部品のうちには、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPUのような電子部品が基板取付構体の放熱部位に熱伝導部材を介して接触しているために、高速CPU等の電子部品で発生した熱は熱伝導部材を介して基板取付構体の放熱部位に伝わり放熱される。
【0012】
また、電子部品のうちには、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPUのような電子部品が基板取付構体の放熱部位に熱伝導部材を介して接触し、しかも、放熱部位に冷却装置を接触させたために、高速CPU等の電子部品で発生した熱は熱伝導部材を介して基板取付構体の放熱部位に伝わり、冷却装置により強制的に放熱される。
【0013】
このために、高速CPU等の、特に発熱量の大きい電子部品の放熱を効率よく行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
請求項1の発明に係る情報端末機器は、基板取付構体内に搭載された複数枚の基板のうち最も外側に位置する外側基板の外面側の実装面に、発熱量の大きい電子部品を実装し、この電子部品を熱伝導部材を介して前記基板取付構体の放熱部位に接触させ、この放熱部位に冷却装置を接触させたことを特徴とする。
【0016】
かかる構成により、電子部品のうち、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPUのような電子部品が基板取付構体の放熱部位に熱伝導部材を介して接触し、しかも、放熱部位に冷却装置を接触させたために、高速CPU等の電子部品で発生した熱は熱伝導部材を介して基板取付構体の放熱部位に伝わり、冷却装置により強制的に放熱される。このために、高速CPU等の電子部品の放熱を効率よく行うことができ、さらに、冷却装置を基板取付構体の外気側に設けたことで、基板取付構体の内部に冷却装置により粉塵、大気中の油等が入ることが防止できる。
【0017】
また、請求項2の発明に係る情報端末機器は、請求項1の情報端末機器において、基板取付構体の放熱部位を内側に凸になるようして外側に凹みを形成し、この凹みに放熱フアンを配置した。
【0018】
かかる構成により、請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、基板取付構体の放熱部位の凹みに放熱フアンを配置することで、この放熱フアンの配置に基板取付構体のデッドスペースを利用することができる。
【0019】
また、請求項3の発明に係る情報端末機器は、請求項1の情報端末機器において、基板取付構体の放熱部位を内側に凸になるようして外側に凹みを形成し、この凹みに放熱フィンを配置した。
【0020】
かかる構成により、請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、基板取付構体の放熱部位の凹みに放熱フィンを配置することで、この放熱フィンの配置に基板取付構体のデッドスペースを利用することができるし、また、高速CPU等で発生した熱を放熱フアン等のように電気を使うことなく、放熱することができる。
【0021】
また、請求項4の発明に係る情報端末機器は、請求項1又は請求項2に記載の情報端末機器において、外側基板の外面側の実装面に電子部品を実装し、この外側基板に隣り合う基板に、外側基板の実装面とは反対側の実装面に電子部品を実装するようにした。
【0022】
かかる構成により、請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、外側基板と、この外側基板に隣り合う基板との間の隙間を他の基板間の隙間より小さくすることができて、基板構成の寸法(例えば高さ寸法)を小さくすることができる。
【0023】
また、請求項5の発明に係る情報端末機器は、請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の情報端末機器において、基板取付構体を、シールド構成部品を兼ねたシャーシと、このシャーシに取り付けられるシールド構成部品を兼ねたシャーシ蓋体とより構成した。
【0024】
かかる構成により、請求項1の発明の作用効果と同様な作用効果を奏し得るばかりか、基板はその周囲をシールド構成部品を兼ねたシャーシとシャーシ蓋体により囲まれているために、完全シールドが施されることになる。
【0025】
図1は本発明に係る情報端末機器としての電子式キャッシュレジスタの斜視図である。
【0026】
本発明に係る情報端末機器としての電子式キャッシュレジスタは装置本体であるベース1を備えており、このベース1は下側ケース2と上側ケース3とから構成してある。この下側ケース2の内部には下方が解放したシャーシ装着部(図示せず)が設けてあり、下側ケース2の上側周縁部が嵌合部5になっている。
【0027】
上側ケース3は、図1に示すように面部6とこの面部6の周縁部に形成された周壁部7とを有しており、この周壁部7の下側周縁部が嵌合部7Aになっている。また、面部6には、その前側から後側にかけて札載置部8と筆載置部4と枢支部(図示せず)とディスプレイ設置部10とが形成してある。そして、下側ケース2には、その嵌合部5に嵌合部7Aを嵌合して上側ケース3が取り付けてある。前記ディスプレイ設置部10にはディスプレイ30が傾動可能に取り付けてある。
【0028】
前記ベース1の下側ケース2の内部に設けた下方が解放したシャーシ装着部にアルミニウム製であって、シールド構成部品を兼ねたシャーシ80が装着してある。このシャーシ80は、図2乃至図10に示すように上面部80Aと左、右側面部80B、80Cと前、後面部80D、80Eとを有し、下面部が解放した箱形を成している。そして、上面部80Aの左、右端部に取付片部81、82が設けてある。図10に示す前面部80Dには、第1段目、第2段目、第3段目の基板取付座部83B、84B、85Bが上下方向に切り起こしにより形成してあり、図8に示す後面部80Eには、第1段目、第2段目、第3段目の基板取付座部83C、84C、85Cが上下方向に切り起こしにより形成してある。また、シャーシ80の前、後面部80D、80Eの下端部及び左側面部80Bの下端部にはシャーシ蓋体取付座部84D、84E、84Fが形成してある。
【0029】
また、シャーシ蓋体90は、図11乃至図14に示すようにアルミニウム製であって、シールド構成部品を兼ねた蓋本体90Aを有しており、この蓋本体90Aには多数の放熱孔91が形成してあり、また、蓋本体90Aには上に凸になる放熱部位としての熱伝導部92が形成してあり、この熱伝導部92は外側に凹みを形成している。そして、この熱伝導部92の上面には熱伝導部材(シリコンゴム)(ギャップフィラーT174)としての熱伝導パッド94が取り付けてある。
【0030】
そして、図2に示すように第1段目の基板取付座部83B、83Cには第1段目の基板85がねじ部材85aにより固着してあり、第2段目の基板取付座部84B、84Cには第2段目の基板86がねじ部材86aにより固着してあり、第3段目の基板取付座部85B、85Cには、外側基板である第3段目の基板87が固着してある。
【0031】
そして、第1段目の基板85の上面部には複数の電子部品88が実装してあるし、また、第2段目の基板86の上面部には複数の電子部品89が実装してある。また、第3段目の基板87の下面部(実装面)には複数の電子部品93が実装してある。そして、この電子部品93のうちには、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPU93−1が含まれている。
【0032】
シャーシ80の下端部には、そのシャーシ蓋体取付座部84D、84E、84Bにねじ部材94でシャーシ蓋体90が取り付けてあり、このシャーシ蓋体90の熱伝導部92の上面に取り付けられた熱伝導パッド94が高速CPU93−1の下面部に接触している。
【0033】
上記のように第1段目、第2段目、第3段目の基板85、86、87はその周囲をシールド構成部品を兼ねたシャーシ80とシャーシ蓋体90により囲まれていて、完全シールドが施されている。そして、第1段目、第2段目、第3段目の基板85、86、87を内蔵したシャーシ80は、前記ベース1の下側ケース2のシャーシ装着部に収容してあって、その取付片部81、82で下側ケース2に取付けてある。
【0034】
また、上記したように、第1段目の基板85の上面部に複数の電子部品88を実装し、また、第2段目の基板86の上面部に複数の電子部品89を実装し、また、第3段目の基板87の下面部に複数の電子部品93を実装することにより、第2段目の基板86と第3段目の基板87との間の隙間Tを、第1段目の基板85と第2段目の基板86との間の隙間T−1より小さくすることができる。
【0035】
また、第3段目の基板87に実装される電子部品93のうちには、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPU93−1が含まれており、この高速CPU93−1がシャーシ蓋体90の熱伝導部92の上面に取り付けられた熱伝導パッド94に接触していて、このシャーシ蓋体90が外気に解放されているために、高速CPU93−1で発生した熱は熱伝導パッド94を介してシャーシ蓋体90に伝わり、放熱される。このために、高速CPU93−1の放熱は良好になる。
【0036】
また、上記のように第1段目、第2段目、第3段目の基板85、86、87はその周囲をシールド構成部品を兼ねたシャーシ80とシャーシ蓋体90により囲まれているために、完全シールドが施されることになる。
【0037】
また、発熱量の大きい電子部品である高速CPU93−1の放熱手段としては、この高速CPU93−1を熱伝導パッド94を介してシャーシ蓋体90の熱伝導部92の上面に接触させる構成の他に、図3及び図4に示すように高速CPU93−1を熱伝導パッド94を介してシャーシ蓋体90の熱伝導部92の上面に接触させ、この熱伝導部92に外方より冷却装置である放熱用フアン95を配置して、シャーシ蓋体90に取り付けた保持プレート96で放熱用フアン95を保持し、この放熱用フアン95の吐出側95Aを外気に解放して構成してもよい。
【0038】
この場合、放熱用フアン95の駆動により、図4の矢印で示すように吸気側95Bから取り込まれた外気が吐出側95Aより吐出される。したがって、高速CPU93−1で発生した熱は熱伝導パッド94を介してシャーシ蓋体90に伝わり、放熱用フアン95の駆動により発生した気流によって放熱される。
【0039】
また、、図5に示すように冷却装置である放熱フィン(アルミニウム製)97を、シャーシ蓋体90の放熱部位である熱伝導部92の凹部(外気側)に配置することにより、高速CPU93−1で発生した熱を放熱フアン等のように電気を使うことなく、放熱することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る情報端末機器にあっては、電子部品のうちには、特に発熱量の大きい、例えば、高速CPUのような電子部品が基板取付構体の放熱部位に熱伝導部材を介して接触し、しかも、放熱部位に冷却装置を接触させたために、高速CPU等の電子部品で発生した熱は熱伝導部材を介して基板取付構体の放熱部位に伝わり、電子部品に外気を直接触れさせることなく、冷却装置により強制的に放熱されるために、高速CPU等の、特に発熱量の大きい電子部品の放熱を安全に且つ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報端末機器としての電子式キャッシュレジスタの斜視図
【図2】同電子式キャッシュレジスタにおける基板実装電子部品の放熱構造を備えた内部構造に説明図
【図3】同内部構造の他の実施例の一部省略した説明図
【図4】図3のK−K線に沿う断面図
【図5】シャーシ蓋体の放熱部位である熱伝導部の凹部にに放熱フィンを配置した状態の断面図
【図6】シャーシの平面図
【図7】図6のB方向からの矢視図
【図8】図6のC方向からの矢視図
【図9】図6のD方向からの矢視図
【図10】図6のE方向からの矢視図
【図11】シャーシ蓋体の平面図
【図12】図11のF方向からの矢視図
【図13】図11のG方向からの矢視図
【図14】図11のH方向からの矢視図
【符号の説明】
80 シャーシ
87 基板(外側基板)
90 シャーシ蓋体
92 熱伝導部(放熱部位)
93−1 高速CPU(電子部品)
94 熱伝導パッド(熱伝導部品)
97 放熱フィン

Claims (1)

  1. 基板取付構体を、シールド構成部品を兼ねたシャーシと、このシャーシに取り付けられるシールド構成部品を兼ねたシャーシ蓋体とより構成し、
    前記シャーシ蓋体が前記基板取付構体の最下部に位置し、
    基板取付構体内に搭載された複数枚の基板のうち最も最下部、外側に位置する外側基板の外面側の実装面に、発熱量の大きい電子部品を実装し、
    この電子部品を熱伝導部材を介して前記シャーシ蓋体の放熱部位に接触させ、
    前記シャーシと前記外側基板は固着され、
    前記シャーシ蓋体と前記外側基板とが所定の間隙を保持するものであり、
    前記基板取付構体が、情報端末機器の装置本体であるベースの底部から前記シャーシ蓋体を最下部として前記ベース内に挿入し、
    前記ベースに固着するものであることを特徴とする情報端末機器。
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