JP3031230B2 - 電気接続箱の放熱構造 - Google Patents

電気接続箱の放熱構造

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JP3031230B2 JP8021251A JP2125196A JP3031230B2 JP 3031230 B2 JP3031230 B2 JP 3031230B2 JP 8021251 A JP8021251 A JP 8021251A JP 2125196 A JP2125196 A JP 2125196A JP 3031230 B2 JP3031230 B2 JP 3031230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気接続箱の放熱構
造に関し、詳しくは、FET(電界効果型トランジス
タ)等の発熱性の電子部品および非発熱性部品を取り付
けた回路基板をケース内部に搭載する電気接続箱におい
て、ケース内部の放熱性を向上して非発熱性の電子部品
を保護するものである。
【0002】
【従来の技術】電気接続箱に収容する電子部品の中に、
FET等の発熱性の電子部品が存在する場合、該発熱性
部品の熱が非発熱性部品に影響をおよぼし、これに伴っ
て電気接続箱の内部回路にも悪影響をおよぼす恐れがあ
る。そのため、従来より、種々の放熱構造を施した電気
接続箱が提供されている。
【0003】例えば、特開平7−312491号に開示
された図6に示す電気接続箱では、アッパーケース1と
ロアケース2とからなるケース内部に収容した回路基板
3において、発熱性部品4と対向するケース1の壁部内
面に複数の対流抑制摩擦板5を突設している。この対流
抑制摩擦板5により発熱性部品4で発熱した熱がケース
内で充満することを抑制して、非発熱性部品を保護する
ようにしている。
【0004】また、実開平3−16396号に開示され
た図7に示す電気接続箱では、発熱性部品4の両側に位
置するようにケース1よりU字壁状部分6を形成すると
共に、ケース1の壁部に複数の通風孔7を穿設し、U字
壁状部分6,6の間に発熱性部品4で発熱した熱を集中
させ、その熱を上記通風孔7よりケース外部に放熱して
非発熱性部品を保護するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す電気接続箱では、対流により放熱しているため、発
熱性部品4の周囲の温度が高くなることは抑えることが
できない。よって、発熱性部品4の周囲には高価な耐熱
処理を施した電子部品を取り付けなければならないた
め、コスト高になるという問題がある。
【0006】また、上記図7に示す電気接続箱では、ケ
ース全体の剛性が低下することを防止するために、上記
ケース1の外壁に穿設する通風孔7の数および位置が制
限される。そのため、通風孔7の開口総面積が少なくな
り、これに伴って確実に放熱できる熱の量が少なくなる
ため、発熱量が少ない電子部品を搭載する電気接続箱に
しか適用することができないという問題がある。また、
自動車の内部において、水が被り易い箇所に上記電気接
続箱を設置する場合には、上記通風孔7より電気接続箱
内に水が侵入する恐れがある。
【0007】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、FET等の発熱性の電子部品を搭載している回路基
板を収容した電気接続箱の内部の熱を確実に放熱できる
と共に、放熱用の開口から水やほこりが電気接続箱内に
侵入することを防止できる電気接続箱の放熱構造を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、左右一対のケースからなり、両ケースの
間に内部回路を構成する複数のバスバーを鉛直方向に延
在させて配置すると共に、該バスバーの一側に、電子部
品を搭載した回路基板を鉛直方向に延在させて配置して
おり、上記ケースの壁部内面より、上記電子部品のうち
発熱性部品と非発熱性部品とを仕切る隔壁を突設して、
ケース内部を発熱性部品収容室と非発熱性部品収容室と
に部屋分けし、かつ、上記発熱性部品収容室側の電子部
品と対向するケース垂直壁部に放熱用の開口を設け、該
開口に一定の間隔をあけて複数の傾斜板を並列した遮蔽
体を配置していることを特徴とする電気接続箱の放熱構
造を提供している。
【0009】上記電気接続箱では、隔壁によりケース内
部を発熱性部品収容室と非発熱性部品収容室とに部屋分
けし、発熱性部品収容室内の熱を放熱用の開口より放熱
するため、非発熱性部品収容室内の温度が発熱性部品の
熱で上昇することを防止することができる。よって、発
熱性部品の熱で非発熱性部品に影響をおよぼすことを防
止できる。また、上記放熱用の開口との対向位置には遮
蔽体を設けているため、ケース外部の水やほこりが上記
開口から侵入することを防止できる。
【0010】上記隔壁は、ケース壁部より突出する隙間
をあけた二重壁とし、これら二重壁の間のケース壁部を
開口して、二重壁の間を発熱性部品収容室と上記開口と
を連通する通気孔とし、該通気孔に、一定の間隔をあけ
て複数の傾斜板を並列した遮蔽体を設置している。(請
求項2)
【0011】該電気接続箱では、隔壁を二重壁として形
成しているため、発熱性部品収容室側の熱が非発熱性部
品収容室側に伝わることを効率的に防止できる。また、
二重壁の間のケース壁部を開口して、二重壁の間を通気
孔としているため、該通気孔を通して発熱性部品収容室
内の熱を外部へ放熱することができる。よって、非発熱
性部品収容室の内部温度が上昇することを確実に防止で
きる。
【0012】上記発熱性部品収容室に設ける開口を囲む
ようにケース壁部を発熱性部品収容室内に突出させ、こ
の突出した対向壁の間に上記遮蔽体を取り付けている。
(請求項3)
【0013】上記電気接続箱では、発熱性収容室に設け
る開口を囲むようにケース壁部を発熱性収容室内に突出
させ、突出した対向壁に上記遮蔽体を設けているため、
ケースの剛性を高めることができる。よって、上記放熱
用の開口は、その開口面積を大きく形成することが可能
となり、該開口より効率的に発熱性部品収容室内の熱を
放熱できる。
【0014】
【0015】上記のように、上記電気接続箱では、左右
ケースのうち電子部品と対向するケースの垂直壁部に上
記放熱用の開口を設けており、該開口には上記遮蔽体を
配置しているため、ケース外部の水やほこり等がケース
内部に侵入することを確実に防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1から図3に示すよ
うに、本発明の第1実施形態の電気接続箱は、左右一対
のケース11,10を備え、これらケース11,10を
組み立てて形成するケース内部には、複数の電子部品を
搭載した回路基板12を収容している。該電気接続箱
は、図1(A)に示すように、X側を上方、Y側を下方
として自動車の車体(図示せず)に取り付けるもので、
内部回路を構成する複数のバスバー17は鉛直方向に配
置されると共に、該バスバー17の一側に配置される上
記回路基板12も鉛直方向となる。
【0017】上記回路基板12は、その上下両面にプリ
ント回路部(図示せず)を備え、該回路部の所要位置に
FET等の発熱性部品14および非発熱性部品15等の
電子部品を取り付けている。
【0018】上記電子部品と対向する右側ケース10に
は、垂直壁部10aの内面に、上記発熱性部品14と非
発熱性部品15とを仕切る隔壁10bを突設している。
該隔壁10bの突出端部を回路基板12の近傍まで延在
させ、ケース内部を発熱性部品収容室20と非発熱性部
品収容室21とに部屋分けしている。
【0019】上記発熱性部品収容室20側のケース垂直
壁部10aには、放熱用の開口10dを設けると共に、
該開口10dに一定間隔をあけて複数の平板状の傾斜板
10eを並列した遮蔽体24を配置している。
【0020】上記隔壁10bは、ケース垂直壁部10a
より突出する所要の隙間をあけた二重壁として形成して
いる。該二重壁の間のケース垂直壁部10aには開口1
0fを設け、該二重壁の間に上記開口10fと発熱性部
品収容室20とが連通する通気孔23を形成している。
該通気孔23には、二重壁の間に一定の間隔をあけて複
数の平板状の傾斜板10hを並列した遮蔽体25を設置
している。
【0021】上記発熱性部品収容室20側のケース垂直
壁部10aの内面には、上記開口10dを囲むように壁
部を突出させて、発熱性部品収容室20内に突出する対
向壁10g,10gを設けている。これら対向壁10
g,10gの間に上記遮蔽体24を取り付けている。こ
のように、開口10dを囲むように対向壁10g,10
gを形成すると、ケース10の剛性を高めることがで
き、よって、開口面積が大きい放熱用の開口10dを設
けることができる。
【0022】上記対向壁10g,10gおよび通気孔2
3に形成した遮蔽体24,25は、電気接続箱を自動車
の車体パネルに取り付けた状態で、図3(A)(B)に
示すように、傾斜板10e,10hが外側に向けて上方
傾斜するように形成し、上昇する熱が容易に外部に放熱
できるようにしている。
【0023】最上位置の傾斜板の上端は、開口10d,
10fの上端縁と略面一となるように設定する一方、最
下位置の傾斜板の下端は、開口10d,10fの下端縁
と略面一になるように設定している。また、各傾斜板1
0e,10hの上端は、上部に位置する傾斜板の下端と
略面一となるようにしている。これにより、上記開口1
0d,10fの内部を略覆って、開口よりケース外部の
水やほこり等が内部に侵入することを防止している。
【0024】また、上記右側ケース10および左側ケー
ス11には、垂直壁部10a,11aの所要位置に外部
回路接続用のコネクタ嵌合部27,28を設けている。
さらに、左側ケース11には、周壁11bの所要位置に
車体取付用のブラケット部11cを設け、該ブラケット
部11cにボルトを通して、図1(A)中、X側を上方
に位置させて自動車の車体パネルに螺締して固定するよ
うにしている。
【0025】電気接続箱の取付状態で発熱性部品14が
発熱すると、上記隔壁10bにより仕切られた発熱性部
品収容室20の内部温度は上昇するが、非発熱性部品収
容室21側には隔壁10bにより熱が伝わるのを阻止し
ている。また、発熱性部品収容室20内の熱は、図1
(B)中矢印A,Bに示すように、垂直壁部10aに形
成された開口10dおよび通気孔23よりケース外部に
放熱される。
【0026】即ち、発熱性部品収容室20内の熱の殆ど
を放熱用の開口10dより外部に放熱すると共に、隔壁
10bの突出端部と回路基板12との間より、非発熱性
部品収容室21内に侵入しようとする熱を、上記通気孔
23から外部に放熱することができる。
【0027】このように、上記電気接続箱では、隔壁1
0bによりケース内部を発熱性部品収容室20と非発熱
性部品収容室21とに部屋分けし、発熱性部品収容室2
0内の熱を開口10dおよび通気孔23より放熱するよ
うにしているため、非発熱性部品収容室21の内部の温
度が上昇することを防止することができる。よって、発
熱性部品14の熱が非発熱性部品15に影響をおよぼ
し、電気接続箱の内部回路にも悪影響をおよぼすことを
防止することができる。これに伴い、従来例のように非
発熱性部品15に対して高価な耐熱処理を施す必要がな
くなり、一般の電子部品を使用することができるため、
コストダウンを図ることができる。
【0028】また、上記隔壁10bは二重壁としている
ため、該隔壁10bを通して発熱性部品収容室20側の
熱が非発熱性部品収容室21側に伝わって、非発熱性部
品収容室21の内部温度が上昇することを確実に防止す
ることができる。さらに、上記電気接続箱では、ケース
10の放熱用の開口10dおよび通気孔23には遮蔽体
24,25を配置しているため、ケース外部の水やほこ
りがケース内部に侵入することを確実に防止することが
できる。
【0029】図4は第2実施形態の電気接続箱を示し、
該電気接続箱では、電子部品と対向する右側ケース10
の垂直壁部10aの略全面にかけて放熱用の開口10
d’を設けている。また、ケース垂直壁部10aの内面
には、第1実施形態と同様に、上記開口10d’を囲む
ようにケース垂直壁部10aを突出させて対向壁10
g,10gを設けると共に、これら対向壁10g,10
gの間に、一定の間隔をあけて複数の傾斜板10jを並
列した遮蔽体30を設けている。
【0030】本実施形態の遮蔽体30は、電気接続箱を
自動車の車体パネルに取り付けた状態で、図示のよう
に、上記傾斜板10jが外側に向けて下方傾斜するよう
に形成し、開口10d’よりケース外部の水やほこり等
が内部に侵入することを確実に防止できるようにしてい
る。
【0031】図5は第3実施形態の電気接続箱を示し、
該電気接続箱では、発熱性部品14と対向する左側ケー
ス11の垂直壁部11aに、上記第1実施形態に示す右
側ケース10と同様に、放熱用の開口11dを設けると
共に、該開口11dを囲むように対向壁11e,11e
を設け、これら対向壁11e,11eの間に一定の間隔
をあけて複数の傾斜板11fを並列した遮蔽体32を設
けている。また、左側ケース11の内面には、上記右側
ケース10に形成した隔壁10bと対向する位置より、
回路基板12の近傍まで延在させて隔壁11gを突設し
ている。
【0032】上記第3実施形態の電気接続箱では、回路
基板12に対する発熱性部品14の半田付け部分Hよ
り、回路基板12の裏面側に伝わった熱を、図中Cに示
すように、左側ケース11の開口11dより放熱して、
半田付け部分Hを冷やすことができる。このように、第
3実施形態の電気接続箱では、発熱性部品14で発熱し
た熱を、左右のケース10,11の開口10d,11d
より外部に放熱することができるため、更に放熱性の向
上を図ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電気接続箱の放熱構造では、隔壁によりケース内部を
発熱性部品収容室と非発熱性部品収容室とに部屋分け
し、発熱性部品収容室内の熱を放熱用の開口より放熱す
るようにしているため、非発熱性部品収容室内の温度が
発熱性部品の熱で上昇することを防止することができ
る。よって、発熱性部品の熱で非発熱性部品に影響がお
よぶことを防止することができ、該非発熱性部品に対し
て高価な耐熱処理を施す必要がなくなるため、コストダ
ウンを図ることができる。
【0034】また、発熱性部品収容室内には、上記開口
と対向するように遮蔽体を設けているため、開口よりケ
ース外部の水やほこりがケース内部に侵入することを防
止することができる。
【0035】さらに、上記隔壁を二重壁として形成し、
二重壁の間のケース壁部を開口して二重壁の間を通気孔
としているため、隔壁の突出端部と回路基板との間から
非発熱性部品収容室内に侵入する熱を、上記通気孔から
ケース外部に放熱することができ、よって、電気接続箱
の放熱性の向上を図ることができる。
【0036】かつ、発熱性部品収容室側のケース壁部に
形成した開口を囲むように、対向壁を設けることにより
ケースの剛性を高めることができる。よって、上記開口
は、その開口面積を大きくして形成することができ、該
開口より効率的に電気接続箱内の熱を放熱することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の電気接続箱を示し、
(A)は正面図、(B)は上面から見た状態を示す一部
断面図である。
【図2】 右側ケースの要部斜視図である。
【図3】 (A)は図1(A)のI−I線断面図、
(B)は図1(A)のII−II線断面図である。
【図4】 第2実施形態の電気接続箱を示す断面図であ
る。
【図5】 第3実施形態の電気接続箱を示す部分断面図
である。
【図6】 従来の電気接続箱の放熱構造を示す断面図で
ある。
【図7】 従来の他の電気接続箱の放熱構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
10 右側ケース 10a 垂直壁部 10b 隔壁 10d,10f 開口 10e,10h 傾斜板 11 左側ケース 12 回路基板 14 発熱性部品 15 非発熱性部品 20 発熱性部品収容室 21 非発熱性部品収容室 23 通気孔 24,25 遮蔽体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 7/20 H02G 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のケースからなり、両ケースの
    間に内部回路を構成する複数のバスバーを鉛直方向に延
    在させて配置すると共に、該バスバーの一側に、電子部
    品を搭載した回路基板を鉛直方向に延在させて配置して
    おり、 上記ケースの壁部内面より、上記電子部品のうち発熱性
    部品と非発熱性部品とを仕切る隔壁を突設して、ケース
    内部を発熱性部品収容室と非発熱性部品収容室とに部屋
    分けし、かつ、上記発熱性部品収容室側の電子部品と対
    向するケース垂直壁部に放熱用の開口を設け、該開口に
    一定の間隔をあけて複数の傾斜板を並列した遮蔽体を配
    置していることを特徴とする電気接続箱の放熱構造。
  2. 【請求項2】 上記隔壁は、ケース壁部より突出する隙
    間をあけた二重壁とし、これら二重壁の間のケース壁部
    を開口して、二重壁の間を発熱性部品収容室と上記開口
    とを連通する通気孔とし、該通気孔に、一定の間隔をあ
    けて複数の傾斜板を並列した遮蔽体を設置していること
    を特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の放熱構造。
  3. 【請求項3】 上記発熱性部品収容室に設ける開口を囲
    むようにケース壁部を発熱性部品収容室内に突出させ、
    この突出した対向壁の間に上記遮蔽体を取り付けている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気
    接続箱の放熱構造。
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