JPH028141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は板上に管等を取付けるためのプラスチ
ツク製クリツプに関する。該クリツプは、管等の
上を覆いかつ板に押圧するための二つのアーム
（腕）と、該アームの間に設けられた固定用要素
とからなる。

〔従来の技術〕

第５図に従来の管類取付用クリツプを示す。こ
のクリツプ３０は板材３１から突出しているピン
３２にクリツプ３０を打ち込み、クリツプ３０と
一体に形成されている管類保持部３３により管類
３４を直接押圧して板材３１に固定するものであ
る。しかし、このクリツプ３０は直接板材３１に
取り付けられることになるので、一旦取付けた後
は管類３４の取り外しが困難である。

第６図には別の従来の管類取付用クリツプ４０
を示す。このクリツプ４０は、取付前においてク
リツプ４０と一体の打ち込み栓４１をクリツプ４
０が板材４２に位置決めされた後、板材４２の挿
入孔４３に打ち込んでクリツプ４０を板材４２に
固定し、その後、管類４４をクリツプ４０に嵌め
込み管類４４を板材４２に固定するものである。
しかし、このクリツプでは固定できる管類の外径
はクリツプによりほぼ画一的に定まり、異なる外
径の管類を固定するときには、新たにそれに対応
するクリツプを用意する必要がある。また、この
クリツプも前記のものと同様に、一旦クリツプを
板材に取付けた後は管類の取り外しが困難であ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このため、本考案は、固定すべき管類の外径に
かかわらず管類を確実に固定できるとともに、一
旦クリツプを板材に取付けた後も管類の解除を容
易に行うことができる管類取付用クリツプを提供
することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、プラスチツククリツプを一体的に形
成することにより、該クリツプが、管類を固定す
るための位置に配置された後に、打ちつけられる
と、固定用要素が変形して板上に溶接されたピン
上に該クリツプを固定し得るようにしたものであ
る。

本考案に係るプラスチツククリツプは、上記の
目的を達成するため、両端にほぼＬ字型のアーム
を有する押さえ部材、および前記押さえ部材から
突出している円筒状本体と該円筒状本体の先端に
あつて該円筒状本体よりも拡大された直径を有す
るかさ状ストツパとからなるスリーブからなる。
前記円筒状本体内部には管類を取り付ける板上に
設けられたピンと嵌合する、該ピンの外径と等し
い内径の孔が設けられており、前記スリーブは前
記押さえ部材の中央において容易に裂穿するウエ
ブを介して前記押さえ部材と一体的に結合してお
り、前記かさ状ストツパの頭部にはドライバー用
の溝が設けられている。前記スリーブが加圧され
ると該スリーブはウエブを破つて前記押さえ部材
を貫通して進み、前記板上のピンに前記孔が嵌合
するとともに、前記かさ状ストツパが前記押さえ
部材に当接するように構成されている。

管等を取付けるためには、まず、取付けるべき
管等をプラスチツククリツプで覆い、その際、ス
リーブの通孔とピンとを整合させる。スリーブが
打圧されると、スリーブによつてアームの端部は
板に面して載置するように動かされ、プラスチツ
ククリツプとスリーブを一体的に連結しているウ
エブは裂穿され、スリーブは開放されてピン上に
組み合わされる。そしてスリーブはピンと相対す
る通孔によつて所定位置に固定され、肩部がクリ
ツプの後部に位置して内蔵式構造体が得られる。
このようにしてクリツプは板に固定され、管等を
包蔵する二つのアームが該管等を強固に把持す
る。

スリーブの肩部には、ねじ回し挿入用の溝があ
る。溝はスリーブを容易にねじ回しできるように
し、ピンにネジが設けられていれば、ピンからス
リーブをねじ戻すことができる。

また、ピンにねじが設けられていない場合で
も、リツジと肩部との間に例えばマイナスドライ
バーを差し込み、リツジを支点として、てこの原
理を応用して肩部を持ち上げ、プラスチツククリ
ツプをピンから取り外すことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。

第１図はアーム２と３を有するプラスチツクク
リツプを示す。該アームは取付けられるべき管等
を覆い保持する働きをし、その様子の詳細は第３
図に示されている。アーム２と３はクリツプ１の
リツジ４から延び、クリツプ１はスリーブ５によ
つて貫通されている。スリーブ５は、その一端の
領域６において、ウエブ７を介してリツジ４と結
合され一体構造を形成する。ウエブ７はスリーブ
５の全周を取り囲んで延びており、かくして、ク
リツプ１にスリーブ５の全円周が結合する。スリ
ーブ５は通孔８を有し、通孔８は板に溶接された
ピンを受容する役割を果たすが、その様子の詳細
は第３図に示されている。スリーブ５は、ウエブ
７から離れた方の一端に肩部９を有し、該肩部９
は、スリーブがリツジ４に当接した最終的位置を
採るようにするのに役立つ（第３図、第４図参
照）。肩部９には、ねじ回し挿入用の溝１０があ
り、その効果については後述する。スリーブ５の
両側にあるアーム２と３の間のリツジ４の領域に
おいて、壁１１と１２が設けられ、該壁のそれぞ
れは、リツジ４に対して直角方向に延びてプラス
チツククリツプ１の内部強化に役立つ。壁１１と
１２は、湾曲部１３，１４を経て延びアーム２，
３の端部に至り、該アーム２，３によつて管等を
挿入するための受容部が形成されている。

第１図と第２図に示されたプラスチツククリツ
プによつて板１５の上に管等を取付けるために
は、まず、公知の方法で板上にピン１６を溶接す
る。しかる後、管等をピン１６の側部に配置し
て、アーム２，３によつてプラスチツククリツプ
が該管等を覆い得るようにする。第３図に示すよ
うに、そのような管等を取付けるために、ゴム製
のシース１７，１８を設けることもできる。ここ
で、該ゴム製シース１７には二つの受入孔１９，
２０が設けられ、一方、ゴム製シース１８には受
入孔２１が設けられている。これらの受入孔に管
等が挿入されると、該管等は隠やかに保持され、
それによつて、とりわけ、騒音の発生が弱くな
る。二つのゴム製シース１７と１８とが、一体的
に構成され、ピン１６とスリーブ５とがそのよう
な一体構造を貫通するようにしてもよい。

アーム２と３とによつてプラスチツククリツプ
１をゴム製シース１７と１８の上に載置し、通孔
８がピン１６と整合した状態になつた後、第１図
に示すようなリツジ４から突出しているスリーブ
５を、ハンマーで打ちつけることによつて、リツ
ジ４内を通らせる。それによつて、ウエブ７が裂
穿され、同時に、スリーブ５がピン１６上に配置
される。しかして、該スリーブ５は、ピン１６に
対応する径の通孔８を有しているので、公知の方
法で強固に該ピン上に保持される。一方、肩部９
が、クリツプ１のリツジ４を押圧して、クリツプ
をゴム製シース１７と１８上に拘束し、かくし
て、ゴム製シース１７と１８に包持された管等が
所定位置に強固に保持される。

図示した特定の実施例においては、肩部９を打
ちつけることにより、アーム２と３がゴム製シー
ス１７と１８に載置するようにしている。しかし
ながら、アーム２と３を長く延ばしてそれらの端
部が板１５に当接するようにして、該端部が板１
５に載置されるようにしてもよい。

図示の通り、肩部９にはねじ回し挿入用の溝１
０が設けられている。この溝１０は、ピン１６に
ねじが設けられているときに使用するのに都合が
良い。この場合、ねじ回しを用いてスリーブ５を
回せば、ピン１６からねじ戻すことができ、簡単
にプラスチツククリツプ１の取り外しを行うこと
ができる。

〔考案の効果〕

本考案に係るプラスチツククリツプにおいて
は、管類をアームで保持してからスリーブを板上
のピンに打設するので、スリーブがピンにくい込
む長さは管類の外径に応じて決まることになり、
固定すべき管類の外径にかかわらず管類を固定す
ることができる。

また、板上のピンにねじが形成されている場合
には、肩部に設けられたドライバー用溝によりス
リーブをピンからねじ戻すことができるので、容
易に管類の保持を解除することができる。ピンに
ねじが形成されていない場合でも、リツジと肩部
との間にマイナスドライバー等を差し込み、持ち
上げることによりスリーブをピンから取り外すこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に従う突出スリーブを有する
プラスチツククリツプの一実施例の側面図であ
り、第２図の−線に沿う一部断面図を含んで
いる。第２図は、第１図のクリツプの正面図であ
り、第１図の−線に沿う一部断面図を含んで
いる。第３図は、第１図の本考案クリツプのスリ
ーブが打ちつけられピン上に位置された様子を示
す側面図である。第４図は、第３図を90゜回転し
て示す正面図、第５図および第６図は、ともに従
来のクリツプの断面図である。 符号の説明、１……プラスチツククリツプ、
２，３……アーム、４……リツジ、５……スリー
ブ、７……ウエブ、８……通孔、９……肩部、１
０……溝、１１，１２……壁、１３，１４……湾
曲部、１５……板、１６……ピン、１７，１８…
…ゴム製シース、３０……クリツプ、３１……板
材、３２……ピン、３３……管類保持部、３４…
…管類、４０……クリツプ、４１……打込栓、４
２……板材、４３……挿入孔、４４……管類。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端にほぼＬ字型のアームを有する押さえ部
   材、および前記押さえ部材から突出している円筒
   状本体と該円筒状本体の先端にあつて該円筒状本
   体よりも拡大された直径を有するかさ状ストツパ
   とからなるスリーブからなるプラスチツククリツ
   プであつて、前記円筒状本体内部には管類を取り
   付ける板上に設けられたピンと嵌合する、該ピン
   の外径と等しい内径の孔が設けられており、前記
   スリーブは前記押さえ部材の中央において容易に
   裂穿するウエブを介して前記押さえ部材と一体的
   に結合しており、前記かさ状ストツパの頭部には
   ドライバー用の溝が設けられており、前記スリー
   ブが加圧されると該スリーブはウエブを破つて前
   記押さえ部材を貫通して進み、前記板上のピンに
   前記孔が嵌合するとともに、前記かさ状ストツパ
   が前記押さえ部材に当接するように構成されてい
   るプラスチツククリツプ。