JPH0240373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は、各種ホースやチユーブ（以下チユ
ーブと略称）の配管に際して該チユーブを板材等
の基板に固定するために用いられる係着具の構造
の技術分野に属する。

而して、この考案は、チユーブを基板の設定部
位に穿設された孔に対して挿入、係止するチユー
ブの係着具構造に関する考案であり、特に、基部
に縮径部が中央部から先部にかけて拡径部が形成
される円筒状の硬質弾性材から成り、更に、中央
部には前後対を成すフランジ係止部は基部側が拡
径部より大径に形成され、先部には該フランジ係
止部より延出する断面凹状等の解除部が形成され
ているチユーブの係着具構造に係る考案である。

〈従来技術〉 一般に、自動車のボデイー等には、各所に種々
のチユーブが配設されており、これらのチユーブ
はブラケツトを介してボデイーに間接的、或い
は、直接的にボデイーに付設されている。

又、上記チユーブをブラケツト、或いは、ボデ
イーに付設する為には一般に係着具が用いられ、
かかる係着具の一般的態様について第２図に基づ
き簡単に説明すれば以下の通りである。

係着具１は、口金２とクリツプ３より成り、該
口金２は先部より拡径部４、縮径部５、フランジ
係止部６が順次形成され、チユーブ７の設定部位
表側に固定され、一方、クリツプ３は図示しない
スリツトが形成されると共に全体が断面湾曲状に
形成され、又、チユーブ７の基板８への装着固定
に際しては、口金２の拡径部４、縮径部５が基板
８に穿設された孔９に挿入され、該基板８の表面
を口金２のフランジ係止部６に係止させると共に
該基板８の裏面と口金２の拡径部４との間の縮径
部５にクリツプ３が介装され、該クリツプ３のス
プリングバツク力によつてチユーブ７が基板８に
装着固定されるようにされている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述従来のチユーブの係着具は
基板の孔や自動車ボデイー等の孔への装着固定に
際して、挿入部裏面よりクリツプを介装して係止
しなければならないため、挿入部の裏面に小さな
スペースしかない場合には、このクリツプの装
着、及び、取外し作業が極めて困難であるという
難点があり、又、その結果、作業能率が悪いとい
う不具合もあつた。

更に、上述従来の係着具は口金とクリツプの２
部品から成るため、該係着具の生産効率が悪く、
コストアツプにつながるという不利点もあつた。

この考案の目的は、上述従来技術に基づくチユ
ーブの係着の問題点を解決すべき技術的課題と
し、チユーブの装着作業を容易にすると共に部品
の生産効率を向上させるようにして各種産業にお
ける装着技術利用分野に益する優れたチユーブの
係着具の構造を提供せんとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述課題を解決す
るために基板に穿設された孔に挿入されるチユー
ブを外装して該チユーブを該基板に係止するチユ
ーブの係着具構造であつて、硬質弾性材により成
り基部に縮径部が、中央部から先部にかけて拡径
部がそれぞれ形成され、該中央部には溝部を挾み
前後対を成すフランジ係止部が形成され、該フラ
ンジ係止部は基部側が拡径部より大径に形成さ
れ、先部には該フランジ係止部より延出する解除
部が形成されているチユーブの係着具構造とした
ものである。

〈作用〉 而して、チユーブ外周に固着される縮径部が基
部に形成され、中央部から先部にかけて硬質弾性
材によつて拡径部が形成され、更に、その中央部
に溝部を介して前後に対を成すフランジ係止部が
その基部側が拡径部より大径に形成され、更に、
その先部に断面凹状等の解除部が形成されている
ことによつて、チユーブを基板に穿設された孔に
係着するに際しては、フランジ係止部を径方向内
側に押圧変形させて基板の孔に挿入し、フランジ
係止部間の溝部を該基板の孔部分に嵌着させ、取
外しに際しては、先部に形成された解除部を径方
向内側に押圧変形させることによつて、フランジ
係止部による係着を解除出来るようにした技術的
手段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を第１図に基づいて
説明すれば以下の通りである。

尚、第２図に示す従来態様と同一部分について
は同一符号を付して説明するものとする。

１′は、この考案の要旨の中心を成すチユーブ
の係着具であり、当該実施例においては自動車の
ボデイーにチユーブを配設する態様であり、該チ
ユーブの係着具１′はバネ鋼等の薄い金属材の弾
性体により断面円形に形成され、チユーブ７の所
定部位外周に適宜手段により固着される縮径部１
０が基端（図上左側）に形成されると共に該基端
から先端（図上右側）にかけてはチユーブ７の外
径に比し大径に形成された拡径部１２が膨出状に
形成され、中空部１１を介してチユーブ７に外装
状にされている。

更に、該拡径部１２には、その中央部から先部
にかけて大径のフランジ係止部６′、溝部１３、
小径のフランジ係止部６″、断面凹状の解除部１
４が順次連続的に形成されている。

尚、チユーブ７は、当該実施例に於て所謂アウ
ターチユーブで、その内部に、例えば、ブレーキ
ケーブル等のインナーケーブル１５が内装されて
いるものであり、８′は該チユーブ７がかかる係
着具１′を介して、嵌入係着される孔９′が穿設さ
れている基板である。

上述構成において、チユーブ７に外装され固着
されたチユーブの係着具１′を基板８′の孔９′に
係着するに際しては大径のフランジ係止部６′を
その弾性を介して径方向内側に押圧し、先部の解
除部１４、及び、小径のフランジ係止部６″を縮
少変形させることにより孔９′に挿入される。

この場合、大径のフランジ係止部６′は大サイ
ズであるために、径方向内向の変形力が印加し易
い。

次に、大径のフランジ係止部６′に印加する内
向の押圧力を解除することにより、チユーブ７の
係着具１′は、溝部１３が基板８′の孔９′のネツ
ク部に嵌着されると共に大径のフランジ係止部
６′と小径のフランジ係止部６″とが基板８′の表
裏両面を挾持して係着具１′はチユーブ７を内装
した状態で該基板８′に係着される。

又、チユーブ７を係着具１′ごと基板８′から取
外すには、係着具１′の断面凹状に形成された解
除部１４をその弾性を介して径方向内側に押圧す
れば、小径のフランジ係止部６″による基板８′に
対する係止は解除されて取外される。

この場合、解除部１４は断面凹状であるため
に、径方向の縮径力の印加はし易い。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限られ
るものでないことは勿論であり、例えば、係着具
の拡径部１２に先部まで達するスリツトを形成し
て、解除部１４、及び、小径のフランジ係止部
６″の基板８′の孔９′への挿入を容易にする等、
種々の態様が採用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、基本的に自動車等の
装着基板へのチユーブの装着、及び、取外しを容
易にして作業能率を向上させると共に生産効率を
向上させるという優れた効果が奏される。

即ち、基部に縮径部が形成され、中央部から先
部にかけて、弾性材によつて形成された拡径部が
形成され、更に、該中央部に溝部を介して対を成
すフランジ係止部が形成され、先部に該フランジ
係止部より延出する解除部が形成されていること
により、チユーブを基板に穿設された孔に係着す
るに際して、フランジ係止部を径方向内側に押圧
変形させて該基板の孔に挿入し、この押圧力を解
除するだけで容易に係着出来、又、チユーブを基
板の孔から取外すに際しては、上記解除部の径方
向内側に押圧力を印加するだけでフランジ係止部
による係止が容易に解除されるという効果が奏さ
れる。

そして、フランジ係止部の大径のものは固定部
材としての強度をアツプ出来、一方、小径のもの
は挿入、係止を容易に出来る効果があり、取り扱
いが便利であるという利点がある。

更に、この考案のチユーブの係着具は１部品に
より形成されていることから、生産効率が良いと
いう優れた効果も奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例であり断面図、第
２図は従来態様の正面図である。 ８′……基板、９′……孔、７……チユーブ、
１′……チユーブの係着具、１０……縮径部、１
２……拡径部、１３……溝部、６′，６″……フラ
ンジ係止部、１４……解除部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板に穿設された孔に挿入されるチユーブを外
   装して該チユーブを該基板に係止するチユーブの
   係着具構造において、硬質弾性材により成り基部
   に縮径部が、中央部から先部にかけて拡径部がそ
   れぞれ形成され、該中央部には溝部を挾み前後対
   を成すフランジ係止部が形成され、該フランジ係
   止部は基部側が拡径部より大径に形成され、先部
   には該フランジ係止部より延出する解除部が形成
   されていることを特徴とするチユーブの係着具構
   造。