JPH0277478A - 含イオウ接着剤 - Google Patents

含イオウ接着剤

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JPH0277478A
JPH0277478A JP63198623A JP19862388A JPH0277478A JP H0277478 A JPH0277478 A JP H0277478A JP 63198623 A JP63198623 A JP 63198623A JP 19862388 A JP19862388 A JP 19862388A JP H0277478 A JPH0277478 A JP H0277478A
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属と(に貴金属に対して優れた接着性を有
する接着剤に関する。本発明において、「接着剤」なる
語は、金属材料を他の材料に接着するにあたって用いら
れるプライマーを包含する用語として用いられる。とく
に、本発明の接着剤は歯科分野において有用である。
(従来の技術) アクリル系モノマー、エポキシ化合物等の重合性単量体
からなる重合硬化型の接着剤は、常温・常圧で短時間に
硬化させる事ができ、作業性に優れている為、金属材料
の接着に広汎に使用され、接着剤分野において重要な位
置を占めている。しかしながら、この種の重合硬化型接
着剤では、用途によっては、大きな欠点が顕在化する。
即ち、接着界面を水と常時接触する環境下におくと、接
着力が急速に低下するので、耐水性が要求される用途に
は使用できない。
近年、歯科材料分野においては、金属に対する接着強度
の耐水性が優れた重合硬化型接着剤を得ようとする試み
がなされ、成果をあげつつある。
例えば特開昭58−21607号に開示されている、リ
ン酸エステル化合物を配合した歯科用接着剤は、鉄、ニ
ッケル、クロム、コバルト、スズ、アルミニウム、銅、
チタン等の卑金属およびごれ等の元素を主成分とする卑
金属合金に対しては、極めて耐水性の優れた接着力を示
し、歯科用接着剤として実用化されている。しかしなが
ら、歯科用鋳造体、例えばインレー、クラウン、ブリッ
ジなどの素材として主に使用されている貴金属合金(金
、白金、パラジウム、銀を主成分とする合金)に対する
該接着剤の接着強度の耐水性は卑金属合金と比べると劣
る為、貴金属合金を被着体とする場合には、接着強度の
耐水性を確保する目的で該貴金属合金の表面にスズメツ
キや酸化処理などの表面処理を行う必要があった。
最近、N−(4−メルカプトフェニル)メタクリルアミ
ドをあらかじめ貴金属表面に塗布して吸着(プライマー
処理)させてから、MMA−)リブチルボラン系接着剤
をその表面に塗布すると、貴金属に対する接着強度の耐
水性が著しく改善される事が見い出され、歯科材料・器
械第5巻92〜lO5頁(1986年)に発表されてい
る。
一方特開明51−110523にはメタクリル酸エステ
ルを基礎とするフェスをガラスプレートまたは、アルミ
ニウムプレートに付着させる際、イオウ含有有機珪素化
合物である3−(イソプロペニルチオカルボニルチオ)
プロピルトリメトキシシランを接着助剤としてフェスに
添加すると、その付着性が向上する事が、開示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 前述のように、特開昭58−21607号で開示されて
いる接着剤で貴金属または貴金属合金製材料を歯等に接
着させる場合には、金属表面をスズメツキ等の表面処理
を行うことが必要であり、操作が煩雑であることが問題
である。この点、前述のN−(4−メルカプトフェニル
)メタクリルアミドを含む接着剤を用いると、かかる煩
雑さが避けられるが、接着強度の耐水性が実用的になお
不十分であることが問題である。
また、3−(イソプロペニルチオカルボニルチオ)プロ
ピルトリメトキシシランについても、貴金属または貴金
属合金の接着に用いた場合には、実用的に十分な接着強
度が得られないという問題点がある。
したがって、本発明の目的は、金属(とくに貴金属)物
体同士あるいは金属物体を他の物体に強固に接着させる
ために、接着剤塗布にさきだって金属物体表面を処理す
るためのプライマー、または金属(とくに貴金属)物体
同士あるいは金属物体と他の物体とを接着するための接
着剤を見い出すことである。本発明においては、プライ
マーおよび接着剤を含めて接着剤と称する。
(課題を解決するための手段) かかる目的は、下記に述べる本発明の接着剤によって達
成されることを見い出した。すなわち本発明は、 一般式 %式%[] (上記式においてR,はオレフィン性二重結合を少なく
とも1個有する有機基を表し、Xoは酸素原子またはイ
才つ原子を表し、X、はSH基またはハロゲンを表す。
ただし少なくともXo、 Lのいずれか一方はイ才つ原
子を有する。)、または一般式%式%[1] (上記式においてR9、R1は有機基を表す。ただし、
少なくともR2、R3のいずれか一方はオレフィン性二
重結合を有する。またX、は酸素原子またはイオウ原子
を表す。) で表される化合物を重合性単量体として含有する接着剤
である。
本発明の最大の特徴は、接着性成分として上記した一般
式[11または[■]で示される化合物(以下本化合物
を該化合物ということがある)を用いることにある。
上記一般式[Iコおよび[INで示される化合物は、本
発明においてオレフィン性二重結合なる用語は、ラジカ
ル、カチオンまたはアニオンによって高分子量の重合体
を与えるべく付加重合を行う炭素−炭素二重結合を表す
ものとして用いられる。
また、本発明において有機基なる用語は、炭素数が1〜
40であり、構成元素として炭素の他に水素、酸素、窒
素、イオウ、リンまたは/およびハロゲンが存在しても
よい下記(a)および/または(b)の条件を満たす基
として定義される。
(a)水素原子が一0H1−C=l、  NOx、−S
O,H。
ハロゲン、−coon、 −C3SII、−COSHl
−COZ。
−C3Z (Zはハロゲンを表す)で置換されていても
よく、また炭素骨格が直鎖状、分岐状、環状脂肪族また
は芳香族のうちのいずれかであるか、あるいはこれらが
複合化されたものである炭化水素基。
(b)上記炭化水素基2個以上が少なくとも1個の特性
基にて連結されて構成される基。なお、該いは更にこれ
らが互いに連結して複合化した特性H 上記(a)および(b)の定義から明らかなように、!
− は−C−X、−基を有していてもよい。
!。
表されうる基を2個以上有している場合は、いず!。
横暴に含まれるとして、該化合物は[11式で表記され
るものとする。該化合物が−C−X、−で表されうる基
を2個以上有している場合は、いずれか1個をもって−
C−X、−基とし、他のらのは有機基に含まれるとして
、該化合物は[1]式で表記されるものとする。該化合
物が−CLで表されうる基を1個以上お上び−CL−で
表されつる基を1個以上有している場合は、−C−X、
で表されうる基のうちいずれか1個をもって−C−L基
とし、他の−C−X、で表されうる基および−C−X、
−で表されうる基は有機基に含まれるとして、該化合物
は[I]式で表記されるものとする。
なお、チオカルボン酸については、 チオール型     チオン型 の互変異性が考えられるが、Y、Hirabayash
i、 T。
Mazume、  Bull、Ches、Soc、Jp
n、、  38.  lフ1  (1965)。
W、11.Crouch、  J、A@、Chem、S
oc、、  74. 2926  (1952)。
R,Mecke、 H,5piesecke、 Che
m、Ber、、 89.1110(1956)などによ
りチオール型であることが提示されているため、零報に
おけるチオカルボン酸の構造式はチオール型をもって表
記することとする。
[N式化合物においては、オレフィン性二重結合の部分
が、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、
ビニルオキシカルボニル基、イソプロペニルオキシカル
ボニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミ
ノ基、アクリロイルチオ基、メタクリロイルチオ基、ビ
ニルチオカルボニル基、イソプロペニルチオカルボニル
基、ビニルチオ基、イソプロペニルチオ基、ビニルフェ
ニル基またはイソプロペニルフェニル基であり、該オレ
フィン性二重結合を1個以上有する有機基R5をもつ化
合物が好ましい。これらの化合物は一般式 [上記式において、R4は水素原子またはメチル基を表
し、Rsは炭素数1〜40の有機基([1,C= C−
Y−X。
基、および/またはX、−C−基、および/またはCO
O−1−00C−1−CON[l−1−COS−1−S
OC−1x0、X、およびX、は前記した定義と同じ]
で表される。
また[ n 、1式化合物においては、オレフィン性二
重結合の部分がアクリロイルオキシ基、メタクリロイル
オキシ基、ビニルオキシカルボニル基、イソプロペニル
オキシカルボニル基、アクリロイルアミノ基、メタクリ
ロイルアミノ基、アクリロイルチオ基、メタクリロイル
チオ基、ビニルチオカルボニル基、イソプロペニルチオ
カルボニル基、ビニルチオ基、イソプロペニルチオ基、
ビニルフェニル基またはイソプロペニルフェニル基であ
り、該オレフィン性二重結合を有しないか、または1個
以上有する有機基R2またはR1をもつ化合物が好まし
い。これらの化合物は一般式 [上記式においてR4は水素原子またはメチル基を表し
、Ro4はR4と同義。R1は炭素数1〜40の有機基
でいてもよい。)を表す。Ro、はR6と同義。Yは−
COO−1−OOC−1−CON11−1−COS−1
−SOC−1−8−またはく今キ表し、Y゛はYと同義
。−1鳳′、nおよびn’はs+s’≧1.m+n≧1
および−゛+n°≧1を満たす0または1の整数を表す
。xo、X、およびX。
は前記した定義と同じ。] で表される。一般式[I[[]および[IV]の化合物
は、合成の容易性および共重合単量体との共重合性の点
から望ましい。
次に本発明において用いられる[11および[11]式
で示される化合物を例示する。
I  で六されるヒA の伊 υ。
1(t C= C−eoOcHt Cl * C08H
■ otc= c−coo→べH−べOSI+CH。
CH。
H*C= C−C00CHtCHCH*C03HO8H ■ O3H H*C= C−C00CH*CHtC3S)ICI’l
H*C= C−COOCHmCHtCCooCH 寡 LC= C−Coo−←−C1(、−→−−cssgC
l。
B、C= C−S%(:H*−÷−べSSH醪 CL CH3、 [1,C= C−C00CH,CHCHIC3SHCS
SI 5SH CH,S H,C= C−coocu*cuto−c−CutCI
ICSSHCH。
H,C= C−Coo−←−CL−÷−刊−cssnC
H,C03H CH。
H,C= C−Coo−←< Ht←升−う−CSSI
(LC= C−c00cHtcHt \ N−C35H / LC= C−C00C11,CH。
CM。
)!、C= C−Coo−←−CH,−→−−cscc
CH。
H1C= C−COO→升−CH,−÷−べSCQ■ Ht C= CCoo−+CH!→−N−C3C12@
/ CHsC)I*CH* H,C= C−Coo−←’CHt→−S−C8C12
本発明において接着性成分として用いられる前述の化合
物は、新実験化学講座第14巻(丸善、1977〜8年
刊) 、The chesistry of carb
oxylicacids and esters  (
John 1liley & 5ons、  1969
年刊) 、The chemistry or cya
nates and theirthto deriv
atives (John filey & 5ons
、  1977年刊) 、Comprehensive
 Organic Chesistry Yol、3(
Perga曽on Press、 1979年刊)など
を参考にして合成できる。
本発明の接着剤は、上記の化合物を用いて下記(1)ま
たは(2)のように構成される。本発明における重合性
単量体に対して、共重合性を有するかまたは有しない化
合物が溶剤として用いられる。
(1)該化合物を該化合物と共重合性を有しない溶剤に
溶解して接着剤を製造”する。かかる溶剤としては、沸
点250℃以下の揮発性有機溶剤(メタノール、エタノ
ール、2−エチルブタノール、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、エチルニー、チル、n−ブチ
ルエーテル、1.4−ジオキサン、テトラヒドロフラン
、酢酸エチル、トルエン、キシレン、p−シメン、ヘキ
サン、オクタン、塩化メチレン、l、2−ジクロルエタ
ン、1.1.2.2−テトラクロルエタンなど)、水ま
たはこれらの混合物が用いられる。上記化合物は濃度0
.0001〜99重量%(好ましくは、0.001〜5
0重量%)[対(該化合物+溶剤)]に溶解され、さら
に、必要により後述の如き重合開始剤、共重合性単量体
が加えられる。
(2)該化合物を、該化合物と共重合性のある単量体に
溶解して接着剤を構成する。用いられる共重合性単量体
は後述するが、該化合物は濃度0.005〜99重量%
[対(該化合物+共重合性単量体)]に溶解され、さら
に必要により、フィラー、重合開始剤が加えられる。ま
た、通常用いられている接着剤(重合性単量体と重合開
始剤からなり、フィラーが加えられていることがある)
に該化合物を加えても本発明の接着剤が得られる。なお
、この場合も上−記のように該化合物の濃度はo、oo
s〜99重量%[該化合物+共重合性単量体に対し〕で
あってよい。また上記2種類の溶剤を混合して用いても
よい。
本発明による接着剤は、接着剤として通常の方法で用い
られるほか、別の接着剤に対するプライマーとしても用
いられる。ブライマーとして用いられる場合は、該接着
剤は、例えば金属表面に塗布され、さらに、その上に常
法で用いられている接着剤またはコンポジットレジンが
塗布され、金属表面同士あるいは金属表面と他の物体表
面とが接着される。
上記(1)の場合において、該化合物の量が極めて微量
でも接着増強効果が発現するのは、金属表面に該化合物
が単分子吸着すれば効果が発現するためであると考えら
れる。更にプレイマーを塗布した面を溶剤で洗っても、
その効果は減じない。
本発明の接着剤は好ましくはプライマーとして用いられ
るが、プライマーを塗布した面には前述の上うに、公知
の重合硬化型の接着剤、特に好ましくはアクリル系モノ
マーを含有する接着剤がさらに塗布され、接着が行われ
る。
接着強度は接着剤自身の機械的強度にも依るが、通常は
引張接着強度で200Kg/am’以上で、殆んどすべ
ての例が接着剤の凝集破壊かまたは被着体破壊である。
接着界面は極めて耐水性が優れ、接着試料を常温水中に
保存する限り、数ケ月の期間では目立った強度低下は起
きない。
本発明の接着剤において、該化合物の溶剤として用いら
れる共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸エス
テル[(メタ)アクリル酸エステルの表記はメタクリル
酸エステルおよびアクリル酸エステルの両者を意味する
]が好ましく、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグーjコールジメタクリレー)、2.2−ビ
ス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)フェニルコプロパン(Bis−GMAと称
する。) 、2.2−ビス(メタクリロイルオキシエト
キシフェニル)プロパン、トリメチロールエタントリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
、4−(2−メタクリロイルオキシエチル)トリメリテ
ート、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリテート
無水物、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイ
ドロジエンホスフェート、2−メタクリロイルオキシエ
チルフェニルハイドロジエンホスフェート、6−メタク
リロイルオキシへキシルジハイドロジエンホスフエート
、IG−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジエン
ホスフエート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)ホスフェート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルが
用いられる。
前述のように本発明の接着剤には通常重合開始剤が、加
えられる。重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイ
ド−芳華族第3級アミン系、クメンハイドロパーオキサ
イドなどの過酸化物、トリブチルボラン、芳香族スルフ
ィン酸(またはその塩)−芳香族第2級または第3級ア
ミン−アシルパーオキサイド系などが挙げられる。更に
カンファーキノン、カンファーキノン−第3級アミン系
、カンファーキノン−アルデヒド系、カンファーキノン
−メルカプタン系などの光重合開始剤を挙げることがで
きる。なお、本発明の接着剤をプライマーとして使用し
、さらにその上に別の接着剤が塗布される場合には、本
発明の接着剤には重合開始剤が加えられていなくても、
他の接着剤中の重合開始剤が移行してきて重合硬化が行
われる。
また、本発明の接着剤には、石英、ガラス、ヒドロキシ
アパタイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム等の無機フィラー、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のポリ
マー粉末などが必要に応じて添加される。
接着の対象となる金属は、金、白金、パラジウム、銀、
ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムなどの
貴金属の他に、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ス
ズ、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
ガン、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、インジ
ウム、アンチモン等の広汎な卑金属も含まれる。更に酸
化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の金
属酸化物およびこれ等の金属酸化物を含むセラミックス
材料においても接着増強効果が現われる。
(発明の効果) 本発明の接着剤は、とくに貴金属に対して耐水性の優れ
た接着力を示す事から、歯科分野において好適に用いら
れる。例えば、インレー、クラウン、ブリッジなどの貴
金属鋳造体を歯牙に接着固定する場合、貴金属からなる
歯科補綴物を作製する上での接着作業、例えば、ブリッ
ジと義歯の接着、分割鋳造された補綴物の接着による組
み立て等において従来技術では得られなかつりこ性能お
よび作業性の向上が達成される。なお本発明の接着剤は
歯科分野のみならず、金属や゛金属酸化物の接着が必要
とされるあらゆる産業分野において用いられる。
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが
、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例) チオカルボン  A の 造 製造例1 90%エタノール15hlに水酸化カリウム9gを溶解
し、これに水冷下で硫化水素を飽和させ、11−ブロモ
ウンデカン酸クロリド30gを撹拌のもとゆっくり滴下
した。滴下終了後、室温まで昇温し、更に1時間撹拌し
た。不溶物を枦取した後溶媒を減圧留去し、残留物を冷
水150m1に溶かした後ベンゼンにて中性の不純物を
抽出除去した。水溶液を6N塩酸で酸性とし、遊離して
きた有機物をエーテルにて抽出した。このエーテル層を
水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行いエーテル
を減圧留去したところ、18gの11−ブロモウンデカ
ンジオ酸を得た。メタクリル酸銀9.5g、エーテル5
0m1および〜先に合成した11−ブロモウンデカンチ
オ酸15gの混合物を72hr加熱還流し、放冷後不名
物をか則した。該反応溶液の溶媒を減圧留去し、残留物
をクロマトグラフィーにて精製したところ7.2gの固
形化合物を得た。該化合物を元素分析、NMR測定によ
り分析したところ、11−メタクリロイルオキシウンデ
カンチオ酸であることが確認された。
ジチオカルボン酸化合物の製造例 製造例2 滴下ロート、撹拌装置、還流冷却管を備えた3つロフラ
スコにマグネシウム5g1エーテル1ooI111を入
れ、これにエーテル200m1に溶解したlO−ブロモ
−1−デセン45gを滴下ロートより滴下し、グリニヤ
ール試薬を調製した。これを水浴にて冷却し、撹拌のも
と二硫化炭素15gを滴下した。滴下終了後24時間水
浴下撹拌を行った後氷水を加えた。
この水層を希塩酸で酸性とし、遊離してきた有機物をエ
ーテルにて抽出した。このエーテル層を水洗し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥を行った後、エーテルを減圧留去し
たところ10−ウンデセンジチオ酸26gを得た。この
10−ウンデセンジチオ酸22gおよび過酸化ベンゾイ
ル0.2gをn−ヘキサン10011に溶かし、この溶
液に14gの乾燥臭化水素ガスを0℃下、2brかけて
通した。その後室温まで昇温し12hr放置した。n−
ヘキサンを留去したところ18gの11−ブロモウンデ
カンジチオ酸を得た。メタクリル酸、水酸化ナトリウム
および硝酸銀より調製したメタクリル酸銀9..5g、
エーテル60m1および先に合成した11−ブロモウン
デカンジチオ酸16gの混合物を72hr加熱還流し、
放冷後不溶物を炉別した。該反応溶液の溶媒を減圧留去
し残留物をクロマトグラフィーにて精製したところ9.
2gの固形化合物を得た。該化合物を元素分析、NMR
測定により分析したところ、11−メタクリロイルオキ
シウンデカンジチオ酸であることが確認された。
チオカルボン酸りロリドヒ合 の製造例製造例3 50cc丸底フラスコに11−メタクリロイルオキシウ
ンデカンジチオ酸5g1塩化チオニル6g1 ピリジン
0.1gおよび微量の塩化第一銅を入れ、80℃にてガ
スの発生がおさまるまで還流を行った。続いてこのフラ
スコを減圧蒸留装置に接続し、低沸点化合物を留去した
。残留物をクロマトグラフィーにて精製したところ液体
化合物3,2gを得た。該化合物を元素分析、NMR測
定により分析したとこ、ろ、11−メタクリロイルオキ
シウンデシルチオカルボン酸クロリドであることが確認
された。
ジチオカルボン酸エステル化A の製造例製造例4 製造例2における中間物質10−ウンデセンジチオ酸2
0gを水酸化カリウム6gのメタノール5hl溶液に溶
かし、水浴冷却のもと10−ブロモ−1−デセン22g
を滴下した。6時間撹拌を行った後不溶物を炉別し、溶
媒を留去したところlO−ウンデセンジチオ酸9−デセ
ニルを得た。このlO−ウンデセンジチオ酸9−デセニ
ル8gおよび過酸化ベンゾイル0.05gをn−ヘキサ
ン30m1に溶かし、この溶液に4gの乾燥臭化水素ガ
スを0℃下、1.5b?かけて通した。その後、室温ま
で昇温し12 h’r放置した。n−ヘキサンを留去し
、残留物をカラムクロマトグラフィーにて精製したとこ
ろ7.5gの11−ブロモウンデセンジチオ酸10−ブ
ロモデシルを得た。
メタクリル酸銀4g1エーテル20m1および先に合成
した11−ブロモウンデシルジチオ酸lO−ブロモデシ
ル5gの混合物を96hr加熱還流し、放冷後不溶物を
炉別した。該反応溶液の溶媒を減圧留去し、残留物をク
ロマトグラフィーにて精製したところ2.8gの固形化
合物を得た。該化合物を元素分析、NMR測定により分
析したところ、11−メタクリロイルオキシウンデカン
ジチオ酸lO−メタクリロイルオキシデシルであること
が確認された。
丘ILユ上− 実施例1〜23および比較例1〜3 第1表に示した23種の化合物および前述の公知の化合
物N−(4−メルカプトフェニル)メタクリルアミドお
よび3−(イソプロペニルチオカルボニルチオ)プロピ
ルトリメトキシシランをそれぞれ用いて、貴金属に対す
る接着効果を調べた。
これ等の化合物は1重量%濃度のトルエン溶液(プライ
マー)とし、被着体である# 1000のシリコン・カ
ーバイト研磨紙で磨いた純金板(IQX 10×1m−
1厚さ4II1mのステンレス板で裏面を補強したもの
)、歯科用命−銀−パラジウム合金「キャストウェル」
(皿型社製、IOX IOX 1mm、同様に補強した
もの)歯科用命−白金−パラジウム合金「デグデントユ
ニバーサル」(三菱金属社製、10X IOX 1mm
、同様に補強したもの)の表面にそれぞれ筆で塗布した
。1分後に純トルエンで塗布面を洗い、表面に吸着した
分子のみが残るように表面調製を行った。この面上で5
■φの穴を開けた粘着テープを貼り付けて被着面とした
。一方、7ms+φX 25mmのS U S 304
製九棒を準備し、棒端面を粒径5QH+のアルミナ砥粒
でサンドブラストを行った。この面に、メタクリル酸エ
ステル100重量部、スルフィン酸ソーダーベンゾイル
パーオキサイド−第三級アミン系重合開始剤3重量部、
シラン処理された無機フィラー320重量部からなる歯
科用接着剤「パナビアEX■」(クラレ製)の練和ペー
ストを盛り上げ、被着面に押しつけて接着を行った。1
時間後に接着試験片を37℃水中に浸漬し、24時間後
に万能試験機(インストロン製)(クロス・ヘッドスピ
ード2■/分)で引張接着強度を測定した。各々8個の
試練片の測定値を平均し、第1表に測定結果を示した。
実施例26〜27および比較例4 実施例2で用いた化合物の1%トルエン溶液を、実施例
1の方法に準じて「キャストウェル」に塗布し、1分後
に純トルエンで塗布面を洗った後、[パナビアEXJ 
(クラレ製)でステンレス棒を接着し、接着試験片(実
施例26)とした。また、同様にして実施例4で用いた
化合物を用いて接着試験片(実施例27)を作製した。
一方、比較対象として、該接着剤溶液を塗布せずに、直
接パナビアEXで「キャストウェル」とステンレス棒を
接着した試験片(比較例4)も作製した。これらの試験
片は耐水性を評価する目的で接着1時間後に37℃水中
に浸漬し、24時間経過後に70℃水中に移し、10日
間静置した。その後、実施例監の方法で引張接着強度を
測定したところ、実施例26の平均接着強度が283K
g/am”であり、実施例27の平均接着強度が340
Kg/c+s’であるのに対し、比較例4では31Kg
/am’であった。
実施例28〜29および比較例5 下記の組成A、Bからなる2ペ一スト混合型の接着剤を
調1合した。
ペーストA Bis −G M A               
   12.5重量部トリエチレングリコールジメタク
リレート   12.5実施例2の接着成分     
         0.1N、N−ジェタノール−p−
トルイジン      05シラン処理した石英粉末 
          74.5ペーストB Bis−GMA                  
12.5重量部トリエチレングリコールジメタクリレー
ト   125ベンゾイルパーオキサイド      
    0,5シラン処理した石英粉末       
    745ペーストAとBを同重量ずつ練り合せた
接着剤(実施例28)を用いて、実施例1の接着方法(
ただし、プライマー塗布操作は行わない)で#1000
のンリコン・カーバイト研磨紙で磨いた歯科用金合金「
ハラドールHJ(西独、ヘラウス社製; Au : 7
9%、Pt:10%、Pd:8%含を)とサンドブラス
ト処理を行ったステンレス棒を接着した。
接着試料を37℃水中に24時間浸漬した後、引張接着
強度を測定したところ、金合金と接着剤の界面で破壊を
生じ、平均強度(n=8)は222Kg/am’たった
また、実施例2の接着成分のかわりに実施例5の接着成
分を同様に用いて行ったところ(実施例29)、平均強
度は286にg/am”であった。
一方、ペーストAの組成から実施例2の接着分を除いた
組成を有するペーストA′を調合し、A′+Bの組み合
せ(比較例5)で実施例28〜29と同様の接着を行っ
た。金合金と接着剤の界面に破壊を生じ、平均接着強度
は106Kg/cm’だった。
実施例30 下記の組成C,Dからなる粉液混合型接着剤を調合した
粉剤C シラン処理されたシリカ粉末       100  
重量1部ベンゼンスルフィン酸ソーダ        
 0.4N、N−ジェタノール−p−トルイジン   
  0.5液剤D Bis−GMA                50
  重量部1.6−ヘキサンシオールジメタクリレート
  39実施例5の接着成分            
lベンゾイルパーオキサイド         1 重
量部粉剤C3gに対して液剤Digの割合で混合したペ
ースト状接着剤を用いて、実施例監と同一の方法(ただ
し、プライマー塗布操作は行わない)で#toooのン
リコン・カーバイト研磨紙で磨いた歯科用合金「ハラド
ール)(J (商品名)とサンドブラスト処理を行った
ステンレス棒を接着した。接着試料を37℃水中に24
時間浸漬した後、引張接着強度を測定したところ、接着
剤の凝集破壊を生じ、平均強度(試料個数8)は328
Kg/an″であった。
特許出願人 株式会社 り ラ し

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・[ I ] (上記式においてR_1はオレフィン性二重結合を少な
    くとも1個有する有機基を表し、X_0は酸素原子また
    はイオウ原子を表し、X_1はSH基またはハロゲンを
    表す。ただし少なくともX_0、X_1のいずれか一方
    はイオウ原子を有する。)、 または一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・[II] (上記式においてR_2、R_3は有機基を表す。ただ
    し、少なくともR_2、R_3のいずれか一方はオレフ
    ィン性二重結合を有する。またX_2は酸素原子または
    イオウ原子を表す。) で表される化合物を重合性単量体として含有することを
    特徴とする接着剤。
  2. (2)一般式[ I ]の化合物が、一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・・・[III] [上記式において、R_4は水素原子またはメチル基を
    表し、R_5は炭素数1〜40の有機基(▲数式、化学
    式、表等があります▼基、および/または▲数式、化学
    式、表等があります▼基、 および/または▲数式、化学式、表等があります▼基を
    有していてもよ い)を表し、Yは−COO−、−OOC−、−CONH
    −、−COS−、−SOC−、−S−または▲数式、化
    学式、表等があります▼を表し、lは0または1を表す
    。X_0、X_1およびX_2は請求項1における定義
    と同じ] で表される化合物である請求項1記載の接着剤。
  3. (3)一般式[II]の化合物が、一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・[IV] [上記式においてR_4は水素原子またはメチル基を表
    し、R’_4はR_4と同義。R_6は炭素数1〜40
    の有機基(▲数式、化学式、表等があります▼基および
    /または ▲数式、化学式、表等があります▼基を有していてもよ
    い)を表す。R’_6はR_6と同義。Yは−COO−
    、−OOC−、−CONH−、−COS−、−SOC−
    、−S−または▲数式、化学式、表等があります▼を表
    し、Y’はYと同義。m、m’、nおよびn’はm+m
    ’≧1、m+n≧1およびm’+n’≧1を満たす0ま
    たは1の整数を表すX_0、X_1およびX_2は請求
    項1における定義と同じ] で表される化合物である請求項1記載の接着剤。
  4. (4)重合性単量体と、該重合性単量体と共重合性を有
    するかまたは有しない化合物を溶剤として含有してなる
    請求項1記載の接着剤。
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