JPH027406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコレクタ取付枠を野地板に釘、木ネジ
等の打込み具により取付けることを基本として、
野地板に貫通穴を設けることなくコレクタを取付
可能とし、防水性能を向上させかつ施工性を改善
しうるコレクタ取付構造に関する。

従来、野地板に太陽熱集熱用のコレクタを取付
ける場合には、例えば第３図に示すように、コレ
クタａの側面に固定される取付金具ｂを、野地板
ｃと該野地板ｃ上の防水シートｄとに貫設された
貫通孔ｅを挿通しかつ野地板ｃの裏面でナツトｆ
により螺締されるボルトｇを用いて固定していた
ため、雨水がその貫通孔ｅを伝い流れて屋根裏に
漏水が生じがちであるとともに、屋根裏からナツ
トｆを螺着するため作業性に劣るとともに、とき
にコレクタａを不安定としていた。

本考案はかかる問題点を解決しうるコレクタ取
付構造の提供を目的とし、以下その一実施例を図
面により説明する。

第１〜２図において本考案の構造１は、コレク
タ２を、コレクタ取付枠３を用いて野地板４上に
取付けるものであり、前記コレクタ２は、コレク
タ取付枠３への取付けののち配管等を施すことに
よつて使用可能となる予め完成した一体型のコレ
クタとして形成される。又コレクタ２の周囲には
外方に張出すフランジ５が周設され、該フランジ
５下部の前記コレクタ取付枠３に向く側面は、下
方に向かい内側に傾く斜面として形成される。

又前記コレクタ取付枠３は、本実施例では木材
質からなり、その上面で前記フランジ５を支持し
うるとともに、外方上縁には切欠部６を設ける。

コレクタ取付枠３は、野地板４に敷設される第
１の防水シート７上に、前記コレクタ２のフラン
ジ５の周囲形状に合わせて載置され、かつ外側面
から斜め下方に打ち込まれ野地板４を上方から通
り該野地板４で先端が止まる釘、木ネジ等の打込
み具９によつて取付けられる。なお打込み具９と
は、釘、木ネジ等の、予め透孔を設けず直接被固
定材に貫入するものをいう。

又コレクタ取付枠３は、第１の防水シート７に
重設されるとともにコレクタ取付枠３の外側面で
立上りかつ前記切欠き部６で途切れる外の防水シ
ート１１と、コレクタ取付枠３，３間において第
１の防水シート７上に配される下地板１２を介し
て前記野地板４をコレクタ取付枠３，３間で覆い
かつコレクタ取付枠３の内側面で立上がるととも
に上面をこえて外側面で下方に折曲がつて前記切
欠き部６下方で前記外の防水シート１１に重なる
内の防水シート１４とからなる第２の防水シート
１５によつて被覆される。その結果、打込み具９
の露出端９ａも、該第２の防水シート１５によつ
て完全に水密される。

このように第２の防水シート１５によつて被覆
されたコレクタ取付枠３上に、該コレクタ２の両
側面をコレクタ取付枠３，３間に嵌入しつつコレ
クタ２の前記フランジ５を載置することにより、
コレクタ２を配置する。これによりコレクタ２
は、コレクタ２の下面と、その下方の第２の防水
シート１５との間に間隙が生じるとともに、コレ
クタ２の側面が内向きの斜面であることにより、
側面とコレクタ取付枠３の内側面との間にも間隙
が生じる。

又コレクタ２は、本実施例では、コレクタ固定
金具２０を用いて固定している。コレクタ固定金
具２０は、コレクタ取付枠３の外側面で垂下する
立下げ片１７と、該立下げ片１７の上縁で内方に
のびコレクタ２の周縁、即ちフランジ５の上面に
重置される上片１９とを有するＬ字状をなし、そ
の上片１７によりコレクタ２を下方に押し、コレ
クタ取付枠３の上面に密接させつつ立下げ片１７
を木ネジ２１を用いてコレクタ取付枠３の側面に
固定することにより、コレクタ２はコレクタ取付
枠３に固定される。

然して本考案の構造１は、コレクタ取付枠３を
野地板４上に該野地板４を下方に通る打込み具９
により取付けており、第３図に示した従来構造の
ように、野地板ｃの貫通孔ｅからの水洩れを防水
しうるとともに、野地板４上方から釘、ビス等の
打込み具９によつて固定でき、従つて屋根裏での
作業をなくして施工効率の向上を図る。さらにコ
レクタ取付枠３は第２の防水シート１５によつて
打込み具９の露出端９ａを含み被覆されているた
め、さらにその防水性能を向上できる。又コレク
タ２下面と下方の第２の防水シート１５との間、
側面とコレクタ取付枠３との間に夫々間隙を有す
るため、コレクタ２の熱が野地板４等に伝導され
るのを抑制できる。

又本実施例のように、コレクタ２をコレクタ取
付金具２０を用いてコレクタ取付枠３に固定する
ときには、第３図に示す従来構造に比してその取
付けが安定し、又コレクタ２を釘等を用いて直接
コレクタ取付枠３に固定する場合に比してもフラ
ンジ５の押圧が均一化でき、例えばコレクタ２が
繊維強化プラスチツク等からなる場合にもその破
損もなし安定してかつ確実な取付が可能となる。
又コレクタ取付金具２０の立下げ片１７をコレク
タ取付枠３の外側面に固定するときには、外、内
の防水シート１１，１４の重なり部分をも同時に
固定でき、第２の防水シート１５のずれを防ぐの
に役立つ。

なお前記実施例とは異なり、コレクタ２が、ビ
ス、釘等を打入可能な素材例えば木質又は繊維強
化プラスチツク等の素材から形成されているとき
には、例えば前記第２の防水シート１５の重なり
部分即ちコレクタ取付枠３の外側面から釘、木ネ
ジ等を打込むことによつて、コレクタ２を固定す
ることもできる。

叙上のごとく本考案の構造は、コレクタ取付枠
を釘、木ネジ等の打込み具を用いて取付けするこ
とを基本として、屋根裏への洩水を防ぎかつコレ
クタの取付けを安定化し又作業性を向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構造で用いるコレクタとコレ
クタ取付枠とを例示する斜視図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は従来構造を例
示する断面図である。 ２……コレクタ、３……コレクタ取付枠、４…
…野地板、５……フランジ、７……第１の防水シ
ート、９……打込み具、９ａ……露出端、１５…
…第２の防水シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 野地板上にコレクタ取付枠を打込み具を用いて
   取付け、かつ該打込み具の露出端を含みコレクタ
   取付枠とともに前記野地板を防水シートにより被
   覆するとともに、外方に張出すフランジを有しか
   つその下部の前記コレクタ取付枠に向く両側面が
   下方に向かい内側へ傾く一体型のコレクタを、前
   記野地板を被覆した防水シートとコレクタ下面と
   の間に間〓を有してしかもコレクタ取付枠間に前
   記両側面を嵌入しかつ前記フランジを前記コレク
   タ取付枠上に載置することにより、取付けてなる
   コレクタ取付構造。