JPH0268396A - ポリビニルアルコール系バインダー繊維及びその製造法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系バインダー繊維及びその製造法

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JPH0268396A
JPH0268396A JP22099788A JP22099788A JPH0268396A JP H0268396 A JPH0268396 A JP H0268396A JP 22099788 A JP22099788 A JP 22099788A JP 22099788 A JP22099788 A JP 22099788A JP H0268396 A JPH0268396 A JP H0268396A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフラッシャプル性に優れたポリビニルアルコー
ル系バインダー繊維(以fPVA系バインダー繊維と略
記)及びその製造法に関する。更に詳しくは、容易に水
に水解させることのできる紙を提供できるPVA系バイ
ンダー繊維に関する。
例えば、水洗トイレに使用する紙製品は、使用後水洗ト
イレに廃棄した場合、容易に水で水解して下水管に閉塞
を生じないようにしなければならない。そのような用途
等の紙に用いられるPVA系バインダー繊維およびその
製造法に関する。
なお、本明細書中でいうフランシャプル性とは、例えば
水洗トイレに廃棄した場合、化合繊紙が下水管内で閉塞
を生じさせない程度の大きさに流水によって破断細分化
される性質をいう。
〔従来技術〕
従来水洗トイレに用いている紙、すなわちトイレットペ
ーパーはオールパルプ紙がほとんどで、使用後トイレに
廃棄した場合多量の水で紙が氷解し、下水管内で閉塞等
のトラブルをおこすことなく汎用的に使われている。
しかしオールパルプ紙は紙力不足のため、各種ワイパー
 生理用品、あるいは医療用手袋など紙力を必要とする
使い捨て製品には問題となり、紙力が尚くソフトタッチ
の化合繊紙が強く望まれている。
化合繊紙はビスコースレーヨンやエステル等が紙の基材
として使われる。これら紙を構成する主体繊維にはそれ
自体に接着性がないため、紙にするには接着材としてP
VA系バインダー繊維が広く使用されている。
かかる化合繊紙は一般的に湿式抄紙法にて製造されてい
る。紙を構成する主体繊維と接着材であるPVA系バイ
ンダー繊維を水中で離解、分散させスラリー状とする。
かかるスラリー状のものから紙成分を短網や円網で抄き
上げこれを乾燥させたものが紙である。
乾燥にはヤンキードライヤーと称されるものが使われそ
の温度は通常110〜130℃である。このような温度
で乾燥すると、接着材であるPVA系バインダー繊維が
溶は主体繊維と強固に接着し、紙力の茜い紙となる。
次に紙の接着材である通′にのPVA系バインダ繊維の
!il造法の一般的な1例について述べる。
PVAポリマーはケン化度98〜]、 (1(Jモルチ
のものが用いらハ、る。紡糸方式は通常の湿式紡糸法、
即ちPVAポリマーを熱水で溶解せしめて得た紡糸原液
を紡糸口金を介して凝固能を有する塩類、例えば高濃度
のボウ硝水溶液中に吐出せしめ、イリられた凝固糸条を
適度に湿延伸した後、乾燥せしめる。乾燥温度は105
〜140℃であり紙の乾燥に用いられるヤンキードライ
ヤーの温度とほぼ同じである。
このようにして得られるPVA系バインl゛−繊維の水
中溶解温度は(50〜90℃であり市販されている。
このPVA系バインダー繊維を用いた化合繊紙はオール
パルプ紙と比べ乾7祇力、湿紙力共に非常に嶋い。
〔発明が解決しようとする課題〕
し刀・し、このものは水中溶解温度が60〜90゛Cと
水洗トイレで用いら一九でいる水の温度よりはるかに鵠
く、使用後水洗トイVに廃棄した場合、水解せず、ド水
配管閉塞等のトラブルが発生し、直接水洗トイ(/に廃
資することはできない。
フラッシャプル性を有する化合繊紙を作るには、バイン
ター繊;准の添加率を通16より極めて少なくして、接
着点の少ない紙を作るかあるいは、10〜40゛Cの水
温でも溶Wtrるか、著しく杉潤し湿強度の(I(下す
るバインダーを便用プる方法が考えられる。
前者の方法はバインダー繊維の6食加率を1%以Fとし
なければならず、フラノ2・−′プル性が発現するもの
の非常に紙力が低下することとなり、実用的な方法とは
言えなハ。
後者の方法の場合にンよ、バインダー繊維の溶解温度を
10〜40℃にすると、抄紙工程においてスラリー中の
水にバインダー、Jl、雄が溶けてしまって紙にならな
いという致自的な問題を壱することになる。
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み、トイレで使用さ
れる低温の水に容易に溶解し、かつ抄紙工程においては
トイレ等と同程度の水温である抄紙水中に溶は出さない
という相反する性能を同時に満足するPVA系バインダ
ー繊維、そしてその製造法を提供することを目的とする
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、溶解温度が50〜90℃であり、か
つ潜在的溶解温度が10〜40℃であるPVA系バイン
ダー繊維であり、PVAのケン化iが90.0〜97.
5モルチである上記PVA系バインダー繊維が、従来技
術の問題点を解消することを見い出した。かかるPVA
系バインダー繊維の製造例は以下の如くである。
すなわち、ケン化度90.0〜97.5モルチのPVA
水溶液を紡糸原液とし高濃度塩類含有水溶液を凝固液と
する湿式紡糸法によって得られる糸条を必要に応じ湿延
伸し、さらに乾燥を怖じた後、溶解温度が50〜90℃
となるように乾熱延伸、一 又は/及び定長熱処理を施すことを特徴とする潜在的に
低温溶解性を有するPVA系バインター繊維の湿式製造
法である。
以下詳細に本発明を説明する。
抄紙工程を通るためにはPVA系バインター繊維の溶解
温度を上げる必要かあり、一方ではフランシャプル性を
出すためにPVA系バインター繊維の溶解温度を下げる
必要がある。−見矛盾した性能を有するPVA系バイン
ダー繊維を製造するため、鋭意検討した結果、バインタ
ー繊維は紙の製造工程において、いったん溶解すること
に着目した。
抄紙工程においてPVA系バインダー繊維は吸水した状
態で、110〜130’cの一ヤンギードライヤーに供
給さね水分を含んだまま加熱されるのでバインダー繊維
は溶解し、主体繊維と接着する。
接着後水分がなくなると乾燥温度によりPVA系バイン
ダー繊維は再結晶化され、接着強度は向上することにな
る。即ち、PVA系バインダー繊維に着目するなら+4
50〜90℃の溶解温度をもつたバインダー繊維はいっ
たん溶解してほぼ無構造になり、その後の110〜13
0℃の温度で熱処理を受けて結晶化していることになる
従って、PVA系バインター繊維の溶解後の挙動は先に
述べた如く、バインター繊維の製造法に酷似しているこ
とになる。即ち、PVAを水に溶解した後糸条形成せし
め、その後乾燥工程にて1()5〜140℃の熱処理を
受けるからである。
このことから、使用時フラッシャプル性ヲ与えるために
は、10〜40℃の溶Sa度が必要であシ、従って少な
くともバインダー繊維の抄紙乾燥後の溶解温度は10〜
40℃でなじればならない。
一方、抄紙工程においては溶解温度は50〜90°C程
度でなければならない。50−C以上の場合にはバイン
ター繊維がスラリー中で溶解し、90”C;以上になる
とヤンキードライヤーでの溶解が不充分となり、バイン
ダー効果が少なくなるからである。この相矛盾する事象
を解決する/こめにバインダー繊維の製造工程において
乾燥した後、乾燥温度よりも置い温度を加えて、結晶化
度を上げ、溶解温度を上げることを試みた。その結果兄
事に矛盾を解決し、フラッシャプル性を有しかつ、安定
に抄紙0J′能なl−’VA系バインター繊維の開発に
成功したのである。
本発明中で述べるPVA系バインダー繊維の潜在溶解温
度とはPVA系バインダー繊維製造の際の乾燥工程を通
過した段階での溶解温度を意味するものであシ、これま
で述べた考えにもとすいて種々の実験を行った結果、フ
ラッシャプル性によく対応する特性値となることが判明
した。つまシ本発明のPVA系パインタ゛−[維におい
て潜在溶解温度は抄紙後の溶解温度と一致する。
本発明のPVA系パインター繊維製造法の1例について
更に詳しく述べる。
本発明のI)VA系バインター繊維は、ケン化度が90
.0〜97.5モル襲、好丑しくは93〜96モルチか
らなるPvAポリマーから構成されている。ケン化度9
0モル楚未滴の場合には、)’VAバインクー繊袖が腸
着し製盾不可iヒであり、ケン化jWが97.5モル%
を超えるとフラッシャプル性がなくなる。
拘、重合度は1000以上4000以1:程度が好まし
く、より好吐しくは2000程度である。
かかるPVAを水に溶解した後、゛酵法にで湿式紡糸し
必要に応じ、湿延伸を促[7た後、105〜! 40 
′cで乾燥する。
かくして得られたバインダー繊維の溶解温度はi0〜4
0℃である。こオしは本発明の潜在的溶解温度である。
かかる繊維を160〜250’L;で定長熱処理をする
かあるいは160〜250℃で適度な乾熱延伸を加えて
、さらに必要に応じ、160〜250 ’Cでかつ通薄
は該乾熱延伸温度よIpAい温1fで熱処理を施すこと
により溶解温度な50〜90℃とする。
かくして得られたバインター繊維は抄紙工程ではほとん
ど溶唐せず、かつ充分なパインディング効果を有する。
しかも得られる紙はフラッシャプル性を有するものであ
る。
同、抄紙工程においてヤンキードライヤーで溶解接着を
生ずるバインダー繊維が、繊維の製造工程においてヤン
キードライヤーとほぼ同温度で乾燥する際(で溶解接着
が起らないという現象は一見矛盾し−Cいるように思え
るが、繊維製造工程では湿式紡糸性特有のごλ同面を有
する塩類が、繊維に付着しているために溶解接着は起ら
ないのである。
一方、か〃旭る塩は抄紙工程においてはスラリー中に溶
出するため、ヤンキードラ・イーヤ−で簡単に溶′S接
着かり起ることになるのである。
本発明を実施例によって更に具体的に説明する。
伺、本発明は以下に述べる実施例に限定さhるものでは
ない。
〈実砲例〉 平均重合度1700.ケン化度9b、0モルチのPVA
を溶解し/ヒ濃度16チの原液を、ノズル孔数6000
孔のノズルから温度40゛Cの飽和ボウ硝凝固浴中に吐
出する。
得られた糸条を温度90℃の飽和ボウ硝浴中で2.0倍
の湿熱延伸を行い、さらに乾燥温度120℃で乾燥せし
めた後、温度180°Cで定長熱処理を確しバインダー
繊維とした。
〈比較例〉 実施例のPVA0ケン化度96.0モルチを985モル
係とし、熱処理を行なわない以外は実施例と同法でバイ
ンダー繊維を得た。
実施例及び比較例で得たバインター繊維の物性を表−1
に示す。
なお、フランシャプル性の評価は実施例、比較例で得た
バインダーを3チ(重i%)、ビスコースレーヨンおヨ
ヒエステルを47%、NBKP(パルプ)を各々50チ
添加した化合繊紙を常法で抄紙した紙を用い評価した。
上表の如く、本実施例は目的とする性能を有することが
一見瞭然である。
岡、物性は以下の如く測定した。
(1)溶解温度 バインダー繊維を3源に切断した後、サンプル量を21
とり、100ccの水に分散させて、毎分1℃の割合で
水温を上昇さぜ、繊維が完全に溶解したときの温度を測
定した。
(2)溶出量 バインダー繊維を311III+に切断した後、サンプ
ル量を1.22とり、30℃の水中に30時間浸漬し、
浸漬水の溶出PVA量を測定した。
(3)  フラッシャプル性 100CCの水を入れたビーカーに1辺7のに裁断した
紙を投入し、ガラス棒で軽く攪拌したときに、水解する
ものを○とし、しないものを×として表わした。
〔発明の効果〕
以上説明した如く、本発明によって得られるフラッシャ
プル性に優れたPVA系バインダー繊維を用いた化合繊
紙は、紙力とフラッシャプル性に優れ、水洗トイレに直
接廃棄することが可能とな一13= シ、紙力を必要とする各種ワイパー、生理用品をはじめ
とする檀々の使い捨て製品に適用することができる。
特許出願人 株式会社 り ラ し

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)溶解温度が50〜90℃であり、かつ潜在的溶解
    温度が10〜40℃であることを特徴とするポリビニル
    アルコール系バインダー繊維。
  2. (2)ポリビニルアルコールのケン化度が90.0〜9
    7.5モル%である請求項1に記載のポリビニルアルコ
    ール系バインダー繊維。
  3. (3)ケン化度90.0〜97.5モル%のポリビニル
    アルコール水溶液を紡糸原液とし、高濃度塩類含有水溶
    液を凝固液とする湿式紡糸法によつて得られる糸条を、
    必要に応じ湿延伸し、さらに乾燥を施した後、溶解温度
    が50〜90℃となるように乾熱延伸又は/および定長
    熱処理を施すことを特徴とする潜在的に低温溶解性を有
    するポリビニルアルコール系バインダー繊維の湿式製造
    法。
JP63220997A 1988-09-02 1988-09-02 ポリビニルアルコール系バインダー繊維及びその製造法 Expired - Lifetime JP2833761B2 (ja)

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