JP2003027328A - ポリビニルアルコール系バインダー繊維 - Google Patents

ポリビニルアルコール系バインダー繊維

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JP2003027328A
JP2003027328A JP2001217403A JP2001217403A JP2003027328A JP 2003027328 A JP2003027328 A JP 2003027328A JP 2001217403 A JP2001217403 A JP 2001217403A JP 2001217403 A JP2001217403 A JP 2001217403A JP 2003027328 A JP2003027328 A JP 2003027328A
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drying
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英樹 鎌田
Tomoyasu Sonedaka
友康 曽根高
Yoichi Yamamoto
洋一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速乾燥、低温乾燥時の溶解性に優れ、かつ溶
出量の少ないポリビニルアルコール系バインダー繊維を
提供する。 【解決手段】重合度300〜3000、エチレン含有量
が2〜10モル%、ケン化度が95〜99.99モル%
であるポリビニルアルコール系樹脂からなり、結晶融解
温度が220〜235℃、かつポリビニルアルコールの
溶出量が5%以下であるポリビニルアルコール系バイン
ダー繊維およびそれを用いた紙または不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速乾燥、低温乾燥等
の低熱量の乾燥条件下で溶解可能であり、かつ溶出量が
少なく、湿潤状態でのバインダー性能および耐水性に優
れたポリビニルアルコール系繊維ならびに該繊維を用い
た紙または不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリビニルアルコール(以下
PVAと略記する)系繊維は、その水溶性と強い接着性
を有するという特徴を生かして、製紙用バインダー繊維
として用いられている。PVA系バインダー繊維の十分
な接着性は、抄紙工程において繊維が分散した水中で膨
潤し、乾燥工程の熱により十分溶解し、乾燥しながら結
晶化することにより達成される。従来、PVA系バイン
ダー繊維を用いて紙または不織布を製造する場合、乾燥
工程において熱ドラム方式のヤンキードライヤーが一般
的に使用されている。ヤンキードライヤーは乾燥熱量が
大きいため乾燥時にPVA系バインダー繊維が十分に溶
解し、接着性を発現する。しかし、近年になって乾燥の
効率化や生産性向上のため、エアードライヤー等が用い
られるケースが増加してきているが、エアードライヤー
を用いて乾燥した場合、エアードライヤーは乾燥時間が
短く、また乾燥熱量が小さいため、従来のPVA系バイ
ンダー繊維では十分に溶解できず、その結果、接着性を
発現できないという問題がある。
【0003】上記問題点を解決するために、一般的に低
ケン化度のPVAがしばしば用いられるが、こうした方
法では結晶性が大幅に低下し、その結果、溶出量が高く
なり、歩留まりが悪くなるばかりか乾燥後の耐水性も大
幅に低下してしまう。またPVA系樹脂にカルボキシル
基やスルホン酸基、シリル基、四級アンモニウム塩等の
カチオン性基などイオン性の官能基を導入することによ
り、溶解性を高める手法がとられているが、これらの手
法は、PVAの主鎖中に変性基が存在するため、PVA
樹脂の結晶化が著しく低下する。一般的に上記変性基は
立体的に障害となるため、PVAの結晶化を阻害し、結
果としてPVAの結晶サイズが低下することとなる。結
晶サイズが低下することで、結晶融解温度が低下し、こ
れがバインダー繊維の溶解性向上に寄与している。しか
し、こうした変性基はPVAの水素結合を著しく阻害す
るために、水への溶解性が極めて高く、その結果、バイ
ンダー使用時のPVAの溶出量が著しく、歩留まりの悪
化および排水への溶出等の問題が発生する。また、バイ
ンダーとして使用された後も耐水性が極めて低く、特に
湿潤条件でバインダー性能が著しく低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の性質をも
ったPVA系樹脂を水に対して溶解させ、該溶解ポリマ
ーを固化能を有する凝固浴中に吐出させ繊維状とし、特
定の延伸倍率にて湿延伸後、マイルドな乾燥温度条件に
て乾燥することにより、高速乾燥、低温乾燥など熱量の
小さな乾燥条件においても溶解性を示し、かつ溶出量が
少ないPVA系バインダー繊維を得ることができ、ま
た、このPVA系バインダー繊維を特定量含有している
紙あるいは不織布は優れた耐水性を有していることを見
出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、単繊
維の平均繊度が0.01〜20dtexであり、結晶融
解温度が220〜235℃で、かつ溶出量が5%以下で
あるPVA系バインダー繊維であり、繊維を構成するP
VA系樹脂が以下の1)〜3)を満足するPVA系バイ
ンダー繊維である。 1)エチレン含有量が2〜10モル%であること、 2)ケン化度が95〜99.99モル%であること、 3)重合度が300〜3000であること、また本発明
は、上記1)〜3)を満足するPVA系樹脂を水に対し
て8〜18重量%溶解させ、該溶解ポリマーに対して固
化能を有する塩類の水溶液からなる凝固浴中に吐出させ
繊維状とした後2〜5倍湿延伸を行い、温度150℃以
下の乾燥温度にて乾燥して得られる上記のPVA系バイ
ンダー繊維であり、さらに上記PVA系バインダー繊維
を全固形分に対し1〜50重量%含有し、乾裂断長(D
B)と湿裂断長(WB)の比(WB/DB)が0.09
以上である紙または不織布に関するものである。
【0006】PVA系バインダー繊維の十分な接着性
は、抄紙工程において繊維が分散した水中で膨潤し、乾
燥工程の熱により十分溶解し、乾燥しながら結晶化する
ことにより達成される。しかしながら、従来のPVA系
バインダー繊維では近年増加傾向のある高速乾燥、低温
乾燥など低熱量の乾燥条件では溶解性が不十分なため、
十分な接着性を得ることは困難である。従来の技術で
は、溶解性の向上すなわちその指標である結晶融解温度
を低下させるために、前記したように変性基導入による
結晶サイズ低下を利用したのに対し、本発明では、結晶
融解エンタルピーの低下を利用して溶解性の向上を達成
している。具体的には、共重合されたエチレンユニット
はPVA結晶中に取り込まれるため、結晶サイズの低下
は起こらない。一方、結晶中に取り込まれたエチレンユ
ニットはPVA結晶中で水素結合をとらないため、結晶
そのものの凝集力すなわち融解エンタルピーが低下す
る。そのため、より低い温度、熱量で融解するようにな
る。
【0007】本発明のPVA系バインダー繊維の膨潤、
溶解と溶出のバランスを保つためは、該繊維の結晶融解
温度が220〜235℃の範囲であることが重要であ
る。該繊維の結晶融解温度が235℃を超えると水に対
する膨潤度が低下し、バインダーとして機能しなくな
る。220℃より低くなると、膨潤度は著しく高くな
り、溶解性も向上するが、逆にPVAの溶出量も高くな
るため歩留まりが悪くなり、結果として添加量に応じた
バインダーの効果が現れずコスト高となる。より好まし
くは224〜230℃の範囲である。またPVA系バイ
ンダー繊維からのPVAの溶出量は5%以下でなければ
ならない。PVAの溶出量が5%を超えるとバインダー
の残存率が低下し、歩留まり悪化によるコストアップ、
白水(抄紙中に使用する水)への溶出による排水負荷の
上昇や、例えば紙にした場合、溶出したPVAの再付着
による紙品位の低下(紙が硬くなる)が生じる。またP
VAの溶出量が高すぎると水解性を示す場合があるよう
に、バインダーの耐水性が低下する。より好ましくは3
%以下である。
【0008】本発明で用いられるPVA系バインダー繊
維の単繊維の平均繊度は0.01〜20dtexの範囲
である。平均繊度が0.01dtexより細い場合は製
造が困難となり生産性が低下し、コストアップが問題と
なる。平均繊度が20dtex以上になると、単繊維が
太くなるため、接着性が低下するようになる。好ましく
は、0.1〜5.0dtexである。本発明の繊維はあ
らゆる形態で使用することができ、例えばカットファイ
バー、フィラメントヤーン、紡績糸等としても構わな
い。
【0009】本発明のPVA系バインダー繊維に用いら
れるPVA系樹脂としてはエチレンユニットをPVAの
主鎖に対し2〜10モル%含有したものが用いられる。
エチレンユニットが2モル%より少ないと、結晶中に取
り込まれたエチレンユニットによる水素結合の抑制効果
が発現しない。またエチレンユニットが10モル%を超
えると、水との親和性が低下し、水膨潤度の低下ならび
に主体となる繊維との接着性が低下する。好ましくは4
〜8モル%である。なお、エチレンユニットの導入方法
としてはランダム重合、ブロック共重合、グラフト共重
合等あるが、本発明を満足するものであれば、いずれの
方法でも構わない。
【0010】本発明で用いるPVA樹脂の重合度につい
ては、溶出量の面からは300以上、一方、生産性、コ
ストの面からは3000以下が好ましい。より好ましく
は800〜2000である。またPVAのケン化度につ
いては、PVAの溶出の面から95モル%以上のものが
用いられる。PVAのケン化度が95モル%よりも低い
と、バインダー使用時のPVAの溶出が著しく、歩留ま
りの悪化、および排水への溶出等の問題が発生する。ま
た、バインダーとして使用された後も耐水性が極めて低
く、特に湿潤条件でバインダー性能が著しく低下する。
より好ましくはケン化度96〜99.9モル%の範囲で
ある。
【0011】本発明のPVA系バインダー繊維は、上記
したPVA系樹脂を水に対して8〜18重量%溶解さ
せ、該ポリマーに対して固化能を有する塩類の水溶液か
らなる凝固浴中に吐出させ繊維状とした後、2〜5倍湿
延伸を行い、130℃以下の乾燥温度にてマイルドに乾
燥することにより得られる。水に溶解するPVA樹脂の
濃度が8重量%より低い場合、ノズルから凝固浴中へ押
し出した際、固化が遅くなり、単繊維同士が膠着して、
分散性が悪化し、生産性の低下によるコストアップにも
なる。一方、水に溶解するPVA系樹脂の濃度が18重
量%より高い場合、PVAポリマーが溶解した溶液の粘
度が高くなり、紡糸が不可能となる。好ましくは10〜
16重量%である。
【0012】固化能を有する塩類の水溶液としては、硫
酸ナトリウム(芒硝)、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム等が挙げられる。上記した固化能を有する塩類の水
溶液からなる凝固浴中に吐出させ繊維状とした後に湿延
伸を行うが、湿延伸倍率が2倍より小さいと正常な紡糸
ができず、また一方、湿延伸倍率が5倍を超える延伸を
行うとPVA分子の配向が著しく進行するため結晶融解
温度が上昇し、得られた繊維は水に対する膨潤度が低下
し、バインダーとして機能しなくなる。
【0013】上記湿延伸後の乾燥温度については、結晶
化抑制の観点から150℃以下で行うのが望ましい。乾
燥温度が150℃より高い場合、結晶化が著しく促進さ
れて結晶融解温度が上昇するばかりか、繊維の表面と中
央部との温度差が大きく、熱処理斑が発生し、溶解斑の
原因となる。従って適切な乾燥温度としては150℃以
下、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃
以下100℃以上である。
【0014】上記の製造方法にて得られたPVA系バイ
ンダー繊維を用いて紙または不織布を製造するが、紙ま
たは不織布中の該PVA系バインダー繊維は全固形分に
対して1〜50重量%含んでいることが望ましい。紙ま
たは不織布中の該PVA系バインダー繊維の含有量が1
重量%よりも少ないと、繊維の構成本数が少ないためバ
インダーとして機能せず、したがって接着性が発現しな
くなる。一方、紙または不織布中の該PVA系バインダ
ー繊維の含有量が50重量%より多いと、バインダーが
主体となるため、バインダーの収縮による紙または不織
布の表面平滑性の低下や、硬くなる等の品位の低下を招
く恐れがある。好ましくは5〜40重量%、より好まし
くは10〜30重量%である。
【0015】本発明のPVA系バインダー繊維を用いて
製造される紙または不織布の耐水性は、紙力測定におけ
る湿裂断長(WB)と乾裂断長(DB)の比、WB/D
Bで表される。本発明で得られる紙または不織布のWB
/DBは0.09以上である。WB/DBが0.09よ
り低いと紙または不織布は耐水性が低く、品質のばらつ
きが発生しやすくなる。また高温、高湿度下で使用する
場合、品質の低下を招きやすくなる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれら実施例により限定されるものではない。なお
本発明において、PVA樹脂の重合度、PVAバインダ
ー繊維の結晶融解温度、PVA溶出量および本発明のP
VAバインダー繊維を混合して得られた紙の湿裂断長W
B、乾裂断長DBは以下の測定方法により測定されたも
のを意味する。
【0017】[PVAの重合度]PVA系ポリマーを1
〜10g/lの濃度になるように熱水で溶解して得られ
た溶液の比粘度ηspをJISK6726に準拠して3
0℃で測定し、下記(1)式より極限粘度[η]を求
め、さらに(2)式より重合度Pを算出した。 [η]=lim(c→0)ηsp/c …(1) P=([η]×10/8.29)1.613 …(2)
【0018】[PVAバインダー繊維の結晶融解温度]
サンプルを約10mg精秤し、アルミニウムパンに入れ
シールした後、示差走査熱量測定器(パーキンエルマー
社製、型式DSC−7)を用い、窒素気流下にて、昇温
速度10℃/分、温度範囲40〜300℃で測定し、吸
熱のピークトップをもって結晶融解温度とした。
【0019】[PVAバインダー繊維からのPVA溶出
量]繊維中のPVA樹脂純分が1gとなるように換算量
を秤量したのち、30℃の水100ml中に浸漬し、液
温を30℃に保ったまま16時間静置する。静置後、未
溶解部分を除去した上澄み50mlを採取し、水蒸気浴
上で蒸発乾固したのち、105℃の乾燥機中で4時間乾
燥させ、乾燥後乾燥残分a(g)を計量する。この乾燥
残分にはPVAと硫酸ナトリウム等の無機分が含まれる
ため、さらに500〜800℃でPVA成分が完全に無
くなるまで焼成する。焼成後、残分b(g)を測定し、
下記の式から溶出量を求めた。 溶出量(%)=(a−b)×200
【0020】[湿裂断長WB、乾裂断長DB]下記の実
施例1〜3、比較例1〜4の繊維を3mmにカットした
ものを10重量部、株式会社クラレ製PVA繊維「VP
B103×5」(単繊維繊度1.2dtex、繊維長5
mm)を90重量部混合して均一に混合攪拌してスラリ
ーを調整した。かかるスラリーを用いてTAPPI式抄
紙機に供給して抄造した後乾燥温度90℃のドラム式エ
アードライヤーを用いて乾燥し、秤量40g/mの紙
を製造した。紙の乾裂断長DBは、23℃×50%RH
室内で24時間調湿した後、幅15mm、長さ170m
mの試料を把持長さ100mm、引張速度50mm/分
で測定した強力DS(N)と試料の秤量W(g/m
より下記式にて求めた。 DB(乾裂断長)=DS/(15×W)×1000(N
・m/g) また、湿裂断長WBは20℃の水中で24時間吸水させ
た後、幅15mm、長さ170mmの試料を把持長さ1
00mm、引張速度50mm/分で測定した強力WS
(N)と試料の秤量W(g/m)より下記式にて求め
た。 WB(乾裂断長)=WS/(15×W)×1000(N
・m/g)
【0021】[実施例1]平均重合度1500、ケン化
度99.6モル%、エチレン含有量5モル%のPVA樹
脂14重量%水溶液からなる紡糸原液を孔径60μm、
孔数4000の紡糸口金より飽和硫酸ナトリウムからな
る凝固浴中に吐出させ、第1ローラーで捲き取った後、
4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃で10
分間乾燥させ、繊度1.5dtexのPVA繊維を得
た。結果を表1に示す。
【0022】[実施例2]平均重合度1500、ケン化
度98.0モル%、エチレン含有量5モル%のPVA樹
脂14重量%水溶液からなる紡糸原液を孔径60μm、
孔数4000の紡糸口金より飽和硫酸ナトリウムからな
る凝固浴中に吐出させ、第1ローラーで捲き取った後、
4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃で10
分間乾燥させ、繊度1.5dtexのPVA繊維を得
た。結果を表1に示す。
【0023】[実施例3]平均重合度1200、ケン化
度99.0モル%、エチレン含有量8モル%のPVA樹
脂14重量%水溶液からなる紡糸原液を孔径60μm、
孔数4000の紡糸口金より飽和硫酸ナトリウムからな
る凝固浴中に吐出させ、第1ローラーで捲き取った後、
4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃で10
分間乾燥させ、繊度1.5dtexのPVA繊維を得
た。結果を表1に示す。
【0024】[比較例1]平均重合度1700、ケン化
度99.8モル%のPVA樹脂14重量%水溶液からな
る紡糸原液を孔径60μm、孔数4000の紡糸口金よ
り飽和硫酸ナトリウムからなる凝固浴中に吐出させ、第
1ローラーで捲き取った後、4倍の湿延伸を行い、定長
乾燥機中にて120℃で10分間乾燥させ、繊度1.5
dtexのPVA繊維を得た。結果を表1に示す。
【0025】[比較例2]平均重合度1700、ケン化
度98.2モル%のPVA樹脂14重量%水溶液からな
る紡糸原液を孔径60μm、孔数4000の紡糸口金よ
り飽和硫酸ナトリウムからなる凝固浴中に吐出させ、第
1ローラーで捲き取った後、4倍の湿延伸を行い、定長
乾燥機中にて120℃で10分間乾燥させ、繊度1.5
dtexのPVA繊維を得た。結果を表1に示す。
【0026】[比較例3]平均重合度1700、ケン化
度96.0モル%のPVA樹脂14重量%水溶液からな
る紡糸原液を孔径60μm、孔数4000の紡糸口金よ
り飽和硫酸ナトリウムからなる凝固浴中に吐出させ、第
1ローラーで捲き取った後、4倍の湿延伸を行い、定長
乾燥機中にて120℃で10分間乾燥させ、繊度1.5
dtexのPVA繊維を得た。結果を表1に示す。
【0027】[比較例4]平均重合度1500、ケン化
度98.0モル%のPVA樹脂14重量%ジメチルスル
ホキシド(DMSO)溶液からなる紡糸原液を孔径70
μm、孔数4000ホールの紡糸口金よりメタノールと
DMSOの重量比がメタノール:DMSO=9:1から
なる凝固浴中に吐出させ、第1ローラーで捲き取った
後、4倍の湿延伸を行い、定長乾燥機中にて120℃で
10分間乾燥させ、繊度1.4dtexのPVA繊維を
得た。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明では、重合度300〜3000、
エチレン含有量2〜10モル%、ケン化度95〜99.
99モル%であるPVA系樹脂を水に対して8〜18重
量%溶解させ、該溶解ポリマーに対して固化能を有する
塩類の水溶液からなる凝固浴中に吐出させ繊維状とした
後、2〜5倍の湿延伸を行い、150℃以下の乾燥温度
にてマイルドに乾燥することにより、高速乾燥、低温乾
燥等の低熱量の乾燥条件においても、高い溶解性を示
し、かつPVAの溶出量の少ないPVA系バインダー繊
維を得ることが可能となった。また該PVA系バインダ
ー繊維を用いた紙または不織布は、優れた耐水性を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB03 BB06 BB16 BB72 EE01 FF05 FF06 HH10 4L047 AA16 AA28 AB02 AB07 AB10 BA09 BB03 CB01 CB10 4L055 AF21 EA04 EA16 EA19 EA20 FA13 FA19 FA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維の平均繊度が0.01〜20dt
    exであり、結晶融解温度が220〜235℃で、かつ
    溶出量が5%以下であるポリビニルアルコール系バイン
    ダー繊維。
  2. 【請求項2】 繊維を構成するポリビニルアルコール系
    樹脂が以下の1)〜3)を満足する請求項1に記載のポ
    リビニルアルコール系バインダー繊維。 1)エチレン含有量が2〜10モル%であること、 2)ケン化度が95〜99.99モル%であること、 3)重合度が300〜3000であること、
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された1)〜3)の条件
    を満足するポリビニルアルコール系樹脂を水に対して8
    〜18重量%溶解させ、該溶解ポリマーに対して固化能
    を有する塩類の水溶液からなる凝固浴中に吐出させ繊維
    状とした後2〜5倍湿延伸を行い、150℃以下の乾燥
    温度にて乾燥して得られるポリビニルアルコール系バイ
    ンダー繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のポリビニルア
    ルコール系バインダー繊維を全固形分に対し1〜50重
    量%含有し、湿裂断長(WB)と乾裂断長(DB)の比
    (WB/DB)が0.09以上である紙または不織布。
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